大沢在昌・京極夏彦・宮部みゆき公式ホームページ『大極宮』
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週刊大極宮
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- 第521号 -
2011/12/09
燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー
外出続き
暮れにきてバタバタと出かける用事がありました。丸谷才一さんの文化勲章をお祝いする会というのに呼ばれていってきましたが、会場はなにせ長老ばかりでオイラなどはまだまだ青二才という感じでした。編集者はたくさんいるのですがどちらかというと文学系の編集者でオイラたちエンタメ系の編集者は少なく、その中で見つけたメンバーなどと食事をして飲んだのでした。
そして毎年恒例の12月第一金曜日におこなわれる文藝春秋の忘年会。ここもまた年に一度という懐かしい顔にあい、夜は飲みにでたのでした。
いよいよ残り3週間となってきて年末年始の書きだめに追われておりますが、予定では週刊誌と月刊誌の連載が12月いっぱいないしは1月頭には終わりそうなので、来年の2月、3月は少しのんびりできるかなという気がしております。とはいえまた落ちついたら新連載のことなども考えなければならないのですが、来年の1月の頭時点で本になっていない原稿が4冊分もあります。これが来年以降順次発売されていくわけですが、ちょっと貯金をしているようなお得な気分であったりします。そうはいってもすぐにそんなものはなくなってしまうのでしょうが、という今日このごろです。
厨子王の逆襲 〜 京極夏彦のコーナー
◎ふるさと怪談◎
ご存じ東雅夫幽編集長プロデュースの「ふるさと怪談」が東京で開催されました。
出演は東さんの他、赤坂憲雄さん、土方正志荒蝦夷代表、舞踏家の森繁哉さん、そして黒木あるじくん、長島槇子さん、勝山海百合さん、伊藤三巳華さん、宍戸レイさんという幽関係作家の面々。
それに加えて、田辺青蛙さんや朱雀門出さん、平金魚さんほか、大勢がお手伝いに馳せ参じてくださいまして、物販や会場整備などをしているという、何となくもったいない感じのイベントでした。
僕は、東さんの司会で赤坂さん、土方さん、黒木くんとトークライブすることになっておりまして。黒木くんは、まあ黒木くんなので大体いいように思うのですが、意外なことに赤坂先生とは初対面。さて打ち合わせでもするのかしらと思ったら、その辺は別にナシでいいでしょと東さんに言われてしまいましたあっはっは。妖怪会議ではいつもしませんでした打ち合わせ。というか、過去のことは別には関係ないように思いますが。
で、定刻開始。
東さんの主旨説明がありまして、黒木くん製作の映像が流されまして、その後トークライブという運びであります。トークライブが始まる前にウインドウズの終了音がひと際大きく会場に流れたのが印象的でしたよオペレーターの黒木くん。
で、自分のことはともかくとして、それぞれ違う立場から、「ふるさと」と「怪談」についてのお話をうかがうことができて、大変勉強になりました。怪談であれ妖怪であれ、「そこでいま生きていること」こそが、大切なんだと思い知った次第。
第二部は舞踏家の森さんが僕の朗読にあわせて舞うという初の試み。
森さんは白塗りで薪を背中に仕込み、白装束に足袋、女物の着物を羽織るという異形のスタイル。で、こちらも……。
打ち合わせナシ。
出のきっかけを決めただけ。あとは即興です。ぶっつけ本番です。真剣勝負的な空気感でした。もう、のっけから掟破りです。決めたきっかけ無視でピアノの上に乗ってました森さん。
演目は「遠野物語より・抜粋」。
寸劇ではなく、あくまで舞踏ですから、言葉の意味を汲んで説明するようなことをしてはいけないのでしょう。
まあ、僕は読んでいるので一切見えないわけですが。森さん、もう人じゃなくて、「山」になってました。
なんだか、山のようなものがうごめいている気配だけを受け止めて、呑まれないように読むしかない感じといいますか。まあ、森さんは山伏でもあるので、山というものをよく知っていらっしゃるわけです。
コラボというよりセッションに近いかもしれません。またやりたいです。
その後、「幽」関係の女性陣四人による女達の怪談「四」物語。それぞれまるで違うキャラ(しかも際立ったキャラであります)の四人ですから、語り口もまるで違っていて、怪談というものの懐の深さを感じさせていただきました。おもしろかったです。
参加していただいた皆様、募金や物販にご協力いただいたみなさま、ありがとうございました。
募金額の詳細などは、集計が済み次第、事務局のほうから報告されるかと。
そんなわけで、年末ですね。早いですねえええ。
編集者Sのウラ情報
来年もたくさん……
「ダ・ヴィンチ」1月号を読まれた方はご存知のことでしょうが、各出版社が来年の隠し玉として新刊情報を出しています。3人の作品もその中に入れていただいております。
大夫が鮫の短編集「鮫島の貌」、厨子王が百鬼夜行シリーズ新刊「百鬼夜行‐陽」。これは文藝春秋への移籍第一弾ですね。安寿が小説新潮に10年にわたって連載していた「ソロモンの偽証」と小説すばる連載「ここはボツコニアン」。
もちろん紹介した作品以外にも新刊の予定はありますし、ノベルス化、文庫化も待っています。お財布と相談のうえよろしくお願いします。
ノリノリ編集後記
ふるさと怪談
トークライブに行ってきました。構成の中に京極さんの朗読があったのですが、予備知識ナシだったものですから驚きましたよ。舞踏家の森さんとのコラボ。朗読と踊り(動き)…どちらも強く出すぎず、絶妙のバランスでした。いい緊張感があり、そこから恐怖も生まれてきます。会場の大きさもちょうどよかったのかもしれません。この演目…リハーサルなし、打ち合わせもほとんどなしでぶっつけ本番だったそうで…すごい。リーディングカンパニーでも観たい気がしました。
そのリーディングカンパニー、来年の公演日程がほぼ決まりました。会場も含めて近いうちにお知らせできると思います。こちらもよろしくお願いいたします。
(先週末中山で出資馬出走もしんがり負け。占い信じて大赤字…ノリ)
アンケートから
朗読CD
◆いつも楽しく拝見させてもらってます!
今日、宮部先生の「チヨ子」のライブCDが届きました!
10月に「お文の影」のCDが当たったのに!
ちょーラッキーです! 角川さんと光文社さんに感謝・感謝です。
あー 来年は生のレインボーボイス・拝聴したいです! (北の国より、はせ参じたいですよ~)
・CDご当選おめでとうございます。
是非、生の朗読会にも!
お待ちしております!