大沢在昌・京極夏彦・宮部みゆき公式ホームページ『大極宮』
大極宮公式ホームページ
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取材諸々。
12/5/24
先日、京極宅(ソフト館)に中国の出版社の方々が取材にお見えになりました。
百鬼夜行シリーズは、中国でも人気があるそうです。
中国の京極ファンの皆様ありがとうございます。
お土産もいただきました。
うさぎの置物?
とても綺麗な赤。
今年は厨子王と一緒に全国各地をまわる予定です。
その告知はまた後日(オーツカ・ハル)。
◎無題◎
12/5/14
連番。
◎新人◎
石神茉莉さんの小説からあふれ出た三隣亡なお店の仲介で、是空さん作になる仔猫又のたまさんが書斎にいらっしゃることに。
善き場所に鎮座していただきました。
◎舞台◎
12/5/11
その昔、『狂骨の夢』という作品を書きました。
現在、「コミック怪」(角川書店)で、志水アキさんが漫画化してくれております。が、正直いってビジュアル化の難易度はかなり高い作品であります。実現するしないは別にして、映像化のオファーがまったくなかった唯一の作品でもあります。それが、舞台になりました。
お話をいただいた時は、あらら大丈夫かしら、と思いましたが、いや大丈夫だろうと思い直し、すぐにOKいたしました。
10年前に『魍魎の匣』の舞台化を実現してくださったみなさんだったからです。
というわけで、千秋楽に志水さんや講談社・角川の担当さん、執筆当時の担当唐木さんなんかと、観劇。
「この手があったか」という、まさに舞台でないとできない演出。中禅寺役の荻須さんも、魍魎の時とまるでお変わりなくて、長い長いセリフをこなしてくださいました。
◎硝子◎
松徳硝子さんが進めている「本所七不思議怪談ぐい呑み」プロジェクトもいよいよ大詰め。監修者である東雅夫さんと、松徳硝子の齋藤さんとともに、「Goods Press」(徳間書店)さんの取材を受けました。
僕は題字と、シークレットグラスのひとつの絵柄を担当させていただいたわけですが。自分の担当分は検品なんかをしたわけですが、全貌を目の当たりにしたのははじめて。
これは、まあ職人のワザですなあ。
参加された作家さんたちも豪華かつ個性的。七不思議ですから基本は七つ。ただ本所七不思議には異説もありまして、それを入れると九つになります。単品売りは七種類ですが、セットでお買い求めいただく場合は九種セットになるという仕掛け。いずれも桐箱入りで、お好きな方はかなり欲しくなりますなあ、見てしまうと。セットは特製風呂敷にくるまれております。
七不思議は、怪談と妖怪の狭間にあります。全日本妖怪推進委員会的にもお勧め。
◎百物語◎
何だかわかりませんが、男ばっかり。
前回は「女ばっかり」で行ったわけでありますが、その時は「見届け人」として参加しろという命が下りました。その時も「いずれは男だけで」なんて東編集長やら編集Rが言っていたわけですが、冗談だと思っておりました。先月やるという話を聞き、まだ冗談だと思っておりました。そしたらホントでした。また立ち会えというので、「見届け人」として行ってまいりました。いったいどういう役割なのかよくわかりません。
それでも来いというので行ってみました。ばったり逢ったライターの朝宮運河君と指定の集合場所に行きますと、弛緩した編集Rが。そこでは、まず黒史郎、松村進吉、黒木あるじのFKB三人衆に、関西から怪談社のお二人、そして沖縄怪談の小原猛さんによります「ふるさと怪談座談会」が行われたわけであります。これが、結構おもしろかったです。次号の「幽」に載りますのでお楽しみに。
で、座談会を拝聴後、参加者の朱雀門出さんと一足先に会場へと向かったわけですが、少しばかりわかりにくい会場入り口の前にたたずむ怪しい人が。不安そうにドアを見詰めております。
何だろう怪しい感じだなあと思っていたらば(まあ僕らも十二分に怪しいのですが)、それが新鋭・小島水青さんでした。入りにくかったのね。
中にはすでに安曇純平さんがいらっしゃっていて、「良い場所とっていいですか」なんておっしゃっておりまして。やがて座談会組が到着。おやおや水沫流人さんが来ないぞ大丈夫かなあなどと思っておりましたらば、ちょいと遅れて華麗に登場。そんなこんなで、天野行雄作・百物語マシンが稼働しまして、始まり始まり。
まあ、ネタも語り口もどうしてこんなに違うんだろうという、おもしろい会でありました。会主である東編集長が幻妖ブックブログで記されておりますので、そちらを参照ください。
◎講演◎
12/5/02
京都精華大学に行ってまいりました。
堤邦彦教授から人文学部主催の特別公開講座で何か話して欲しいと依頼されまして。
お引き受けしたところ「怪異(あやかし)はいかにして創られるのか ―怪異と文芸のはざま―」という難しいお題をいただきました。
ちょうどオープンキャンパスの日でありまして、祝日だというのに学内には若人がいっぱい。会場もいっぱいでした。
はたして実のある話ができたかどうか、自分では甚だ疑わしいと思うわけですが、みなさんそれは真面目に聴講してくださいまして、汗顔の至りであります。
いただいた質問もバラエティ豊かな内容で、みっしり感はありました。
聴講してくださったみなさん、忙しく働いてくださったスタッフのみなさん、ありがとうございました。
終了後、大江篤さん、榎村寛之さん、化野燐さんら東アジア恠異学会のみなさんと久し振りに歓談。
話すたびにいろいろ発見があります。
どうしても終わらない東京ガべージコレクション。
どうしても止まらない平山夢明。
今回のゲストは『おやじがき』(講談社文庫)、『飼い喰い 三匹の豚と私』(岩波書店)の著者、イラストルポライターの内澤旬子さん。
内澤さんは以前、トークイベントのゲストに平山さんをうっかり呼んでしまい、それはもう恐ろしい体験をしてしまったという忌まわしい過去をお持ちでありまして、相当警戒されておられましたよははははは。
無理もありません。直前にその事実を知り、激しく胸を痛めた次第でありますが、とりあえず何とかなったような気がします。「豚の夢明」の話などを伺うことができました。
『飼い喰い』を読むと、人以外のものとの付き合い方がちょっと変わるかもしれません。
もうおひとかた、東えりかさんのコーナーに絵本『明日もいっしょにおきようね』(草思社) の著者、穴澤賢さんもおいでくださいました。デカい顔の猫、でかおのものがたり。
こちらも、ペットとの関係について、いろいろと考えされてくれる一冊であります。
◎試み二題◎
12/4/25
いろいろと変えて行かなくてはいけないことは多く、でも変えるためには考えなくてはいけなくて、考えると問題はたくさん見つかり、問題は解決しなければいけないのだけれど、解決するためにはやらなくてはいけないことが多々あり、やらなくてはいけないことをやるためには変えなくてはいけないことがあって、元に戻っちゃうということが身の回りに多い気がする昨今でありますが。
まあ舌足らずでも寸足らずでも困らないならやってみた方がいいだろうと考えます。
そんなわけで、もうずっと前から考えたり話し合ったりしておりました、これ↓が、やっとこスタートしました。
プロジェクト・アマテラス
はたしてどうなるのか、まったく未知数ですが、全面的に協力するということに。
ちょっとわかりにくいかもしれませんが、そういうモヤモヤがわかるようにしようという試みでもありますので、おいおいおわかりいただけるように努力致します、はい。
で。
まったく↑とは関係ない企画なのですが、こちらも新しい試みであります。
サウンドアトラクション『逢魔の闇』であります。
臨場感のある声と音だけのアトラクションでありまして、出されたお題は「十分以内に憑き物落しをすること」。
は? 誰から? 何を? どうやって? という話なのでありますが、「お客様から、何かを」という明快な回答が。
そんなわけで、あの男に出張っていただきました。
あの男の声は、なんと石田彰さん。か、カヲルくん......。
少し前ですが、収録に立ち会わせていただきました。これ、中央にダミーヘッドがありまして、それがマイク。声優さんはその周りで移動しながら演技されるわけです。耳許で囁く場合は耳許に行って囁くんですね。アフレコと違って映像もありませんし、かなり変則的な収録でありました。しかし、さすがは石田さん。スタッフよりはやく状況を呑み込んでむしろ仕切っていらっしゃいました。
共演は種田梨沙さん。
イメージイラストはご存じ志水アキさんであります。
こちらは(設備の整った)各地の施設で順次行われるようですので、期間や会場が決定し次第、おしらせいたします。
◎ギャラリー二題◎
12/4/23
まず洋風。
石神茉莉さんの小説が具現化した『三隣亡』にお邪魔してまいりました。
件やら人魚やらガラスの蟻やら目玉ビーズやらホムンクルスやら豆本やらが売られておりました。革細工やモノクロ写真もステキ。
喫茶でいただいたココアも美味しかったです。
「玩具店『三隣亡』へようこそ」展は5月1日まで。ぜひ画廊・珈琲Zaroffに足をお運びください。
で、和風。
お化けな人達のお化けな展示「諸国お化け物産展」その弐のにも顔を出してまいりました。
本来は22日が最終日だったのですが、好評につき延長だそうで、一日お休みをいただいて、まだしばらくは展示される模様です。
初日にも顔を出したのですが、東雲騎人くんの掛け軸が掛け変わっていたり(売れたわけですね)、びこたんポチ袋が増えていたり(大人気売り切れ御免)、渡辺亮さんの不思議なオブジェが追加されていたり(村上健司推薦)、内容が細かく変わっておりました。こなきじじいの故郷、山城大歩危妖怪村さんのお茶なんかは、そのへんではなかなか売ってませんので、この機会にぜひ。
怪談絵本、妖怪絵本もあります。お子様にも大人気の村上健司/宇田川新聞/天野行雄トリオの傑作『妖怪穴』(毎日新聞社)の、のぞきからくり展示もあります。
みんなで妖怪の穴に落ちましょう。
まだ行ってないわというお化け好き、もう一度行きたいわというお化け馬鹿なみなさんは、ART GALLEY kagurazakaへ足をお運びください。
妖KASHI座/grande chalet 番外公演 『狂骨の夢』
12/4/18
チラシをいただきました。
公演日が迫っております。
まだ席に余裕があるそうですよ。
我々スタッフも楽しみにしております。
詳細は下記サイトをご確認ください。
妖KASHI座/grande chalet 番外公演 『狂骨の夢』
※イープラスでの申し込みは、4月21日18時まで となっております。
お早目に。
(オーツカ・ハル)
◎お祝い二題◎
12/4/16
夢枕獏さんの吉川英治文学賞受賞のお祝いに顔を出してまいりました。
獏さんのパーティは、格闘家の方や落語家さん、釣り関係の方など、それはもうジャンル無用のジャングルでありまして、作家さんもSFやミステリ関係にとどまらず、多彩な顔ぶれがお揃いになるのであります。かく言うぼくは妖怪関係でありまして、まあ陰陽師に祓われる役割じゃあと馳せ参じた次第。
獏さんはいつも笑顔なのですが、ことさらにその笑顔が輝いておりまして、なんとも和やかな気分になるのであります。
春風亭昇太さん、柳家喬太郎さんにも久し振りにお会い出来ました。久し振りといえば、とり・みきさんと何年かぶりでお話ができて、微妙に舞い上がってしまってお恥ずかしい。
瀬名秀明さんにもご挨拶ができました。
獏さんの「釣ったぞー」の破顔スライドも良かったですが、最後のご本人による「詩の朗読」で癒されましたです。
おめでとうございます。
三津田信三さんの結婚披露パーティにお邪魔いたしました。
実は三津田さんとは、三津田さんが作家デビューする前からのお付き合い(というかむしろデビューされた後はお互いに忙しくてあんまり会ってないわけですが)。
いやいや、素敵な伴侶と巡り合われて、めでたいことこの上ない。
会場にはミステリ・ホラー・怪談・幻想系の大御所がずらり。菊地秀行さんや仁賀克雄さん、志村有弘さん、島村菜津さん、二階堂黎人さん、歌野晶午さん、イラストレーター楢喜八さんと同じテーブルで、妙に緊張いたしました。そんな中で挨拶を振られて恐縮することしきり。別のテーブルにいた福澤徹三さんは相変わらず怖かったですが。というか、何故か結婚式でよく会うな福沢さん。
司会は杉江松恋さんでした。
いつまでもお幸せに。
◎取って出し◎
12/4/10
この間のガべージコレクション、まさに取って出しでした。エイプリルフールの回。仕事が速いというか進行がギリギリというか、いいのか悪いのか。
とか思っていたらば、この間収録したテレビ「宮崎美子のすずらん本屋堂」は、取った日に放映。というか、時間きっちりに撮影してるし、CGパートもテロップもそのまま入ってるので(CGキャラのすずらんさんもその場で喋ります)、ほぼ完パケで撮影できるんでしょうけども、何だかナマ放送より緊張感がありますね。NGとか出すとやり直しになるのかしら。ナマならもう後戻りはできないわけですが。しかも、放送第一回目だったので、収録前はみなさん微妙に緊張していらっしゃいました。幸い、コメンテーターの山田真哉さんは「ベストセラーブックTV」の「豆腐小僧」の回でご一緒させていただいておりましたし、同じくコメンテーターの読売新聞の多葉田聡さんは「ルー=ガルー」の取材をしていただいた方でありまして、初対面は宮崎さんだけ。時間の関係で質問は予定の半分くらいしかされませんでしたが、本番はなごやかに収録できたかなと思います。
当日はあの大風の日。収録は風が吹き始める直前に終了したので事無きを得ましたが、僕の収録終了後には第二回の収録があったわけで。
そちらのゲストは林真理子さん。林さん大丈夫だったのかしら。
◎記者会見◎
12/4/02
いちおう、小説家、あるいは全日本妖怪推進委員会としての活動に「あてはまらないものごと」につきましては、「基本的に公表しない」というポリシーを持っております。このたびの震災に関するもろもろも、ほとんどが個人的な行動でありまして、上記の活動には「あてはまらない」と考えましたので、一切ご報告はしておりません――と、いうようなことは、いくつかの場所で申し上げておりました。
ところが、今回は突然の記者会見という運びになりました。どうであれ、形としては「個人的寄付」の域を出るものではないわけで、どうなってるんだとお思いの方もいらっしゃったかもしれません。
記者会見を開くにに到った理由はいくつかあります。
実は、この「被災地文化財レスキュー」に協力させていただきたいという意思表示をいたしましたのは、昨年五月のことでありました。ただ、その段階では、まだまだ優先されるべき事柄が山積みでありました(それは一年経った今でもそう変わりはないのですが......)。何であれ、命に関わること、生活に関わることが最優先されるべきであることは明らかでありました。
加えて、何よりもレスキューすべき文化財自体の実態把握が出来ていない状況でもあったわけです。
可及的速やかに着手しなければ、刻一刻と取り返しのつかない状況になってしまうものなのだけれども、同時に長いスパンで取り組まなければ達成できない性質のものでもあったわけです。
そこで、他のこととは切り離して、この案件については「細く長く」協力出来る仕組みは作れないものかと考えました。結果的には個人的な寄付と変わりのないスタイルにせざるを得なかったわけですが、その経過においては、講談社をはじめ様々な人の協力をいただくかっこうになってしまいました。そのため、個人的な活動の枠を少しばかり超えてしまったわけです。そういう事情があったために「ファンド」なんですね。
もうひとつ、公益財団法人文化財保護・芸術研究助成団体の活動を知っていただきたかったという思いもありました。
と、いうわけで、財団の理事長である宮田亮平さん(東京藝術大学学長)とともに、記者会見に出席させていただきました。
詳しくはこちらを。
「電子」が生んだお金を「紙」の救援に! 「京極ファンド」設立
こういう会見は苦手であります......。
会見前に、宮田理事長の作品であるドラを鳴らさせていただきました。
◎ラヂオ◎
どういうわけかまたまた改編期を乗り越えてしまった呪いのラジオ「平山夢明の東京ガべージコレクション」。
いったいいつまで続くのでしょう。
そんなわけで今期の収録最初のゲストは、伝説の編集者(そんな風にいわれると「生きてないみたいじゃない」とおっしゃってましたが)、末井昭さんと、カメラマンの谷口雅彦さん。
末井さんにはあの『写真時代』の蔵出しエピソードや『パチンコ必勝ガイド』誕生のいきさつなどをお伺いしました。
そして谷口さんとタッグを組んだ最新のお仕事、『沈黙と饒舌と~原発のある町』(白夜書房)についても、あれやこれやとお聞きいたしました。「脱」でも「反」でも、もちろん「推進」でもない、「原発」と暮らす町の簡単には言葉にできない「今」を、物言わぬ写真が饒舌に語ってくれるという、まさにタイトル通りの一冊であります。ご興味のある方はぜひ書店に足をお運びください。