大沢在昌・京極夏彦・宮部みゆき公式ホームページ『大極宮』
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- 第435号 -
2010/2/19
燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー
ほぼ日
ご存じの方も多いと思いますが…
「ほぼ日刊イトイ新聞」で『絆回廊 新宿鮫X』の連載が、本日19日よりスタートいたしました。
それに先がけて、先週から糸井重里さんとの対談(一年以上前に収録したもの)も、全9回に分けて掲載されています。
その対談の冒頭で糸井さんが、「『ほぼ日』の読者層は30代女性が中心なので、新宿鮫のファンからは遠いところにあるのではないか」と、おっしゃっていました。でも…
驚いたことに、まさにその30代女性読者から「新宿鮫のファンです」というメールが数多く『ほぼ日』さん宛に寄せられ、オイラのところにも回送されてきました。ありがたいことです。
メールを送られた方は、「もしかすると『ほぼ日』読者の中で新宿鮫のファンは自分ひとり!?」と思われたのかもしれませんが…。
『ほぼ日』さんも、意外にたくさんの新宿鮫ファンがいることに嬉しい誤算だったようです。
また、対談が掲載されるようになってからは「大極宮」へのアクセスも増えてきました。そういった意味でも、ネットのもつ反応の速さをつくづく考えさせられます。
今回の連載について新聞社のインタビューを受けましたが、つらつら思うに…
かつては新聞や週刊誌というメディアで出た記事に対して、読者の反応がすごく速く返ってきて、執筆する側がそれに対応したものを発表するという…意見のやり取りのようなものが紙面を通じてありました。
しかし今の活字メディアでは、そうした反応がすぐに返ってくることはほとんどなし。新聞や週刊誌で小説の連載をしていても、感想がすぐに届くことは皆無といっていいぐらい。オイラもそういった媒体で小説の連載を続けていますが、ここ10年以上そんな経験はありません。
それがこの『ほぼ日』さんでの対談の場合は、こういうかたちで読者の方の反応が返ってくる。もちろんメールという便利さもあるでしょう。
新聞に投書などをする方はほとんどが60代以上で、こう言ったら申し訳ないが…時間に余裕がある方なのに、今回メールを寄せてくださったのは30代の方。これは仕事をしていようと主婦であろうと、忙しい立場にある人たちで、社会の中心を引っ張っている世代の人たち。
そういった人たちが、こういうメディアに対して意見を発信してくださるのは…あきらかに今、何かが変わってきているのかなあという印象をもちます。
新聞や雑誌といったかつて紙のメディアが持っていた役割は、インターネットに代わりつつある…と言うと極端かもしれませんが、やはり流れというのは、こういうところからも感じられるのです。
安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー
ゲーム女の生きる道
皆様、『FFXIII』はどないでしたか〜(^o^)?
って、まだ言っとるぞ(^^;)『アルティマニア』も出たというのに。
宮部は依然、デカDSライフなのです。
『ヘラクレスの栄光』を2周して、バトルゲームもラストまでやってもう一度テュポーンと戦いました。楽しかった(^o^)♪
で、「さあFFやろう」と思っていたら、冬季五輪が始まりましたよね〜。
つい、テレビに釘付け(^^)(^^)(^^)♪
なので結局、FFはFFでも、テレビ画面を使わずDSでできる『光の4戦士』の方をプレイしております。
まだ序盤ですが、王道のファンタジーRPGで、可愛いし楽しいです。で、その可愛らしさに油断して気を抜くと、「あれれ?」とゲームオーバーになってしまうときもあるという、意外な手強さもまた嬉し♪
ところでこの年明け、家族が入院し(もう退院しました)、宮部も病院へ洗濯物を届けに行ったりなどしていたのですが、もろもろの手続きをする事務センターで、隣に座っていた素敵なおじさま(つまりシルバー世代の方)が、順番待ちのあいだに、DSで『ドラクエVI』をプレイしておられるのを発見(すごい横目で盗み見た。音は消してますから、画面見ないとわからないわけです)。
わあ、同士だ(^o^)!
実は宮部もそのとき鞄のなかにデカDSを入れていたのですが、こっちの窓口は空いていて、すぐ呼ばれそうだったのでガマンしていたのでした。
銀髪にキャメル色のコートがお洒落なおじさまでした。大きなボストンバックを脇に、入院手続きの窓口でお待ちでしたから、これから入院ライフだったのでしょう。とてもお元気そうに見える方でしたが、何か持病とかかな……。
早く良くになりますように。そして『ドラクエ』楽しまれますように♪
厨子王の逆襲 〜 京極夏彦のコーナー
◎ショック◎
藤田まことさんがお亡くなりになられました。
実は、某企画で来月早々に藤田さんと対談をさせていただくという運びになっておりまして、一昨日細かい予定表が回ってきたところでした。
病気療養中ということもあり、年末の時点では延期にしようかというようなお話になっていたのですが、年明けには体調も良くなられ、ナレーションの仕事なども始めたので大丈夫ですというご連絡があり、調整をしていた矢先の訃報でありました。
いただいた進行表には「藤田さんスタジオ入り」「写真撮影」など、細かいスケジュールが記されています。その表を見ていたところへの悲しい報せでした。悪い冗談かと思いましたが、本当でした。
熱烈な時代劇ファンのひとりとして、刑事ドラマファンのひとりとしても、驚きと悲しみを禁じえません。
思えば、ほとんど一日中つけっぱなしになっている書斎のモニタの、その大半は藤田まことさんに占領されていたような気さえします。大袈裟に聞こえるでしょうが、感覚的にはまさにそんな感じです。
必殺シリーズは言うに及ばず、剣客商売、京都殺人案内、はぐれ刑事純情派、てなもんや三度笠まで、数え上げればきりがありません。クレージー映画でのバイプレーヤーぶりや、突入せよ! あさま山荘事件の後藤田正晴役なんかも忘れられません。
松竹京都映画撮影所では何度かお目にかかる機会にめぐまれ、声をかけていただいたり、お話をさせていただいたこともありました。
「僕がね、水戸黄門やるような企画は面白いと思うんですよ。もう少し経ったらやってみたいなあ」
そうおっしゃっていたのが印象的でした。若い人がもっと力入れて時代劇を活性化せなあかんですよ、とも、力強くおっしゃっておられました。
水戸黄門、観たかったです。
ご冥福をお祈りいたします。
◎今週の打ち上げ◎
「コミック怪」(角川書店)誌上で連載しております『魍魎の匣』が、次号でついに完結。
というわけで、ややこしい小説を漫画化してくださいました志水アキさんとアシスタントのみなさんを労う会が行われました。
僕は、漫画化の際にはいっさい口を出さないという方針なもので、ネームも何も見ません。漫画家さんが納得行くならそれで良し、というスタイルであります。
そうすると、なかなか会わせて貰えないんですね(笑)。冷淡に思われるんでしょうか。いや、別にそんなことはないわけで、会ってお礼をいうくらいはいいと思うわけですが。
何たって漫画家さんはあんな原作を漫画にしてくださるわけですから。
何かとご苦労も多いでしょうし、感謝の気持ちくらいは表わしたいなあと。
常々そう思っていたわけですが、これがほんとうに機会に恵まれず、今まではまったく実現しませんでした。志水さんとは一度お会いしておりますが、他の方の場合は顔合わせもしないうちに終わってしまったりしていたわけです。
で、この度怪工作員Oのとりはからいで慰労会が実現したという次第。
コミック版『魍魎の匣』は現在単行本が四巻まで出ております。次に発売される「コミック怪」で完結、その後に最終巻が発売されるという運び。
いま、まさにラストのもろもろを描かれている真っ最中でございました。
どんな風に終わるのでしょう。もの凄く楽しみであります。ただの一読者になってますが。
とはいうものの、同誌では同時に『百器徒然袋・鳴釜』も連載中。でもって、『魍魎〜』の次もありそうな感じです。
全然「お疲れ様〜」じゃないじゃん(笑)。これからもお疲れになってください、ということですか? 工作員O。
いや、何かと大変でしょうが、志水さん、そしてアシスタントのみなさん、これからもよろしくお願いいたします。
本誌「怪0029」は、ただいま鋭意作成中。
って、怪ってもう通巻30冊にもなるんだ……。
怪といえば幽ですが(なんでだよ)、幽編集部でTwitterを始めまして。東編集長、R、μ、キシモト(吸血鬼にちなんでQかなんかにすればいいのに)あたりが呟きまくっています。まくっていますが、イマイチTwitterの使い方がわかってなかった模様。生暖かくフォローしてあげてくださいませ。
僕も呟けといわれましたが、残念ながら個人的には呟く習慣がまったくないのでたぶん呟きません。
そんなわけで、これから某所である催しを堪能しまして、後に某所に移動、なんやかやといたします。
詳しくは来週。
編集者Sのウラ情報
訃報続き……
先週、書籍の誤植等のミスの顛末を書いたら、下のほうに私のミスタイプの指摘が。こういうのを間が悪いと言うのでしょう。
さて、このところ作家の訃報が続いています。北森鴻氏、立松和平氏ばかりでなく、海の向こうでは20年以上のもの間、シリーズ物が翻訳され日本でも人気のあった、ロバート・B・パーカー、ディック・フランシスが亡くなられてしまいました。
パーカーのスペンサーシリーズ、フランシスの競馬シリーズ、ともに初期のころからの愛読者でした。同時期に終わりがくるとは。翻訳は故菊池光氏。すこしクセのある日本語表現は、菊池節としかいいようのない独特の味がありました。考えてみると菊池さんが亡くなったときに、一度終わっていたのかもしれません。
シリーズ物はいつか終わりがきます。それは仕方の無いことです。願わくば、作者の死とかではなく、自らの手で決着をつけてほしいと個人的には思います。
藤田まことさんまで亡くなってしまった……。
まるひの秘書ヒショバナシ報
今週の厨子王原稿メール件名
学大極宮の喫茶店
おお、ガロがきましたね。ガロにはちょっとウルサイワタシ。というか筋金入りのファンだったりします。
ちなみに件名の歌よりも、B面の「美しすぎて」のほうが好きです。
読みやすい〜
とうとうスタートしましたね! 鮫! いきなり一人称で始まって、ちょっとビックリしましたが。やー、鮫島さん、お久しぶりでございます(笑)。
さて、連載開始にあたってワタシがいちばん気にしていたのは、文章の見せ方です。
WEBだから横書きになるのかな〜、それはそれで面白いかも、とか、ルビや傍点はどうなるんだろう〜とか。心配ではなく、WEBならではの方法があるのかどうか、興味津々だったんです。
だからフタをあけてビックリしました。すごい! まるで本をそのまま読んでいるかのよう。さすが「ほぼ日」さんです。とにかく読みやすい〜。
1回のボリュームも、多すぎず少なすぎずでちょうどいい感じ。これから毎週金曜日の11時が楽しみです♪
ノリノリ編集後記
今週のアドレナリン
冬季オリンピックをテレビ観戦していて、アドレナリンが出たっ!と思えるほど興奮したシーンです(日本選手限定)。
・「スピードスケート男子500m」加藤条治選手…
金メダルを狙った2本目。スタートダッシュから第1コーナーまで。
・「スピードスケート男子500m」加藤条治選手…
さんざん待たされた1本目。スタートダッシュが決まった瞬間。
・「フリースタイル女子モーグル」里谷多英選手…
ミドルセクションの超攻撃的な高速ターンから第2エアの踏切まで。
・「スピードスケート男子500m」長島圭一郎選手…
2本目。第2コーナーが膨らむもラストの直線で伸びたとき。
・「ノルディック複合男子個人ノーマルヒル」小林範仁選手…
後半の距離。トップ集団から抜け出たとき。あっぱれ!
・「スピードスケート女子500m」吉井小百合選手…
2本目。100mの通過タイムが表示されたとき。おっ!!
・「フリースタイル男子モーグル」遠藤尚選手…
第2エアで試みたバックフリップのデカさ(滞空時間の長さ)。
…といった感じで、開幕直後に集中しています。
週の後半は…前半で興奮し過ぎたせいか、女子カーリング観戦(試合もさることながら、選手の顔ばかり見てしまいます)で疲れてきたせいか、どちらかというと落ちついて観ていました。
しかしまぁ…冬季オリンピックはどの競技も自然条件の影響を受けたり、“すべる・転ぶ”という要素もひそんでいるので、観ているぶんにはとっても面白いですね。
・番外。日曜京都11R「きさらぎ賞」。レーヴドリアン号の強烈な末脚!
2着だったけど馬単ゲット!! 「皐月賞」大本命!!!
(サッカー日本代表の試合ではちっともアドレナリンが出ません…ノリ)
アンケートから
オファーがないと……
◆「ほぼ日で新宿鮫。」からYouTubeへリンクして見ました。大夫がナレーションをやっていたという噂のCM。かっこいい!
今はやってないとしたらもったいないです。また是非やってください。
・こればっかりは、オファーがないとできないんですよねー。「ほぼ日」をご覧になった広告関係者の方、よろしくお願いいたします(笑)。ちなみに噂のCMは、「ほぼ日で新宿鮫。」第7回のいちばん下のほうにあるリンクからご覧いただけます。(まるひ)
間違い探しの間違い
◆アンケートの「今週の間違い」のコーナーの「編集Sのウラバナシ」の部分。
「ウラバナシ」ではなく「ウラ情報」ですね。
ハイ。間違えました。アンケートを送信した後に気付きました。
「あ〜!しまった!!間違い探しの間違いだ!!!」時既に遅し。
そして今日。
「間違い探しの間違い」はしっかり掲載され、赤面するのでした。
・細かいことは気にしない〜♪ 「ウラバナシ」も「ウラ情報」も似たようなもんだと、そのままコピペして載せたワタシでありました。ごめんなさいですー。
間違い探しの間違いは、実はけっこうあるんですよ。いちばん多いのが「週間大極宮」だったりします。(正しくは「週刊」ですね。まるひ)