大沢在昌・京極夏彦・宮部みゆき公式ホームページ『大極宮』
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週刊大極宮
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- 第422号 -
2009/11/13
燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー
朗読会
無事に終わりました。今回はソロパートがなくひとつの演目ということで、例年に比べるとプレッシャーが少なくてやりやすかったです。
お客様の反応も心配していたほど悪くなく…というか思った以上に良くて、「ルパン三世」というキャラクターのおかげで、比較的ものがたり世界に入りやすかったのではないでしょうか。
アンケート結果はまだ見ていないのでわからないのですが、今後の朗読会をどういう展開にするのかみんなで相談して考えていきたいと思います。
おいでくださった皆さま、ほんとうにありがとうございました。
公演のあとは光が丘の居酒屋でスタッフらと打ち上げをし、さらに銀座のカラオケボックスまで安寿と厨子王と移動して、集まった編集者と一曲も歌わず…ただひたすらバカ話に興じておりました。
公開対談
讀賣新聞“活字文化プロジェクト”の一環で、道尾秀介さんと赤坂の草月ホールにて公開対談をしてきました。
道尾さんとこういうかたちで話をするのは初めてで、オイラより19歳も若い作家との対談ということでもこれが初めてとなります。
正直どうなるかと思いながらのぞんだのですが、彼の小説の文章に対する意識の高さにビックリ。
お互いの作品について少し話をしたとき、『新宿鮫』の冒頭でいくつかの漢字をあえて使わずにひらがなで表現した言葉に対して、彼から「意識的にひらがなを使っているのではないですか?」と指摘をされたのには驚きました。
もちろんそのとおりなのですが、そのことをはっきりと指摘した人はこれまでいなかったからです。
あと、「この先、一生小説家としてやっていけると思いますか?」という質問に対しては、「小説がとにかく好きで自分の書く小説がいちばん好きなので、やっていけると思う」と心強い答え。
34歳…考えてみるとオイラが『新宿鮫』を書いたのも34歳。そのときからあっという間に20年が経過したことを思うと、彼もこれから忙しい中で次々と良い仕事をしていくんだろうなあと…はっきり伝わってくるような対談になりました。
終わったあとは、集まった各社編集者とともに20人近くで六本木のバーに移動し、午前2時までいろんな話で盛りあがりました。
道尾さんは酒が強く飲んでも乱れないので、ほんとうに心強い後輩…あっ、後輩なんてエラそうに言ってはいけないけども、こういう人がこれからのミステリー界を引っ張って行くんだろうとつくづく思ったしだいです。
当日お越しいただいたお客様も、思わぬ深い話にきっと驚かれ、かつ楽しまれたことでしょう。
安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー
今年もリーディングカンパニー
私たちの自作朗読会が、7日に無事終了いたしました。
光が丘IMAホールにお越しくださいました皆様、ありがとうございましたm(_ _)m おかげさまで、私たちも本当に楽しいひとときでした。
感謝の気持ちでいっぱいです。ますます気合いを入れて頑張りますので、次の機会もどうぞこれに懲りず(^^;)に、ご来場くださいませ。
ここ何回かコスプレしていない宮部は、そろそろコスプレしたい気分になって参りました(^o^)♪
厨子王の逆襲 〜 京極夏彦のコーナー
◎先週のお礼◎
神保町古本まつりにおいでくださいましたみなさん、まことにありがとうございました。
お化け大学校購買部にお立ち寄りいただいた方々、お買い求めいただいた方々、それからトークイベントにご参加くださいましたみなさま、ありがとうございました。
おりしも、三省堂の中では北方謙三さんがサイン会の真っ最中、ワタクシは屋外で売り子の真っ最中。店長C、副店長R、看板娘R子さんらと「寄ってらっしゃい見てらっしゃい」でございました。雨で一時間早仕舞だったのが残念無念。
イベントの方は、健司村上講師、克己多田講師と馬鹿なかんじでまったりと始めたわけですが、驚きの宏荒俣教授乱入で場内も沸いておりました。平井呈一さんから植草甚一さんまで登場する「実際に体験していなければ語れない」神保町のヒミツが聞けまして、パネラーだか参加者だかわからん状態ではありました。こういうことが頻繁にあるからお化け大学校はあなどれませんね。
何はともあれ、ありがとうございました。
◎今週のお礼◎
八回目を迎えますリーディングカンパニーも、無事に終了。
こちらは……いや、何も語りますまい。ルパンファンのみなさま、もうしませんので許してください。モンキー・パンチ先生とトムスさんと山田康夫さんに懺悔いたします。原作担当の大沢さんにもとりあえず謝っておきましょうね。でも、まあ言いたいこともないではなくてですね。
「どーしてボクがルパンなんだ!」
まったくもう。しかも、高山みなみさん@ゲゲゲ組のみなさんも会場に。
どんだけプレッシャーですか。
素人芸ですよ素人芸。チャリティですから勘弁してください。え? 来年もありますか。
と、いうわけで、呆れなかった方は、ぜひ来年もどうぞ。
◎今週の仕上がり◎
とりあえず朗読会の前にこいつを退治。
もう四人目ですね。あと一人で連載は終了します。一年は早いなあ。もう一人足して、本になる予定。
で、大変だったこいつも退治。
今回も盛りだくさん。関係者の死屍累々で漸く完成しました。
でもってこちらもほぼ完成。水木しげる大先生生誕八十八周年記念本。
これは、予約した方のみにつく「限定のハコ」ですね。内容も濃いです。
まあ、水木大先生の六十年にわたる画業は、とても一冊でなぞれるものではないのでしょうが、こちらも関係者一同の愛と執念がたっぷり詰まっておりますので、読みごたえはあるはず。
でもってこんな張り子もできていたり。
荒井良最新作でございます。前巷説の文庫(角川書店)。
でもって、最後はこちら。ついさっき退治。
ずーっと新聞連載していた「数えずの井戸」(中央公論新社)もとうとうスタンバイです。
担当Nが力を入れている様子がうかがえます。新聞の紙面と単行本では、見え方だけでなく、文章も構成もかなり違ってしまいます。で、単行本用にリニュウアルいたしました。
というか、長いです(笑)。
◎今週の選考◎
早いもので、「幽」怪談文学賞も今年で四度目。
今年はいつになく応募が多かったようで、選りすぐりの作品をたっぷりと読ませていただきました。
選考委員は東編集長、高橋葉介さん、岩井志麻子さん、そして本年から参加の南條竹則さん。
今年は(というか毎年なんですが)難航いたしました。ムズカシイです。しかし、手を抜くわけにはまいりません。
じっくりと吟味いたしまして、泣く泣く落としたり、唸りながら選んだり。
と、いうわけで「佳作」というワクができました(惜しくも大賞優秀賞には到らないけれども、このままにはできないゾというワクですね)。
また、大賞レベルの筆力があるのだけれどスッパリ落とさなければいけないという作品もいくつか。
寿命が縮むような選考会でした。詳しくは次の「幽」にて。
終了後、南條先生オススメの中華をいただきましたが、この美味いこと。みなさんどーっと弛緩したのでございましょう。
それにしてもあらゆる話題をシモに接続する究極奥義をもっているシマコ姐には、毎度脱帽でございますなあ。
と、いうわけで、生きていたならまた来週。
編集者Sのウラ情報
年末と言えば……
朗読会も無事終わり、いろいろ書かれているでしょうから報告は省きますが、ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。
で、個人的には朗読会が終わると、これまたオフィス恒例イベント「大極宮フェア」の準備が追い込みにかかります。早いものでこちらも8回目となります。三人の文庫だけで展開していますので、大極宮ファンの方々は、もう未読作品がなくて少し縁遠くなってしまっているかもしれませんが、新規読者開拓が主な目的だったりしますので、ぜひお友達を大極宮ファンにしていただけるよう、連れ立って売り場へ足をお運びください。いまのところ全国主要1500書店ほどで来年1月中旬より開催予定です。
まるひの秘書ヒショバナシ報
今週の厨子王原稿メール件名
伊豆の大極宮
キャストに誰を思い浮かべるか、で年代がバレる件名ですねー。(ワタシはもちろん百恵ちゃん)
朗読会アレコレ
ワタシの担当は「関係者受付」(と今回は「当日券売り係」)で、いつもはずっとロビーにいたりするのですが、今回は昼の部の開演を舞台の袖で見守っていました。
会場が暗転し、厨子王が5時間かけて作ったオープニングムービーが流れ始めたとき、場内がどよめきました。それを聞いてワタシは今回の公演の成功を確信し、胸がじぃぃぃんと熱くなったのでございました。
そうそう、作家だけではなくスタッフへの差し入れも、複数の方からいただきました。ありがとうございます!
そして当日券。
自分で立てた売り上げ予想(というか目標)は10枚。それを超す14枚が売れました〜♪
昼の部に続き「夜の部も観よう」と思って下さったお客様、16時の発売時間に並んで下さったお客様、心から感謝いたします!
嬉しくて、アワアワ慌てた応対をしてしまったかもしれません。笑ってお許し下さいませね。
ノリノリ編集後記
朗読会
今年も無事に終わりました。今回は今までと違う構成、演目も「ルパン三世」という超メジャー。個人的にはお気に入りでしたが、はたして当日のお客様にはどうか…いろいろ心配をいたしました。
しかし、おかげさまで心配は杞憂だったようです。アンケートを読むかぎり、好意的なご意見が圧倒的でした。
朗読する作家側は、すでに確固たる“声”をもつ国民的キャラクターだけに、朗読とはいえそのキャラクターを演じるのは難しく、妙なプレッシャーやあるいは恥ずかしさがあったことと想像できます。アニメの声を意識しないわけにはいきませんからね。
でも、朗読会も8年目となるとさすがです。その意識加減がちょうどよいあんばいだったのではないでしょうか。アニメ版「ルパン三世」を真似するわけではなく、かといって壊すわけでもなく…。間違いなく「ルパン三世」の世界を表現できていたと感じました。そして、いっけん変化球のような演目も、緊張感を漂わせ時間をかけてじっくり読み聴かせたことで朗読として直球になりました。
でっ、今回の公演…個人的には敵役のドゴン将軍がMVPキャラです。小説と違う名古屋弁で朗読したのが、大沢さんの好プレーでした。
打ち上げ会では早くも来年の演目についていろいろと意見がでました。じっくり検討して、楽しんでいただける演目を選べたらと思います。
アクセスがちょっと不便な会場までご来場いただきました皆さま、どうもありがとうございました。来年も同じ会場ですが…引き続きよろしくお願いいたします。
(来年は11月6日の土曜日。新しい手帳を買ったらスケジュールをおさえましょう!…ノリ)
アンケートから
朗読会
◆リーディングカンパニー、お疲れさまでした!
今回初めて行ったのですが、とっても面白かったです!!
これは毎年行かなければっ!と思いました。
厨子王の「うなぎ」と「うに。」もばっちり見てきましたよ^^
◆リーディング・カンパニー Vol.8の昼の部に参加致しました。今回が初参加でした。
大沢先生の、情の深さを秘めたハードボイルド次元に魅了されました。
京極先生のレインボーボイスは本当に、変装名人のルパンと重なって思えました。
悲しみや憎しみを持ちながらも、清らかで元気なマリオ/マリーの宮部先生がとても魅力的でした!
うって変わって大人の色香の不二子も素敵でした。
楽しいひとときをありがとうございました。
次もきっと行きます。
◆「ルパン三世」とても楽しかったです。
仕事の都合で1泊2日の強行軍、おまけに我が北海道日本ハムファイターズの大事な一戦と重なってしまったため、どうしようか散々迷いましたけど、行ってよかったです。
来年はぜひ京極五右衛門の「またつまらぬものを・・・」をお願いしたいです!そうなったら、日帰りでも行きますよ〜〜!
(日程告知はお早めに・・・飛行機代は早いほど安いので・・・)
◆リーディングカンパニー行って参りました。
オープニングの映像、カッコよかったです。今回の為だけだなんてなんて贅沢〜。
京極さんのルパンは似てました。さすがです。
宮部さんのフジコちゃんはもっと聞きたかった。
大沢さんの拳銃豆知識は為に? なりました。楽しかったです。
でも 墓場系はやっぱりないと物足りないような気もしました。
それと、間違い探し見つけてしまいました。
今回のパンフレットの配役ですが、京極さんがラビットに・・・うさぎさんになってしまってます。(カワイイけど)
一瞬自分が聞き間違っていたのかと思いましたが、本文はラピッドでした。こっそり直せないのに言っちゃいました。すいません。
来年も楽しみにしております。
◆行ってきました朗読会。今回は長編一作品、そのうえ「ルパン」であるとの情報に、昨年は行けなかったので友人を誘ってIMAホールへ。
大沢先生のしぶ〜いお声のファンである私は、もう次元にメロメロです(笑)
そして! 期待通りの京極先生! 地面師田中は朗読会にはなくてはならない一人ですから! 出てもらわないと・・・宮部先生のお金ネタとともに(笑)
長編のみっていうのもいいですね。トークの時間もたっぷり取れるし。出来れば隔年でやってもらえたらいいかな・・・と。
オープニングの映像、す、すごいです京極先生!ルパンと不二子、まさか、お手製だとは思いませんでした。
確かに、不二子が指をくわえていたから、「こんな場面もあったのね」と思っていたので謎が解けました。
来年もぜひ、参加したいと思います。ご苦労様でした!
・他にもたくさん朗読会の感想をいただいています。初めての方、リピーターの方、そして地方からいらしてくださった方、皆さんありがとうございます。楽しんでいただけたようで何よりでございます。ぺこ。あと、パンフレット誤植のご指摘に、製作担当のSが「あちゃー」と頭を抱えております。わはは。(まるひ)
トークショー
◆「新!読書生活」見に行きましたよ。
最初の大沢さんの基調講演も、その後の道尾秀介さんとの対談も非常に面白くて2時間全く飽きませんでした。
その後、お二人で大沢さんの行きつけのバーへ行かれたそうですが、どんなお話をなさったんですか?
◆大沢在昌&道尾秀介公開対談にいって参りました。
野球で例えると落合博満とイチローがガチで野球を語っているようなわけで豪華で贅沢かつ有意義な2時間でした。
とってもためになりました。
・雨にもかかわらず、大盛況だったそうでよかったです。大沢のコーナーを見ると、出演者自身も楽しんでいたようですねー。バーでもいろんな話で盛り上がったみたいですし。(まるひ)