大沢在昌・京極夏彦・宮部みゆき公式ホームページ『大極宮』
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週刊大極宮
HEADLINE RUMORS |燃えよ山椒大夫 |安寿のがまぐち |厨子王の逆襲 |編集者Sのウラ情報 |まるひの秘書ヒショバナシ |ノリノリ編集後記 |アンケートから
- 第436号 -
2010/2/26
HEADLINE RUMORS 〜 風のウワサ
福澤徹三さんの待ち受け画像
安寿はすでにダウンロード済みらしい。
(気になる方は、携帯サイト www.tfm.co.jp/bk をご確認ください)
燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー
芥川賞・直木賞
先週の金曜日、「芥川賞・直木賞」受賞パーティーに行ってきました。
昔からの冒険作家クラブの仲間でもある佐々木譲さんの直木賞受賞をお祝いするため、久方ぶりにメンバーが集まったのです。
佐々木さんを囲んで志水辰夫さん、逢坂剛さん、船戸与一さん、北方謙三さん、西木正明さん、森詠さん、藤田宜永さん、そして安寿にオイラというメンツ。
売れなかった頃…“クソの投げ合い”と言われる悪態をつきながらも仲良く飲んでいた20年前の雰囲気が、まるまる帰って来たようです。
ちょっとセンチメンタルかもしれないけれど、涙が出そうな気持ちになった瞬間もあったりして、ほんとうに楽しく素晴らしい夜でした。
時が経てもやっぱり一番の友人は一番のライバルたちだった…そんなことをつくづく思いました。
週が明けた月曜日は、K談社で書店の方々を対象にした研究会があり、そこに講師として招かれ講演をしてきました。
昨年の秋に広島でした講演を同研究会に所属する関東の方がお聴きになって、ぜひ東京でも同じ講演をやってもらいたいとの依頼。
しかし…昨年の秋の段階と今では、すでに大きな状況の変化が生じています。それはなんといってもキンドルに代表される電子書籍市場。
日本でも発売され、端末及びサービスの普及にこれからどれくらいの時間がかかるかわからないけれど、5〜10年後はかなりの範囲を占めることになっているかもしれません。
その場合、紙の本がそのぶん減ることになり…そうなると書店さん、あるいは製本屋さんといった関連業界も圧迫を受ける…。
この電子書籍の流通は、やはり避けることができないものなのではないだろうかとオイラは考えているので、そこに向かってつらつらしゃべりました。
正直言って話の内容は暗くならざるをえず、熱心にメモをとられる方もいればだんだん怒った顔になる年配の方もいて…少々困った気持ちになりました。
そして講演が終わったあとの懇親会に出てみると、皆さんひじょうに熱心にこの問題について考えておられ、けっしてその未来に対して悲観的になるのではなく、そのあたりのいろいろな質問をオイラに投げかけてこられたのです。
ほぼ1時間…飲まず食わずの立ちっぱなしでそれらの方々の質問に答える展開になったわけですが、この熱気がある限りまだまだ大丈夫なのかなあと思ったしだい。
『ほぼ日』で連載を始めたせいかもしれませんが、このところこういうことに絡んだ取材やインタビューがやけに増えていて、パソコンも使わないオイラなのにまるで最先端の作家スタイルをとっているという誤解が広がっているのではないかと(考えていることはもちろんありますが)。そうだとしたら、困ったものだなあという感じであります。
厨子王の逆襲 〜 京極夏彦のコーナー
◎今週の朗読◎
リーディングカンパニーではありません。
筒井康隆さんの「筒井康隆、筒井康隆を読む」に行ってまいりました。
曰く「最後の朗読」。最後って、なにが最後なのかしらとご本人にお尋ねしたところ「いや舞台は本当に最後にするつもりです」というお答えが。
前にも書いたような気がしますが、僕が上京して最初に観た舞台が筒井康隆大一座の「ジーザス・クライスト・トリックスター」でありまして。なにやら感慨深いものが。
で、まずは俳優の上山克彦さんによる『陰悩録』。朗読なんですが、暗誦です。原作も大変なことになってますが、舞台も大変なことになっておりました。
それから山下洋輔さんの生演奏。なんという贅沢。そしてピアノとコラボレーションする形で、筒井さん自らによる『昔はよかったなあ』の朗読。
ブレイク、口上を挟んで、再び山下さんの『組曲筒井康隆全作品』。演奏に合わせて筒井作品の全書影が映し出されるという演出。どうしても持ってるか持っていないか確認してしまうのはすでに業です(時をかける少女のバージョン違いは多過ぎです!)。
そして締めくくりはあの『関節話法』。うははははは。知っていたって笑います。何度も読んでいるのに笑えます。
アンコールもあり。しかも『発明後のパターン』を2バージョン。なんという贅沢。
筒と井をイメージした朝倉摂さんの舞台美術も絶妙。
うしろの席が大江健三郎さん、横が白石加代子さんだったりしてちょっと緊張。
◎今週の名古屋◎
一年ぶりの東海学園でございまして。
昨年にひきつづき第16回サタデープログラムからお呼びがかかりまして、さて今年はまともな講演なのかしらんと思いきや、お題は「続・馬鹿のすゝめ」。ははははは。
お相手も昨年同様堤幸彦さん。進行も昨年同様島田尚幸さん(東海中学教員)。そして舞台装置も昨年同様Mくん。アテンドもOくんEくん。
違うのはトークのお題がややマトモになったというだけ(ハコからくじびきはそのままですが、「何が」+「どうした」の組み合わせはなくなりました)。
ややマトモになったとはいえ、内容は相変わらずでスミマセン。まったくためにならず、まったく身にならない話だけしかしませんでした。賢い学生さんの沢山いる場所で、賢くない話をするなんて、なんて無節操なおじさん達でしょう。申し訳ありませんでした、はい。
東海地方のみなさん、こんな馬鹿をおゆるしください。
NY〜ブラジルへ向う堤さんと別れまして、終了後は島田さんOくんEくん、やはりサタデープログラムに登場されていた木原浩勝さん、木場貴俊くん、それからなぜか居た田辺青蛙くん他とお食事。
おめでたい報告などをもろもろいくつか受けました。
◎今週の画廊◎
児嶋都さんの個展「いちご心臓」に顔を出してまいりました。銀座のヴァニラ画廊。
こぢんまりとしてますが、雰囲気のある良い個展でございました。
会期は明日までですので、ご興味のある方はぜひ。
◎今週の収録◎
もう半年と聞いてびつくりの「バッカみたい、聴いてランナイ!」(TOKYO FM)。毎回毎回いいかげんにしろ! という感じです。
が、今回もいいかげんにしろ! な収録でした。どうもこれは平山夢明さんの陰謀のような気がしてなりません。アホがアホを呼ぶ困ったおやぢトークの連鎖。これでいいのか。
いいのかもしれないけど、よくない気もするなあ。
ちなみに、いつぞや掲載した福澤徹三さんのやう゛ぁい画像が、ホントに待ち受けになってしまいました。うははははは。
いつまで続くのでしょう。
◎今週の新刊◎
メディアファクトリーから『怪談実話系3』が発売になりました。載せていただきました。今回も顔触れは豪華に忌まわしいわけです。
が。
今回は、何だかよく知っているような気がするお話がたくさん載っていました。こういう連作は珍しいのではないかと。
松村進吉さん、林譲治さんの参加も見逃せませんね。
そんな中、『怪0029』もまもなく完成。
水木大先生は今号から新連載です。題して「水木しげるの御伽草子」。
安寿姫の小説も読めます。特集は、「旅」と「獣」でございます。
お楽しみに。
編集者Sのウラ情報
今そこにある危機……
大夫も↑で報告していますが、今週関東地区の書店さんの研修会にお邪魔してきました。言うまでもなく、書店さんはここ何年も厳しい状況にさらされ続けています。続く出版物の売り上げ減だけでなく、さらに今年あたりから本格化しそうな電子出版の状況如何で、より危機的な状況に陥るかもしれません。
ではどうやって乗り越えていくか。その答えは簡単ではありません。ですが、作家の側もなにができるか常に考えていく必要があるとおもっています。
まるひの秘書ヒショバナシ報
今週の厨子王原稿メール件名
飛んでイ大極宮ール
このシリーズの難点(?)は、件名の歌が頭の中でぐるぐる鳴り続けることでしょうかね(笑)。
フィギュアスケート女子・フリー
さすがにガマンできなかったのか、オリンピックが始まってから初めてクマキチがスタッフ部屋にある小さなテレビをつけまして、結局、皆で見入ってしまいました。
自分の滑走直前に、キム・ヨナ選手の完璧な演技と高得点を見せつけられて、浅田真央選手のプレッシャーは計り知れないものだったでしょう。
それを思うだけで、涙が出そうになります。結果はどうあれ「よくやった!」と、心からの拍手を贈りたいです。
フィギュアスケート女子といえば、その昔、ジャネット・リンっていう選手がいたなあと思い出したり。札幌オリンピック(古!)で人気をさらった人ですね。
演技中に尻もちをついても笑顔を絶やさず、逆にそれがウケていたという……。可愛い人だったなあ。
なーんてことを思いながら、また仕事に戻ったのでありました。
「金曜日は『新宿鮫』の日」
と、糸井さんが「今日のダーリン」で書いてくださっていて、なんだか嬉しかったです。オーツカ・ハルも喜んでいました。
第二回にして、いきなりキナ臭くなってきましたね。まだ読んでいらっしゃらない方はコチラからどうぞ。
そうそう。少し前、この連載の件で大沢が朝日新聞のインタビューを受けました。3月1日付の朝刊文化面に掲載されるそうです。朝日新聞を購読されている方はぜひご覧になってくださいね。
ノリノリ編集後記
「新宿鮫X 絆回廊」
連載が始まりました。これまでは(スタッフでありながら…)どちらかというと連載を追って読むということをしないで、単行本になるのを待っていましたが…今回ばかりは読んでいます。読んでしまいます。
金曜更新というのはココ「週刊大極宮」と同じでいいですね。
その『ほぼ日』さんで、和田ラヂヲさんの連載マンガが再開したのも嬉しいかぎりです。こちらは木曜更新。
それにしても…『ほぼ日』さんのコンテンツは面白いものが揃っていて、読みだすとキリがないです。
でっ、個人的に気になっている企画がひとつあるんですよ。糸井さんといえば…“徳川埋蔵金プロジェクト”。近い将来『ほぼ日』さんで復活してほしいです。かつて仕事で電磁波を使った地中レーダーの解析技師をしていた私も(←事実です)企画復活の際は発掘調査隊に加わりたいです。関係ありませんが「湯之奥金山博物館」の砂金採り番付も“小結”ですし…。よろしくお願いします。
(最近はYouTubeで『マツダ エチュード』のCMを観てから仕事を始めます…ノリ)
アンケートから
裏の間違い、ヨソの間違い
◆まるひ様
発見しました〜♪
>ブツブツつつぶやきながら
……「つ」が一つ多いですよ〜。
領収書整理、お疲れ様です(笑)。
それから……こちらに書いて良いものか、とっても迷ったのですが。
数えずサイトの、書店員さんのコメントの誤字が気になるぅ☆
「九割九部」じゃないよぉ、「九割九分」だよぉ。……と(汗)。
きっとこちらを拝見してから飛んでいるせいなのです。
まるひさん、責任とって下さい(笑)。
・裏の間違いはこっそり直しました。ヨソの間違いも、責任をとって(?)S氏からアチラの編集者さんに連絡をしてもらいました。アチラもこっそり直されたようですー。(まるひ)
過去の間違い
◆過去ページに行って週刊大極宮バックナンバーを1から見てました。
そしたらついに、みつけちゃいました! 間違い!
第51号のS君のコーナーです。
「貪り呼んだ」「好んで呼んでいた」→「貪り読んだ」「好んで読んでいた」だと思います。
過去だしいいかなとも思ったんですが、送っちゃいます。
これからも頑張ってくださいネ!
・バックナンバー1からだなんて、ありがとうございます。ハイ、こちらもこっそり直しておきました〜。これからも頑張ります!(まるひ)