週刊大極宮

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- 第460号 -

2010/9/03

HEADLINE RUMORS 〜 風のウワサ

今週の厨子王の逆襲は

 前号459号の写真とあわせて読むとより楽しめるらしい。

燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー

逢坂剛右衛門コンペ

 例年8月最終週に軽井沢でおこなわれている「逢坂剛右衛門コンペ」に今年も参加してきました。
 おそらく10回ちかく続いてきたなかで、今回が最高の天気および暑さ。
 車で軽井沢まで行ったのですが、休憩で立ち寄った関越自動車道の高坂サービスエリアで車の温度計を見たらなんと43℃! 熱めのお風呂並みですぜ。
 暑さで有名な熊谷に近いことからも…車を降りた瞬間に思わず笑ってしまうぐらいの暑さでした。
 寒いと笑いはでませんが、暑いと笑いってでるんですねぇ。なんだかもう笑えて笑えて。
 ゴルフの方は…40、40のトータル80で、本来はしてはいけないのに優勝してしまいました。
 で、その夜は何人かの編集者や家族とともに過ごしていたのですが…夜中に突然ラーメンが食べたくなったのです。
 23時ごろ、旧軽井沢銀座にさまよい出ました。まあ、もちろん深夜に開いている店などあるわけもないのですが…。
「ここでチャルメララーメンをやればきっと儲かるだろうなあ」などと、みんなで話していたら、「こういう高級別荘地で夜中にチャルメラなんか響かせたら、オーナーたちから抗議がきますよ」とB社イケブン青年。
 その言葉に「…なるほどなあ」と一同うなずいたのでありました。

安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー

ゲーム女の“化け大祭”

ヨーヨー釣り

 化け大ヨーヨー…2個ゲットの図。

arrow 厨子王の逆襲 〜 京極夏彦のコーナー

◎今年の化け大祭◎

 2年目になりますね。
 もうずいぶん前のことのようですが、先週写真だけ載ってましたので、まだ最近のことなんでしょう。

 大阪で、『西巷説』取材大会がありまして、そのまま京都でも続きがありまして、かなりやっつけられた後に設営をしたわけですね。例年、往来で開いておりました化け大購買部(旧世界妖怪ショップ)が、本年はスタジオの中。化け市化け座のみなさんと一緒のスペース。
 しかも、ワークショップも同じスタジオ。にぎやかな感じで良かったです。しかも、この猛暑ですから、冷房があるのはお客様にもスタッフにもありがたかった模様。

 例年、グッズだの書籍だのを売っているわけですが、実はあまり夏場に新刊を出さないので、自分の本はそんなに売ったおぼえがありません。今年はなぜかいっぱいあって困ってしまいます。他の方の本は胸を張って勧められますが、自分の本は売りにくいです。

 今年から縁日っぽくしたいということで、ヨーヨー釣りを導入してみました。テキ屋的な役割は村上健司世話役やら編集Rやらなぜか居た新潮社の青木(仮名)やら、推進委員会の縁起物Sくんやらにおまかせ。ちなみにヨーヨーはオリジナル河童ヨーヨー。膨らますのもテキ屋的な人たちです。
「カッパのおならが入ってまーす」などとお下品な呼び込みをしていましたが、意外にもお子様中心に(あたりまえか)喜んでいただけだようです。

 と、準備をしていると隣のスタジオからお声が掛かりまして。
 なんじゃろうと怪編集長と行ってみたなら、そこには三池崇史さんが。
 でもってなんだかスゴいセット。
「な、何を撮ってらっしゃいまするか」「わっはっは、コレですよコレ」
 と、そこにはなぜか忍者の子供が。って、この人はこ、こ、こども店長!! 加藤清史郎くんじゃないか。なんて小さいんだ!!
 映画『忍たま乱太郎』の撮影中だったわけです。
 加藤くんには「この人は妖怪のおぢさんです」と紹介されました。トホホホホ。「水木しげるさんの弟子の人ですか」的なことを言われました。加藤くんのほうがおやじどもより大人です。

 そんなこんなで初日。

 でもって、何と言っても本年のサプライズは安寿姫・宮部みゆきさんの参加であります。
 新幹線の中でサインなどしてくださいましたようで、到着そうそうに何と売り子に。ちなみに、本年は各出版社からヘルパーさんが来てくださいましたので、ハッピが足りなくなりました。僕のは安寿姫、怪HO、新潮T嬢、講談社Kくんに貸与しました。でもって僕が着ているのは「巡礼用」の白法被であります。

法被


 しかし、コスチュームがかわいいからといってお客さんの写真を撮らせてもらう売り子さんというのも珍しいと思います(安寿姫のことですが)。朗読会の参考にしたいのとおっしゃってましたが、どのような点をどのように参考にされるのでしょうか……。
 往来の特設ブースでは『あんじゅう』(中央公論新社)グッズやら一部で人気のあんじゅうまんじゅうやらも。クイズラリーなんかもありましたようで。

あんじゅうグッズ

 会場には『音迷宮』(講談社)を上梓された石神茉莉さん、それから『妄邪船』(講談社文庫)が出た化野燐さんも降臨。なんだかすごいプレミアおまけがついていたりして。あれは僕も欲しいです。おまけといえばアラマタセットのアラマタバッジやフリーメイソンバッジやオリジナルミイラポストカードも欲しかったですよ。でもまあ、そこはお客様優先です(水木セットの特製大先生手形色紙はゲットしましたが)。そういえば「小暮/死ねば」団扇ももらってない気がする。

 大屋書房さんの妖怪古書店や、地方のお化けブースやら、何やら活気づいておりまして。第二回怪遺産認定地の山城・大歩危妖怪村からお化けもたくさん来てくださいまして、この暑いのに大変だなああの格好は。
 新メンバー猫又さんが加わった妖怪プロジェクトも熱唱。寺子屋で行われる「妖怪データベースの使い方」講座には、小松和彦先生も来てくださいました。豪華です。

 で。
 トークイベント。リハの時間もあんまり取れないというせわしなさですが、スタッフのみなさんの絶妙のチームワークで切り抜けました。
 まず、宮部さんが『西巷説』の冒頭を読んでくださいました。西の言葉なんで難しいのですが、流石は安寿。
 それから、『西』のPV(当日初公開)、『井戸』『冥談』『死ねば』のショートPV、映画『ルー=ガルー』(東映系)の化け大オリジナルPV、来年公開の『豆富小僧』(ワーナー)の告知と続きまして、『あんじゅう』
のPVへ。
 でもって僕が『あんじゅう』の最終話を朗読させていただきました。何しろ決まったのが直前だったもので、はたしてちゃんと読めるのかはなはだ心配でしたが、はたしていかがだったでしょうか。ちなみに、僕が読んだところは宮部さんのご指定でした。ニセ坊主をやらせたかったのかしら。
 それからトークショーを小一時間。
 さらに、会場でも物販が。宮部さんの自著手売りというのは、たぶん空前絶後、前代未聞、驚天動地じゃないかしらん。

 初日は中打ち上げがありまして、かけつけてくださった綾辻行人さんともひさしぶりにお会いできました。

 で、本祭。

 大変な猛暑だったようですが、お客さんの入りは前日より快調。
 折り紙講座なんかもありまして、盛り上がったあたりで水木えつこさんのご到着。テレビドラマではよしこちゃんですが、本物はえつこさんです。
 で、化け大生交流会の始まり始まり。もう、十分交流している感じの中、さらに交流せよとのご命令。はい、荒俣宏ご意見番からの厳命であります。
 そこに、おりよく荒俣さんご到着。化け大生、化け市化け座のみなさん、推進委員会一同が、まるで水戸黄門の印籠が出たかのように畏まりまして、お言葉をいただきました。
 お言葉の後、僕と村上健司くんと多田克己さんの馬鹿三人でアラマタ特製カードを配付。残念ながら全員には行き渡りませんでしたが、一枚一枚手渡しをさせていただきました。いや、前後左右から次々と手が伸びてくる状況というのはなかなかスゴイものがございます。
 荒俣さんと化け大生の交流が続く中、三馬鹿はイベントのリハーサルへ。
 今回のお相手はまつゆう*さん。馬鹿+まつゆう*さんでお届けするのは「京都お化け巡り」でした。
 ご当地京都のお化けスポットを妖怪探訪家・村上くんが写真付きで解説。まつゆう*さんの質問に答えるのは妖怪研究家の多田センセ。僕はひたすら進行。まつゆう*さんはその模様をツイートしちゃうという趣向。クラマの天狗、宗旦狐、ヌエ、魔除けのサルに百鬼夜行に至ったところで時間切れでございました。

 で。
 実は寺子屋で化野燐さんの「お化けのしらべかた」講座が予定されていたのですが、化野さん突然の体調不良のため、大事をとって休講ということに。そこで三馬鹿に加え、助っ人で来ていた(仮名)を加えた元祖妖怪馬鹿ユニットが代打ということになりまして。化野さんの講座を楽しみにされていたみなさんにははなはだ申し訳ないのですが、まあそろったのが馬鹿なもので、くだらないお話をさせていただきました。本当にすいませんです、はい(化野さんは数日を経て快復されております)。

 で。
 水木えつこさんによります「水木家のヒミツ」(いや、そんなタイトルじゃなかったですが)イベントが。前説が荒俣さんという化け大ならではの展開。
 大先生の爆笑ショット連発、「終わりよければすべて良し」の、幸せ写真で締め括りまして、吉例「化け大オークション」の開始。

 司会は僕。オークショニアは荒俣さん。今年からは出品者が登壇してアピールするという趣向になりました。
 珍品・名品が続々登場。というか、入札できない司会のつらさ。でもって今年も、ゲゲゲ組のみなさんがそろって登壇してくださいました。自作オリジナル映像(『ゲゲゲの鬼太郎』のDVD特典映像になってます)で使った小道具を多数出品。その中の虫眼鏡を手にしたた鬼太郎さんが「私が持つと別のキャラになってしまいますね」って、わはははは。

オークション

 終了後はふたたび会場で即売会。荒俣さん、えつこさん、多田さん、村上くん、僕とそろいぶみ。写真取り放題(笑)。

 そんなわけで、今年も無事に終了致しました。
 ご来場戴いたみなさん、ほんとうにありがとうございました。何かと不備も多かったかと存じますが、これに懲りずに、またのお越しをお待ちしております。

◎今週のルー=ガルー◎

 公開されましたようで。ぜひ劇場へどうぞ。
 近いうちに電子書籍版も発売になる模様。
 そして、『ルー=ガルー2 インクブス×スクブス 相容れぬ夢魔』は、ただいま執筆中です。

◎今週の豆腐小僧◎

 こちらの映画はまだ先ですが、『文庫版豆腐小僧双六道中ふりだし』(角川文庫)はもうすぐ出ます。
 講談社版(トーフみたいなやつです)を文庫用に改定いたしました。表紙は勿論、こちら(本日出来上がりました)。

豆腐小僧


 ってな具合で、また来週。ふう。

編集者Sのウラ情報

片手にまんじゅう……

 ウワサでも書きましたが、今週の厨子王のコーナー、先週の写真報告とあわせて読むといっそう楽しめます。
 もちろんオーツカハルが撮りためた大量の写真からダブらないよう、すこしばかり写真はいれておきましたが。
 しかしいつまでも暑いですねえ。クーラーの利いた部屋で週刊大極宮をどうぞ。  
 話はかわって、「あんじゅうまんじゅう」、ためらうことなく大変美味しくいただきました。本のプロモーションでグッズを作ることはよくあるのですが、食品、ましてまんじゅうはあまり記憶にありません。今回は語呂合わせからアイデアが出てきたのでしょうが、打診された神田三原堂さんもびっくりされたことでしょう。英断に拍手。
 まんじゅう片手に、読書。もはや秋の風情ですな。クーラーも悪くないですがはやく涼しくなってくれ。

まるひの秘書ヒショバナシ報

今週の厨子王原稿メール件名

大極宮さんいらっしゃい
オヨヨ

ノリノリ編集後記

『ルー=ガルー』公開中

 全国で20館ほどの規模で…28日から公開になっています。
 SCANDALさんも初日舞台挨拶にがんばっておられましたねえ。
 まだまだ上映中ですのでお近くの方は足をはこんでみてくださいませ。
 そして『ルー=ガルー』完全版コミックスも発売になりました。合わせておねがいいたします。
 続編(!?)に備え…みんなで『ルー=ガルー』ワールドを復習しておきましょう。
(最近、KARAがお気に入り。「ミスター」のPVを聴く(観る)のが日課です♪…ノリ)

アンケートから

さっそくご覧いただきました

「ルー=ガルー」見てきました。京極さんの原作を生かしつつ、簡略化されたストーリーと映画オリジナルのストーリーの調和が素晴らしかったです。原作にはあまりない明るさみたいなのがあったりして。これで続編も新鮮に読めるような気がします。出来ればもう一回見たい作品です。

・感想、ありがとうございます!

- 第460号 - 2010/9/03