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 第174号へ 第175号 2004.10.8 第176号へ 
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▼山椒大夫 ▼安寿 ▼厨子王

▼編集者S ▼まるひ ▼ノリノリ ▼アンケートから

■HEADLINE RUMORS 〜 風のウワサ

◆長らくお待たせしている大沢のアレ、とうとう今月末から書き始めるようである。

 
■燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー

◆またまた勝浦
 先週の金曜、あまりに天気がいいので思わず勝浦に行ってしまいました。スタッフの編集者S氏と他に二人を誘ってゴルフ。土曜は天気に恵まれたので気持ちよく1.5ラウンドプレー。でも日曜は雨だったので1ラウンドで切り上げた。
 内容は…絶好調だった夏までの勢いがどこかにいってしまって両日とも今ひとつ。秋のゴルフコンペシーズンを前に不安を残した。
 そんな中、ゴルフ場のスタッフの方々がオイラの柴田賞受賞を知っていて、顔を見ると「おめでとうございます」と言ってくれた。これにはちょっとビックリ、と同時に照れくさくも…。どうもありがとうございました。

 さて――
 じつは金曜日は全員で移動したのではなく、オイラは少し早めに勝浦に入っていた。そこで、海を見てみるとちょっと波っ気があったので、久しぶりに夜釣りで黒鯛をやってみようかなと。先月行った伊豆での釣りの記憶も頭の片隅にあったし、もしかしたらと期待を膨らませ大原港へ向かった。

 大原港内は波がざわついた良い感じで、これはホントにもしかしたらもしかするぞと…コマセを打ち始めた。そしてそろそろコマセが効き始めるかなーというタイミングで、軽自動車がやってきた。で、中から降り立った中国人女性が「スミマセン、ココモウスグフネクルヨ」と忠告をくれた。どうやら漁師の奥さんらしい。しょうがないので場所を移動。

 また最初から。
 コマセを打って釣り再開。ウキを見つめるもアタリは全然なし。
 やけに寒く感じたが(車の温度計は16度だった)、バケツに汲んだ海の水は温かかったので水温まで急に下がったわけではないようだった。そのままアタリなく、時間だけが過ぎた。

 そして8時過ぎ…ウキがスッと沈んだ。本日、初めてのアタリ。ガッと竿を立てて合わせたら、一瞬イイ引きを見せたものの…その後はたいした抵抗もなくスーッと魚があがってきた。
 このような場合は長細い魚のケースが多い。なのでウミヘビかアナゴあたりだと思ってリールを巻いた。暗闇の中、あがってきた魚体はやはり細かった。ところが照明のもとに置いてみたら魚体がギラッと光る。なんと太刀魚! 堤防から太刀魚が釣れるというのは、もっと水深のある静岡辺りの港ではあるというのを雑誌の記事かなんかで読んだことがあったけど。勝浦近辺で太刀魚が釣れたというのは聞いたことがない。ビックリした。
 それにしても、太刀魚というのは生きているときはじつに綺麗だ。輝く魚体に、長くヒラヒラ動く背ビレ。食べて美味しい魚なのでとりあえずクーラーボックスに入れた。

 それから10時くらいまで続けたんだけど、まったくアタリはなし。フィッシュイーターの太刀魚が港内に入ってきたことで、小アジなどは外へ逃げてしまったのかもしれない。
 直木賞をもらったときは、釣れるはずのない川崎でカレイが2匹釣れた。そのときを思い出し、もしかして今夜は爆釣!? との思いが頭をかすめたが…結局、太刀魚一匹。初めて釣れた魚なのでそれなりに興奮はしたけど…。外房はキビシイねえ。
(その太刀魚はバター焼きにして食しました。)

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■安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー

◆『ファビュラス・バーカー・ボーイズの映画欠席裁判』(洋泉社)
 このところ読んだ本のなかで、ダントツに面白かったです! 2冊出てるのですが、まとめ読みして、休日の1日をたっぷり楽しみました。
 しかも、おかげさまで積年の(大げさだ)胸のつっかえがとれた!
 現在『ヴィレッジ』が公開中のシャマラン監督の前作『サイン』。ミステリー・サークルがいっぱい出てくるあの映画ですね(小麦畑じゃなくてトウモロコシ畑なんだ。トウモロコシ畑って、見通しが悪いから薄気味悪い。キングに「トウモロコシ畑の子供たち」という短編がありますねえ。畝の後ろを歩むもの。でも茎が太いからサークル作るのは小麦より大変そうです)。
 あのなかで、テレビのニュースで、「たった今、ブラジルから送られてきた映像です。衝撃的です」というキャスターの前ふりがあって、○○○(ご存知の方も多いと思いますが、一応伏せておきます)の映像が映ります。子供の誕生日の屋外パーティを撮影していたパパのホームビデオがたまたま記録したもの。
 木立と塀のあいだを、○○○がのっそりと横切る。
 初見のときは、やっぱりビックリしたシーンだったのですが、ただ驚いただけじゃなくて、宮部、この映像に強烈な既視感を覚えたのです。これとすごく似たテイストの映像を、わたしどっかで確かに見たことあるぞ――と思ったの。
 ま、大した映像じゃないから(シャラマンさんごめんなさい)、UMAとか○○○とかを特集したヴァラエティ番組なんかで見たんだろうと。
 でも、すごく強烈に「なんかこれ、知ってる」と思ってしまったんです。でも「これ」が何なのか特定できなくて、ずっとモヤモヤしていたんです。
 そしたら、この本に書いてありました。
「あのビデオは、パターソン・フィルムのパロディだよ」
 ああ! そうかそうか! そうゆうことだったのか!!
 サスカッチが歩いてゆく(撮影者を振り返り振り返り大股で)シーンを撮影したというこのフィルム。懐かしいですねえ。そうそう、そうだわ。そのとおりだわ! だから見覚えがあったのよう!!
 ところで、ちょこっとだけではありますが、宮部、子供たちがたくさん出てくる映画撮影の現場を体験させてもらったばかりなので、『サイン』を見直してみて、あの誕生パーティの子供たちのパニックぶり、「役者だねえ」と思いました。子役は偉い。

◆ゲーム女の生きる道
 ちょっと気を抜いてると、目安箱にガンガン文が投げ入れられるので、読むのに忙しいです。
 今度の主人公は、仲間たちに、「こいつは投書しやすい」と思われてるようだ。
 それで思い出したんですけど、「III」のとき、真の紋章の継承者たちだけじゃなくて、トーマス君あての目安箱も置けるようにしてほしかったな。天魁星は彼だったんだし、やっぱり投書されやすそうな人柄だったし(笑)。
 さて先週、船の操作性に文句を垂れましたが、さっそく「こうするとよい」というアドバイスのメールをいただきました。ありがとうございます♪ すでに試していたりもするんですが、やっぱり慣れるのがいちばんみたいですね。
 なので、今週は喜んでることを書きます。

 「引き網」が面白いぞ!

 船に慣れるために始めたんですが、いろいろ収穫があるので楽しい。シラミネとウゲツの漁師コンビもいい味出してます。「漁師攻撃」も使えるし。レベルが上がるとザコ戦で頼りになりますよね。
「船パーティ」の切り替えで、いっぺんに大勢のキャラを均等に育てることができるのも有難いです。贅沢を言えば、本拠地船のなかでは、船パーティの分も、主人公を操作して武器を鍛えたり、装備をチェンジしたりできればもっと便利だったなあ。
 それと今回、女性キャラの衣装の露出度が凄い。いえ、全員が凄いわけではないのですが、ピンポイントでね。
 ジーンさん。あれはもはや「半裸」ではないですね。8分の7ぐらいハダカです。今作で、初めてパーティ・バトルに参加することになった彼女。気合が違うよ。
 それとミツバ。あんたの腰布は、確かに問題だ。ラインホルトさんだけじゃなく、ジェレミーがあんたに勝てないのも、この衣装のせいだと思うぞ。
 キカ姐のヘソ出しも、こうゆうの好きなヒトにはたまらないと思うなぁ。ミズキさんの胸当てもね。見えそうで見えないとゆう。

 バトル中にジャネット・ジャクソンのような事故が 起こるのではないかとハラハラするわたくしは、

 「幻水」ファンとして正しいか。

 深遠な命題である――と噛み締めつつ、突発した「キノコ・ミント戦争」を楽しんでおるところです。海神の申し子と戦うのは、まだまだ先のことだぞ、この分じゃ。
 念のために伺いますが、

 トロイさんは仲間にならないんですよね?

 ちょっとなりそうな気がしたもので。寝返ってくれるのはヘルムートだけなのね。
 あ、もひとつ。
 わたくしの主人公の名前は、

 宿敵クレイと同じです。

 たまたま、偶然、何の考えもなく、ひょこっとつけちゃったんですよ。で、攻略を開始してビックリ仰天。
 そうか! だからうちの主人公、やたら目安箱に文をもらうのかも。あれは文書攻撃だったのね。違う?

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■さまよう厨子王 〜 京極夏彦のコーナー

◆今週は
 特になにも。
 週末に伝統遊技研究会があった程度で。
 名前は立派ですが、たんにうんすんカルタや花札なんかで遊ぶ会なんですが。
 雨降りでも大丈夫でした。札だし。同じ花札でも遊び方はいろいろあるようで、珍しいのを教わりました。
 うーん、道才カルタとか、まだやってみたいモノはあるわけですが。
 奥が深いですね。

◆水木商品
 が、江戸博の水木展にむけてたくさん発売される模様。
 ボクも少しばかりお仕事をさせていただきました。
 発売が迫った頃にまたご紹介いたしマス、はい。

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■編集者Sのウラ情報

 柴田錬三郎賞と山本周五郎賞だとどっちエライのですかと聞かれました。そんなこと聞かないでください。一番権威がありそうなのは直木賞だということは、その歴史、回数や受賞者をみても大部分の方に異論はないでしょう。
 ただ賞=権威という単純な見方はなんだかなあという気がします。作家が一生懸命いい仕事をした、その仕事に対して正当に評価する、そういうことだと思います。権威は受賞者がその後、どれだけの仕事するかで積み重ねられるものではないでしょうか。賞がエライのではなく、「正当に評価されるべき作品」を書いた作家が一番エライのだと思います。
(台風直撃、大丈夫かF1、S)

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■まるひの秘書ヒショバナシ

◆今週の厨子王原稿メール件名 (これまでの歴史は→コチラ
 殺しで連行
 いきなりブッソウですな。ネタ件名の新境地開拓でしょうか!?

 あのときは、狭いワンルームのオフィスが花で埋まったよなあ。ユニットバスのバスタブにも置いて。それでもどんどん届くから、仕方なくマンションの外廊下にズラっと並べるしかなくて。お祝いやら取材の依頼やら「まるひさんタイヘンでしょ〜」っていう陣中見舞いの電話が、一日じゅうかかってきまくりで、三日目ぐらいにとうとう喉がやられてしまったっけなあ。トイレに入ってるとき、ドアの(花や電報が届く)ピンポンと電話のベルが同時に鳴ることもしばしばで、「どないせいっちゅうんじゃあああ!」って心で叫びながらドタバタドタバタ。
 10年前、大沢が直木賞を受賞したときの大騒動を懐かしく思い出しては感慨にふけり、ああ、ほんっとに今スタッフも増えて、オフィスの部屋も広くなって(せっかくいただいた花を外に置かずに済んで)よかったなあ、というようなことをシミジミと噛みしめた1週間でありました。
 お祝いメッセージを送ってくださった皆様、ありがとうございます。全部載せられなくてごめんなさいです。ぺこ。

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■ノリノリ編集後記

 また台風がやってきますが…過ごしやすい季節となりました。スポーツの秋、読書の秋、食欲の秋…。
 とりわけ楽しみなのは食欲なのですが、今年はそうも言っていられません。減量の秋、ダイエットの秋です。ダイエットといえば山椒大夫の定番ネタですが、この夏に食べ過ぎました。夏バテ解消、猛暑を乗りきるにはとにかく食わねば! …間違った考えです。おかげで胃はどんどん大きくなりました。思いおこせば、オリンピックの時期は夜中に弁当1個余計に食べてたなぁ。7月に槍ヶ岳に行って以来ご無沙汰していたスポーツジムでいろいろ数値を調べたら…まあ、顕著にあらわれていました。体脂肪率3%アップ、体脂肪量2kgアップ、体重2kgアップ…って、おいおい!
 槍ヶ岳に向け数ヶ月かけて地味〜に絞った体は(体重自体は普段それほど変動しない)、あっという間に元どおり。ジーパンはくと止血するほどきつい。紅葉も始まり山は最高のシーズンを迎えますが、ケガしそうなので秋の登山は自粛しようかなと。この三連休もひきこもり予定。写真でも整理します。
(たぶんIPATで競馬三昧…ノリ)

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■アンケートから はスタッフのコメントです)

たくさんの「おめでとう!」をありがとうございます!

◆大沢せんせ〜おめでとうございます!!!
受賞の瞬間の写真のねぐせ、とってもキュートです♪
これからも頑張って下さい。ずううっと応援してます!!

◆大沢さん、柴田錬三郎賞受賞おめでとうございます。
6月に名古屋でおこなわれた大沢さんのサイン会で「教員採用試験ガンバレって書いてください」とお願いした者です。
今日、結果が届きました。 「合格」です! 来年から教師です。
合格できたのは大沢さんのサインのお陰です!! ありがとうございました。大変なことが多いと思いますが頑張ります!
スタッフのみなさん、お疲れ様です。HPをいつも楽しみにしています。
私の元気の素のひとつです。ありがとうございます。

◆大夫様、柴田連三郎賞の受賞おめでとうございます。直木賞以来と聞いて意外な気がしたのですが、何はともあれおめでとうございます。パンドラアイランドは1ページ目からインパクトがあり、ストーリーにグイグイ引きこまれた作品でした。なので、今回の受賞は本当にうれしいです。これからも素敵な作品を書いてください。・・・ところで、新宿鮫の連載はいつから何で始まるのでしょう。首が長くなりすぎてろくろ首のようになりそうです

◆大沢先生、柴田錬三郎賞受賞、おめでとうございます。
ところで、「光文社との新連載の打ち合わせ」って、アレですか? アレですね?!
すっごい楽しみです。がんばってください。

他にも山ほど「おめでとうメッセージ」をいただきました。ありがとうございます! 授賞式の写真もお楽しみに♪(まるひ)

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下の方でコッソリ
◆厨子王原稿メール件名の歴史(本人確認用?)

更新太郎。 → こうしん太郎。 → 高信太郎。 → 香辛料。 → 甲府信玄公。(この133号あたりで件名を本格的なコーナーにされてしまうカワイソウな厨子王) → 子牛ん〜健康です。 → 庚申。元寇。 → 孔子に兼行。 → 乞う、青梗菜。 → 交趾(コーチン)。鬱金(ウコン)。「辛いなあ喰いもんネタ(笑)」というグチつき → 護身拳骨。 → 誤診現行犯。 → 小普請剣豪。 → 子負う繁子。 → こう、おしん激昂。 → 往診変更。 → 孝心言行。 → 恒心儼乎。 → 格子に拳固が。 → 誤診原告。 → (グレイと)交信。(UFOが)減光。説明付き。たまにはこうい(151号でこの件名の続きを皆さんから募集して大盛り上がり!) → 香辛料減量。 → 甲信越へ行こう。 → 荒神信仰。 → 降神、玄黄。 → コーリンえんぴつ。 → 降雨。震源。こ……うッ。 → 「コウ!」「シン? 元気?」「おう」 → 光線銃携行。 → 孝心儼乎。(孝心も儼乎も二度目の登場と、まるひにツッコマレル) →  前回のタイトルは急いでいたので一発変換だったわけです(笑)(言い訳キター!) → 工賃、下向。 → 浩二、けん、コウ(芸能人シリーズスタート?) → 工事・拳・豪 → 放心、テンコー → ちょうちんあんこう → 甲信越先行 → 古神に献香 → 降雨シーン、現場はこう…… → 懇親励行