大沢在昌・京極夏彦・宮部みゆき公式ホームページ『大極宮』
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- 第355号 -
2008/6/27
燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー
第15回松本清張賞
受賞式が6月23日の月曜日、帝国ホテルでありました。
この賞はいつも「大宅壮一ノンフィクション賞」と一緒に受賞パーティーが開かれるのですが、ノンフィクションの受賞式というのはたいてい選考委員の方の挨拶がひじょうに長くて…あとを受けもつ文学賞の選考委員は挨拶がやりにくい状況になることがあります。今回オイラは挨拶に立つ役目はなかったけど、今年に限っては短時間で終わってホッといたしました。
文学賞の受賞式の場合、会場に来ている人たちは選考委員の挨拶よりもむしろ受賞者の喜びの声を聞きたいと思っている人が大半なので、選考委員の挨拶があまりに長引くと場が緩んでしまってザワつくことになります。オイラは自分が選考委員として壇上に上がったときは、なるべく短時間で手際よく選考経過などを話そうとつねに心がけています。
今回の受賞作は、梶よう子さんが書かれた『一朝の夢』という時代小説。
このところあちこちのエンターテインメント系の長編文学新人賞で、時代小説と植物を絡ませた作品が最終候補に残ったり受賞したりすることが多いです。書いている人はそれぞれ別々なので、何かひとつの流れというか…流行なのかなと思っているのですが。書かれている植物はそれぞれ朝顔であったり、桜であったり、ツツジであったり…、江戸時代にそれだけ植物の栽培や観賞が盛んだったということもあったんでしょう。
長編小説の新人賞は、何かひとつその人でなければ書けない“持ち味と知識”といったものが要求されるので、そこらあたりに皆さん目をつけられておられるのかなぁという気がしています。
一方で、時代小説の人気の高さを象徴してもいるのでしょう。
現代ミステリーを書いている身としては、もっともっと現代ミステリーの書き手に参入していただきたいと思うしだいでありますが…。
安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー
大きなお祝い♪
今週、ちょうどこのコメントがアップされる27日の夕刻、山本周五郎賞の贈賞式と祝賀パーティが行われます。
御受賞の今野敏さんとは、推理作家協会理事会の仕事を通して、永い永いお付き合いでお世話になってきました。ホントに本当に嬉しい御受賞です。
昨今、気力・体力が続かなくてパーティにはご無沙汰気味の宮部でありますが、今回は何としてもお祝いに伺おうと、電池をいっぱいに充電しております。
同じく周五郎賞を御受賞の伊坂幸太郎さんには、宮部はまだきちんとお目にかかったことがないので、会場でお会いするのがとても楽しみであります(^_^)v
厨子王の逆襲 〜 京極夏彦のコーナー
◎今週の全日本妖怪推進委員会◎
ええと。映画『ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌』(松竹)が、ようやく完成。
水木大先生をはじめ、ぬらりひょん役の緒方拳さんなど、スタッフ・キャストを一堂に会した試写会が催されました……が、僕は仕事で行けませんでしたわっはっは。
しかし完成慰労の会には出席させていただきました。
オーツカ君とTジマ君と、水木プロの方々で二階のすみっこの方に縮こまっておりますと、なにやら爽やかな若者が駆け上がってまいりまして、「をや誰だらう」などと思って見れば、主演のウエンツ瑛士君。
「先日はどうもありがとうございました!!」などと言われまして「ハテ、何か礼を言われることなどしただらうか」などと思っていたらば、先日収録した「ベストハウス123」のプレゼンテーターがウエンツ君だったんですね。
「いやあこちらこそ」などと言っているところに佐野史郎さんがいらっしゃいまして。ひとしきり水木話で盛り上がったり。
下の方には、本木監督や脚本の沢村光彦さん、田中麗奈さんや北乃きいさん、次長課長の河本準一さんなどの姿も。
田中麗奈さんは二度目の猫娘、中禅寺敦子役も二回と、何かとご縁がございますハイ。
なぜか突然「挨拶をせえ」と言われまして、まあ一応キャスト(チョイ役ではありますが一番ワルイ役!)ではあるものの、みなさんの前でご挨拶するほどのもんでもないわけで、ここは仕方なく「世界妖怪協会・全日本妖怪推進委員会肝煎、関東水木会会員」として、完成をことほぎ、ヒットを祈願し、水木大先生を讚える旨を語らせていただきました。
今回の鬼太郎は「恐くて、笑えて、泣ける」お話。けっこううるうるしちゃう方も多いようですが、しっかりと水木テイストも盛り込まれていますし、原作ファンも、大人も子供も女子も男子もお楽しみいただけるかと。
公開は七月十二日です。さあ劇場へゲゲゲのゲ。
冬には劇場用アニメ『ゲゲゲの鬼太郎 日本爆裂!』(東映)も控えております。冬になってもゲゲゲのゲ。
もちろん、現在放映中の第五期『ゲゲゲの鬼太郎』(フジテレビ)も第二部に突入してますますヒートアップ。お茶の間だってゲゲゲのゲ。
で、『墓場鬼太郎』DVD(アスミック/フジテレビ)も第三巻が発売中。来月発売の第四巻の封入特典ブックレットに、ちょっと出ております。
DVDといえば『魍魎の匣』(ジェネオン)も発売されました。スタンダードエディションと、「魍魎の匣の箱」の2タイプ。
その『魍魎の匣』のコミック版が好評連載中の「コミック怪vol.4」(角川書店)もスタンバイ中。
でもって、もちろん本誌である「怪0025」も、完成間近です。お楽しみに。
◎今週の幽◎
やっと出ました「幽vol.9」(メディアファクトリー)。
毎日明け方までがんばった甲斐があったのう、編集R。え? いまも同じ状況だ? わっはっは。
今年は怪談本の出版が増えたような気がします。よりどりみどりですから、みなさん、お好みに合わせてゾっとしてください。
◎今週のお知らせ◎
↑でもお名前のある俳優の佐野史郎さんの、写真展が開かれます。
題して「あなたがいるから、ぼくがいる〜佐野家6代をめぐるフォトアルバム〜」。
これは、佐野さんが撮影された写真だけでなく、明治時代から現代までの「佐野家の写真」展なんですね。
つまりモノクロフィルムからカラーフィルムそしてデジタルへと移行した、「写真の歴史」展でもあります。
佐野さんは、一瞬でデータが消えちゃうデジカメや、退色や劣化が激しいカラーフィルムにくらべて、「モノクロフィルムの凄さを実感」されたとか。
ちなみに、水木大先生も写ってます。
七月四日から十日まで、東京ミッドタウン・富士フィルムフォトサロン/東京で。
月末(七月二十五〜三十一日)には大阪でも開催されます。
ってな具合で、来週はナイショだったことなどがいろいろご報告ができるかな、と。
編集者Sのウラ情報
ノベルス……
安寿の「孤宿の人」ノベルス版、おかげさまで大勢の方に読んでいただいています。時代小説のノベルス化というのはあまり例がなく、違和感をもたれた方も多かったのでは。ノベルスというとミステリーやサスペンス、少し前なら架空戦記、いまならラノベというのが一般的なイメージでしょうか。ノベルスというのは各社を代表するシリーズではあるのですが、ただの版型ですからジャンルは関係ないと言えばないのです。そこには時代小説の読者がいないと思われているのでしょうか。
今各社ノベルスは非常に厳しい状況におかれています。単行本と文庫にはさまれて中途半端な立ち位置かもしれません。単行本より安価で気軽に読めて、文庫よりは活字も大きく読みやすい。なにか可能性があるかもしれません。
「ICO」のノベルス版もよろしく。こちらは王道です。
まるひの秘書ヒショバナシ報
今週の厨子王原稿メール件名
大極宮ジェッター
歌は即座に思い浮かんだのに(といっても「ジェッタージェッター♪」ってとこだけ)、絵が出てこない。うーむうーむ。
富くじ
一等賞金が一億円です。正確には一億ギル。お金の代わりに激レアなアイテムと交換もできます。
私も、もちろん買いましたとも。いちおくあったら…ハンパなくお金がかかるんで諦めた彫金スキルを上げたいなあ。
とかね、いろんな人がいろんな夢を見ていられるのも、あと少し。
当選番号発表の30日は、ヴァナディールじゅうが喜びやため息でいっぱいになることでしょう。
当たってもはずれても、とりあえず私はウレシイです。というかスッキリ。ただでさえキツキツのアイテム保有枠を富くじで10個もふさがれ、すべてのキャラクターが身動きとれなくなってましたから(笑)。これでやっと好きな「釣り」が再開できますわ〜♪
プレゼント企画
6月26日でしめきりとなった「サイン入りオリジナル書籍 三冊セット」のプレゼント企画に、ビックリするぐらいご応募をいただきました。ありがとうございます。どうやって抽選しようかしら…
で、今度オフィスに大極宮の三人がそろうのは、7月10日。そのときにサインをしてもらいまして、発送はその後ということになります。応募された皆さま、もう少しお待ちくださいませね。
ノリノリ編集後記
本日発売2誌!!
どぉ〜ですかっ、この表紙!
言わずと知れた…?鬼平?と?拳志郎?
男、漢…オトコクサさ全開になってます。
紅白に金文字、ぶ厚くなって豪華で「ぐぅ〜」ですよ。
月刊「コミック乱 8月号」(リイド社)には…京極さん原作『巷説百物語』、週刊「コミックバンチ 7月11日号」(新潮社)には…宮部さん原案『スナーク狩り』がそれぞれ連載中。
この機会にぜひ読んでみてください。
(両誌ともに“ナイス漢(ガイ)”編集長です…ノリ)
アンケートから
がんばってください!
◆いいな〜〜。
厨子王のまちがい、大当たりでしたね。
わたしも見つけたいな〜〜。
・ダイジョウブ! その気持ちがあれば、いつかかならず発見できます。ご指摘お待ちしていますね〜♪(要するにずっと他力本願するつもりのまるひ)