大沢在昌・京極夏彦・宮部みゆき公式ホームページ『大極宮』
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週刊大極宮
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- 第487号 -
2011/4/01
燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー
震災の影響
今回の震災で出版界も大きな影響をこうむっています。紙と印刷用のインクが品不足になっているようなのです。
東北地方には、出版社が多くの紙の調達をお願いしている製紙会社があり、その工場が大きな被害を受けたことによって様々な不具合というか…影響がおよんでいます。
とはいえ、それでも出版事業は継続しているわけで、とうぜんオイラの締め切りもいつもどおりにやってきます。
多くのことが、これからどうなっていくのかが見えない状態ではありますが…自分のできる場所で、自分のできることをするということしか、今はないのではないかと思っています。
復興の支援に向けて、まだまだできることがあるというのは推理作家協会の理事会などでもでていますし、それについても継続的にしていくことを考えなくてはなりません。
今は日本中が多くの被災された皆さんを支援することに向いていますが、やがて時間が経てばそうした熱は徐々に引いていくものです。
現実の復興には何年という単位の時間、もちろん巨額の費用もかかるわけで、長いスパンでそれに対して自分たちにできることはないかと考えています。
大極宮でもなにかやれればいいという気持ちは、オイラ以外の二人も強く持っているでしょうから…相談してやっていきたいと思います。
厨子王の逆襲 〜 京極夏彦のコーナー
◎今週は◎
諸般の事情によっておやすみ。
おやすみといえば、『豆腐小僧双六道中おやすみ』(角川書店)、つばさ文庫『豆富小僧』(同)も発売になりました。
つばさ文庫は、映画のノベライズではありません。
ジュブナイルは買いにくいなあとおっしゃる向きには、同じ作品(漢字の量がかなり違います)が『豆腐小僧その他』(角川文庫)にも収録されますので、そちらで。これはまあ、わかる人にはわかる柳田國男の『一つ目小僧その他』にあやかった書名でありますが、その他の部分は 狂言台本と落語であります。
一方、『オジいサン』(中央公論新社)にあやかった川柳募集もはじまった模様。くわしくはこちら。
「オジいサン」特設ページ
朗読少女・乙葉しおりさんの読む『オジいサン』第一話の後半も発売になりました。『オジいサン』関連の取材も受けました。
そんなわけで、また来週。
編集者Sのウラ情報
電子書籍が普及…
前回は震災にあわれた書店さんの状況にふれましたが、その書店さんに本を送りだしている出版社が受ける影響は、実はこれからが大変なんです。物流もそうですが、東北で稼働していた製紙工場が大 きな被害を受け、印刷用紙の供給が大幅に減少しています。印刷にかかせないインキも原材料不足で、生産量がダウンしているとか。その影響がいつ頃から、どの程度出るのかは、現場にいるわけではありませんので、私にはよくわかりませんが発売延期とかの話もちらほら聞きます。
工場が再建され生産量が元に戻るには相当時間かかるようです。これを機に紙もインキもいらない電子書籍へという流れが加速するのでしょうか。
まるひの秘書ヒショバナシ報
ふとした罪悪感
「ああ、あと1個しか残ってないよう」というときに、ドラッグストアで奇跡的に買えた4ロール入りのトイレットペーパー。自宅に他のストックはありません。またすぐ買えるといいなあ。
ある日、蕎麦屋で「冷やし納豆蕎麦ください」と注文したら「納豆が手に入らないので出来んですよ」と言われたり。
ものの見事に何も並んでいないガランとしたコンビニの棚。(最近は商品で少しずつ埋まりつつありますが)
懐中電灯用の単二の乾電池はまだ買えていません。今入っている電池でいつまで保つのかしらん。これは、予備の電池を普段から用意していなかった自分が悪いんですけどね。
このようにちょっと困ったり残念だったりすることが、身の回りにけっこう起こっています。でも、不思議と腹は立たなかったりするんですよね。
それは、「被災地の人たちの苦労を思えば……」と自分に言い聞かせているから。これぐらいで不平を言っていたらバチがあたりますわい。
自分の部屋で寝起きが出来て、普通にご飯が食べられること。じゅうぶんです。
そして、ときおり感じてしまうんですよねえ。罪悪感を。
たとえば夜寝るとき、ぬくぬくと布団にくるまっていると、「避難所はさぞや寒いだろうなあ。ワタシはこんなに暖かくて申し訳ないなあ」なんて後ろめたく思ってしまったり。
考え過ぎですかねえ。
精神的に参ってしまうほどではないと思うので、節電を心がけ、被災地の一日も早い復興を願いながら、生活していくしかないですねー。
ノリノリ編集後記
キング・カズ
いま発売中のナンバーに、「キング・カズ」の由来についての記事が載っていますが、今週おこなわれた復興支援チャリティーマッチで、カズは日本サッカー界で誰もが認める不動のキングになりましたね。
あんなドラマ、あるのでしょうか…。
後半途中、ピッチに入ってからというもの、カズのゴール…なんて贅沢は言わないけれどせめてシュートチャンスでいいからこないかなあと、試合の残り時間を気にしつつ祈る思いでテレビを見ていたら…あのゴールです。スピードに乗ったいいシュート! カズダンスもよかったなあ。
一瞬、カズも感極まったように見えましたが(気のせい?)、私はもう涙が止まりませんでした。
Jリーグ選抜のユニホームがなんとなくブラジル代表、セレソンに見えて…ブラジルで武者修行をしたカズにふさわしいと思ったり、今でもあこがれている日本代表を相手に点をとる気持ちって…などなど、サッカー好きにはいろんなことを考えさせられる得点でした。
あの試合の意味からしても、挫折を味わう度に這いあがって新しいチャレンジをして、一方で日本代表復帰という夢も持ち続けるカズのゴールが、いちばんふさわしいものでもありました。
もちろん今をときめく現日本代表メンバー…とくに海外で挑戦している選手も素晴らしく、遠藤のゴールや岡崎のゴールもすごかったのですが、同じ1点でもカズのゴールは重みが違う気がします。まさに魂を揺さぶるゴールでした。
でもって試合後のインタビューでは、冷静でしっかりしたコメント、というよりメッセージをおくっていました。テレビの前で興奮がおさまらず、ティッシュで涙を拭く自分が滑稽に思えるほど…カズは落ち着いていましたね。チャリティーマッチだったことを思い出させてくれました。
とはいえ私はその夜のスポーツニュースをハシゴしてまたまた興奮。翌日のスポーツ紙の一面が見たくて見たくて朝が待ち遠しかったです。
朝起きてコンビニで新聞を買ったとき、チャリティーは忘れないでしましたよ。小銭ですけどね。
(ドバイでヴィクトワールピサとトランセンドが1、2着になったのもすごいことです…ノリ)
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「名セリフ大全」
◆あなたが選ぶ名ゼリフ大全が好きです。読んだことのない本についての投稿でも、いろいろ想像して読みたくなりました。じいのコメントも面白くて、ためになってます。
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