大沢在昌・京極夏彦・宮部みゆき公式ホームページ『大極宮』
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- 第395号 -
2009/4/24
燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー
日本推理作家協会賞
先週の17日、「第62回日本推理作家協会賞」の受賞作が決まり、理事長として最後の記者会見にのぞんできました。
本年度の受賞作は、なんと各部門2作ずつで合わせて6作という大盤振る舞い。
たぶんこれは同賞の前身である「探偵作家クラブ賞」も含めた歴史始まって以来の最多受賞作数でしょう。その受賞作は以下のとおり。
・長編および連作短編集部門
道尾秀介『カラスの親指』、柳広司『ジョーカー・ゲーム』
・短編部門
曽根圭介『熱帯夜』、田中啓文『渋い夢』
・評論その他の部門
円堂都司昭『『謎』の解像度』、栗原裕一郎『〈盗作〉の文学史』
このような結果になったのは、おそらくそれぞれの部門において優れた候補作が目白押しで、選考委員の苦慮した結果だと考えます。
出版界に元気がない今、こうした受賞作がたくさん書店の店頭に並ぶことで、多少でも業界の活性化につながればよいと思うしだいです。
記者会見のあとは銀座のお店で選考委員や受賞者を囲み、遅くまで盛りあがりました。そこでは…。
今回から選考委員を引き受けてくださった伊坂幸太郎さんが、記者会見で選考委員のひとりとして質疑に応じたのですが、どうも人前でのおしゃべりが得意ではないようで…。受賞者への質問コーナーで、選考経過をもっと詳しくお願いしますと伊坂さんに要望が出たのには思わず笑ってしまったのです。
そのことで、選考委員の馳星周氏からもさんざんからかわれ…。気の毒でもあり、選考委員をお願いしたオイラとしては申し訳ないという気持ちでもありました。
先週報告したとおり「松本清張賞」の選考会が終って、オイラのもとには乱歩賞の候補作がド〜ンと届けられております。この時期の3、4、5月は毎月選考委員をしている賞のために人の書いた小説を読むのが続くのですが、そんなおりもおり…
ふと“忙中閑あり”で神保町の古本屋街を散策してきました。
オイラが神保町に行くと必ず顔を出すお店に、古書センターというビルの中にある自然関係と料理の本を扱ったお店があります。オイラはそこで釣りのエッセイや釣法などが書かれた古本をよく買うのですが、その日もなんとなくそこで物色していたら…
「大沢先生ですか?」と声をかけられ、
「先日、京極先生が妖怪関係の本を買っていかれましたよ」と、
ごくごくあたり前な顔で言われました。
古本業界では“大極宮”のことが意外に知れ渡っているんだなあとみょうに感心して帰ってきたのです。
ちなみに、古本屋さんで声をかけられたのはこれが初めて。新刊書店で声をかけられるより、古本屋さんで声をかけられる方がなんとなく作家になったような気がするのはなぜかなぁ……。
厨子王の逆襲 〜 京極夏彦のコーナー
◎今週は百鬼◎
お引っ越し第二弾、『百鬼夜行・陽 屏風のぞき』がオール讀物(文藝春秋)5月号に掲載されています。
とても懐かしいキャラクターが登場しています。
と、いっても「それ誰?」でしょうが。
名前だけで「あー」と思われたような方は作者より通です。もちろん、なーんにも知らずにもお読みいただけますので、御心配はいりませんが。
次は秋に載る予定。
◎今週は巷説◎
トップにもありますが、『前巷説百物語』C☆ノベルス版が発売になりました。
旧来の百鬼夜行シリーズなどはおおむねノベルス書き下ろしでしたので、文庫化の際に体裁を整えるための改稿をしていました。その場合は「文庫版」という表示をして差別化していたわけです。
巷説のような場合は「怪」に載ったものに書き下ろしを加えて単行本化するため、単行本→新書→文庫と、誤字脱字などの訂正を除けばほとんど手を入れていませんでした(なので「新書版」などの表記はありません)。
今回は、最初の書籍化の際、テンプレートのパラメータが微妙に調整されておりまして、ノベルスのフォーマットに移行する際にズレが生じることが判り、やむなく手を入れることになりました。
と、いうわけで、今回の新刊は原理原則に従うなら「ノベルス版前巷説百物語」とすべきなのですが、それまでついていなかったものをいきなりつけるというのも変なので、そのままにいたしました。
なので、文章が単行本と微妙に違います。もちろん筋が変わっているとか設定が変わっているとか、そういうことは一切ありませんし、突き合わせて比べなければ違いは判らないと思いますが。ええ、細かいことです。
担当Nは今回もコマネズミ的に働いてくれまして、中公サイトのフラッシュを作ったり、おまけのフーセンを設計したり、おまけのフーセンを張り合わせたり、おまけのフーセンをふくらませたりしてくれたようです。
そう、前回のスゴロクに引き続き、今回のオマケは紙風船なんですね。
装画は東雲騎人くん。
ガマの絵が目印。
◎再来月あたりは邪魅◎
レーベルのお引っ越しにともないノベルズを出荷停止にしていただいておりました百鬼夜行シリーズ。ただ一点文庫化されていなかったせいで、入手が難しかった『邪魅の雫』文庫版がとうとう発売になります。
ただいま準備中。
こちらは『文庫版邪魅の雫』ですね。講談社文庫。張り子も久々の新作。どんな具合のジャミさんになるのでしょう。乞う御期待。
◎来年はゲゲゲ◎
既に報道されておりますが、水木大先生の奥様でいらっしゃいます武良布枝さんのご著書『ゲゲゲの女房』(実業之日本社)がNHKの朝の連ドラに。
若き日の大先生の姿が毎朝モニタ上に! スゴイことです。
◎今週の妖怪横丁会◎
アニメ「ゲゲゲの鬼太郎(第5期)」のキャスト&スタッフ&関係者で構成されます妖怪横丁の集いがありました。呼子が呼ぶので参加してまいりました。
現在放映はされていないわけですが、どういうわけか何も終わっていないという。というかむしろ活発になっているという。しかも、何かができているという。
もう、声優さんというよりキャラそのものになっているような。虚実があいまい状態。「あの時のバイトが面白かったー」ってバイトしてたの 今野さん? あ、ネコ娘のほうか!
イベントのコスは手作りだったのか高山さん!
「下駄の似合う足にしなくちゃいけないし」って、着ぐるみの鬼太ちゃんよりずっと鬼太ちゃんなんですけど。まあ……ホンモノですからね。
で、「こないだアマビエとカワウソがどうしたこうした」「だからあれはヤンボシでー」ってもう人間の会話じゃない!
妖怪推進委員会の面々だって、会話中妖怪単語含有率はもっとずーっと低いです。
合言葉は「妖怪横丁の火を消すな」。がんばれつるべ火。
『劇場版ゲゲゲの鬼太郎・日本爆裂!!』のDVDもまもなく発売です。特典テンコ盛り。
そんなわけで横丁のみなさんと。
そんな具合でまた来週。
編集者Sのウラ情報
会議です……
今日は、年末以来の作家三人がそろってのオフィス会議。何度も書いていますが、三人が顔を揃えることは、オフィス以外ではまずありません。なにかのパーティや選考会でも二人までは揃うのですが。
そんな今回のメインの議題は朗読会の演目の相談になりそうです。朗読会もここまで続くと、次はどんな話で笑わせて、あるいは泣かせてくれるのだろうというみなさんの期待をひしひしと感じます。その思いは三人も同じ。熱い議論がかわされることでしょう、って会社みたい。
すでにお知らせ済みですが大夫の新聞連載「語りつづけろ、届くまで」が千葉日報で始まりました。千葉、特に勝浦の皆さん、ご購読ください。
まるひの秘書ヒショバナシ報
今週の厨子王原稿メール件名
大極宮漫遊記
うーむうーむ。これは時代劇なんだろうか……(元ネタがわからないまるひ)
負けたカレー
裏に出てきたカレー缶です。トマトに負けたカレー缶です。
もうね
「アンケートから」のとおりです。やらかしましたよ。
もうね、なんていうかね、「祭り」?(←けっこう嬉しいらしい)
ノリノリ編集後記
マスク
私の花粉症は基本的にスギだけなので…今週からマスクをしない生活に戻りました。アレグラ錠を飲むのも終了。ホントにホッとしています。
マスクがないと呼吸がラクなんですよね〜。メガネが曇ることもないですし。じつにうっとうしい2ヶ月でした。花粉症になったことのない人にはこの辛さがわからないでしょうけど、毎年耐えるのは体力的にもけっこう疲れるんですよぉ。
そういえば…
競馬の騎手、あの武豊さんが今年から花粉症デビューされたそうです。
ただし発症は4月になってからのようなので、一時的なものかもしれないですね。ってゆうか、一時的であることを祈ってあげたいと思います。
もし本当に花粉症だったら…症状に慣れるまでは、競馬予想をするうえで少しばかり割り引きしなきゃいけないか…。
競馬の話ついでに今週末の私の買い目、「フローラS」編。
3着までの馬に「オークス」優先出走権が与えられるレースです。ということは、「桜花賞」を勝って「オークス」でも大本命になること間違いないブエナビスタに挑戦できる権利です。正直言って「桜花賞」の負け組が「オークス」で巻き返すとは思えないので、ブエナビスタの相手探しのレースともいえます。アンカツ騎手の相手探しといってもいいですね。
となれば、話の流れから言って…武豊騎乗のミクロコスモスを本命とすべきでしょうが、ここはブラックエンブレムの全妹で抽選突破してきたピースエンブレムを軸。主戦の松岡騎手がタレントのほしのあきさんが命名したハシッテホシーノの方を選択したので、嫉妬心から猛烈に頑張りそうな気がします。4角で先頭にたちそのまま長い直線を逃げ粘る!? 相手は追い込み勢からステイゴールド産駒の2頭。前走大敗したピースオブラックとおそらく出走中最軽量のラークキャロル。この3頭は「ミモザ賞」の1、2着馬と1番人気馬の組み合せ。なんだかんだ言って単純予想です。当日は良馬場になりますように。
(愛馬の引退&惨敗で自慢話がまったくない一口馬主…ノリ)
アンケートから
ワタシも読みたい!
◆見つけてしまいましたー。
名ゼリフ大全第19回の「新宿鮫」著者が京極夏彦に!!
京極版新宿鮫、ちょっと読んでみたいです。
◆こんばんは。初めてアンケートに参加させていただきます。
えっと、もうどなたか指摘されているかもしれませんが、名セリフ大全第19回の「くわなかったら?〜」のセリフの作者名が「京極夏彦」さんになっています。
「新宿鮫」なので大沢在昌さんですよね?
どなたかとカブっていたらすみません;
それでは、これからも更新を楽しみにしています。
◆早く! 早く直して〜!
名ゼリフ大全の「新宿鮫」の作者が京極さんになってますよ!!
ボスにばれたら…きゃーっ!!
◆「名ゼリフ大全」、狸蕎麦のくだりでノックアウトされたというコメントをとっても楽しく読ませていただいていたのですがその後の
『新宿鮫』 京極夏彦
という間違いは…もうたくさん指摘されているんだろうなと思いつつ突っ込まずにはいられません…!(笑)
沖縄のおつまみ、ぷちぷちの海ぶどうもおいしいですよね(^-^*)
◆わ〜い! 初めて間違い探しに投稿します〜!
名ゼリフの19回、『新宿鮫』は、京極先生ではなくて大沢先生ですよね!うれしい〜!
◆名ゼリフ大全第19回の7つ目。『新宿鮫』の著者が京極夏彦先生になってま〜す。
久々の発見で嬉しいです(笑)
◆いつも楽しく読ませて頂いています。今回私としては初の誤字発見!
第19回「あなたが選ぶ名ゼリフ大全」の中で、「新宿鮫」の作者が京極夏彦になってましたよ。
◆名ゼリフ大会で間違い発見!
新宿鮫は京極先生ではなく大沢先生だと思いますよー!
コソっと直していただけたらコソっと笑っておきます。
(他多数)
・うはあああ! デカイのやっちまいました。とほほほほ〜。
ここに全部載せきれないほどたくさんの方から(笑)、ご指摘いただきました! ありがとうございます〜! 初発見の方、おめでとうございます〜♪
京極版新宿鮫、ワタシも読みたいでっす。わははは。(まるひ)
小さいのもある
◆「瑞泉」の記事で。誤字かどうかちょっと不安ですが。
こりゃあ、「がっぶり」四つに組む覚悟で挑まねばならぬ
↓
当地では「がっぷり」なんですが、東京方面では「ぶ」というのかも……?
・言いません言いません、ワタシの間違いでございます。上の「京極鮫」と一緒に、こっそり直しました。ご指摘ありがとうございますー♪(まるひ)