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 第192号へ 第193号 2005.2.25 第194号へ 
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▼山椒大夫 ▼安寿 ▼厨子王

▼編集者S ▼まるひ ▼ノリノリ ▼アンケートから

■HEADLINE RUMORS 〜 風のウワサ

◆雪降りしきる深夜、タクシーがどうにもこうにもつかまらず、銀座→六本木の道のりをテクテク歩いて帰った哀れな山椒大夫+スタッフ三名。


顔が少し怒っている?

虎ノ門あたり

 
■燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー

◆「横溝正史賞」
 今年から2年間限定で選考委員を引き受けた「横溝正史賞」の選考会があった。他の選考委員は北村薫氏、綾辻行人氏、坂東真砂子氏。結果は候補作中に一本あったハードボイルド作品が今回の受賞。
『約束』というタイトルだが(出版時には変わっているかもしれない)、ハードボイルド冬の時代によくもまあこんなに正統なハードボイルドでチャレンジしてきたものだと思う。なかば感心なかば呆れ。
 ハードボイルドはかたちから入るジャンルだから、上手に真似て小説のかたちにはなっていても、その人がプロとしてやっていけるかどうかを判断するのは難しい。上手に塗れたぬり絵みたいな作品では困る。そういう作品を書いた本人は納得するだろうけども、読者からするとそれは常に誰かのエピゴーネンの匂いが漂う。本人の作品になっているかどうかというのが一番重要。今回の受賞作は作者独自のオリジナリティもあり完成されていて、受賞作とすることに異存はなかった。

 今、ハードボイルド作家はノワール系を含めると日本にたくさんいて、いかにもなにか人気のあるジャンルのように思われているのだけども、エンターテインメント小説の世界でジャンルがブームになったということはじつは無い。かつてSFブームだとか新本格ブームだとか言われたこともあるが、本の帯にそう書いてあればみんな売れたわけではない。売れる人がたまたまそのジャンルに複数いたからそのジャンルがブームだと思われただけ。ジャンルがブームだったためしはない。やっぱり売れるためにはその人独自の読者をつかむことが必要だ。今回の受賞者が力のある書き手だというのはオイラも認めるが、ここから先は大変だろう。なまじ自分がハードボイルドを書いているだけに、前途を祝しつつも大変だよ苦労するよと言える。
 まあ、プロになりたくて応募してきたのであれば、それくらいのことは望むところだろうが。

 なお、今回の候補作は4本だったのだがその内の2本、受賞しなかった作品なのだけど…かつてそれぞれ別の新人賞で選考したことのある人の作品だった。
 オイラとしては同じ人を何度も落とすのは意地悪をしているみたいでつらいと言えばつらい。もちろん作品本位で選んでいるのだから意地悪なんて当然ない。
 一方で言えば何度も候補になるということは実力がある証拠なので、それだけ力のある人でもある。ただ、今回も残念ながら受賞にはいたらなかった、落ちたということは受賞した作品の方が上だったということ。ここまでくる努力や才能は認めるし敬意をはらうが、同情はできない。同情で受賞しても本人のためにはならないだろうし。受賞までいたらないというのは努力が足らないのかもしれないし、こういうところがダメとか一概には言えないいろんなものがあると思う。応募者の気持ちになればまたあいつに落とされたと思っているのかなぁと、複雑な心境にもなるが…。
 とはいえそれを嫌がっていては選考委員はできないわけで。とにかくオイラをぐうの音も言わさない作品を出してくれればそれで受賞できる。
 ちなみに過去には同じ人を3回落としたこともある。その人はデビューはしたけど恨みはかっているだろう。月夜の晩だけじゃないぞと思われているかも。自分だって落とされた経験はあるから選考委員を恨んでも仕方がないことだが。

 結局、新人賞は選考委員と勝負しているというより自分の作品と勝負しているわけで、それがプロになったら読者と勝負すること、あるいは自分以外の全ての作家と勝負することになる。新人賞の応募作が何百本あろうと、本屋さんに並んでいる何千冊何万冊の中でたった一冊で勝負することを考えると、まだはるかにやさしい勝負とも言える。それに新人賞の選考委員は自分の好き嫌いに関係なく優劣で選んでくれる。本を買う読者の眼はキビしくわがままですよ。

◆春一番
 春一番大荒れの天気の中、ゴルフコンペがあった。このコンペ…毎月行っているものだが、先月は雪のため当日の朝ゴルフ場を変更しておこなった。どうやら今年は嵐を呼ぶコンペになりそうな気配。
 当日は南風で汗ばむぐらい暖かくはあったが、体を屈めていないと立っていられないほどとてつもない強風。グリーン上で一度止まったボールが風に押されてグリーンの外までこぼれる始末。当然スコアはボロボロ。花粉もたっぷり吸い込んだようで、翌日から眼がかゆい。
 年が明けてからのゴルフは正月以外はずっと90を叩いているので練習に行きたいところだが、そこでも花粉を吸いそうで…。うーむ、何事にも後ろ向きになる自分が腹立たしい。

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■安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー

◆ご教示ください
 私が小学校の5、6年生のころだったと思うので(実はこの記憶もちょっと怪しい。もっと前だったかも)、今から30年以上昔の話になるのですが。
 NHKに、「二人の刑事」というドラマがありました。主演は大滝秀治さんと中尾彬さん。タイトルどおりの刑事もので、実に実に渋いドラマでしたが、コドモ宮部は深く感銘したのでした。刑事ものドラマというと、真っ先に思い出す作品です。
 このドラマについて詳しい情報をご存知の方がおられましたら、ご教示いただけないでしょうか。お願いいたします。

◆ゲーム女の生きる道
「バイオ4」熱も一段落。だって、激ヤバ難度のプロフェッショナル・モードなんて、手を出せませんもの(泣)。無限ロケラン抱えて走り回っても、なかなか短時間クリアはできないし、あとはもう、完全攻略本が出てからゆっくり攻めたいと思います。
 ああ、くたびれた――と思っていたら、PSP版の「ポポロクロイス物語 ピエトロ王子の冒険」が、とっくに出てるじゃありませんか。まあ大変!
 でもね、今はちょっと状況がナニで、どっぷり浸かっちゃうに違いないポポロをやるわけにはいかないのですよ(だいたい、「MGS3」も、それよりも前に出た「シャイニング・ティアーズ」も手付かずのままだ)。
 という次第で、今週のゲーム女は1回お休み。今後の方針を検討します。
 本当は、PSPのポポロが出る前に、「頼まれてもいないのに勝手に攻略するシリーズ第3弾」で、「ポポローグ」をやろうかとも思っていたのですが、あまりにも「バイオ4」に入れ込んでしまったために、スケジュールが狂っちゃいました。
 さて、どうしようかなぁ〜♪

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■さまよう厨子王 〜 京極夏彦のコーナー

◆初の手書き原稿(笑)。
 メールが送れない状況なので手書きFAXという。

 で、別にお報せすることもないのですが、『覘き小平次』(中央公論新社/C★NOVELS版)と『続巷説百物語』(角川文庫版)が発売になりました。
『続巷説百物語』の表紙は間に合わないかとも思われた張り子の「死に神」。職人荒井さんの大回転の早業で完成。ただし、面でしたが。これ結構コワイ。
 中公の方の表紙は東雲騎人君の筆。おまけにオモチャ絵(4種2パターン)の大盤振舞い。月報には「小平次通信」と題し、四コママンガまで!!
 ただ、四コマ中、ボクが東雲君と妖怪担当N嬢をコキ使っているように誤解されるようなことが描かれていますが、私は断固として言いたい!

 逆です!!

 こんなユカイな企画がおまけにつくと知ったのは、出来上がった後のことなのです。まあ知ってたって出来ませんでしたけどね(笑)。
 どちらも素敵な表紙をありがとうございました。

 で、今は新宿ロフト+1にいます。

◆妖・怪談義
 怪談人間・木原浩勝さんと妖怪文人・化野燐さんのオールナイトトークイベント。今回は4回目。
 私はシークレットレギュラー(って何よ)らしいですが、今回は途中までしか参加できないわけですが。

 で、そんな化野さんが妖怪小説をついに書き上げました。
『人工憑霊・蠱猫(こねこ)』(講談社ノベルス)。
 3月9日発売! みなさんも是非ご一読を!

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■編集者Sのウラ情報

 アイドルタレントがテレビ番組で過去の窃盗歴を武勇伝のごとく発言し問題になっています。タレント(プロダクション)側にも問題があったとは思いますが、「国民の電波を預かり、高い公共性を求められるテレビ局」(By 某テレビ局会長)の社員に、この内容は不適切だろうと異議を唱える常識的な感覚の持ち主がいなかったということのほうが問題だと思っております。
 特に万引き問題はここ数年書店にとっても死活問題となっております。「窃盗で店を潰した」と発言にあったように、万引きの損失に耐え切れず廃業した書店も実際にあります。
 書籍は換金が容易なため、ゲームソフトやCDと並んで万引きの対象となりやすいのです。一冊書籍を売って書店の取り分は20%程度です。そこから経費を引くと純粋な利益は数%程度でしょう。一冊万引きされると数十冊分の売り上げが消えてしまうのです。万引きされた分も出版社から見れば売れたとみなされます。スリップ(売り上げ票)の無い返品は原則認められません。数千円もする写真集や専門書を万引きされたらもう大変です。
 そのため出版社側もICタグによる管理など対策を講じようとはしているのですがコストの問題などもあり実現するのはまだまだ先のようです。
 書店と万引き犯との闘いはまだまだ続くのです。(B春S幡様、焼肉おいしゅうございました、S)

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■まるひの秘書ヒショバナシ

◆今週の厨子王原稿メール件名 (これまでの歴史は→コチラ
 一回休み
 というわけで、私の手元には「厨子王が作家デビューして以来、初めて手書きでしたためた原稿(のコピー)」というメチャクチャ貴重なモノが!
 短いメモ程度の字(たとえば「よろしくたのんます」とかそういうの)なら今までにも見たことありますが、こんなに大量の肉筆を目にする機会は、これが最初で最後かもです。永久保存しとこっと。うひ。

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■ノリノリ編集後記

 ホームページを開設していよいよ5年目突入。ご覧いただいている皆さまのあたたかい励ましで、どうにかこうにか毎週金曜更新コンテンツ『週刊大極宮』も続けてくることができました。これからもネタのない週があるとは思いますが、引き続きご愛読くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。それと読者参加型新コーナーの企画も準備しておりますので(もう少し時間がかかりますが)お楽しみに。その前に…一年以上未更新の「Q&A」の取材もしなければと思っております…近々に…少しずつ…かな。(7ヶ月振りにレース復帰の「ウインクリューガー」、只今9連敗中ですが今回は狙い目です…負け癖ノリ)

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■アンケートから はスタッフのコメントです)

◆毎週楽しく拝見しております。
早速ですが、宮部安寿姫の「ぼんくら」「日暮らし」特集を掲載の講談社IN POCKETは3月号ではなく2月号ではないでしょうか?
今後とも先生方スタッフご一同のご活躍をお祈りしております。

は、はいそのとおり、2月号でした…。とほほほほほ。くまるひ)

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下の方でコッソリ
◆厨子王原稿メール件名の歴史(本人確認用?)

更新太郎。 → こうしん太郎。 → 高信太郎。 → 香辛料。 → 甲府信玄公。(この133号あたりで件名を本格的なコーナーにされてしまうカワイソウな厨子王) → 子牛ん〜健康です。 → 庚申。元寇。 → 孔子に兼行。 → 乞う、青梗菜。 → 交趾(コーチン)。鬱金(ウコン)。「辛いなあ喰いもんネタ(笑)」というグチつき → 護身拳骨。 → 誤診現行犯。 → 小普請剣豪。 → 子負う繁子。 → こう、おしん激昂。 → 往診変更。 → 孝心言行。 → 恒心儼乎。 → 格子に拳固が。 → 誤診原告。 → (グレイと)交信。(UFOが)減光。説明付き。たまにはこうい(151号でこの件名の続きを皆さんから募集して大盛り上がり!) → 香辛料減量。 → 甲信越へ行こう。 → 荒神信仰。 → 降神、玄黄。 → コーリンえんぴつ。 → 降雨。震源。こ……うッ。 → 「コウ!」「シン? 元気?」「おう」 → 光線銃携行。 → 孝心儼乎。(孝心も儼乎も二度目の登場と、まるひにツッコマレル) →  前回のタイトルは急いでいたので一発変換だったわけです(笑)(言い訳キター!) → 工賃、下向。 → 浩二、けん、コウ(芸能人シリーズスタート?) → 工事・拳・豪 → 放心、テンコー → ちょうちんあんこう → 甲信越先行 → 古神に献香 → 降雨シーン、現場はこう…… → 懇親励行 → 殺しで連行 → 抗菌テント → GO! 真剣、GO!!(横文字初登場) → こう、芯がゲル状。 → こ、悪心、下戸。う。 → 麹、発酵。 → ここ押し。ん? 弦を、こう…… → 古址近郊 → 光子力ビーム!! → 等身大線香 → 拘禁連行 → 狂信勤行 → 高知、雲仙、甲府 → もう死んでんだろう? → 乞う。真剣若人 → 発疹侵攻

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