週刊大極宮

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- 第426号 -

2009/12/11

HEADLINE RUMORS 〜 風のウワサ

デジカメフル稼働

 今年に入って撮影したイベントや取材の写真のフォルダが50を超えているらしい(過去最高)。

燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー

菊池寛賞

 第57回菊池寛賞贈呈式に行ってきました。
 歳の瀬のこの時期ということもあり文藝春秋の忘年会を兼ねているようなものなので、毎年参加しています。
 今回は“ミステリー界の巨人”佐野洋さんが同賞を受賞されたとあって、会場には多くの作家や関係者が祝福に訪れていました。
 贈呈式後のパーティーでは、例によってオイラは北方氏と会場の片隅でバカ話。そこに村山由佳さんがあらわれ、我々の話に笑いころげておりました。初めて見るふたりの漫才に、新鮮な驚きがあったのかもしれません。
 パーティーの後は文藝春秋の編集者と食事をして六本木へ。
 おそらく昨年のこの時期にもここで書いたと思いますが…今年の暮れの六本木は昨年以上に人の出が少ない。世の不景気をつくづく感じます。
「出版業界も不況。来年、再来年はどうなるのかなぁ…」
 そんなのん気なことを言ってていいのかと自分に対する思いも含めて、暖冬でコートを着ずに歩ける歳の瀬に考えております。

安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー

ゲーム女のバスマットの話

 バスマットを買い換えたのですが。
 昨今話題のというか、人気商品なのだそうですが、なんかこう、イソギンチャクみたいな房がいっぱいついていて、ウルトラ吸水性が良いというものを買ってきました。
 ホントに吸水性バツグン! 全然湿った感じがしないから、あったかいし。
 けど。
 なんかねえ、薄暗い洗面所にそれがぽつんとあると。。。あるいはお風呂のドアの手すりにかけてあるのがふっと目につくと。。。

  遊星からの物体Xみたいなんですよね(^^;)

 さもなきゃ「魔獣大陸」というかクトゥルーというか。
 昨日、2度ほど「ドキッ!」としたのでした。てへへ(^^;)

arrow 厨子王の逆襲 〜 京極夏彦のコーナー

◎今週の推進◎

 年頭、乱歩リミックスワールド「陰獣 INSIDE BEAST」で旗揚げした、月船さららさん×出口結美子さんのユニット・metro。
 年の瀬に行ないます第二弾公演は、「舞台版・妹と油揚」でございます。「妹と油揚」とは、またちょっと変わったタイトルでありますが、これは「陰獣〜」の台本・演出もされた天願大介さんがおよそ20年前に撮られたショートムービー、つまり映画監督天願大介のデビュー作なのであります。
 題名からはどこかしらほのぼのとした印象を受けるわけですが、これが 実は日本版エクソシストのお話。エクソシストというと「怖いの? 恐ろしいの?」と思われる方が多いかとも思います
 が、なんたって「日本版」でありますから、取り憑くのは悪魔じゃなくてイヅナ。その段階でもう、いわゆる「恐怖」は明後日の方を向いちゃうわけであります。でもってイヅナ本体が登場しちゃう段階で、オカルト的なあれこれはもろもろと瓦解してしまうという構造。一般の方に向けては「ホラーコメディ」と銘打っているわけですが、これはもう紛う方なき「妖怪映画」でございます。受け入れがたい不条理や悲哀や恐怖や狂気や理不尽が キャラクターとして具体化しちゃうことで「まあいいか」というところに落ち着いてしまうという、妖怪の成り立ちを体現したような筋書きでございます。
 その証拠に、かつてこの映画をご覧になった水木大先生が「アンタ、これは妖怪映画ですヨ」とおっしゃられたわけで。世界妖怪協会会長のお 墨付き。
 今回はその映画の舞台化なわけでございまして、こりゃあ弟子としても「推進」せねばと、全日本妖怪推進委員会「推進作品」とさせていただきました。
 そんなわけで、お呼びがかかりましたので行ってまいりました。終演後のトークショーですね。

終演後のトークショー

 旗揚げ公演の時はミステリの人としてお呼びいただいたわけですが、今回は妖怪の人として呼ばれたわけです。
 いや、舞台版になって妖怪度数は異様に上がっておりました。何しろ、metroのお二人に加え、客演が「小劇場のリビングデッド」寺十吾さん、「演劇魔界の門番」外波山文明さん、そして「アングラの魔王」若松武史さんというものすごい布陣。そしてイヅナ役はもちろん、天願作品の常連であります鴇巣直樹さん。この方以外にイヅナはおりますまい。
 鴇巣さんは映画版でのイヅナ役が役者デビュー、そしてそのイヅナ役でPFF最優秀男優賞を受賞されております。二十年の時を経て甦る鴇巣イヅナ。もう、演じるというよりそのものになってます。生妖怪。
 怪優たちの怪演にまけじと女優二人も体を張った妖演、まさに妖怪演劇。全員どこかしら行ききっちゃった変態の競演は、やがて饗宴へと変貌し、怪演が怪宴になってしまうというまさに妖怪な組み立て。
 推進のしがいがある妖怪作品でありました。

 そんなmetroの「妹と油揚げ」、千秋楽も近付いております。最終日はソールドアウトのようですので、本日、そして明日が最後のチャンス。
 ご興味のある方はぜひ足をお運びください。詳しくはコチラ

metroのお二人と

 でもって終了後、天願さん、metroのお二人、寺十吾さん、スタッフの方々と打ち上げなんぞをしておりましたところ、なんと松尾貴史さんが。舞台をご覧になっていらしたそうでビックリ。

ビックリ

 デビュー時から熱心に追いかけておりますキッチュファンとしてはまさに僥倖というよりありません。いや、ほんとに「ザ・テレビ演芸」の頃から好きだったんです僕は。そんなわけでいろいろと濃いお話をお聞きすることができまして、たいへんに嬉しかったわけであります。二十数年来の謎も氷解いたしましたし。

まさに僥倖

◎今週の幽◎

 ええと「怪0028」(角川書店)に続いて「幽No.12」(メディアファクトリー)も完成いたしました。イナガワ先輩のコワイ表紙が目印であります。次は「怪談実話系3」ですね。
 でもって「数えずの井戸」(中央公論新社)も、なんだか細かい校正や ら後工程がほぼ終了。「オジいサン」の四回目も校了しました。

 と、いうわけでこれから次号「怪」の企画会議と世界妖怪協会のヒミツ会議に行ってまいります。
 水木大先生、荒俣大人の前で、推進委員会の面々と今年の反省をば。

 反省ばかりの人生です。また来週

編集者Sのウラ情報

1100……

 発売前から一部で(どこだ)話題になっていた「大沢在昌最長長編! 『欧亜純白 ユーラシアホワイト I・II』」、15日の発売に先駆けオフィスにも見本が届きました。上下あわせて1100ページ、さすがに厚いです。で、既刊と比較してみました。分冊でいままで一番厚かったのは『天使の爪』で、上下で980ページ。両方とも週刊誌連載で『天使の爪』が2年4ヶ月、『ユーラシアホワイト』が2年7ヶ月全122回。1回あたり15枚として……。普通週刊誌連載は1年間50回程、それでも800枚くらいにはなりますから、122回も書いたらね。週刊誌連載だから長くなる、というものでもないはずですが。
 上下あわせて3570円も読み応え充分です。コタツでみかん片手にどうぞ。お近くの方はサイン会もよろしければ。
 ちなみに「I・II 」となっていますが、「III」以降はいくら待っても出ませんから。

まるひの秘書ヒショバナシ報

今週の厨子王原稿メール件名

 さ大極宮雪(←って、無理矢理だけど「さ」がないとわからんしなあ)
 たしかに! この「さ」は大切です!

フルーツ天国

 厨子王りんごに続いて……

美味しくいただいてます

 お歳暮でミカンがどっさり。

ミカンがどっさり

 大沢オフィスはフルーツ天国です♪ スタッフのビタミン補給もこれでばっちりですね。

安寿のバスマット

 気になってネットで調べてみました。
 確かにイソギンチャクだわこりゃ、と納得(笑)。
「スーパードライバスマット」で検索すると出てくるのがソレだと思います。
 なんだか自分も欲しくなってしまいましたヨ。

ノリノリ編集後記

W杯

 予選の組み合わせが決まりました。
 日本が入ったE組は明らかに強い相手ばかりですけど、なんだか地味ですよねぇ。第1ポット(シード国)はブラジルかアルゼンチンがよかったです。そして第4ポットはフランスかポルトガル。個人的に希望がかなったのは第3ポット(アフリカ勢)だけでした。結果的に南米勢がいないのは寂しすぎます。
 …と、強豪国ばかりをあげてまるで日本代表が予選リーグで敗退するのを期待しているかのように思われるかもしれませんが…中途半端に強い相手に勝つよりも、世紀の大番狂わせが見たいんです。
 韓国はバランスのとれたいい組に入りました。今はチームの調子が悪く世界ランクも下がっていますが、ここ一番に強いですから予選突破があるかもしれません。
 そして、うらやましいのはG組の北朝鮮。最高の舞台でブラジルとポルトガルと戦えるんですから。
 まあ、日本代表をとうぜん応援はしていますが…掲げている目標(ベスト4)があまりにも我々が感じている実力とかけ離れていて、正直、ベスト4を口にする解説者や関係者のコメントを聞くたびに引いてしまいます。
 そのてん、オシム氏のコメントはじつに冷静で安心できます。
 ああ…今からでも遅くないから、オシム監督に戻らないかなぁ。
(タイガー・ウッズ騒動の今後の展開がとっても気になります…ノリ)

アンケートから

久々にやってしまいました……

◆週刊大極宮を楽しみにしています。
“ホーム”はまだ先週のままだったのですが、一応……と思ってリンクをクリックしたら、「あ……更新されてる」。
 読み終わって“ホーム”へ戻ったら、「あ……日付だけ先週のまま(写真等は今週版)」。
 順々に更新されるんですねえv

・ええええ、そのとおりです、順々に更新してます。ただし日付は……直すのをすっかり忘れてましたあああ。更新してすぐにこのご指摘をいただいてなかったら、いったいどのくらいツッコミをいただいていたでしょうかね(笑)。教えてくださってありがとうございました。(まるひ)

裏でも……

◆まるひ様
 余程パニくってたんですねぇ。
 その余韻が……(笑)。
「答え“な”くないんですよ。」って打ってますよぉ。
 お昼休みは平和に過ごしたいものですねぇ。

・まったくですよねぇ(笑)。お昼休みじゃなかったら、もう少し冷静に対応できたかもしれないのにいいい!(まるひ)

- 第426号 - 2009/12/11