週刊大極宮

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- 第499号 -

2011/7/01

HEADLINE RUMORS 〜 風のウワサ

夏といえば

 大夫様立ち会いのもと、大沢オフィススタッフによるスイカ割り大会が予定されているらしい。

燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー

書店さん巡り

 先週の金、土、日の3日間をかけて福島と宮城そして岩手と、東北3県の本屋さん16店舗を巡ってきました。
 震災後、じつは東北の本屋さんでは本が売れているという話を聞き、もしそういうことであるならば「絆回廊」が出たばかりではあるし、ちょっとでもお役に立てれば…と思ったのがうかがった動機。
 実際に行って書店員さんから聞いて驚いたのは、多くのお客さんが本屋に押し寄せて本当に本が売れているということ。
 たとえば4店舗のチェーン展開をしている本屋さんの場合…3店舗が津波に遭って営業ができなくなっているけれど、残る1店舗で4店分の売上があるとか。
 その中でとくに何が売れているかというと…震災の写真集やDVDとか新聞の縮刷版。
 これにはちょっと驚きました。辛い経験をされた人たちが、もう一度それらを再確認したいなんてことがあるのだろうか…と思っていたら、被災地にいらした方は当時何が起こったのかがわからなかったのです。
 つまりテレビは観られないし、自分たちとその周辺で起きたことしかわからない。今になってようやく何が起こったのかを全体像として見られることになり、知ろうという気持ちが生まれたというわけです。
 それからやっぱり子孫にこんな経験をしたんだよと伝えていきたいということ。
 小説もすごく売れていて、電気が止まりテレビが観られない、パソコンやゲームもできないという状況の中では、本に向かう他ないわけだ。
 活字って強いじゃないかとつくづく思ったしだいです。
 書店でサインをするとその本は返本不可になるので「いいんですか?」と確認しつつ、「大丈夫です」とドサッと積み上げられた本に片っ端からサインをして帰ってきました。今、東北3県にはオイラのサイン本が数百冊あります。
 書店のみなさま、どうもありがとうございました。

日本ミステリー文学大賞

 震災の影響で延期になっていた「日本ミステリー文学大賞」の授賞式。そのコンパクト版が28日におこなわれました。
 新人賞を受賞した御二人…「煙が目にしみる」の石川渓月さんと、「大絵画展」の望月諒子さん、それから鶴屋南北戯曲賞を「プランクトンの踊り場」で受賞した前川知大さんらとともに、正賞シエラザード像と賞状を授与されたのです。

授賞式です

 コンパクトながらもアットホームな雰囲気で良い授賞式でありました。
 みなさん大先輩である選考委員の方々が褒めてくださるなか、森村誠一さんから「下りのエスカレーターを駆け上るのが、大沢さんの小説家としての生き方だ」と言われました。さらに「登山で例えるとハードクライムという難しいルートをつねに選んでいる」と言われ…。オイラは楽チンが好きな怠け者なのになあと思っているのですが、そこはどうなんでしょう…。

おめでたい!

笑顔の大夫様

 で、終わった後はみんなで2次会へ。
 まあたくさんの方にお出でいただいて、K方K三先生が渾身の司会をしてくださいました。

懇親の司会

大盛況でございました

がっちりと握手

 そしてK方先生、なんとカラオケボックスでおこなった3次会まで司会を買ってでるという活躍ぶり。ほんとうに幸せな一夜を過ごしました。

三次会です

 来ていただいた皆さんに心から御礼を申し上げます。
 こういうことがあるとがんばって書いていこうという気持ちになるのであります。

本日の主役でございます

安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー

日本ミステリー文学大賞のお祝いには

 もちろん安寿もかけつけたのでした。
おめでたいのです。

arrow 厨子王の逆襲 〜 京極夏彦のコーナー

◎今年も(過ぎた半分)お世話になりました◎

 婦人公論(中央公論新社)の特集でインタビューがありました。とても当たり前のことを普通に語ったのですが、良かったんでしょうか。ええ、この世には不思議なことなどありまへんがなという話です。道に迷った変種の人が遅れて見学に来てお腹壊して帰りました。それは、ちょっと不思議でした。

不思議なことについてのインタビュー

 神保町シアターで行われた本格ミステリ作家クラブ10周年記念企画「美女と探偵~日本ミステリ映画の世界」のトークショーに呼ばれまして、行って参りました。企画された芦辺拓さん、唐沢俊一さんが登壇されまして、まあこの二人で充分濃いんじゃないかと思うわけですが、探偵とか千恵蔵とか妖怪とかのお話をちょっとだけさせていただきました。残念ながら前後の予定がつまっていたので映画自体は観られず、結構残念。

神保町シアターです

 化け大定例講座・「カメラで愉しむニッポンのお祭り(1)基礎編」が行われました。講師は芳賀日向さん。「同じ祭りに三度行け!」をはじめ、すぐに役立つヒント満載の写真講座でした。今回は基礎編ですから、とうぜん応用編もあります。いいお祭り写真が撮れるということは、お祭りに「ちゃんと参加している」という証し。ちゃんと参加すればお祭りは百倍おもしろいはず。いまのご時世、お祭りは大切です。災厄を流し、活力を漲らせる「まつりごと」こそが期待されているわけで。
 残念ながら講座自体は受けられませんでしたが、芳賀さんとは化け大企画会議をゆっくりさせていただきました。

◎今年も(残り半分)よろしくお願いします◎

 なんやかやで中止になったり延期になったり縮小したりしていたもろもろが、ようやく稼働。

 化け大もやっとスケジュールが決まりはじめました。本年は京都の「化け大祭」は諸般の事情によりありません。風物詩になりつつあったんですが、ちょっと残念。
 その代わり、京都では某ミュージアムの企画と連動した定例講座と、スペシャル企画がある予定。その前日は「ふるさと怪談in京田辺」(C)東雅夫。詳しくはまたいずれ。
 で、現在秋に大型の「化け大文化祭」企画が粛々と進行しておりますので、お楽しみに。「化け市化け座」もちゃんとあります。決定次第すみやかに告知せよと事務方にきつく申し伝えました。いつも遅いんですよね、告知が。化け大生のみなさんごめんなさい。

 で、延期されていたといえば我らが山椒大夫さまの日本ミステリー文学大賞の授賞式。このたびやっと行われました。
 授賞式そのものはクローズドな感じ。僕は安寿姫にお誘いいただき、スタッフとお食事を(ウラに詳しいですが)。で、二次会が「ささやかに」行われると聞いていたんですが。
 どのへんがささやかなんじゃーい!
 びっくりどっきり腰抜かすくらいの超豪華デリシャス&ゴージャスな面々が勢ぞろい。これで地味なら世の中のほとんどは無味無臭ですよ。
 司会が北方謙三さんですからねえ。詳しくはご本人↑がお書きになっていらっしゃるでしょう。おそれ多くて書けません。
 で、綾辻行人さん、道尾秀介さん、薬丸岳さんなんかと三次会へ。大夫の盟友今野敏さんも駆け付けてのお祝い。うれしそうでした大夫さま。

みんなが嬉しそうでした

 で、『幽No.15』がとうとう出来。鯰が目印。僕は諸星大二郎さんと対談させていただきました。で、個人的には東編集長推理作家協会賞受賞記念インタビューがちょっとスゴイなと。だってインタビュアーが綾辻行人+小野不由美両先生という、普通あり得ないでしょうこれは。特集&連載も読みごたえアリ。

 でもって「怪0033」は只今仕込み中。

 全国大学生活協同組合連合会の「読書のいずみ」という雑誌に、けっこう長いインタビューが載ってます。聞き手が学生さんだったので、なんだか初心に帰ってしまいました。

 それから『京極夏彦全小説ガイドブック』という本が出ました。ガイドされてます。こちらにもインタビューが載ってます。細かいです。細かいですが、細か過ぎて僕もスタッフも出版社も知らない情報が載っていました(笑)。どうやらネット上の冗談フェイク情報だった模様。驚きましたねえ。まあ何でもかんでも網羅してやろうという意気込みのなせる業でございましょう。まあ、こうしたものの内容には関知しない(すべきでない)というポリシーですので、チェックは一切してませんでした。
 興味がおありの方はぜひチェックを。

 で、書籍の性格上なぜかガイドからはスルーされております(小説じゃないですし)『文庫版 妖怪の理 妖怪の檻』(角川文庫)も、ようやく完成。細かいミスを修正し、一部書き足した補訂版です。

 そんなわけで、お正月まであと半年。

編集者Sのウラ情報

ありがとうございました。

 28日に震災の影響で延期になっていた大夫の「日本ミステリー文学大賞」の贈賞式がこぢんまりと行われました。本人が語っているでしょうから多くは書きませんが、二次会の出席作家の顔ぶれの豪華なこと。なにかあれば文芸出版社は蒼ざめる、というぐらいでした。それなりに人数のはいれる会場を用意したつもりだったのですが、立錐の余地もないというくらいの混みよう、猛暑日とあいまってみなさん汗だくでした。
 三次会までお付き合いいただきました皆様、本当にありがとうございました。
 この原稿をかいているのは30日。これから推理作家協会とJTのイベントへ行ってまいります。昨年までのサントリーイベントにかわるものです。JTだからといって、タバコのブレンドではありませんから。

まるひの秘書ヒショバナシ報

まるひの秘書ヒショバナシ

 今週はお休みさせていただきます。

ノリノリ編集後記

来週は第500号!

 今週は行事やイベントがいろいろございました。
 でもって急ぎの仕事や打ち合わせも集中してしまい…気がつけば金曜日といった感じです。あわただしい一週間でした。
 暑い日が続きましたし、少し痩せた気もします。
 でも、がっつり食べていたので現実には痩せていませんでした。
 そんな中…気になるニュースがありました。
 AKB48の公式ライバル「乃木坂46」のオーディション開催!
「大極宮」のオフィス所在地は会社設立以来ずっと乃木坂界隈。六本木、六本木と申しておりましたが…最寄り駅は千代田線の乃木坂なのです。
 そしてワタクシ、この応募期間中に46歳になります。ズバリ「乃木坂46」。
 これはもう他人事ではないです。とりあえず応募要項を確認してみました。
 そこには「満12歳~24歳までの女子」という文言が明記されています。
 注意事項にも「満12歳~24歳までの女子の方に限ります」とダメ押しで書かれています。他の項目はクリアしていましたが…。
 毎年忘年会で素晴らしいパフォーマンスを披露してくださるS潮社のTさんにもお声掛けしようと思ったんですけどねえ…。
「乃木坂46」…僭越ながら何かお役に立てることはないかなあと考えております。
(乃木神社で毎年「勝守」を購入。ご利益は…まだです。ノリ)

アンケートから

ダンディ大夫先生

◆嗜好と文化2011で久しぶりに生大夫先生を拝めると思って楽しみにしていたのに体調が悪く、行くことができませんでした。最近サイン会も都合がつかず、早くダンディ大夫先生に会って目の保養がしたいです!

・今日はダンディ大夫先生の写真を多めに掲載いたしました。目の保養になれば幸いです。
 そして、『絆回廊』感想メールありがとうございます。ここに載せてしまうとネタバレになってしまうメールが多かったので、掲載いたしませんが、ダンディ大夫先生には転送しておきます。皆様ありがとうございます。

- 第499号 - 2011/7/01