週刊大極宮

HEADLINE RUMORS燃えよ山椒大夫安寿のがまぐち厨子王の逆襲編集者Sのウラ情報まるひの秘書ヒショバナシノリノリ編集後記アンケートから

- 第349号 -

2008/5/16

HEADLINE RUMORS 〜 風のウワサ

妖怪プロジェクト×全日本妖怪推進委員会

 某スタジオに閉じ込めらる厨子王。詳細はきっと来週発表!!(を予定)
某スタジオにて  

燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー

名古屋

 個人的な用事があって、一泊二日で名古屋に行ってきました。
 夕方、名古屋に着くと天気が良かったので、前々から行ってみたかった雁道と堀田という、瑞穂区の下町商店街の散策に出かけてみた。ところが、日曜日ということもあって商店街のほとんどのお店がお休みで、雰囲気を味わうことはできず。いつかリターンマッチをせねば…ということになってしまいました。
 夕食は『山本屋』に行って味噌煮込みうどんを食べ、その後はホテルに戻ってお酒を飲むという…ひじょうにシンプル、かつ地味な夜の時間を過ごしたのです。

 翌日、名古屋での用事を済ませて東京に戻ってきた夜、無性にお肉が…それも焼肉が食べたくなった。しかし、付き合ってくれる人もたまたまおらず、生まれて初めて“ひとり焼肉”をやってしまいました。
 タン塩とカルビを焼いて、白いご飯に韓国ノリを巻いて食べるという…ささやかであり、しかし妙に充実した夕食の時間を過ごしたのです。

 考えてみると…二日続けてひとりで外食というのは、そうそうあることではないなと思ったりもして。

 で、更新日の金曜は「江戸川乱歩賞」の選考会。
 このコーナーの原稿を書いている今、すでに候補作は読み終え、どんな結果となるのか…選考委員の一人として悩み考えているところであります。

安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー

ゲーム女の生きる道

 竹崎さんにご報告いたします。

   ヴァルキュリア、戦場から撤退m(_ _)m

 6章までは何とか進んだのですが……クリアできずに息切れざます。
 いずれにしろ、完全攻略本が出ないと、8章から先は進めないことが明らかですので、いったん休戦いたしまする。
 で……ボウガン撃ってたら、怒られるかしら???

arrow 厨子王の逆襲 〜 京極夏彦のコーナー

◎今週の授賞式◎

 第二回幽怪談文学賞+第三回ダ・ヴィンチ文学賞(メディアファクトリー主催)の授賞式が行われました。かくいう僕も幽の選考委員のひとりなもので、出席してまいりました。

第二回幽怪談文学賞+第三回ダ・ヴィンチ文学賞

 先週も書きましたが、ダ・ヴィンチ文学賞で大賞に輝いた真藤順丈さんは第十五回日本ホラー小説大賞(角川書店主催)の大賞を、幽怪談文学賞短編賞を射止めた雀野日名子さんは同短編賞を、授賞式の前日に受賞されました(ややこしいなあ)。
 世にも稀なるWW受賞ですから、関係者一同ざわめいたわけですね。いや宝くじ一等当選よりも確率は低いかと。
 といった具合で、会場である某ホテルに向かいますと、控室にはすでに幽怪談文学賞長編部門特別賞を受賞された長島槇子さんと、短編部門優秀賞を受賞された勝山海百合さんが。
 長島さんは第三回ムー伝奇ノベル大賞(学習研究社主催)優秀賞を受賞された方で、『旅芝居怪談双六』(学習研究社)のほか、『七夕の客 新吉原くるわばなし』(学研M文庫)などのご著書があり、すでに小説家として活躍されている方です。
 勝山さんは、第四回ビーケーワン怪談大賞の大賞作品〈『てのひら怪談』(ポプラ社)に掲載〉の投稿者であります。そんなわけで、お二人とも新人賞の受賞者らしからぬ落ち着きよう(に見えたのですが、実は緊張していらしたのかもしれませんが)。
 東雅夫幽編集長と雑談をしているうち、同じく選考委員の高橋葉介さん、木原浩勝さんがご到着。編集Rが(なぜか)貰ったという文庫版『てのひら怪談』表紙用オブジェをみせびらかしているところに岩井志麻子さんもご来臨。当初、「編集長挨拶の時、東さんの胸元に入れておこう」ということになっていたはずのてのひら君が、「わしのねえちゃんじゃ」という一言で、志麻子姐さんの胸元に収まることに。
 何をやってるんでしょう選考委員(笑)。
 そんなところに、別の取材を終えた雀野さんと、雀野さんの地元のタウン誌の取材陣が。雀野さんもすでにライターとして多方面でご活躍の方ですから、緊張はされていたようですが落ち着いてはいらっしゃいまして。
 その後選考委員がインタビューされたわけですが、どうしてまとめやすいコメントができないんだろう、この人たち(自分もだって)。一番落ち着いてないぞ選考委員。
 で、授賞式の始まり。
 別枠でWW受賞者と対談をされた平山夢明さんと、『深泥丘奇談』(メディアファクトリー)が好評の綾辻行人さんもいらしてくださいました。

 まずはダ・ヴィンチ文学賞。編集長の挨拶のあと、大賞の真藤さん、読者賞の遠野りりこさん、編集長特別賞の山本渚さんが、ういういしい受賞の言葉を述べられたわけですが……真藤さん、キャラ濃いです。
 続いて怪談方面。途端にうす暗くなる会場。
 青行灯トロフィー(物怪観光・天野さん謹製)を効果的に見せる演出なわけですが、東さんの出番とともにさーっと暗くなるって(笑)。

青行灯トロフィー

 で、問題は選評。去年は僕が担当だったわけですが、今年の担当は志麻子姐さんです。
 って、胸にねえちゃん入れたままだって。
 しかも、なんか祝辞コメントだし。選評してくださいって(笑)。いや、いろんなところに連れてってくれるなあ。かないませんね志麻子トークには。

胸にねえちゃん入れたまま

 その後、受賞者の言葉がありまして、無事に終了。ガラスの賞状も無事に授与されました。

 そして祝賀会会場に移動。昨年度の受賞者の方々も一緒ですね。
 新刊『黒水村(クローズ村)』(一迅社文庫)が出たばかりの黒史郎君、『マリオのUFO』『虹色の童話』(MF文庫ダ・ヴィンチ)が共にスタンバイの水沫流人さん、宇佐美まことさんも、もちろんいらしてくださいました。

 綾辻さんとも久しぶりにゆっくりお話ができた気がします……が、いいだけ座をさらって笑わせておいて「あ、締め切り過ぎてるじゃん、マズイわ帰るわ」的な引け方はズルイです、平山さん(笑)。
 それから、真藤さんのホラ大受賞作は「庵堂三兄弟の聖職」なのであって、「地獄三兄弟穴蔵のサカリ」じゃないですからね、平山さん(←あまりおかしかったので覚えてしまった)。
 そんなわけで、その後もう一箇所場を移して祝賀会は続いたのでした。

 文学賞は、権威であってはならないと、思います。
 賞は下賜されるものではなく、優れた作品にうやうやしく献上されるものです。
 しかし、賞を獲るのは作品なのであって、作者ではありません。エライのはあくまで作品。
 作者はその作品を書いた人、というだけのもんですね。
 とはいえ、作者なくしては作品もできないわけで、つまり賞は「もっと書いてね」というお願いみたいなものです。
 スタートラインに立った受賞者の方々が、今後「エライ」作品を次々に生み出してくださることを、切に願うものです。

受賞者の方々
 

◎今週の対談◎

 今夏公開される実写版鬼太郎映画第二弾『ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌』(松竹系)に関わる対談をば。
 お相手は蛇骨婆こと佐野史郎さん。

佐野史郎さんと

 佐野さんは名にし負う水木一門。おまけに初代百介役をやっていただいた方でもありまして、何かとご縁がございます。
 とはいうものの、お会いするのは久しぶりのことで、実に青森の世界妖怪会議以来だということが判明。
 そんなこんなで、なかなか聞けない撮影裏話なども含めました同門によるとめどもない水木話をさせていただきました。
 それにしても、妙な奇縁があるわけです、佐野さんとは。
 くわしくは、劇場用パンフレットで。

 で、鬼太郎映画といえばアニメ版もとうとう情報公開です。
 こちらは年末公開『ゲゲゲの鬼太郎 日本爆裂!!』。
 全国六ブロックの地域ごとに、そこでしか見られない六種類の「ご当地バージョン」が作られる(何とまあ手間のかかることを!)ほか、人気投票による「全国ご当地妖怪」が登場するという凝った趣向でございます。
 新主題歌でテレビもますます好調。

 夏でも冬でもゲゲゲのゲ。
 

◎今週の全日本妖怪推進委員会◎

 で、恒例の夏のイベントでございますが、今年は何だかえらいことになりそうでありまして。
 それを受けまして『怪』の方もいよいよ佳境に突入。
 工作員・不沈空母その他もろもろ、大回転でございます。
 こりゃ精一杯妖怪を推進せにゃなるまいねえ、という状況でございまして……。

 そんな中で、あの伝説の(笑)『妖怪馬鹿』が復活です。
 新潮Oh!文庫がなくなってしまったので、品切れのところも多かった『馬鹿』本ですが、このたび『完全復刻版妖怪馬鹿』(新潮文庫)として再刊されることになりました。
 まあ「完全復刻」ですから中身は一緒(住所表記などは改定)なんですが、それじゃ芸がないのでボーナストラックの「追加馬鹿」を入れることになりまして、多田克己・村上健司・青木大輔(仮名)と僕の四人が、ひさびさに集ったわけですね。まあ、いつも会ってるんですが。
 ここ十年の妖怪事情を振り返るといいつつ、まったく進歩していないただの馬鹿たち……。

妖怪馬鹿たち

 夏には出ます。
 え? それより「2」は? という声は、とりあえず聞かなかったことにしておきます。

 ついでに『妖怪大談義』(角川書店)も文庫になる模様。こちらもボーナストラック付き。こちらは『覘き小平次』(角川文庫版)と同時発売です。

 でもって、世界妖怪会議や、化野燐さんの妖・怪談義などでもおなじみの妖怪プロジェクトさんがニューアルバムをリリースされることになりまして。
 これ、サプライズゲストが複数参加してるある意味豪華なアルバムなわけですが。ええ、僕が聞いたってびつくりするゲストです。
 で、そのアルバムで「妖怪推進委員会とのコラボを」ということになりまして。なんだかんだと話が進み、とどのつまりがこーんなことに。

こーんなことって?

 詳しくは公式発表をどうぞ。

 その後、吉祥寺の幽霊居酒屋で村上君や物怪観光の天野さんと合流、怪スタッフで怪遺産やら何やらの切羽詰まった打ち合わせを。

幽霊居酒屋

 切羽詰まっているわりに、特撮の話してたような気もしますが、きっと気のせいです。

 ああ、今年の夏はどうなるのだろう……。
 また来週。

編集者Sのウラ情報

コラボ第二弾!

 トップで紹介していますがこのたびセブンイレブン・大沢オフィス共同企画(協力・講談社)としてペーパーバックスKというシリーズが新登場します。
 この企画は三人の数ある講談社文庫の中から、
 
 大沢在昌「女王陛下のアルバイト探偵」(全)
 京極夏彦「薔薇十字探偵?」(「百器徒然袋-雨」より『鳴釜』)
 宮部みゆき「ステップファザー・ステップ」(『ワンナイト・スタンド』を除く)

 というラインナップでペーパーバック判で再編集し、
 
 大沢=北条司氏
 京極=小畑健氏
 宮部=荒川弘氏
 
 といった人気漫画家さんにそれぞれカバーイラストを描いていただきました。これがほんといいですよ。
 この企画意図は安寿が書いたとおりです。『大極宮』をご覧の、本をよく読まれるという方を対象というより、読書離れといわれているなか、小説は買わない読まないという方に、毎日のように行かれるセブンイレブンで気軽に手にとっていただきたいのです。
 まずは関東一都三県(神奈川・千葉・埼玉)での全店舗4000店限定で5月19日より専用ボックスにセット(もちろん単品で買えます)して発売されます。好評であれば全国展開の可能性もあります。

専用ボックス(←専用ボックス)

 お友達へのプレゼントとしてもどうぞご活用ください。

まるひの秘書ヒショバナシ報

今週の厨子王原稿メール件名

 パットン大極宮軍団
 おお、猿の惑星やオーメンとの意外なつながりが!(もっといっぱいありますけどね)
 

二日連続受賞! メデタサ二乗!

 今野敏さん、快挙なり!
 5月15日、第二十一回山本周五郎賞
 5月16日、第六十一回日本推理作家協会賞 長編部門
『果断 隠蔽捜査2』が二日連続の受賞! おめでとうございます!

 いやあいやあいやあああ…、もう「いやあああ」と言いようがありません。メデタイウレシイ〜!

 未読の方は『隠蔽捜査』(新潮文庫)、『果断 隠蔽捜査2』(新潮社)をぜひ! 超オススメ面白いですよ〜。

ノリノリ編集後記

カンボジア学校建設プロジェクト

 テレビ番組「行列のできる法律相談所」の特番です。ふだんは見ない番組ですが、ちばてつや先生からチャリティーオークションに絵を提供したと聞いていたので、どんなものか見たんです。
 すばらしい趣旨の企画ですが…私の場合、まず単純に絵のすばらしさに興奮しました。出品されている皆さんの絵、かなり本気度の高い絵じゃないですかっ! ちゃちゃっと描いてサインして終り…じゃないんですね。時間もかけ、企画のテーマに沿った心あたたまる作品ばかり。高額な落札価格もうなずけます。
 でっ、ちば先生の絵は…矢吹ジョーが優しい目で子供たちを見つめている作品。結果、220万円で落札。
 落札者のチャリティーへの心意気もすごいけど、絵も十分すばらしいからこの金額でも高くないと思いました。今週末放送の特番の続きも見ようと思ってます。ケンシロウが気になりますね。
(最近、足が短くなった気がする…ノリ)

アンケートから

今度こそ直ったか!

◆ やはり週刊346号が「準備中」になっちゃいます。
ホーム → 更新情報 → お知らせ「「週刊大極宮346号をアップしました。」をクリックすると、「準備中」になってしまうのです。
その前後の号はちゃんとOKなんですけどね。

・ううう、すみません。「更新情報」からのリンクが間違ってました…。修正しました。今度こそ!!!(まるひ)

- 第349号 - 2008/5/16