週刊大極宮

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- 第493号 -

2011/5/20

HEADLINE RUMORS 〜 風のウワサ

東京ガベージコレクション

 ゲストにとうとうあの方が…。まだ内緒らしい。

燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー

お葬式

 今週の月曜日、講談社前社長の野間佐和子さんのお別れの会があったので会場の帝国ホテルに行ってまいりました。
 前社長は専業主婦であったとき、5代目社長だった御主人の急逝を受けて急きょ社長になられたのですが、ひじょうにおっとりとしていながら決断力を感じる経営をなされていました。
 個人的な思い出としては…歌舞伎座で偶然お会いしたときのことがあります。
 オイラはそのときたまたまある歌舞伎俳優さんに招待されていたのですが、地下の食堂で不意に上品な御婦人から「大沢さん」と声をかけられたのです。
 一瞬誰だかわかりませんでしたが、すぐに「あっ、講談社の社長さんだ」と気付きました。
 考えてみると…中高年の女性に歌舞伎好きは多く、その方たちが観劇に来られているなかでは、むしろオイラがそこに居る方がミスマッチな感じで、社長は驚かれたんじゃないのかと思います。

 そして…児玉清さんも亡くなられてしまいました。
 児玉さんとはNHKの「週刊ブックレビュー」で何度か御一緒させていただいており、北海道の札幌で他の作家も交えて一晩楽しくお酒を飲んだこともあっただけにとても残念です。
 とにかく面白い小説がお好きで、オイラのような作家にもファンのように興奮し、ひとつひとつキャラクターのことをいつもこちらが恐縮してしまうぐらい話してくださいました。
 端正で上品でその人柄は俳優さんというよりは大学の先生という感じで…また、お酒を飲んでもけっして崩れない…そういうところにも敬意を持っていただけに残念です。
 今日、金曜日がお通夜なので行ってまいります。

 御二方の御冥福をお祈りいたします。

安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー

ゲーム女の生きる道

 今週もお休みさせていただきます。

arrow 厨子王の逆襲 〜 京極夏彦のコーナー

◎乱歩の日◎

 本年から江戸川乱歩賞の選考委員を拝命いたしました。
 先日選考会が行われまして、目まいがするほど熟考し、熱が出そうなほど議論を重ね、二作受賞に落ち着きました。東野理事長による会見が行われましたのでご存知の方も多いかと思いますが、お二方とも女性という結果になりました(選考の時点では応募者の個人情報は可能な限り伏せられています。純粋に作品だけを選考の対象にするためです)。乱歩賞受賞者(応募者というべきでしょうか)は圧倒的に男性が多かったので、決定後、選考委員一同から驚きの声が上がりました。

◎豆腐の日◎

 江戸東京博物館にうちの小僧がお世話になっているので、一度様子を見に来てほしいといわれておりまして、予定を調整して覗きに行ってまいりました。いました小僧。で、せっかくなので五百羅漢展を観覧。いや、見ごたえのある展示でございました。興味のある方はぜひ。圧倒されます。

◎豆腐の日2◎

  しばらく止まっておりましたお化け大学校の定例講義が行われました。

定例講義です

 お相手は兵庫県立歴史博物館の香川雅信さん。お題は「豆腐小僧を大いに語る」。急に開催が決まったので告知期間も短かく、しかも平日の夜だというにもかかわらず、聴講席は満席。ありがたいことです。小僧に関するもろもろを語り倒すという企画でございましたが、打ち合せ時点から既に小僧話に花が咲き、本番終了後も語り続けてしまったというありさま。そんなですから時間外に新事実や新しい仮説などももりもりと涌いて来たりしたわけですが、講義は時間制限があるもので、すべてを語り尽くせなかった感もございます。それらはまた別の機会に。ご登壇戴いた香川さん、聴講してくださいましたみなさん、ありがとうございました。

講義中です

ありがとうございました

◎稗田の日◎

 次号の『幽』は小野不由美さんの『ゴーストハント』特集。で、東編集長が何か思いついたらしく、協力を打診されたわけですが。「京極堂は憑物落としですね」「はあ」「黒い服きてますね」「へえ」「妖怪ハンターの考古学者がいますね」「ほう」「あちらも黒い探究者ですね」「ひい」強引なんじゃないかなあとは思いましたが、いいんです。
 ファンですから、私。

ファンですから、私

 そんなわけで諸星大二郎さんと対談をばさせていただきました。対談というより、単に熱心なファンが熱い想いを語っただけという気もしますがすいません。思わず小学生の頃に作った「諸星大二郎作品集」(雑誌をバラして諸星作品の頁だけを製本しなおしたもの)を持参したのですが、終了後にサインをしていただけることに。こんなことになると思っていたか小学生の自分。ジャンプに初登場した稗田礼二郎の横に、最新の稗田礼二郎が。家宝にします。

家宝にします

拡大してみました

◎大極宮の日◎

 会議がありましてひさしぶりに大極宮がそろいました。事務的な会議ではございますが、大極宮も十年越しと思うと感慨深いものが。朗読会も今年で十回目です。今年は、過去の演目の中からリクエストの多かったものを再演することになりそうです。おまけもつきそうです。大変です。 

◎もろもろ◎

 その他もろもろは、進行中なのでないしょです。あ、24日から『邪神宮』第二期「深~The Deep~」展が銀座のスパンアートギャラリーで開催されます。展示作品は重複していないので、「邪」をご覧になった方はぜひ。「邪」を見損ねた方もぜひ。

スパンアートギャラリー

編集者Sのウラ情報

「こち亀」

 夢のコラボ「小説 こちら葛飾区亀有公園前派出所」が文庫になりました。複数の作家の作品がならぶ、いわゆるアンソロジー企画は数多くあります。普通は時代小説とか恋愛小説などジャンルで括られることが多いのですが、漫画の主人公をモチーフにしたアンソロジーはあまり記憶にありません。特に「両さん」という誰もが知っているといってもよい国民的強烈キャラを、作品のなかでどう活かしているのか一流のシェフの腕前をお楽しみください。
 収録されている大沢作品では鮫や藪が、京極作品では南極が両さんと競演しています。
 また今週は、テレビドラマ「カルテット」DVD発売記念限定劇場上映の情報も解禁になりました。さっそくその他の情報で紹介していますのでご確認ください。

まるひの秘書ヒショバナシ報

まるひの秘書ヒショバナシ

 今週もお休みさせていただきます。

ノリノリ編集後記

朗読会

 まだまだ先ですが…朗読会の演目に関してそろそろ話題になってきました。
 今回は第10回ということで、昨年、朗読会会場で「再演してほしい演目」のアンケートを取らせていただきましたので、その結果を重視した選考になります。
 まあ、なんといっても記念すべき第10回大会ですから…いつも以上にお客さまに楽しんでいただける内容になればいいなあと思っています。
 10月29日の土曜日、会場は昨年に引き続き練馬の「IMAホール」です。
 チケット発売もまだまだ先ですが、皆様ぜひスケジュール調整のほどをよろしくお願いいたします。
(フェルメールの地理学者を観てきました。フェルメールはこれで7作かな?…ノリ)

アンケートから

邪神宮

◆邪神宮展を見に銀座へと行ってきました。
会場にはたまたま、京極先生の張り子でも御馴染みの荒井良さんが訪れておられたのですが、気付いた時には荒井さんはお帰りになられた後でした。
書籍の方は会場で購入していたので、僕もノリノリさんみたいに早めにお声を掛けてサインの一つでもいただいておけば良かったと少し後悔しております。
第二期の方も時間を見つけて行くつもりですので、そちらでも偶然の出会いが訪れる事を密かに期待しております(笑)。

・また、偶然の出会いがあるとよいですね。
大沢オフィスのスタッフの面々も覗きに行く予定です。
「邪」Tシャツがほしいのです…。

- 第493号 - 2011/5/20