週刊大極宮バックナンバー

 第313号へ 第314号 第315号へ 
 最新号へ 2007.9.7

▼山椒大夫 ▼安寿 ▼厨子王
▼編集者S ▼まるひ ▼ノリノリ ▼アンケートから

■HEADLINE RUMORS 〜 風のウワサ

◆『ぼんくら・日暮らし』→『百器徒然袋 雨/風』に続き、『ザ・ジョーカー』がラジオドラマに!(ノベルス版のカバーでバレバレ)

 
■燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー

◆台風…
 接近中(6日現在)。そのせいもあって、9月に入ってからムシムシとしてさっぱりしない天気が続いている。今年は東京に台風がたくさんやって来るのかな…。
 オイラが子供の頃、名古屋で伊勢湾台風を経験して家が吹っ飛んでしまう被害に見舞われたことがある。なので、台風が苦手か…というとそうでもなく、不謹慎な話だが台風が上陸すると聞くと、どことなくウキウキする。東京は台風の大きな被害をここしばらくうけていない。台風が接近していても飲み屋街に人がウロウロしている。天災に対して今の東京の人たちはナメている気がしてならない。
 いつも天災の被害にあうのは地方のお年寄りばかりなので、都会の…とくに若い人が天災の恐ろしさを感じれば、いろんな意味で気持ちが変わってくるのではないか。…なんてことを書くと、ノー天気に考えているなぁと言われても仕方がないかな。

◆新連載
 近々「サンデー毎日」で始まります。タイトルは『ゾンビシティ』。
 連載のタイトルを決めるのも、なかなかビミョーなものがあります。パッと思い浮かんでつけてうまくいくこともあるし、悩んだまま仮タイトルでスタートすることもある。連載が終了し単行本で出版する際、別のタイトルに変えることもある。
 今回のようなカタカナのタイトルはこれまでにもあって…最近だと『パンドラ・アイランド』などもそう。ただ、どうしてもカタカナのタイトルは軽いイメージがあるかもしれない。内容の重い軽いと、タイトルがカタカナかどうかというのはオイラの場合関係ないのだが…。『新宿鮫』シリーズなどで二、三文字の漢字タイトルを使っていると、オイラの読者は漢字タイトルの方が重くてハードな内容と考えてしまう方が多いのかな。
 でっ、今回の『ゾンビシティ』の内容はというと…ぜひ読んでみてください(←営業)。あ、『バイオハザード』のような話ではありませんよ。

▲TOP
■安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー

◆ゲーム女の生きる道
 あいかわらず低空飛行のゲーム女の日常なのですが……。
 腰痛はずいぶん良くなってまいりましたので、これまで集めた攻略本を読み返すついでに、整理して並べ替えたりしています。
 これをやると、すぐ懐古モードに入っちゃうんです。
 で、ムズムズしちゃって我慢できずに、先日また、PS‐oneをお腹に乗っけてプレイいたしました。
「エコーナイト」。皆さん、ご記憶でしょうか。初プレイのときは、半端じゃなく怖かった。久々にプレイすると、細かいところを忘れてるので、やっぱり怖かった。
 不思議なんですが……「バイオ」のシリーズって、何度プレイしても超面白いけど、怖くはなくなるんですよね。いくら私が怖がりでも、さすがに慣れるんです。なのに、「エコーナイト」は怖い。「サイレントヒル」も怖い。いっちばん怖いのは「クロックタワー」(スーファミのね。最初のやつ)。絶対に慣れることができないの、何故なんでしょ??
 ところで、しっかりと過去に直面してみると(大げさ)、フロムソフトウエアのゲームで、私がちゃんとエンディングを観ることができたのは、この「エコーナイト」の1と2と、「キングスフィールドU」だけなんですよねぇ。
 全部持ってるのに。歴戦連敗。ししるいるい(T_T)。
 もの悲しいストーリーのゲームですので、その後「ジャンピングフラッシュ!」で気分転換。これだけで10日ほど過ぎてしまいました。
 これらのゲームをご存じの皆様には、
「ミヤベ、やけに時間かかってるな」
 と、一発でバレますね。はい、どちらも短時間攻略が可能なゲームですので。
 コントローラーから離れてると、駄目ですねぇ。腰痛対策に軽い筋トレを始めたのですが、同時にゲーム・リハビリもしなければ。
 あ、でも「ジャンピングフラッシュ!」の1と2は、わたくし、昔めちゃくちゃやり込んでますので、なかなか快適にプレイできて嬉しかったんですよ。2周目で可能になる6段ジャンプも久々に体験しまして、びゅんびゅん跳びまくり。やっぱ楽しいなぁ、元祖跳びゲー♪

 というふうに、低空飛行ながらも何とか復帰しましたので、そろそろ「夢幻の砂時計」に再チャレンジいたします〜(^^)。

▲TOP
■厨子王の逆襲 〜京極夏彦のコーナー

 先週の続き!

◆狂乱の一週間(灼熱炸裂編)

・四日目(日曜)

 妖怪会議本番の日。
 会議自体はやはり夕方から、前夜祭同様の二部構成で行われます。映画村は本日もミッドナイト営業なわけですね。
 しかし、終わるのが遅いからといって始まりが遅いわけでもなく、朝は通常どおり九時開場。
 つまり、物販ブースには九時からお客様がいらっしゃるわけです。
 著者であり出演者である以前に、僕は全日本妖怪推進委員会のひとりですから、ええ、ちゃんと九時前には入りましたですよ。
 幸い天候には恵まれまして、つまり気温は昨日よりも高く、物販組にはぢごくのような一日が予想されるわけです。
 と、いうわけで今日も今日とてサインをしたり。そればっかりじゃないかという指摘はナシです。だってしろというんだもの。それにしてもよく書いたものです、ええ。
 というか、漫画にサインすんのは難儀です。スぺースがありませんし、原作者とはいえ絵の上に書くのは漫画家さんにワルイ気がします、はい。ですからなるべく邪魔にならんとこに書こうとしたらば、ただの書き文字みたいになってしまいました。だから、もう書き文字にしました(笑)。

 で、東映アニメーションのクリエイターさんたちと謎の密議をこなした
り。

帯にサイン

 なんじゃかんじゃと予定をこなしているうちに、昼も過ぎまして、もう行ったり来たりしてらんないぞ、ということで物販ブースで直接帯に字を書いたりしておりますと、荒俣先生ご到着。

荒俣先生ご到着

 で、ありがたいことに荒俣先生がバトンタッチをしてくださいました。
 それどころか、なななんと即行サイン会+握手会+撮影会に。いや、さすがアラマタさん、すごいサービスであります。
 でもって僕は控室に戻りまして、今度は色紙の山に挑戦です。

色紙にサイン

 そこにゲストの今野宏美さん(第五部ゲゲゲの鬼太郎の猫娘役の声優さんですね)ご到着。記念に(なんの記念か)ネコちゃん色紙を何枚か描いてみたりしまして、今野さんにサインをしていただいて、物販のスペシャル特典にしてやろうという企みを(全然記念じゃないぞ)。
 そうこうしているうちに、ついに水木大先生ご一行がご到着。
 慌ててサインしまくりでまだ物販ブースにいらっしゃった荒俣さんを呼びにいきました。
 多田さんはいつのまにか来ていて、どっかに混ざっていたようです(笑)。まあ、映画村内には怪サイトのアバターでおなじみの東雲騎人くんやら、新刊の装画を担当してくださった風眠庵・加藤円正さんやら、マンガ『誘怪犯』のうえやま洋介犬さんやら、まあ知った顔(いずれお化けっぽいわけで)がうようよといたわけですから、いくら多田さんが大きくても混じってしまえばわかりませんね。
 おなじみの「怪旗」が掲げられた壇上で、リハーサル。本年の出囃子は「妖怪プロジェクト」さんの曲です。あ、猛暑の中、元気に演奏してくださった「妖怪プロジェクト」のみなさんも、ありがとうございました。

リハーサル

 これまた特典用の全員サイン色紙などを書いたりしておりますうちに、時間がまいります。

 で――いよいよ本番。僕はあいも変らず司会進行。

本番開始

 今までは、
「妖怪のことを会議するのではなく、妖怪みたいな人が会議するんです」
 とか、
「生き仏ならぬ生き妖怪であらせられる水木大先生を言祝ぐ集まりです」 とアナウンスしていたわけですが、今年はもう開き直ってしまいまして、
「人間のみなさんこんばんわ」
 とか言ったような気がします。え
 え、もちろん現在放映中の『鬼太郎』のOPにちなんだわけですが、つまり壇上にいるのは全部妖怪ということで(笑)。はい、「妖怪会議」 「妖怪の寄り合い」です、もう今年から。あ、今野さんナカマにしちゃってすいません。

仲間にされちゃった今野さん

 で、水木大先生は今年も快調でございました。
 おなじみの電気妖怪天敵説も、いつにもまして詳細。鬼太郎は夢で現れる、妖怪は育てるものだなど、名言や新事実も続出。

大先生、絶好調

 しかし僕としましては、あの伝説のオナラ「ナプ〜ン」の再現音を水木大先生自身の口からお聞きできたことが望外の喜びでございました。ええ、「いくら何でも放屁の音にナ、はないだろう」と、一部で疑問視されていた「ナプ〜ン」ですが、これでもう納得です。ええ、きっとああいう音がしたのでしょう。
 おまけに水木大先生、今年も壇上で巨大鬼太郎を描き上げてくださいました。しかも、一部二部いずれも……つまり二枚も!
 しかも一部で描かれたのは珍しい横向き目玉オヤジ付き鬼太郎。うーん、まさに水木ファン冥利につきるイベントとなりました(司会が一番喜んでどうする、という非難はあまんじて受けましょう。好きなんだから仕方がない)。

司会者がいちばん喜んでいる

 その後、昨日同様に百鬼夜行パレードが行われました。いや、これが薄暗くて、しかも観客が入り交じってて、たまに江戸時代の人も混じってて、まさにホンモノの百鬼夜行。荒俣さんのコトバを借りるなら「彼岸と此岸の混浴状態」。盆踊りの原型を見るような、渾沌とした、スバラシいパレードでありました。これぞ妖怪、という感じでしょう。
 大将軍商店街・京都妖怪ストリートのみなさん、良い夜行をありがとうございました。

 で、ラストスパート。
 取材を終えた村上健司くん、それから新刊『びこたん』が出たばかりの今井美保さん、それから僕の、角川著者そろいぶみで物販応援。

物販応援

 でも僕はなぜかシールを売らなきゃいけない気がして、編集Rと二人でシールをお勧めしていたような気がします。何でだろう。シールが残っちゃうように思ったのか? わかりません。
 水木大先生、荒俣先生をお送りした後、簡単な打ち上げが用意されていたわけですが、全妖委では僕だけ参加。物販組のみんなは後片づけがあるわけですね。片付けるのは大変なんです。
 終了後、あらためて行商隊の打ち上げをいたしました。
 みごとな仕上がりだったようです。ごくろうさまでした。
 ご来場くださったみなさん、お買い上げくださったみなさん、ほんとうにありがとうございました。

・五日目(月曜)

 えー、本来はこれで終わりなんですが、実はここ数年、僕たち(おまえだけ、という意見あり)の一年は妖怪会議に始まり妖怪会議に終わるわけで、要するに会議が終わった後はもうお正月状態なんですね。マトモな休みがとれないわれら全妖委の、唯一の休日。
 と、いったようなわけで狂乱の波は、われら行商隊に多田さん、化野燐さんを加えた全日本妖怪推進委員会お疲れさまツアーへと移行したわけです。
 目指すは恒例、温泉です。
 忍者屋敷なんかも見学しました。海も行きました。一人だけ勢い良く飛び込んで泳いだ人がいましたが、それが誰かは言いません。そういえば皆既月蝕も見ました。

忍者屋敷で記念撮影

 はい、もう丸二日何も考えませんでした(笑)。たぶん、他のメンバーも何も考えてなかったように思います。違うのかもしれませんが。
 そして、今年の夏も終わったのでした。

◆狂乱後
 某企画の打ち合わせを某所でいたしました。まだ何もお話しできませんが、クリスマスあたりのお話です。
 それから読売新聞の推理作家協会六十周年記念企画で、柴田よしきさんと対談をさせていただきました。柴田さんには理事会などでもよくお会いするわけですが、対談は初めて。楽しくお話させていただきました。
 で、これから某角川書店で、なぜか長時間の打ち合わせがあるわけです。何があるんだろう。うーーむ。

▲TOP
■編集者Sのウラ情報

 久々の関東直撃台風でした。雨降りだからミステリでも読もう(分かる人は少ないか)、なんてレベルじゃなかったですよね。こういうときは作家がうらやましくなります。その気になれば籠もってられますものね。それはともかく本に水は大敵。豪雨で浸水、商品全滅という例も聞いたことがあります。で、水を含んだ本や雑誌は嵩張るし、重いしで後処理が大変だったらしいです。
 さてサンデー毎日で大夫様の新連載が始まります。タイトルは「ゾンビシティ」。メインキャラにお馴染みのあの方々を使おうか思案中といっておりましたが、さてどうなりますやら。もう何回分かは入れているはずですので結論は出ているのでしょう。こういった連載原稿は、私の手元を経由する場合もありますが、ほとんど作家から直で担当のもとへ送られますので、雑誌に掲載されるまで私たちも読めないのですよ。で、単行本化されるまで、読まなかったり。厨子王のように書下ろし中心だと、読者の皆さんより3、4日早く読めるぐらいです。最初の読者になりたければ編集者になるしかないよということですな(S)

▲TOP
■まるひの秘書ヒショバナシ

◆今週の厨子王原稿メール件名
 ロシアより大極宮をこめて
 こめてどうするんでしょう。というか、どうやってこめるんだっ!

 今週はちゃんと「女帝」を横目でチラチラしながらの更新作業でございました。しかしドラマを最初から観ていないせいか、正直イマイチのめり込めていません。前回も見逃したようなもんだし…。
「マンキツ行こうかな」
 と、ノリノリ君が言ってました。まったく同感。ええ、漫画喫茶で原作コミックスを一気読みしたくなりました。個々のエピソードをきちんと把握したいです。DVD化を待って、徹夜で「女帝」もいいですねえ。
 あー、でも私がのめり込めない理由は他にもありました。それは…
「ヒロイン以外の女の子たちの顔が、ときどき(しょっちゅう)見分けつかなくなる」ことです。ええとこれ誰だっけ? カオルちゃん? エリちゃん? って…、ストーリー展開の速さを嘆く以前のモンダイのような…。あかんがな!

▲TOP
■ノリノリ編集後記

 いよいよラグビーワールドカップが開幕します。ただでさえ弱くて注目度が低いのに、ここにきてケガ人続出。戦術として2チーム制にし、予選リーグ4戦中2勝するのが目標でしたが…難しくなりました。3軍がでてきても負けるであろう第1戦のオーストラリアには2軍。ひょっとして勝てそうな第2戦のフィジーには1軍。同様に第3戦ウェールズには2軍、第4戦カナダには1軍。
 ただし“とらたぬ”どおりうまく2勝できても決勝トーナメントにはおそらく出れません。普通に考えればオーストラリアとウェールズが抜けてます。日本は3位になって、次回の出場権を得るのが現実的な目標。なので日本、フィジー、カナダにとっては予選グループ3位を奪取するための戦いなんです。ということはフィジーもカナダも日本と同じことを考えていて、日本相手にはベストメンバーを組んで本気できます。威信をかけたテストマッチ。まあ、僕から見るとジャパンの1軍と2軍は大差ないように思えますが。…ってゆうか、チームとしてのまとまり次第です。ダメもとと思われている2軍のほうが、モチベーション高いかもしれません。初戦のオーストラリアにどれだけ我慢できるか。100点差ゲームじゃあ残り3戦も全敗でしょう。タックル、タックル、タックル…。ひとつひとつ魂のこもったタックルを繰り返すしかないです。そして1つでもトライがとれたら…称えましょう。個人的には東芝勢の猪口、大野、渡邉、吉田、オトを応援。あと近鉄に移った“侍バツベイ”も。ラグビーは番狂わせの少ないスポーツだけど、世紀の番狂わせをちょっとだけ期待してます。
(最終戦にアレジは間に合うのか…ノリ)

▲TOP
■アンケートから (兼 間違いさがしコーナー)

 あまりにたくさんあって恥ずかしいので、代表でいっこだけ…(汗)

◆更新情報の「週刊大極宮」の日付が8/24のままです。厨子王のコーナーで、「ロフトプラスワンに直行しワタシ」(「た」が抜けている)。「東山の金さん」(遠山?)。「怪0012参照」(番号あってる?)。「馴れてる」(慣れてる)。京極章(賞?)。…厨子王のコーナーがすごく詳しくてうれしかったのですが、これにこりずにまた、いっぱい書いてください。(早く朗読会のCD買いたいよ〜)
(他多数)

●わははははっはっは(完全に開き直っている)。素晴らしき大極宮ラー! これからも頼りにしてますよろしくお願いしまっす! あ、ちなみに「馴れてる」は辞書で調べたら間違いではないようなので、直しませんでしたー。(まるひ)

▲TOP

 第313号へ 大極宮トップページに戻る
トップページに戻る
第315号へ 
 最新号へ