週刊大極宮

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- 第431号 -

2010/1/22

HEADLINE RUMORS 〜 風のウワサ

大沢オフィス女子部

 安寿、ヨーコ、まるひの三人で、近々新年会をやるらしい。

燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー

今週は大藪賞

 第12回大藪春彦賞の選考会があり、道尾秀介さんの『龍神の雨』と樋口明雄さんの『約束の地』が受賞しました。
 道尾さんとは昨年11月にトークショーをやったばかりなので、六本木で飲んでいて連絡を受けたオイラは、お祝いを伝えに銀座へ移動したのです。
 そこには、大藪賞の選考委員である志水辰夫さんや真保裕一さんなどもいて、久しぶりにお会いした志水さんとは直木賞を受賞した佐々木譲さんの話などで盛りあがりました。
 そのうち辻村深月さん、さらには東野圭吾さんもやって来て…場は一気ににぎやかな雰囲気に。
 道尾さんは先週、直木賞の選考に漏れたばかりなのだが…わずか一週間のあいだに辛い報せと良い報せを経験することとなったわけで、それは力のある作家にはあってもおかしくないことだ。そういう意味では嬉しそうではあるが落ちついた雰囲気だった。
 グダグダと昔話をするオイラや志水さん(年寄りグループ)と、背中合わせに盛りあがる若い道尾さんや辻村さん。そしてなぜかそちら(若い)側にいる東野理事長…。
 一夜は楽しく更けていったのであります。

安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー

ゲーム女の生きる道

 皆様。

  「FFXIII」は、どないですか(^o^)?

 というような問いをそこここで発すると、たいてい、
「話が動き出すまで、前半がちょっとスローな感じです」
 というお答えをいただきます。そうなのか。私はオープニングを観たのですが、あそこから続く導入部分が、体験版でプレイできたところですよね。
 やっぱ時間かかるんだな……もうちょっと先延ばしにして、「アルティマニア」が出てからやろうか、などと思っている宮部であります。

 で。

  「ヘラクレスの栄光」の2周目をプレイしている(^^)♪

 たまに連戦がありますが、基本的にはいつでもどこでもセーブできるので、毎日少しずつ進めるのがフレンドリーで、さらにザコ戦でもバトルが楽しいし、ときどきエンカウントで画面が真っ赤になって「強敵に出会った!」という緊張感もある。
 デカDS、手放せないんですよ〜♪
 2周目のみのイベント<ロコスに青い羽をあげる>を観たいし。
 謎が解けてから、あらためて最初からプレイし直してみると、伏線の意味がわかって納得するし。
 序盤で「幸運のお守り」を複数買っておくと、エリスが参加してすぐに<MP半分>のアビリティをみんなに付けられるという知恵もついたし。
 このゲームのシステムの楽しさ(と新鮮さ)は、ザコ戦で上手にバトルすると、宿屋の必要がない、というところにあります。戦いながら回復できるんですね。だいぶMPが減っちゃったから、オーバーキルの補給じゃ追いつかないか――と思うタイミングで、レベルアップの全回復があったりするのもニクいんです♪
 慣れてくると、MP補給の<魔法の花>にもほとんど頼らずに済むようになります。というか、そうなるように狙ってプレイするようになる。自分の腕があがったことを実感できるので、嬉しいんですよ(^o^)。
 それと、忘れちゃいけない。

  ペンタッチ操作による魔法とスキルの効果アップ!

 これもやり込みがいがあります。DSならではのシステムで、強敵相手やボス戦でさくっと強化できると、ホント爽快! 妖精に「ヘタっぴだね」と言われたことも忘れちゃう。
 RPGの楽しみは、もちろん壮大なストーリーや謎解きにもありますが、こういうシステムの方にもある。あらためてそう実感させてくれる秀作です。未プレイの方には、ぜひぜひとお薦めでございます♪

arrow 厨子王の逆襲 〜 京極夏彦のコーナー

◎今週は正月からかよ!シリーズ◎

 何なんでしょう。真藤順丈くんの祝言を皮切りに、怒濤のような日々が。

◎その1

 やっとできました『数えずの井戸』(中央公論新社)の著者インタビューがまとめてありました。
 いつも困るのは、書き終えた小説のことは、もうそんなに考えないので「忘れている」ということで。
 現在進行形のものはかろうじて覚えていますが。書き終えてからインターバルがあるともう覚えてないわけです。
 しかも、とっ始めがダ・ヴィンチ。編集R+門賀美央子タッグ、担当はNという組み合わせは、何だか平素感がにじみ出ますね。いや、仕事ですからきちんとやりましたけれど。
 というか、よりちゃんとしなくてはいかんと思ったのでいっしょうけんめい思い出しまして、おかげでその後のインタビューは少しラクでした。

インタビュー

 それから感謝を籠めて書店さん用のサインをどーんとしたり、写真を撮られたり。

サイン

◎その2

 妖怪馬鹿ユニットのひとりであります村上健司くんの出版を祝う会がございました。以前ご紹介した『手わざの記憶』(中公文庫)ですね。
 村上くんは『怪』の主力メンバーとしで創刊以来健筆をふるって来られ、また水木一門としても、妖怪推進委員会世話役としても、古典遊戯研究会中幹事としても、ただの馬鹿仲間としても活躍されております、いまさらいうまでもない妖怪の「同志」であります。
 ただ僕にしても村上くんにしても「妖怪」関係の仕事は多いですが、「妖怪」で飯を喰っている訳ではございません。僕は小説家で、村上くんはライターで、それぞれ糊口を凌いでいる訳で。『手わざの記憶』は、直接的に「妖怪」とは関わってこない内容の村上くんの単著であります。これはお祝いだと、各出版社の編集さんを始めとする業界の方々、そして妖怪・遊戯・馬鹿もろもろの友人が一堂に会しましてお祝いを致しました。
 多田克己は当然のことですが、水木プロのみなさんや、黒史郎、石神茉莉、天野行雄、田辺青蛙、怪編集長幽編集長などなどなど50人近くが集まりましての大盛会。店長C(P)と副店長Rによる「手技ショー」なんぞもありまして、梅沢年寄の仕切りでなごやかにお祝いをば致しました。

お祝い

 本人曰く「鬼っ子ですが」という『手わざの記憶』ですが、鬼っ子は大事に育てると福を呼ぶ福子でもございます。みなさんもぜひ、ご一読を。
 

◎その3

 前日一緒だった黒史郎くんが光文社の新刊を書き上げられまして。でもって妖怪ライフの友である僕と鶴見ライフの友である平山夢明さんでもって鼎談をしろという命令が。まあ、平山さんはミサイルなので、僕を安全装置としてかませようということらしいですが、安全ではなかったかもしれません。
 そんなわけでパキパキと黒い一番星をもり立ててまいりました。

鼎談

 新刊はタイトルがまだ(仮)らしいですが、中身は実に黒史郎らしい仕上がりでございました。黒ファンのみなさん、ご期待ください。
 

◎その4

 でもってそのまま「バッカみたい、聴いてランナイ!」の収録が。どうせだから出ろということで黒くんも拉致。

ラジオ収録

 何でもこのラジオ、妙に聴取率がいいんだとか何だとか。いいのか日本。なんか、メールやお便りもたくさん届いておりましてびつくり。
 あいかわらず台本ナシ(台本無視だったのがナシになったわけで)のぶっつけ本番、現場処理班大活躍のこのラジオでございますが、今回初の試みがございました。「平山夢明に原稿を読ませてみよう」というスタッフのチャレンジ精神が発露したのであります。わははははは。
 で、どうなったかといいますと。意外に冷静なスタッフのひと言。
「失敗でしたね」
 わははははは。どうなっているかはオンエアで確認してください。
 でもって、緊張しておなかが痛い黒史郎くんもしっかり出ております。
 平山さんは「赤ちゃんがいやいやをする際に小さい指が抱いている人のハナの穴に突き刺さってだくだく流血するという事例はことのほか多い」という説を熱心に称えられておりましたが、そんなこたあねえだろうよというのがその場にいた大勢の一致した見解だったりします。
 そんな中、なぜか話題をさらったのが福澤徹三さんだったりしまして。
 ええ、先週ご報告した真藤くんの結婚式で平山さんは福澤さんの写真を撮って「こ、これ、ホンモノじゃねえかよう」と本気で泪を流して笑っていたわけですが、それがブリ返した模様。福澤さんの話になると俄然盛り上がる平山先生。
 と、いうわけで、特別にその「ホンモノの写真」を。

ホンモノ

 うん、ホンモノだ。
 

◎その5

 でもってその黒史郎くんと一緒に、恒例の新年会に行きました。ええ、妖怪の馬鹿な人達の集いです。黒ジュニアもやって来ました。推進委員会も勢ぞろい。東亮太くんや東雲騎人くんとも久し振りにお会い出来ました。なにしろ大人数なのでもう何が何やら。
 ちなみに、黒ジュニアはとっても元気でしたが、その小さい指が鼻の穴に突き刺さってだくだく流血した人は一人もいませんでした。
 

◎その6

『ルー・ガルー』(講談社ノベルス)のアニメ化が進んでおります。アフレコも大詰めなので一度来いといわれまして、若干へろへろになっておりましたが行ってまいりました。
 着くなり声優さんたちや監督の藤咲淳一さんと写真を撮られたり。みんな孫のように若いですよ。

声優さんや監督さんと

 いや、キュアピーチさんやらマダラさんやら木津千里さんやら関内・マリア・太郎さんやらですよ。
 もう、心も体もオジいサンです僕は。
 でもってインタビューなんかもあり。
 いや、今回のプロジェクトは原作→アニメという単純な構図ではないわけです。
 音楽でクレジットされているSCANDALのみなさん、プロダクションI.Gを筆頭にしたアニメーションスタッフ、そして原作小説のコラボというかセッションというか、そうした企画なのであります。SCANDALのみなさんの活動そのものが、ルー・ガルーにリンクしてくるという仕組み。はたしてどのような仕上がりになりますものやら。
 で、SCANDALのみなさんとも顔合わせをさせていただいたわけですが、もうみなさん曾孫のように若いですよ。おじいちゃんはもうよぼよぼですよ。
 完成までもう少しお待ちください。
 

◎その7

 古典遊戯研究会・紙舞の定例会が。
 いつもはうんすんカルタですが、今回は八八。いや、一応研究会なんです。マジメに研究しているんです。でも研究しているものが遊戯なので、結局遊んでるんじゃないかという疑いはあるんですが。
 今回は流石に顔を出すだけで精一杯でしたが。

古典遊戯研究会
 

◎その8

 某社と某社と某社の打ち合せが連発。
 まずは……まだないしょ。
 ついこの間書きました「百鬼夜行・陽/墓の火」が掲載されております「オール讀物」(文藝春秋)が丁度刷り上がったところでございまして。
 本年第1作でございます。そんなこんなでアレやコレやと先のことをば。
 続いて、ただいま五話を執筆中であります「小説現代」(講談社)の「死ねばいいのに。」についてもろもろ取り決め。
 でもって↑の『ルー・ガルー』についてももろもろなんぞも。
 それから「怪」(角川書店)も当然動いておりまして、これもいろいろナイショのあれこれ。
 一箇月くらい休眠しておりました「お化け大学校」の年間スケジュールなんかもご相談。今年も色々ありそうですねえ。
 で、この「お化け大学校」、たーだ休んでいたわけではございません。
 システムの調整やら何やら、裏方仕事がなされていたわけで。で、どうやらケイタイ以外からの入学が可能になる模様。詳しくは近々公式に発表されます。
 水木総長、荒俣学部長はじめ、化け大生のみなさんにも納得していただけるプログラムを練っておりますので、そちらもご期待ください。
 

◎今週の……お別れ◎

 みなさんもうご存じのことと思います。声優の田の中勇さんがご他界されました。
 信じられません。40年、ずっと声を聞き続けて来たのですから。
 五期に亙るテレビシリーズ、実写版、劇場版、すべての「父さん」が、逝ってしまいました。
 田の中さんには妖怪会議にも出演していただきました。アフレコ現場で何度もお会いしました。父さんを演じていらっしゃる田の中さんは、もう「父さん」そのものでした。
 色々な役を演じられ、どれも印象に残るものばかりでしたが、中でも目玉親父というひとつの役を四十年以上も大事に演じてくださったことに対しては、水木ファン、鬼太郎ファンとして、感謝の気持ちしかありません。
 目玉親父のモノマネをする人はとても多いわけですが、それでも田の中さんの跡目をとれる方はいないでしょう。野沢雅子さんが「インタビューされたけど、二代目は考えられないと答えました」とおっしゃっていました。
 ほんとうに、「替えが利かない」域まで役を高めるというのは、生半なことではできないと思います。
 お通夜の席には大勢の「とうさん」の子供たち、そして仲間たちが集まりました。
 祭壇は目玉親父の形に作られていて、焼香台には小さな目玉親父が座っていました。みなさん、悲しむというより信じられないという表情をしていらっしゃいました。
 アマビエ役の池澤春菜さんが「一年くらいたったら、もう会えないんだとわかって、きっと哀しくなるだろうね」とおっしゃっていたのが印象的でした。
 そのお通夜の席上に。
 郷里大輔さんの訃報が。
 郷里さんも、ご存じの通りバラエティのナレーションなどでもお馴染みの大ベテランの声優さんでした。僕もデビュー前に一度お仕事をさせていただいたことがあります。ワイルドな声からは想像できない温厚で気さくな方という印象があります。
 奇しくも、郷里さんは一昨年、『墓場の鬼太郎』で目玉になる前の鬼太郎の父を演じてくださいました。
 ふたりの父さんが相次いで逝ってしまいました。
 心よりご冥福をお祈りいたします。
 

◎今週のお知らせ◎

「コミック怪vol.09」と『魍魎の匣・4』(共に角川書店)がそろって発売。志水アキさんの魍魎も、もう佳境まっしぐらですね。また今号から化野燐さん原作の「人工憑霊蠱猫」(作画・倭日向)がスタートです。
 志水アキさんのカラーイラスト集『蒐集者の画集』応募者全員サービス(負担あり)応募券つき、冬のコミック怪まつりも開催中。

 でもってメディアファクトリー『冥談』の準備も調いました。
 書きおろしは二編。発売は三月の予定です。書きおろし分も書きましたので、出るでしょう。


 ↑これ、一週間の出来事じゃないのじゃないかしら。
 大丈夫だろうか、今年。

編集者Sのウラ情報

新聞連載……

 厨子王の「数えずの井戸」がいよいよ発売になります。厚いらしいです。といっても厨子王ファンは当然のように受け止めるのでしょうね。さてこの作品はいわゆる地方紙6紙に連載されたもので、原稿自体は一年前に書き終わっておりました。地方紙の小説連載というのは、各社開始時期がまちまちで、最後の連載が終わるまで単行本にはしないと不文律があります。
 この「数えずの井戸」も最初の連載が終わったのは昨年の1月でしたが、最後の連載が今月の13日で終わるのをまっての単行本化でした。厨子王初の新聞連載作品です。なにか違うのかそれとも……お楽しみに。

まるひの秘書ヒショバナシ報

今週の厨子王原稿メール件名

 大極宮にしやがれ
 アイドルだけではなかった模様。一昨年のジュリー祭りがなつかしいですわあ。
 あ、でも、これは映画という可能性もありますね。どっちでしょ。

お待たせしましたー。

大極宮フェア2010」の開催書店リストが、本日ようやくできました。
 ずーっとコピー(or カット)&ペーストの連続で、右手がつりそうになりました(笑)。
 なんとか更新日の今日中に間に合うよう、時々ストレッチしたりツボ押ししながらがんばりましたですよ。
 あとは間違いのないように祈るだけです。

ノリノリ編集後記

「コミック大河」

 PHP研究所から「歴史街道」の増刊として…月刊「コミック大河」が創刊されます。そしてその連載ラインナップに宮部さんの『ぼんくら』(画:菊池昭夫)が入ります。なかなかイイ感じですよ。

ぼんくら

 ほかにも北方謙三さんの『楊家将』(画:長沢克泰)などもあって充実した内容。特集には旬の“龍馬と岩崎弥太郎”がくまれてますし、興味のある方はぜひどうぞ。

 そして『魍魎の匣』と『百器徒然袋』という豪華ダブル連載中の「コミック怪 冬号 vol.09」と『魍魎の匣』コミックス第4巻が、そろって発売になりました。こちらもぜひ!
(小林繁さん。今でも草野球のときにモノマネしています。ご冥福をお祈りいたします…ノリ)

アンケートから

難易度の高いご指摘

◆いつも楽しませていただいています。
 初メールがご指摘の内容だなんて恐縮なんですが…。

 当方、Macintosh OS 10.4.11 でFirefox3.5.7 を使用しています。
 アドオンで NoScript というものを使用していまして、2010大極宮フェアのページ、またアンケートページにてJavascriptの警告が出ます。
 失礼ながら警告の内容とソースを併せて見ると、×××(省略させていただきます:まるひ)に引っ掛かっているようでした。
 他のページは確認していないので、宜しかったらチェックなさってください。

 これからも頑張ってください。応援しております!

・う、なんという難易度の高いご指摘! 心より敬服いたします。応援もありがとうございます! ワタシ自身よくわからないながら、他のページにならって×××の部分を修正してみました。が、ちゃんとできているかどうか自信がありませんです……(をい)。(まるひ)

- 第431号 - 2010/1/22