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 第193号へ 第194号 2005.3.4 第195号へ 
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▼山椒大夫 ▼安寿 ▼厨子王

▼編集者S ▼まるひ ▼ノリノリ ▼アンケートから

■HEADLINE RUMORS 〜 風のウワサ

◆ドイツ語版『新宿鮫』の見本が届くも、誰も読めないこのナサケナサ…。山椒大夫本人も「表紙が日本的でイイねー」と言うのみ。

Der Hai von Shinjuku

 
■燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー

◆雪中行軍
 すでに先週更新された「週刊大極宮」の写真で知っている人もいると思いますが……
 24日の木曜日にBS社の編集者と我が社のスタッフで、上野で美味しい焼肉を食べた後、銀座にながれた。予報で夜半から雪に変わると知っていたんだけど、たいした降りにはならないだろうとたかをくくって、業界が集まるお店で午前一時ぐらいまで飲んだ。銀座は一時を過ぎればタクシー乗り場以外でもタクシーを拾えるので、そろそろ帰ろうかと外を見ると…なんと雪が積もり、並木通りにはタクシーを拾おうとする人があふれている。
「こりゃあいかん!」ということで、いったん店に戻り無線でタクシーを呼んでもらおうとしたが、ハイヤーもタクシーもすべて出はらっていて、無線の呼び出しにも応答がない状況。
 で、オイラはウォーキングで六本木から新橋辺りまで歩くことがあるし、さいわい革底ではない靴を履いていたので、歩いて帰れるかなと酔った頭で計算。他に遠方の人もいたので、たとえタクシーが確保できてもその人たちを優先。歩いて帰れる人間は歩いて帰ろうということになった。
 すると赤坂に住むまるひが「ボス、あたしを連れて帰ってください」と言いだし、編集者Sと熊吉も乃木坂のオフィスまで歩いて電車の始発を待とうということになった。
 四人で雪の行軍! まるひは酔っているせいもありこけつまろびつでケガをするのではないかと心配したが、兄の熊吉に支えられ、一時間半かけて銀座から乃木坂まで全員完走(完歩?)。
 みんなと別れて六本木の仕事場の前まできたら、タクシーの空車を発見。こんなところに空車がいてもしょうがないなと思いながら、部屋にたどり着くなり熱いシャワーを浴びた。
 あの日はタクシーが拾えず、寒い思いをした人が多いのではないか。我々は飲んだ帰りなので、こんな時間まで遊んだむくいだと思って歩いて帰ったが、虎ノ門辺りではいかにも残業帰りの人たちが途方にくれている姿を見かけた。
 東京という街は雪に弱いなとつくづく思ったしだい。おそらく北半球にある先進国の中で、これほど雪に弱い首都は東京ぐらいじゃないのか。この週末はまた都内でも積雪が予想されているが、どうなることやら。なかば不安、なかば楽しみ。どうせオイラは締め切りだから遊びにも行けないし。雪よ降るなら降れという少し意地悪な心境でもある。


マッカリも飲んでるよ♪

美味い焼肉でシアワセいっぱいの山椒大夫。
この数時間後に
あんな地獄が待っていようとは…


◆異動の季節
 出版社は6月に異動が多いので、時期的には早い気もするが、今月は担当者が二人異動した。K川書店の担当I田が異動で出向。K談社の担当K兼も異動ではないが偉くなってこれまた担当を外れた。共に後任はまだ決まっていない。別に送別会めいたことはやらないのだけども、新しい担当が誰になるか興味はある。
 このところオイラの場合は20代の若手が担当になって、教育係をおおせつかる事が多い。勝浦の合宿などで彼ら編集者を鍛えて欲しいと言われるが、うちの合宿で鍛えられるのは米の磨ぎ方と洗い物のやり方ぐらいで…果たして編集者として彼らのキャリアに役立っているかというと疑問なんだけど。それでも構わないから使ってやってくださいと、なかば社交辞令で上司から言われると引き受けようかという気持ちになる。

 かつて自分がデビューした頃は、20代のせいもあって各出版社の担当者は全員年上というのがあたり前。初めて自分より年下の担当者となったのはK文社の鮫番のW氏なのだけど、そのときは感慨深かった。もちろん今となっては全員自分より年が若くて場合によっては20近い年の差があり、オイラと初めて会うときに異常に緊張し、なんでお前そんなに硬くなるんだよといいたい者も。もっとも彼らからしてみると、物心ついたときにはすでに作家をやっていたオイラはすごくオヤジに見えるわけで、緊張もある意味納得できるが。担当者がみんな自分より年上だった時代を知る身としては…なんだか年が気になるなあ。

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■安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー

◆ご教示ありがとうございました
 先週の宮部の質問に、多数のメールを頂戴しました。篤くお礼申し上げます。
 でも。

 みんな、厨子王に訊けという(笑)。

 いや、訊いたのよ。訊いたの。そしたら「そういえばありましたねえ〜、う〜ん、いつごろだったかなぁ〜」というお返事だったので、なにしろ今、殺人的スケジュールの厨子王だから、それを縫って調べてもらうの悪いなぁと(ちょっとは)遠慮しまして、皆様のお知恵を拝借しようと試みたのでした。
 しかし、やっぱ詳しくご存知の方がいるのですよね。ホントありがたかったです♪

◆ゲーム女の生きる道
 さて先週、大事なことを書き忘れていました。今さらでございますが。
「バイオハザード4」は、

 らせん状に進化し、原点回帰した傑作である。

 ゲーム女宮部は深く感動しておるのであります。
 いやぁ、久々に「先が気になるから早く進みたいんだけど先に進むと何があるかわかんないから怖い」というアンビバレンツな感情に翻弄されたでございます。

 あと、この作品、実は女性プレイヤーのためのものじゃないかな、とも思いました。
 何があっても必ず助けに来てくれるわたしのヒーロー! だもんね。
 これって、たいへんプリミティブな女性の物語的願望でありますよ。
 それと気づいたとき、あの(以前に怒った)CMの意図もわかったです。
 まあ、狙いが「デスクリムゾン」の照準並みにアレでしたけど(まだちょっと怒ってるわけだ。ゲームが傑作だからなおさらネ)。
「バイオ4」を、助けに行く側になりきってプレイしまくり、短時間クリアまでしちゃう女性はゲーム女である。
 助けにこられる側になりきって(また非力で足が遅いんだよ、この大統領のお嬢がよ。梯子ぐらい自分で下りろよ。「クロックタワー」のジェニファーだってもうちょっとしっかりしとったぞ)、ボーイフレンドまたは彼氏または夫または愛人にプレイしてもらって鑑賞する女性は非ゲーム女である。
 人生、どっちが幸せかと問いかけてはイケナイ。
 どっちも幸せなんです! 文句あっか。
 何書いてンでしょう、わたくし。
 そういえばあの助演キャラ、「ルイス」とか名乗ってたけど、嘘でしょ。本当はジョニー・デップだよね。
 サウザーは、故ラウル・ジュリアにちょっと似ていて懐かしかったです。名優でしたよねぇ。

 一方、PSPの「ポポロクロイス物語」も、ちらっとのぞいてみました。ガミガミ魔王城まで、試しにプレイ。

 ああ、やっぱりポポロは2Dだよ♪

 PSの「ポポロ」は、可愛い外見によらず、けっこう手強いゲームだったですが、PSP版はぐっと易しくなってる気がします。PSでは、HPが減って危なくなるとえ〜んえんと泣いてたピエトロ王子が泣かなくなってるし。
 初期の3作を圧縮したリメイクであるPSP版では、先へ進むと、白騎士さんとナルシアと一緒に、「ポポローグ」のストーリーをたどれるみたいですね。楽しみ楽しみ。そのかわり傭兵たちはいなくなって、ダイソンさんなんか召喚魔法になっちゃった! 召喚するとあの角刈り頭で登場し、斧をふるって戦ってくれるんでしょうかしら。私は「ポポローグ」を最初にクリアしたとき、ダイソンさんをメインに使っていたので(彼とボリス王子)、とても思い入れがあるんですよ〜♪

 ところで山元さん、「フィロソマ」も
     PSPで還ってくるんでしょうか?

 すみません、これは内輪のいぢめでした(笑)。

◆「二人の刑事」情報、その後
 さらにご教示をいただきまして、「二人の刑事」はTBSの連続ドラマで、NHKだという宮部の記憶は間違いであったことが判明しました。
 さらに!
 中尾彬さんが出ておられたという記憶は正しかったのですが、

 大滝秀治さんは、出演されていなかったのでした!!

 宮部の頭のなかで、「特捜最前線」あたりとゴッチャになっていたらしい。あれも刑事ドラマの傑作でしたものね〜♪
 で、「二人の刑事」の主演は、実は芦田伸介さんだったんです〜! それを知ってよくよく思い出してみれば、とても印象の強かった、二木てるみさんが犯人を演じた回のラストで、拘置所の独房内でカツドンをぱくぱく食べる彼女を、中尾さんと並んで立って見守っていたのは、芦田伸介さんだったんじゃないかという気がしてきたです〜。
 ともあれ、ありがとうございました。
 大滝さんが出演されていなかったのなら、ひでじマスターの厨子王でも、さすがに即答できないのは無理もない話。皆様、腑に落ちましたですね。

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■さまよう厨子王 〜 京極夏彦のコーナー

◆怪が
 できました。


怪0018


 妖怪絵師の特集もイイ感じです。
 大先生のマンガ「妖怪大戦争」も、オリジナルな感じに突入。
 ところで僕の連載「妖怪の理・妖怪の檻」ですが、もう三号くらい前から新章突入の予告を出しておいて引き延ばしていたわけですが、今回ようやく突入しました。そのせいもあって、はからずも「油すまし特集の」ようになってしまいましたが(笑)。
 ちなみに第二回怪大賞・京極賞を受賞した「版画百鬼」の風眠庵さんはお坊さん。先週の妖・怪談義にもいらっしゃってました。
 で、先週はライブで手書き原稿だったわけですが、そこでも書いた化野燐さんの新刊がこれ。

◆蠱猫も
 できました。


人工憑霊蠱猫


 イラストはtoy8さん。装幀はワタシ。
 隔月で第一弾の三冊が発売されます。
 栞には天野行雄さんの版画が使われています。これもイイ感じ。
 タイトルの蠱猫は「こねこ」と読みます。一部ではこびょうとか虫猫とか、困ったルビをふったり気持ちワルイ誤植をしたりされていますが、「こねこ」ですのでそこんとこ宜しく(笑)。
 ちなみに化野燐さんは「ばけのとなり」でも「ばけのあわれ」でもなく、「あだしのりん」さんですからお間違えなきよう。
 読みにくい漢字のタイトルは苦労しますよ、はい。
 新しい妖怪小説をどうぞご贔屓に!

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■編集者Sのウラ情報

 先週に引き続き今日も雪です。ほんとうに東京は雪に弱いです。雪国の方たちからみれば「どうしてあの程度で?」なのでしょうが、5センチも積もれば大雪です。電車が遅れます。で、今日は大藪春彦賞、日本SF大賞の授賞式です。降り続いていればまたタクシー難民か! というところでしたがなんとか止んだようです。
 ところでイベント情報でも更新されているでしょうが、19日(土)宇都宮の紀伊國屋書店(宇都宮パルコ)で山椒大夫のサイン会が開催されます。同時に1日から大夫の個人ブックフェアも開催中とのこと。お近くのかたは宇都宮パルコへ走ろう。昨年から札幌、仙台、今回の宇都宮とわたしが大夫に同行するところは北ばかり。たまには南へ行きたいよ。(宇都宮といえば餃子、S)

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■まるひの秘書ヒショバナシ

◆今週の厨子王原稿メール件名 (これまでの歴史は→コチラ
 病身不健康
 インフルエンザでまるまる一週間お休みしている、スタッフのオーツカハル君のことですかね。なんかけっこう回復してるらしいですけど、「伝染るとタイヘンだから、完全に治るまでオフィスに出こなくてよろしい!」って言われたとかー。(私じゃないですよ、言ったのは!)

 前号のウワサ、そして今週は大沢のとこにも載ってます。銀座→六本木の雪中決死歩兵部隊。アレって、先週の更新日前夜のことだったんです。雪道を歩いたり滑ったり転がったりしてるその時は、酔いのおかげで痛くも冷たくもなかったですが、ああいうのって翌日にクルんですな。打ち身と筋肉痛で身体じゅうバキバキ。風邪の初期症状もオマケについて。だからもうね、前号の更新作業、実はむちゃくちゃ辛かったっす。わははは。
 何度も転んで大沢たちに呆れられていた私ですが、酒のせいじゃなくてブカブカのブーツが悪かったんだあ! ドクロマークだけが気に入って買った超ベコベコの超軽い超安物で超サイズ合わないブーツの中で足が超泳ぎまくり超踏ん張れない超歩きにくい! と超つけまくってみたところで、膝の青タンが消えるわけじゃなし…。そう、一週間たつのにまだ痛いんですよ。超トホホ。

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■ノリノリ編集後記

 今年から来年にかけて大沢オフィス関係原作でも多くの映画企画が動いていますが、先日うかがった「(株)ノース・スターズ・ピクチャーズ」の記者発表でも個人的に期待する映画の企画が発表になりました。
『北斗の拳「ラオウ外伝」純愛編』。2006年春全国東宝系公開予定だそうです。純愛ブームが来年まで続いているかはわかりませんが、そんなの関係ナシに期待できます。ラオウですから。ちなみにケンシロウの声は阿部寛、新キャラクターヒロインの声は柴咲コウに決定とか。さらにこの「北斗の拳」シリーズは全5部作の予定で…
2006年秋ビデオ『北斗の拳「ラオウ外伝」激闘編』、
2007年春映画『北斗の拳「ユリア伝説」』、
2007年秋ビデオ『北斗の拳「トキ伝説」』、
2008年春映画『北斗の拳「ケンシロウ伝説」』と続くようです。
「少年ジャンプ」に連載されてからすでに20年以上。進化し支持され続ける『北斗の拳』はすごい! 儲けもハンパじゃないだろうなぁ。



徳間書店から出ている『北斗の拳』全12巻
大判で読みやすい!


(そういえば、喫煙が見つかったダルビッシュ君も「パチスロ『北斗の拳』」にハマってましたね…ノリ)

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■アンケートから はスタッフのコメントです)

◆厨子王の新刊『巷説〜』の表紙写真にカーソルを持っていくと『どすこい。』と表示されます。IMG SRCタグの間違いと思われます。ご報告まで。
毎週、金曜日にたのしく拝見しております。
今週はアクセス殺到のためか?金曜深夜にはどうしてもページがひらかず、土曜日のお楽しみとなりました。単なるウチのパソコンの不調かもしれませんが、更新時には人気殺到で…という方が、読む側としても楽しいので(笑)そういうコトにしておきますね

間違い直しました! ありがとうございます! ホントにアクセス殺到だといいですねえ…ウットリ。(自分も好意的な解釈をしてみる、まるひ)

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下の方でコッソリ
◆厨子王原稿メール件名の歴史(本人確認用?)

更新太郎。 → こうしん太郎。 → 高信太郎。 → 香辛料。 → 甲府信玄公。(この133号あたりで件名を本格的なコーナーにされてしまうカワイソウな厨子王) → 子牛ん〜健康です。 → 庚申。元寇。 → 孔子に兼行。 → 乞う、青梗菜。 → 交趾(コーチン)。鬱金(ウコン)。「辛いなあ喰いもんネタ(笑)」というグチつき → 護身拳骨。 → 誤診現行犯。 → 小普請剣豪。 → 子負う繁子。 → こう、おしん激昂。 → 往診変更。 → 孝心言行。 → 恒心儼乎。 → 格子に拳固が。 → 誤診原告。 → (グレイと)交信。(UFOが)減光。説明付き。たまにはこうい(151号でこの件名の続きを皆さんから募集して大盛り上がり!) → 香辛料減量。 → 甲信越へ行こう。 → 荒神信仰。 → 降神、玄黄。 → コーリンえんぴつ。 → 降雨。震源。こ……うッ。 → 「コウ!」「シン? 元気?」「おう」 → 光線銃携行。 → 孝心儼乎。(孝心も儼乎も二度目の登場と、まるひにツッコマレル) →  前回のタイトルは急いでいたので一発変換だったわけです(笑)(言い訳キター!) → 工賃、下向。 → 浩二、けん、コウ(芸能人シリーズスタート?) → 工事・拳・豪 → 放心、テンコー → ちょうちんあんこう → 甲信越先行 → 古神に献香 → 降雨シーン、現場はこう…… → 懇親励行 → 殺しで連行 → 抗菌テント → GO! 真剣、GO!!(横文字初登場) → こう、芯がゲル状。 → こ、悪心、下戸。う。 → 麹、発酵。 → ここ押し。ん? 弦を、こう…… → 古址近郊 → 光子力ビーム!! → 等身大線香 → 拘禁連行 → 狂信勤行 → 高知、雲仙、甲府 → もう死んでんだろう? → 乞う。真剣若人 → 発疹侵攻

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