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 第74号へ 第75号 2002.9.27 第76号へ 
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▼山椒大夫 ▼安寿 ▼厨子王 ▼写真館

▼まるひ ▼編集者S ▼ノリノリ ▼アンケートから

■HEADLINE RUMORS 〜 風のウワサ


◆9/26に大沢オフィスで開かれた大極宮ミーティングは、珍しく早い時間
(といっても夜の11時半)に終わったというウワサ。

 
■燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー

◆"歌って踊れる中年不良アクションスター"に感激!!
真田広之さんが英国エリザベス女王II世から名誉大英勲章を贈られた。
英国「ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー」の一員に加わり、『リア王』の
道化役を好演したのが評価されたからだ。
その受賞を祝おうと和田誠さんが発起人となり、六本木のジャズライブ
ハウスで内輪の会が開かれたので行ってきた。
映画で共演した役者さんなど、みんな彼の“努力”に対して喜んでいた。
とにかく大変なことなのだ。イギリスに行ってイギリスの舞台に立つ。
"サー"の称号のつく大俳優達との共演…。
いってみりゃ、アメリカ人やイギリス人が、歌舞伎座で日本の歌舞伎役者と
一緒に歌舞伎を演じるようなものだ。
もともと英語が堪能だったわけでもないので、そこから努力でカバーして
いるわけで…
役者としての才能もさることながら、知らない舞台でもって勝負していく…
前へ前へ行く姿勢に頭が下がる。
受賞の功績よりも姿勢に対して惹かれる。
とても真面目な人で、まわりに気を使う人。
この夜も、我々のためにジャズを歌ってくれた。
俳優としてもすごくいいところにきていると感じた。
本人は「歌って踊れる中年不良アクションスター」を目指す!
と話していたが、それに応えられるような作品が日本の映画界にできて
くれることを願う。(できれば自分の原作で…)
また一緒に仕事しましょう! と言って別れた。
感動…感激した一夜。
自分だって頑張らんといかん…と、しみじみ。

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■安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー

◆今週のゲーム女のひと言
「ゲーム脳」について、昨今話題になっていますね。
ゲーム好き人間としてはいろいろと思うところが多いです。

確かに、小さなお子さんに限らず大人だって、ゲーム漬けになるのは
良くないに決まっています。目にも悪いし、脳にだって影響が出るでしょう。
足腰も弱るしね。でも一方で、じゃあゲームさえ排除すればいいという
ことにはならないと思う。
たとえばの話、おうちのなかで会話もなく、ただ漫然とテレビを見続けて
いる子供さんや若い人がいたら、やっぱりそれはそれで良くないと思うの
ですよ。

これは他でも書いたことがあるのですが、結局は、様々な娯楽産業を、
どのように日常生活のなかに取り入れていくかという問題になるのだと、
わたしは思います。
それは、いちばん小さな単位である家族で考えられなくてはならない問題
であると同時に、娯楽産業の側でも、常に自戒しつつ、どういう作品を
どう提供してゆくか模索し続けなくてはならない問題でもあります(これには
もうひとつ、流通の問題も絡んできますね)。
今の出版界では、それよりもさらに一歩後退して、「本を読む習慣がなか
なか身につきにくい現代の若い人たちや子供たちに、どうやって本に
親しんでもらうか」という努力から始めなくてはならないのが残念なところ
ではありますが、でも、それをやらないことには話になりませんものね。

あと、この「ゲーム脳」に関する議論が、短絡的な"犯人探し"につながって
しまうことを、わたしは大いに心配しています。
わたしなんかが子供のころは、「本ばっかり読んでると頭でっかちのモヤシ
みたいになって、ロクな人間に育たない」なんて言われたものです。
ホントですよ。"犯人"役を押しつけられるものは、時代によって、そのときの
都合によって、くるくる変わるんです。
議論を進めてゆく上でそれを忘れないでいただきたいと、切に願うゲーム女
であります。


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■さまよう厨子王 〜 京極夏彦のコーナー

◆サーカス
サーカス観ました。30年ぶりくらいかしら。
演目はほとんど変わってませんでしたが、面白かったです。
でも、いちばん感心したのは猛獣ショーが終わった後の「鉄柵の片づけ」。
てきぱきサクサクと手際よく解体されて収納されていく檻やら網。すげえ!
道化のギャグより片づけるおぢさん達に目は釘付け(笑)。
あっというまに元通り。
あんなデカいもの、素人なら片づけるだけで半日はかかるぞ!
整理整頓の神が「どうだ」と自慢しているようでした。
思い起こせば30年前もそう思ったかもしれない……。

◆獅子舞
妖怪つながりの友達数名で千葉県某所の獅子舞のフィールドワークに
行きました。
いや、祭はいいですねえ。規模も内容もナイス。
半日という短い時間でしたが堪能いたしました。

◆文字
講談社の仕事の打ち合わせ時に、愛すべき粗忽な新担当O君と一緒に、
書体設計会社の方がいらっしゃいました。
で、フォントの「元」を見せてもらいました。いや、長年見たかったんですよ。
感動。
写真植字だって元は一文字一文字誰かが描いているんです。
彼らが念入りに描いてこその組み版。それがあってこその印刷製本。
いや、本はみんなの手作りですよ、実際。
オープンタイプ20000字とかいってもですね、20000字描いて作って
くださったから使える訳で。
本文書体として開発されたリーダビリティ重視のフォントが少な過ぎる
とか、web上のお寒い限りの日本語環境も改善しましょうとか、妙に
盛り上がったりして。
図らずもデジタル化を推進することで職人的な手仕事をしているかたがたの
仕事もクローズアップされて来た訳で、うれしい限りです。
これからは書体も「売り」になるはずです。活字中毒者は(そうでない人も)
みんな彼らのお世話になってるわけですし。
書物の魅力は底なしです。

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■フェア写真館

◆「福家書店 新宿サブナード店」にて、S氏が撮影してきました。
お近くに開催書店がない方にも、雰囲気を味わっていただければ幸いです。




他のフェアと仲良く共存


ポスターやポップもばっちり


壮観


テーマカラーの黄色
けっこう目立つ?


文庫『大極宮』もしっかり参加



限りあるスペースを割いて
フェアを開催してくださっている
すべての書店の皆様
ありがとうございます。



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■まるひの秘書ヒショバナシ

上のほうのウワサであるとおり、26日に全員集合ミーティングをやりました。
「今回こそっ、その日のうちに終わらしたるっ!」と"進行の鬼"と化した私、
まず重要なのは、スタッフたちへの事前の根回しだと思いまして。
「ノリちゃんノリちゃん、会議でどんな報告や検討事項があるの?」とか
「フェアの件の他に何かありまっか、Sさん?」とかとか
それぞれが話し合いたい議題とだいたいの所要時間を聞き出し、もちろん
自分の決算報告なども含めた、ほぼ完璧な議題一覧進行表を作成いたし
ました。ミーティングが始まる前「今日はこれでいきます、よろしくでっす!」
と、私にその進行表を渡された作家&スタッフたちには、イヤなどと言えない
無言のプレッシャーがかかってたことでしょう。だって"鬼"でしたから。
それでもうちのオフィスの会議には、脱線や思わぬ新しい展開がつきもの。
ま、そこがイイところでもあり、楽しくもあり、また仕事への良い緊張感が
生まれたりするんですけどね。いつまでも脇道にそれたまま盛り上がって
いますと、気がつけば外が明るい・・・ってことになってしまいますので、
(あ、そろそろヤバイ方に向かいつつあるかも)と鬼センサーが感じたところ
で、「ハイハイハイ、次いきますよ、次」と、やんわり(なのか?)軌道修正。
いつもより開始時間が早かったことも幸いして、会議が終了したのは11時
半ぐらい。いやー、これまで何回もやってきましたが、初めてかもです、
その日のうちに終わったのって。
「おおおおお、今日は早いじゃんー」
「やればできるじゃんー」
議題をひとつ残らず消化し、なおかつミーティング中に新たに発生した
問題や検討事項についても、きちんと話し合ってメドをつけた、その末の
会議最短記録に、皆も満足そうに帰っていきました。
えがったえがった。
まあでも私の中には(ちょっと焦りすぎたかな、急かしすぎたかな)ってな
反省があったりしますけど、結果オーライってことで。わは。

今年二度目の決算は、無事終了いたしましたー。応援くださった皆様、
ありがとうございますううう! ぺこぺこ。

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■編集者Sのウラ情報

今回もどうせ最後なんだろうな思いながらキーを打ち始めた、今は27日
15時。これ以上遅れると……、おっとこれ以上は言え……。
行数稼ぎの無駄な前振りはこれくらいにして、「大極宮フェア」、書店で
見ていただけましたか? わたしも初日に六本木の某店を覘いてまいり
ました。不思議な気分でしたね。
今日は新宿の書店4店舗にいってきました。
某店では北の狩人上下を手にとって熱心に見入っている人がいたので、
買え買え念力を送ってみましたが、果たして買って貰えたのでしょうか。
これからしばらくは書店訪問をしようと思っていますので、書店のみなさん、
よろしくお願いしますね。
また読者のみなさんも自分がいった書店ではこんなふうに
ディスプレイしてあったよとかの情報もぜひよろしく。
山椒大夫のサイン会にいけずに悔しがっていた福家書店サブナード店の
Iさん、これからもよろしくおねがいしますね。
では関西地区のみなさん、28日は紀伊国屋書店神戸店でお会い
しましょう。(S)

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■ノリノリ編集後記

真田広之さん、おめでとうございます!
頑張っている人にはご褒美があるのですねぇ。
じつは僕も数回お会いしたことがあるのですが、とってもとってもとっても
いい人です。そして、大沢さんが言われるようにとっても気を使う人です。
忘れもしない……
映画『新宿鮫』の撮影現場を大沢さんと見学に行ったとき、大沢さんは
急きょレストランの客として出演することになりました。
僕はひとりになったので、現場の片隅で邪魔にならないようにひっそり
眺めていたら、撮影の合い間に真田さんが近付いて来られたのです。
でっ、笑顔で話しかけてくださいました。
こっちは緊張してしどろもどろでしたが…めちゃめちゃ嬉しかった!
現場にいる人全員に気を配られているのです。感動しました。
そして惚れました…イチコロですよ。その後の撮影は真田さんから目が
離せませんでしたから…。

この現場で気配りといえば…滝田監督もそうでした。
僕にもエキストラを用意してくださったのです。記念すべき、映画初出演!
           (真田さんとまた共演したい…ノリ)

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■アンケートから はスタッフのコメントです)

◆大極宮フェア、山口県と島根県の書店ではないんですね・・・
悲しいですぅ、山陰側に住んでいるので広島も福岡も遠いです。
さみしい・・・がんばれ山陰!!
とても悲しい事実です。文化から取り残されていくような…。
益田競馬廃止に次ぐ悲劇ですねぇ。(島根県出身のノリ)


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