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- 第474号 -
2010/12/10
燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー
カレイ釣り
先週の日曜日、天気があまりにも良かったので、ひとりでふらっと川崎の東扇島まで投げ釣りに行ってきました。
じつはここで釣りをするのは16年ぶり。
今を去ること16年前、直木賞の選考会当日…家にいても仕事にはならないだろうと初代鮫番のW氏と二人で小雨の降る中、車を走らせ投げ釣りをおこなったのです。
そのときはなんと一投目からカレイが釣れて、ものの10分足らずの間に2枚のカレイを釣りあげてしまいました。
「運は使い切ったなぁ」という印象でしたが…それがまあ、あにはからんや受賞につながったわけで…。
今回16年ぶりに訪れた東扇島は、当時とはまったくと言っていいぐらい様相が変わっていて、きれいな釣り公園に整備されていました。
釣り場に行く前、近くの釣具屋さんに電話で釣果を尋ねたところ、「今日は7枚あがってますよ」という答えだったので、これはイケるだろう! と思ったのですが…釣り場に着いて隣で釣りをしていた人と話をしてガッカリ。
その日の午前中は釣り大会がおこなわれていて参加者は130人。ひとり2本まで竿を出すのがOKだったそうで…つまり260本の竿に対して7枚のカレイがあがったということが判明したのです。宝くじ…とまではいかないまでも低い確率。
それでも夕方までねばってみたのですが、巨大なカニが1匹釣れただけで納竿。その後ひとりで蒲田の街を散策し、ご飯を食べて帰りました。
で、この話をK川書店のS戸氏にしたところ(彼は川崎在住です)、川崎ならもっと良い釣りスポットがあるということなので…この週末にでもそこを攻めてみたいとひそかに思っているしだいです。
厨子王の逆襲 〜 京極夏彦のコーナー
◎今週の復活◎
NOVA4(河出書房新社)に載せていただくことになりました。
大森望さんがツイートで「構想十七年」と呟かれておりましたが、実際は十七年前に書きかけた作品というだけで、構想は三十分くらいです。
すいません。
十七年前といえばデビュー前年。その頃、僕は暇潰しに小説を書き始めたわけですが、前後して着手したのが長編一本と短編二本でした。長編は最後まで書きましたが、短編は二本ともボツにしました。というか、投稿も応募も考えていなかったわけですから、ボツも何もあったものではないわけですが。
その書きかけだった一本を復活させたわけですね。
その時書いた長編が、『小説・姑獲鳥の夏』。これはそれからさらに十年近く前にマンガで描きかけたものを復活させたものでありました。古いなあ。
それがまあ、そのままデビュー作になっちゃったわけですが。同時に書きかけていた二本は、もう存在自体完全に忘れてまして。
十年ぶりに大々的な整理を行いましたらプリントアウトしたものが出てきたわけですね。そりゃあまあ、ひどい。
あんまりひどいので、使ってみたくなったという次第(なんでだよ)。
といってもデータはワープロ、メディアはフロッピーですから、どうにもこうにも。できるだけひどさを残したまま(だからなぜ)ぜーんぶリライトしました。
すいません。
◎今週の整理◎
その発見の端緒となりました部屋の整理ですが、大勢のみなさまのご協力をいただきまして淡々と進んでおります。
この間は児嶋都さんまでお手伝いにきてくださいました。贅沢な話です。
いままで書斎と水木楼にあれこれを「超」収納していたわけですが、昨年限界を迎えまして、外付けのHDを増設したわけですね。
蔵書の中から小説とマンガ、掲載誌を仕分けしまして、書庫に移しました。水木楼からはグッズと雑誌を抽出、水木庵に移しました。映像ソフトはDVDとLD、Blu-rayを分離。ソフトばかり集めたのでソフト館なんですね(正確にはVHSとベータと8ミリとDVのソフトは書斎に残っているわけですが)。この仕分けと整理整頓が思いの外たいへんで。やってもやっても終わりません。というかまだ終わってません。これも因果応報です。
ま、人生の基本は整理整頓です、はい。
で、水木先生に表札を揮毫していただきました。家宝ですね。
こちらは水木楼。
こちらが新設の水木庵。表札でかいです。
いつ終わるやら。
◎悲報◎
茂山千之丞さんがお亡くなりになりました。
突然の報せに呆然としております。あの、可愛らしい豆腐小僧がもう観られないかと思うと、淋しいというより悔しいというか、残念でなりません。大いなる喪失感があります。
初めてお会いした時の本当にお豆腐のような瑞々しい印象を、生涯忘れません。
ご冥福をお祈り致します。
編集者Sのウラ情報
幸運な18名
「大極宮」開設10周年記念サイン本プレゼント祭にたくさんのご応募ありがとうございました。当選確率だけ報告すると、約200人にひとりといったところでした。で、当選された幸運なかたは、「裏大極宮」にてハンドルネームで発表しております。ご確認ください。なお皆様からいただいた個人情報はすみやかに削除いたします。
さて何かと話題の電子書籍端末、ソニー、シャープと国産勢も出そろってきました。興味をお持ちの方はどの端末を選択するのか、悩ましいところだと思います。それぞれが一つの書店というイメージだと思うのですが、リアル書店と違うのは、電子の場合、別の電子書店で買うことができないこと。ネット経由で販売している場合だと、購入は出来るかもしれませんが、表示の互換性の問題もありますしね。品揃え、使い勝手など選択基準は人それぞれでしょうが、まだまだ発展途上という気はしています。
ノリノリ編集後記
忘年会
シーズン真っ只中ですね。仕事関係やら趣味の集まりやら…忘年会でしか会う機会がない人もいたりして楽しいものです。
このところ行かなくなってしまいましたが、数年前までいつも躊躇して参加していた忘年会がありました。なぜ躊躇していたかというと、飲み食いする場所が山小屋だったからです。場所は丹沢の鍋割山荘。
鍋割山荘といえば、オーナーの草野氏と鍋焼きうどんが有名です。
まあ忘年会というより忘年登山なわけで…某出版社に関係する複数の登山会が1泊2日で合同でおこなっているんです。
私が所属している会(現在活動休止中)は毎年ルートを変えて塔ノ岳をはじめとする丹沢山系の各ピークに登ったりしてから鍋割に向かっていたのですが、さすがに飽きまして…。同時にこの時期、疲労困ぱいした体にムチ打って参加するのがおっくうになってしまったんです。ダメですねえ。
ちなみに忘年登山は今も続いておりまして、継続して参加しているメンバーの皆さんを心から尊敬するしだいです。
(どんなことでも「継続する」って昔から苦手なんです…ノリ)
アンケートから
おばけ
★よそのホームページですが、角川書店「カルテット」紹介ページで太夫様のプロフィールの中で、直木賞受賞作が『無間人形 新宿鮫?』になってるのでは……?ハテナって……。
直してもらいましたが、書籍にあわせてローマ数字を使っていたのでしょう。ローマ数字は文字化けするので「大極宮」ではアルファベットのI、V、Xを組あわせて表示しているんですよ。