週刊大極宮バックナンバー

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 最新号へ 2007.7.13

▼山椒大夫 ▼安寿 ▼厨子王
▼編集者S ▼まるひ ▼ノリノリ ▼アンケートから

■HEADLINE RUMORS 〜 風のウワサ

◆小説すばる8月号【マイ・フェイバリット・シングス100】で、大沢の好物のひとつが、マクドナルドの"ちょっと冷めた"チーズバーガーということが判明。(エーッ!?)

 
■燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー

◆北海道
 K文社"鮫番"W氏とT氏の陰謀によって、二泊三日でゴルフ3ラウンドという超強行軍で北海道へ行ってきました。
 さいわい天気には恵まれたが、かんじんのゴルフ場がコースレート72.0以上と異常に難しくて参った。そのうえ何を考えたかキャディを断わってのセルフプレー。
 もっともいちばん大変な思いをしたのは企画したW氏とT氏だが…。
 夜はオイラの好きなDVD『太田和彦のニッポン居酒屋紀行』でも紹介されている居酒屋へ。その後は、このところ地方遠征をした際にハマっているグランドキャバレーへの出陣となった。
 まあ、あわただしくも楽しい旅でありました。

 帰ってきてからは、二日間にわたってインタビュー取材などを受けた。

学生さんでびっしりの取材

 そして今週末は、東京の上野と名古屋で『影絵の騎士』刊行記念サイン会。台風が接近中で天気が心配ではありますが、皆さまとお会いできるのを楽しみにしております。

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■安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー

◆今週はお休みさせていただきます。

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■厨子王の逆襲 〜京極夏彦のコーナー

◆す、素早いです大夫さま
 いや、先週の今日の出来事が先週の今日のうちにアップされてしまうと今週の今日書くコトがないじゃないですか(笑)。
 というわけで、『旧怪談』関係のインタビューを三件ほどサクサクとこなした後、オフィス会議&今年の朗読会の打ち合わせ&読み合わせなんかがあったわけですが、詳しくは先週の「燃えよ山椒大夫」コーナーをどうぞ。
 それにしてもオフィスに三人揃うのは今年初めてといわれて、改めてびつくり。そうだっけ? という感じでしたが、そうなんでしょう。まあ、昨日正月だったような気でいたらもう夏ですから、それもしかたがないのかもしれません、はい。
 そんなこんなで半年ぶりの会議はけっこう遅くまでかかったわけですが、終了後ワタシは家には帰れなかったわけです、はい。
 真っ直ぐ向かったのは羽田空港。朝一のヒコウキに乗らなくちゃいけなかったわけです。げー、いつものパターンだあっはっは。

◆だ、大丈夫なのかこの連中
 で、ホテルで仮眠して出撃。出発ロビーに待ちうけるのは四日家に帰れず風呂にも入っていない怪工作員O、何日も寝てない最終兵器Uさん、同じくすでに限界を迎えているのに原稿が終わっていない徹夜でピンチの村上健司君、それから一人元気なT君。で、最近妙に陽気な悪人編集長G。
 なんか、半数以上が半死人。それもそのはず、『怪』もいよいよ大詰めという時期。何もかもが締切り。締切りの舟盛り状態。
 機上の人となっても仕事をし続ける村上君、いきおい段取りを打ち合わせはじめるその他の人々。その日、なんだか鬼気迫るものが上空を飛んでいたわけです。
 そしてあっというまに到着。いったい何のためにどこに向かったのかといいますと。

◆せ、「怪遺産」第一回認定!
 いや、世界遺産じゃございません。ちなみに、昨年の妖怪会議終了後の打ち上げに訪れました石見銀山は、このたびめでたく世界遺産に登録されました。
 が、こちらは「怪遺産」であります。
 後世に残すべき「怪」的なるもの――妖怪文化の普及推進に貢献した事物を怪遺産として認定しよう、という企画であります。厳正なる審査の結果、記念すべき第一回認定は「境港市」と決定したわけです。
 でもって「認定式」なるものを行いに出かけたわけですね、我々は。僕は今回、「世界妖怪協会会長代行」、つまり水木大先生の代役であります。こりゃ大役だ。
 認定式は午後からということで、まずは「水木しげる記念館」にご挨拶。兼、打ち合わせ。その後、「鬼太郎茶屋」や「ゲゲゲの楽園」、「妖怪神社」と挨拶回り。
 で、昼食後、境港市役所へ。
 着いてびつくり! も、ものすごい報道陣が。テレビ各局、新聞各紙の
記者さんたちが市長室にびっしり。
 こ、こんな状況になっていたのか。すごいじゃないか、「怪」。
 と、いうわけでG編集長から中村境港市長に認定証書が渡されまして、ワタシは観光協会会長でもある舛田水木記念館館長に「妖怪要石楯」(←ただいま命名)をお渡しいたしました。
 この楯は、(またまたという感じですが)日本物怪観光の天野行雄さん製作。当日の早朝仕上がってT君が受け取った、できたてのほやほや。

記念写真

というわけで記念写真。

 で、認定式終了後は記者会見へと突入。こんな大勢に質問されるとは思ってもいなかったボクとGさん。
 境港市に初めて行ったのはデビュー前のこと。当時は年間100万人を越える観光客が押し寄せる妖怪スポットになろうとは考えもしませんでした。
 これも、地元の方々の努力と「妖怪力」のたまものです。いやあ、スゴイ。



というわけで、観光大使である鬼太ちゃんと。

 中村市長は、実は第一回妖怪会議のころから市の職員として運営に参加していらしたそうで、ちょっと恐縮。
 というわけで、、場所を記念館に移してテレビなどの追加撮影。

G編集長の髪に注目!

 ちなみにG編集長、いつもはカリスマ美容師にカットしてもらっているくせに、なぜか前日酔っ払って自分で髪を切ってしまったらしいことは秘密です。
 そんなこんなで全行程終了。その日はもう帰れないゾということで、なぜか市場にくりだすおろかものども。

オロカモノ?

 でもってどういうわけか宿に買ったカニをもちこみ、カニ三昧のGさん。
 こまったものですが、カニはおいしいので許します。

G編集長とカニ

 そこで始まる夕方のニュース。す、すごい。一同眼が点。
 ローカル放送での扱いがものすごいことになっておりました。いったい総尺でどれだけ放送したのでしょう。全員感心することしきり。おそるべし「怪」。
 感心したし食ったので温泉に入って寝ようとしたのですが、そこになぜかライターLが出現、突撃インタビューのうえイラストまで描かされるワタシ。やはり「怪」おそるべし……。

◆し、新刊がいっぱい
 えー、ワタシも先日『旧怪談』を児童書として上梓させていただいたわけですが、妖怪協会ご意見番・荒俣宏先生も児童書コーナーに進出されました。
 題して『アラマタ大事典』(講談社)。
 大怪人アラマタ・ヒロシ博士の頭の中を事典にしてしまおうという大変な企画。ヘンなモノ、ヘンなヒト、ヘンなコトの303連発。これが、実におもしろいわけで。
 もちろん、大人が読んだって十二分に面白いわけです。読みごたえもずっしり。
 一家に一冊、ぜひどうぞ。

 えー、『旧怪談』を生み出しました「幽」の編集長・東雅夫編になります「文豪怪談傑作選シリーズ」の特別編も堂々完成。
 題して『百物語怪談会』(ちくま文庫)。
 泉鏡花ら、明治末の文人墨客たちによる怪談実話を一挙掲載。『怪談会』『怪談百物語』に加えて、巻末附録として『不思議譚』がついていて、驚くやらうれしいやら。
 続く『柳田國男集 幽冥談』も楽しみであります。
 こちらも、一家に一冊、怪談好きはお一人一冊でどうぞ。

 えー、明治といえば(無理矢理だなあ)佐々木喜善。知る人ぞ知る、泉鏡花に憧れ柳田國男に鍛えられた、『遠野物語』のインフォーマントの方であります。
 この喜善の単著『遠野のザシキワラシとオシラサマ』が、ついに復活。
 ええ、もちろん中公BIBLIO異の世界〈第二期〉であります。
 ははははは。第二期刊行がスタートしたんです。表紙装画は、いままでの石燕から(またまたまたという感じですが)日本物怪観光の天野行雄さんにバトンタッチ。
 おそろしく読みやすくなってます、本文。
 しかも解説は桜庭一樹さん(よくやった担当N)。
 こちらは一家に一冊、いや、好事家は三冊くらい買ってみませんか(笑)。

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■編集者Sのウラ情報

 直木賞、芥川賞の候補が発表されました。芥川はほとんど、というか全員知らない人なのでパスするとして、直木賞は若返ったなという印象を受けましたし、ミステリーが苦戦しています。今回候補に入っている「赤朽葉家の伝説」が先日日本推理作家協会賞を受賞したさい、はたしてこの作品をミステリーといっていいのかという意見もあったと聞いています。ジャンル分けに絶対的な基準があるわけではないのですが、直木賞候補はミステリーばかりといわれていた時期があったことを考えると、淋しい思いがします。だからといって私はミステリー絶対主義者じゃないですよ。
 ミステリーといえば、今全国で見つかっている謎の一万円。オフィスにも新聞社、テレビから、コメントをという依頼が殺到(ウソ、少しね)しています。想像力をくすぐる事件ではありますが、もともと三人ともこういった事件モノに積極的にコメントを出すほうではないので、今回も申し訳ないのですが遠慮させていただいています。ゴメンナサイ(S)。

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■まるひの秘書ヒショバナシ

◆今週の厨子王原稿メール件名
 血を吸う大極宮
 吸血鬼になった三人を想像すると怖いですが、蚊と思えばへっちゃらです!

「小説すばる」に載っている正しい原文表記は…
 なぜかちょっと冷えたのが好き。
 大沢の【マイ・フェイバリット・シングス100】のひとつ、マクドナルドのハンバーガーのことです。
 猫舌ではないはずなので、コレは本当に「出来たてホカホカ」よりも時間が経ったやつのほうが好きなのでしょう。まあ、私も(確か安寿も?)ノビノビになったカップヌードルをとっても美味しく食べられる人間なので、とやかく言える筋合いじゃないのは承知してるんですけどね。
 たまらず本人に確認してみたんです。「マジなんですかアレ?」って。
 そしたら…
「本当は"ちょっと"じゃなくて、完全に冷めたやつのほうが好きかも」なんだそうです。いやはや、人の好みというものはワカランもんです。
 だからといって、わざわざ冷蔵庫に入れたりはしないぞ、あくまで自然に常温になったモノに限るからな! だそうなので、大沢ファンの方は、冷凍便でチーズバーガーを送ったりしないでくださいませね。(そんな人はいない)

 この他にも、「ほー」とか「へー」とか思う意外なモノがフェイバリットに挙げられていますので、興味を持たれた方はぜひ「小説すばる」8月号をご覧ください。

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■ノリノリ編集後記

 今週大沢さんが受けた取材の中に、大学がらみの企画がありました。20人近くの学生さんを相手に、アツいトークだったものと思われます(同席していなかったので内容に関してはわからないのですが…)。
 直接作家から話を聞く機会はなかなかないですよね。そこで…
 大沢さんのエッセイ『推理小説家の仕事』。2002年に月刊小説誌「小説推理」(双葉社)で連載したもの。連載後はどこにも収録されていませんでした。それが今、読めます。i-mode"ケータイ電話メーカー"カテゴリーの「みんなNらんど」(無料サイト)で。
 ちなみに同サイトでは現在短編も3本読めます。京極著『白蔵主』、宮部著『かまいたち』、大沢著『セーラー服と設計図』。もちろん無料。ケータイが"N"じゃない人は、友達に借りましょう。ただし、パケット料金には気をつけて。
(3連休、登山の予定が雨で中止。DVD三昧の予感…ノリ)

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■アンケートから (兼 間違いさがしコーナー)

◆ 大極宮フェア2007のプレゼントが当たりました!
感激です!!どうもありがとうございま〜す。確かに忘れた頃にやってきました(笑)
御三人の先生方とスタッフの皆さんお忙しいと思いますが、御身体に気を付けて下さい。
影ながら応援しております。永遠に大極宮のファンです。
(他多数)

●「届いたよ〜」報告をたくさんいただいています。遅くなりましたが喜んでいただけてよかったです。ハズレちゃった方は、次回のフェアで再挑戦してくださいね〜。(まるひ)

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