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 第58号へ 第59号 2002.5.24 第60号へ 
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▼山椒大夫 ▼安寿 ▼厨子王 ▼写真館

▼まるひ ▼編集者S ▼ノリノリ ▼アンケートから

■HEADLINE RUMORS 〜 風のウワサ


◆京極の書き下ろし長編『覘き小平次』の進行度…32%
「大作ばっか読みすぎで遅れちった(笑)」(←本人の言い訳)

 
■燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー

◆マヌケなことを…
懐かしい『まぼろし探偵』のDVDを買ってきて観ていたら、
5分後に…あれっ!? 懐かしいどころか最近見たような…
以前ビデオで買っていたものだった。

◆今、ハマっているのは…
前にも書いたが、新東宝映画の石井輝男監督“地帯シリーズ”DVD。
『黄線地帯』に続き『黒線地帯』と『女体桟橋』!
あっ、決してエッチな作品ではないよ。
“ドキュメントタッチの社会派サスペンス”とでも言おうか…。
まあ、ジャンルはともかく、テンポが良く飽きない映画だ。
そこに出てくる横浜とかの街並みから、その時代の風俗がよくわかり、
一度でいいから昭和30年代の盛り場に行ってみたいと思わせる。
それに比べて…今の盛り場は何もかもあけすけで、いまいち面白くない。
淫靡さがない。“暗黒街”という言葉にも、そのころは華やかさがある。
今は、すれっからしさと金目当てだけ。
もちろん作り物の世界だから現実はたいして変わらないかもしれないが…
石井輝男の作るものには夢がある。
もしかすると、俺のミステリーの原点はこういうところにもあるのかもしれ
ない。

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■安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー

◆トピック
新聞などですでに報道されていますが、第41回の江戸川乱歩賞が
『亡兆のモノクローム』(単行本化の際に改題される可能性アリ)という
作品に決定しました!
昨年の『13階段』とは、またひと味違った味わいを持つ作品ですので、
お楽しみに。
なお、選考委員4年の任期を無事務めあげまして、ミヤベは今回でお役
ご免です。4年のあいだに、『脳男』という異色作や、『13階段』という
ベストセラーが世に出る瞬間に立ち会えたことは、幸せでした。

◆今週のゲーム女の一言
『幻想水滸伝3』のHPに出張中です。
そちらでお楽しみください。


 只今、コチラに出張中 

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宮部みゆきの先行体験記


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■さまよう厨子王 〜 京極夏彦のコーナー

◆選考。
推理作家協会賞の選考会がありました。
上のお二人は慣れっこなのでしょうが、私とっちゃ初めてのこと。
その日が来るまでの間は重責に潰されそうな日々でございました。
大作、傑作揃いで難儀しましたし。
いや、厚い本が多いですねえ(あんたに言われたくないよ←民の声)。
いや、でも読むのは楽しかったからな。
仕事とはいえ、堪能させていただきました。
受賞された方々、おめでとうございます。

◆横溝。
正史生誕百年とか。それを記念したアンソロジーに拙文が載ることに。
他の方々は「熱いオマージュ」的な短編をお書きになったのでしょうが、
私の場合はなんともはや。
金田一出てきませんし。題名もないし。情けないです。
で、見本が上がってこようという日に、角川の担当T嬢から慌てた電話が。
「あれじゃやっぱ駄目ですよ」とかいわれるのかと思いきや、突然謝るT嬢。
なぜに謝る?
問い質してもなかなか言わないの(笑)。ひたすら謝る。
それってすげえ気になるじゃん、却って。
実は、印刷屋さんがルビをつける際に字詰めを調整したので行がずれて
本が出来ちゃったんだそうで。
うはははは。出来てから謝られても(笑)。

知ってる方は知ってるでしょうが(そりゃ知らない人は知らないってことで、
当たり前だけど)私は書く際に頁ごとに文字組みまで作るようにしているん
ですね。そう、最近は「文字の組み方も含めて作る」というような説明の
し方をしています。
「字組に合わせて書く」とかいうと「無駄な努力だ」感がありますし。
それをテクニックだと割り切ってしまうと(テクニックにもなりうるのですが)
「効果あるのか」的な意見も出てきます。
結果「そんなものは小説の内容に関係ないだろう」的な意見をおっしゃる
方もままいらっしゃるわけで。ただ、それはあくまで「テキスト優位」さらに
「内容優位」の考え方でもあるわけです。
読者の皆さまがお買い求めになる商品は「本」なわけです。
優れた内容がつたない表現で伝わり難いのと同じように、優れたテキストも
プレゼンテーションがまずければ読まれ難くなってしまいます。
そのために編み出されたパッケージが「本」なんですね。
テキストを「本」にする場合、必ずや本文の「版面」というものは必要なわけ
で、版面はいずれ誰かがどっかで作ってるんです(電子出版の場合も
これは同じことですね)。

じゃあ誰が作ってるのか。

もちろんデザイナーはいます。
デザイナーは書体や級数や紙や色やなんかを指定するわけですが、
他のデザインワークとちがって「その文字をそこに置く」指示まではできない
わけです。「このページ漢字多いからさ、平仮名まとめて上のほう持ってっ
ちゃって、漢字は小さくまとめて並べちゃったほうがすっきりするよ」なんて
ことは言えない(笑)。
文字の配置が出来るのは、テキスト書く人、つまり小説家だけ……
ではないのです。
実は印刷屋さん、というより印刷屋さんの機械だったりするんですね。
テキストデータを流し込んで決められたフォーマット通りに配置するわけです
から。意味上の改行ではなく視覚的改行をするのは「機械」なんですね。
で、その場合「ここで改行すると一文字だけ隣のページに移っちゃって
格好悪いから文章削ろう」ということは、機械にはできないわけです。
そのために「禁則事項」を決めるわけですが、禁則があるがゆえに変に
なっちゃうことも多いんですね。
妙に詰まっちゃうとか、隣の行は透いちゃってるとか。うーん。
「小説家は言葉を選べ」「一字一句にまでこだわるべきだ」というのなら、
それこそ大事な改行を機械に任せていいのかしらん? と思っちゃったら
それまででした(笑)。
と、いうわけで私はいまのところこういうスタイルを取っている、
というわけですが……。
ま、それがズレちゃった、というお詫びだったのですね(長いよ説明が)。

そういうわけで。
『金田一耕助に捧ぐ』(角川書店)掲載の『無題』は、行がずれちゃってるよ、
というお話でした。

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■写真館 〜 大の字


気持ちよさそうにプールにプカプカと・・・

大

大の字になって浮かんでるこの人は誰?













それはワタクシ山椒大夫こと
沢在昌です。

山椒大夫

「体は名を表す!」なんちゃって・・・
(注:↑は正しくない日本語です)



2002年3月、グァム旅行のひとこまでした。


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■まるひの秘書ヒショバナシ

山椒大夫へ業務連絡
人の予約に割り込まないでください!

大沢と私が同じ鍼灸整骨院に通っていることは、前号をお読みいただけると
わかるんですが・・・
本日金曜(5/24)の夜の9時に私、予約を入れていたんですよ。
ええ、一週間も前から。
そしたら夕方頃、鍼の先生からオフィスに電話がありまして、「時間を20分
ほど後にずらして欲しいんですけどう」って言われました。
「実はボス(大沢のこと)の予約が今入ったんですよう」とね。
ええええ、別に20分ぐらい時間がずれるのはなーんともないことですから、
先生には「はいはいはい、おっけーですよ〜」と快諾しまして・・・それから
ムフフフフと心の中で舌なめずりですわ。
(よっしゃ、このネタでまたいぢめたろ!)
ほどなくして大沢がオフィスに電話してきました。
飛んで火に入るナンタラです。
「ボッスぅぅぅぅぅ、さっき鍼の予約入れたでしょー」
「え、何で知ってんの?」
(以降、チクチクいぢめられる大沢。ああ、かわいそうに・・・)

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■編集者Sのウラ情報

今年も江戸川乱歩賞の受賞者がでて、またひとりミステリー作家が
デビューすることとなった。
いわゆる新人賞受賞デビューという王道ともいうべき作家への道である。
こういった方法に対抗するように最近では投稿からデビューという道が
開かれてきているようだ。
いままでだと、投稿に広く門戸を開いていた出版社は少なかった。
しかしこのような閉塞した出版状況を打破するためには、多少(というより
かなりだが)、編集者の負担が増えようとも広く才能を見出そうという
方向に向かっているのだ。実際出版もされている。
それでは作家志望の人たちとって門戸は広くなったのか。
確かにそうだとは思う。しかし、編集者の目は厳しいよ。(S)

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■ノリノリ編集後記

いよいよダービーですねぇ。春競馬のこれまでの流れでいったら、人気が
分散して高配当になるパターンでしょう。軸は何か…?
皐月賞の1、2着馬は外人騎手の力が大きかったと思うので、今回は消し。
運に見放された武は、また不利にあって3着止まり。
良血モノポライザーは、なんとなく嫌い。
で、本命はマル“外”のシンボリクリスエス。対抗にテレグノシス。
穴はデザーモ騎乗のマチカネアカツキ。
“外”人(“外”国産馬)が勝ちそうだなぁ。
ラグビー日本代表は、結局ミラー頼み。サッカー日本代表を救うのは
三都主だと思うし(帰化してるけど)。相撲は武蔵丸(帰化してたっけ?)…。
そう、僕の予想はいつもこじつけ。
これに、意“外”性の江田照と中央所属以“外”のアンカツを絡め……
こじつけは完璧なのだ。
                        (ノリ)

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■アンケートから はスタッフのコメントです)

◆アンケートを読んでひとこと。
テレビで放映された、「アナザへブン」には、京極先生は、
出ていらっしゃいませんでした。
無残なカットの犠牲に会われたのです。(涙・・・)
映画でお会いになりたいなら、DVD等で御覧になっては・・・。
わたくし、放映の直後にDVDで見直しました。
ほんと久しぶりにカットのひどさに怒りまくりましたもの。
まるひ様、エアチェックなさいませんでしたね。(うふふ)
アラ、出演場面カットされてたのですか。それじゃわかんないですよねえ。
(観てないのバレバレなまるひ)

◆いつも楽しく拝見しております。
先日、友人の家に忘れてしまっていた朗読会のパンフを大極宮大好きな
母にやっと見せる事が出来ました。
値段を聞かれたので「三千円」と答えると、「じゃあ作家さん1人頭千円で
キリいいね」と云われました。
…母のその価値観はどうかと思いました…。
おおお! 単純明快! 目からウロコが! お母様ナイスですぅ。(まるひ)

◆おおーい、まるひ様!鍼やったあとのお酒は、あぶないぞー。
ほどほどにねー。(鍼灸師の妻より。)
ハイ! 今日"は"ほどほどにいたします! って、できるのか?(まるひ)


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