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 第191号へ 第192号 2005.2.18 第193号へ 
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▼山椒大夫 ▼安寿 ▼厨子王

▼編集者S ▼まるひ ▼ノリノリ ▼アンケートから

■HEADLINE RUMORS 〜 風のウワサ

◆映画「姑獲鳥の夏」の前売り券には、京極ファン必見(必須)なおまけが企画されているらしい。

◆某お茶についている笑点フィギュアが、大ブームな大沢オフィス。

 
■燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー

◆バイオナイト
 三連休前の木曜、安寿がオフィスに来てインタビューを受けた流れから、みんなで麻布十番の中華料理屋に行き安寿のおごりで食事をした。そこでオイラと安寿は「バイオハザード4」の話で大いに盛りあがり、デモプレイをすることに。食事後、オイラの仕事場にウチのスタッフおよびK談社のK兼氏も移動。何年ぶりだろう…オイラと安寿によるデモプレイ。
 きっちり計算しチャンスを狙って攻撃する、シミュレーションRPGを愛する安寿ならではの周到な作戦。それに引きかえオイラは頭が悪いファイターの典型、「突撃玉砕じさずのイケイケ型」というふうに戦闘の方法では二人のあいだに大きな違いがあることが発覚した。
 ゲームはもちろん一晩でクリアできるはずもなく、3時くらいまでプレイした後にバイオナイトは解散となった。その間、観戦していたスタッフのS氏、O塚君、ノリノリそしてK兼氏はポテトチップをバリバリとかじり、ダイエットコーラを飲みながらカウチポテト状態だった。


バイオナイト


◆で、三連休
 バイオナイトから一夜が明けて…以前から一度行きたいと思っていた九州は大分の「豊後高田」へ向け家族と飛行機でとんだ。
 昭和のレトロな町並みを残してなおかつ営業をしている商店街。感想は…こんな感じなら東京の下町にもいくつもあるかなという程度のものだったが、そこで食べた焼きたてのどら焼が美味かったのにびっくり。昭和55年から値上げしていない定食屋さんで350円のチャンポンも食べた。
 別府では、去年の秋にオープンした「うみたまご」という水族館に行ってきた。鮫もいて水族館好きのオイラとしてはけっこう納得できた。

◆東京では…
 今週はやたらに人と会う用事が多い。結果、連日飲みにでかけることになるが、銀座ではなく六本木ばかり。
 それと…心配をしていたが、おかげ様でチョコレートは諸々といただき、ひとまとめにして田舎のお袋の所に送った。これは毎年恒例で、爺婆が集まって「都会のチョコレートはうまいのう」と貪り食う段取りになっている。
 みなさん、どうもあリがとうございました。

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■安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー

◆ゲーム女は考える
 今週、大阪市寝屋川の小学校で、卒業生の若者の手で先生方3人が死傷するという、たいへん酷く、無念きわまりない事件が発生してしまいました。
 早い段階から、犯人の17歳の少年がゲーム好きであったという報道がされていました。また、彼が愛好していたゲームのなかに「バイオハザード」シリーズが含まれているようだという情報を得まして、いろいろ考えてしまいました。
 私がこの事件について知っている事柄は、すべて新聞とテレビのニュースで報道されたことだけです。現状ではまだはっきりしていないことの方が多いようですので、以下に書き記します文章は、あくまでも現時点で私が考えている事柄であります。

 以前にもこのコーナーで書いたことがありますが、ゲームに限らず、小説でもコミックでも映画でも、基本的に娯楽のために提供される創作物は、日々の生活の潤いとして使われるべきであり、それが生活の「主体」となってしまうことは、本末転倒でまったく望ましいことではなく、あるべき姿でもないと、私は考えています。これは特異な見解でも何でもなく、多くのゲーム愛好者やミステリファン、映画ファンの皆さんが同様の意見をお持ちのことでしょう。
 報道された内容を見る限り、この事件を起こした少年は、生活のバランスを失っていたように思われます。何より、彼をして殺人へと傾斜させた最大の原因は、このバランス失調にあったのだろうと、私は思います。
 では、バランス失調の原因がどこにあったのか、それがどこまで「テレビゲーム」という一種麻薬的な魅力のある娯楽媒体に耽溺してしまったことによるものなのか、それはまだ判断がつきません。ですから解析する必要はあると思います。が、その場合には、最初から「悪者探し」的なレンジの狭い解析ではなく、多方面から彼の心の動きを検証する形になってくれることを、切に願っています。

 このような事件が起こるたびに、思うことがあります。寝屋川の事件からは離れて一般論的になりますが、この機会に書いておきたいと思います。
 創作物が、現実の事件に影響を与える。もしくは要因になる。それはゲームに限りません。小説やコミック、映画であったとしても、同じように等しくあり得ることです。
 つまり、創作物をつくって世の中に公表するというのは、たいへん「怖い」行為であるのです。
 私たち、様々な媒体で娯楽ソフトを創作し、それで生計を立てている人間は、実は、たいへん無力な場所に立っています。自分の作った作品が、どのように解釈され受け取られるか、あらかじめ指定することはできないからです。
 私自身、暴力の引き起こす悲劇を描くために、暴力シーンを書かねばならないことがあります。その場合、どれほど嫌でも、避けては通れません。そして出来上がった作品を世に出すときには、「どうか、自分の意図が正しく伝わりますように」と、祈ることしかできないのです。
 その祈りが通じず、暴力シーンだけが誰かの神経を刺激し、「自分も他人にこんなひどいことをしてみたらスッとするだろう」という動機付けになってしまうかもしれない。創作をする者は、常にその最悪の可能性と共に生きています。
 だからこそ、私は、流通の段階における「レイティング」を支持しています。いわゆる「18禁」などの指定ですね。
 これも、ゲームや映画に限りません。これだけ価値観が多様化してきた現代社会では、小説だってレイティングの対象になることは、早晩、避けられないかもしれないと思っています。
 ただし誤解しないでいただきたいのは、この場合に私が思うレイティングの機能は、「これは未成年者には有害だ」というレッテルを貼って隅に追いやることではなく、それによって、未成年者の保護者(ほとんどの場合は親御さんでしょう)と、それに触れる未成年者自身に、判断基準を提供することなのです。
 私が未成年者だったころには、レイティングが目に見える形で存在するのは映画の世界(映倫ですね)と、一部の書籍(ビニ本というやつ)だけでした。その当時でさえ、親に隠れて、「子供は見ちゃダメ、読んじゃダメ」という作品を、何とか手にしようと試みる子供は大勢いました。実際、それはけっこう成功していました。だから、どんなにきつくレイティングしたところで、完全に遮断することはできません。それが可能なのは、思想信条・表現の自由が根本的に規制されている全体主義国家だけでしょう。
 それでもレイティングに意味があると、私が(希望をこめて)信じるのは、
◎なぜこの作品がレイティングされているのか。
◎それについて自分(親御さんであれ子供さんであれ)はどう思うか。
◎なぜこの作品には、レイティングされなければならない描写や表現が必要だと、作者が考えたのか。その考えに対しても、自分はどう思うか。
◎その上で、これを子供に与えるか、与えないか。
 これらのことを、考えたり話し合ったりしてもらうための指標となり得ると思っているからです。いえ、「なってほしいと願っている」というのが正直な本音です。
 創作物は生き物です。生き物には、人によって接し方が違います。不幸にして、接し方の違いがひとつの要因になって犯罪が起った時、その生き物すべてを殲滅してしまえば、その生き物が生きていることによって生まれる他の美しい可能性も、根こそぎ殺してしまうことになるでしょう。
 それはあまりにも悲しい選択だと、私は思います。

 また寝屋川の事件に戻りますが、彼がゲームファンで、ゲームクリエイターかゲーム雑誌の編集者になりたがっていたという報道を知り、私は心底悲しかった。
 彼の心にはどんな傷があり、恨みがあり、あの日、今こそそれを晴らさずにおかれないと決心してしまったのか、私にはわかりません。でも、そういう負の思いに燃えたとき、そして、命の大切さがわからなくなり、自分のしたことのために必ず苦しみ悲しむであろう人びとの顔さえ思い浮かばなかったときでも、最後の最後の歯止めに、なぜ立ち止まって、こう考えてくれなかったのだろう。
 ゲームファンの自分がこういうことをすれば、きっとまた「テレビゲーム」というものの存在自体が責められる。それは、これまで自分が親しみ、憧れてきたゲームの世界をこっぴどく裏切ることだ、と。
 それこそが「愛」ではないでしょうか。
 彼には愛はなかった。ただ「消費」があっただけなのかと思うと、私は、一人の市民として、死傷された先生方のために憤るのと同時に、一人のゲームファンとしても、怒りを感じずにはいられません。

 以上、縷々綴ってきましたが、「大極宮」上にアップする文章ではあっても、これは大沢オフィスの公式見解ではなく、宮部個人の意見であることを、最後にお断りしておきます。

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■さまよう厨子王 〜 京極夏彦のコーナー

◆モニタを
 でっかくしてみました。さる人のオススメで。でも、でっかすぎます。
 出入りが簡単にできるくらいあるし。うーんどうかなあ……。
 と、思っていましたが、約18時間で慣れますた。使い易いです。
 すると、とたんに横のモニタがえらく小さく感じられるという不条理。それまではそいつが一番でかかったんですが。人間なんてそんなものだよね、と、誰に向けて言っているのか(笑)。
 しかし職場環境を改善すると、不具合が起きた時に環境のせいにできないという不都合も発生するわけですね。
 所詮は自分の問題なんですねえ、そういうのは。わっはっは。

 書くことがないのでこんなことを書いています。

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■編集者Sのウラ情報

 先週のウワサでも触れられていた山椒大夫と安寿の「バイオ4を熱く語るナイト in 麻布十番」は、ふたりも触れているでしょうが場所を大夫の仕事場に移し午前3時まで続きました。二人とも語りだすとホントとまりません。隣で聞いているわれわれは、「ほう、へえ、はあ……」
 コントローラーを握った大夫の集中力のすごいこと。これがどんなギリギリになっても原稿を落とさない秘訣だなと思った次第。作家を志すみなさん、集中力は大切ですぞ。まあ何事もそうなんでしょうけど。
 しかしハードがGC、というのが。ファミコン、スーファミ、64、プレステ、プレステ2(SSがないのは何故。竹崎さんごめんなさい)とあって、これ以上増やすのは……。話を聞くだけにしておきましょう。(翌朝GC買いに走ったスタッフがいるらしい、S)

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■まるひの秘書ヒショバナシ

◆今週の厨子王原稿メール件名 (これまでの歴史は→コチラ
 発疹侵攻
 うわあああやめて下さい。子供の頃かかった水疱瘡や風疹を思い出して、ムズムズしてきちゃったじゃないですか!

 こともあろうに「笑点フィギュア」が出るなんて! これはもう集めるしかないですか! というわけでここんとこの日課として、出勤と帰宅時の二回、コンビニのドリンクコーナーで恥も外聞もなくガサガサと音を立てまくっております。きっと店員さんに「あの客必死だな、ぷっ」とか思われていることでしょうが、欲しいもんは欲しい! のでがんばっております。あと二人でコンプリですが、これがなかなか当たりません。好楽さん&こん平さん、どこにいるのおおおおお!

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■ノリノリ編集後記

 いよいよ本格的に飛んできますね、スギ花粉。年が明けてからの報道で観測史上最大規模とか去年の30倍とか…。おもいっきりビビって早めにケアグッズを購入してました。飛散が少ない今もすでに外出時はマスク着用。家や会社に戻ったら着ていた服をパタパタはたいて、目の洗浄、鼻の洗浄、うがいに手洗い、おやつはヨーグルト…。毎年のことながらホントめんどくさいです! 日本中の杉の木をすべて伐採したらどんなにスッキリすることかと、いつも考えます。ああ、今年も花粉との戦いの火ぶたがきっておとされました。早く特効薬を!
(鼻腔に直接塗布する薬も買ってみようかな…ノリ)

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■アンケートから はスタッフのコメントです)

◆編集者Sのウラ情報の最後の( )での記述・・・5分おきぐぐらい・・・ ぐが多いのは演出でしょうか?
かわいいですけど。(笑)一度報告してみたかったので、重箱の隅をつつかせてもらいました。

◆えーと、今回191号『まるひの秘書ヒショバナシ』で、厨子王と春風亭小朝師匠とのコラボレーション話があったのは、186号ではなく、188号ではないでしょうか。これからも、御三方とスタッフ様の益益の御健勝を祈っております。

はぁぁ、今回こそは間違えないぞ! と気合いを入れてもこの通り…。あきまへんなあ。ぺちぺち。(と自分のオデコを叩くまるひ)

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下の方でコッソリ
◆厨子王原稿メール件名の歴史(本人確認用?)

更新太郎。 → こうしん太郎。 → 高信太郎。 → 香辛料。 → 甲府信玄公。(この133号あたりで件名を本格的なコーナーにされてしまうカワイソウな厨子王) → 子牛ん〜健康です。 → 庚申。元寇。 → 孔子に兼行。 → 乞う、青梗菜。 → 交趾(コーチン)。鬱金(ウコン)。「辛いなあ喰いもんネタ(笑)」というグチつき → 護身拳骨。 → 誤診現行犯。 → 小普請剣豪。 → 子負う繁子。 → こう、おしん激昂。 → 往診変更。 → 孝心言行。 → 恒心儼乎。 → 格子に拳固が。 → 誤診原告。 → (グレイと)交信。(UFOが)減光。説明付き。たまにはこうい(151号でこの件名の続きを皆さんから募集して大盛り上がり!) → 香辛料減量。 → 甲信越へ行こう。 → 荒神信仰。 → 降神、玄黄。 → コーリンえんぴつ。 → 降雨。震源。こ……うッ。 → 「コウ!」「シン? 元気?」「おう」 → 光線銃携行。 → 孝心儼乎。(孝心も儼乎も二度目の登場と、まるひにツッコマレル) →  前回のタイトルは急いでいたので一発変換だったわけです(笑)(言い訳キター!) → 工賃、下向。 → 浩二、けん、コウ(芸能人シリーズスタート?) → 工事・拳・豪 → 放心、テンコー → ちょうちんあんこう → 甲信越先行 → 古神に献香 → 降雨シーン、現場はこう…… → 懇親励行 → 殺しで連行 → 抗菌テント → GO! 真剣、GO!!(横文字初登場) → こう、芯がゲル状。 → こ、悪心、下戸。う。 → 麹、発酵。 → ここ押し。ん? 弦を、こう…… → 古址近郊 → 光子力ビーム!! → 等身大線香 → 拘禁連行 → 狂信勤行 → 高知、雲仙、甲府 → もう死んでんだろう? → 乞う。真剣若人