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 第175号へ 第176号 2004.10.15 第177号へ 
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▼山椒大夫 ▼安寿 ▼厨子王

▼編集者S ▼まるひ ▼ノリノリ ▼アンケートから

■HEADLINE RUMORS 〜 風のウワサ

◆映画「妖怪大戦争」のエキストラ募集には、大沢オフィスのスタッフも数人応募するらしい。

 
■燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー

◆オフィスで3本
 オフィスで久しぶりに集中インタビューを受けた。
「小説すばる」グラビア、「東京中日スポーツ」、「讀賣新聞」の3本。いずれも柴田錬三郎賞受賞に関するもの。でも最近はこのように取材されると、必ず最後はオフィスがらみの話になって、どこかの企業の経営者に対するような質問を受ける。そして、経営者みたいな顔をして応えている自分に内心「大丈夫か俺?」という気になったりして…。
 長く厳しい状況の出版界。出版社あるいは新聞社もその中にあるから、何か起死回生の意見が出てくるのか興味があるのだろう。
 とはいえ結局のところ作家は地道に小説を書き続けて、読者を広げていくしかないのだが…。

 読者を広げる努力は書き手も出版社もみんなすでにしていることだけど、何より難しいのは本屋さんに来ない人をどうやって呼べばいいか。
 インターネットなどで簡単に情報が手に入る現在、本がそれほど生活の中に必要でなくなっている人たちが多くなっている。かつては不便な時こそ本。それは辞書であったり辞典であったり地図であったり…何かわからないことがある時こそ本というのが必要だった(その本で調べることで、さらにそこから枝葉の知識が広がっていくこともあったが)。今はそんな非効率なことはやっていられないという人が多いのだろう。効率が良いばかりが人生幸せではないという考え方もあるけど、やっぱり効率が良い方が良いに決まっている。その流れを変えていくのはなかなか難しい。
 一方でこのホームページを読んでくださっている人たちは、インターネットも好きだけど本も好きという人たち。
 こういう人たちがいてくれるのがありがたい。

 書き手というのは送り手の立場になっているわけだから、心の中で願っているだけではダメ。行動を起こし具体化するために現在の大沢オフィスであるわけで、ダメになるダメになると言い続けて何もしていないというのは納得いかない。仲間のいるオフィスはちょっとでも何かしてみたいという気持ちにさせられる。
 じゃあ何をしたらいいのかと言うとそれは難しい。というか…わからないのだ。
 ただ言えることは、かつて本の敵だといわれた様々なメディア…たとえば出版の世界ではマンガであったり、あるいはテレビだとかゲームであったり、そういうものが今は全部苦労、苦戦している。どこが良い、どこが悪いというのではなく、みんな苦しいという状況。これはやはり「なんなのだろう?」ということになる。いくらネットオタクといわれてもインターネットだけでは生活していけないだろうし、していても飽きるだろうし、他の娯楽を求めるものだと思うけど…。

 かつてのように人々がよく本を読むという時代はもう来ないかもしれない。理由を挙げればきりがないから、ここでは言わないでおく。でもやっぱり本の持つ良さみたいなものが、わかっているけど必要ないというのと、わからないが故に生活の中にないというのでは違うから、本の持つ良さを知らない人には、なんとか知ってもらう手立てはないかなと常々思っている。

◆世界で1本
「サントリー」のチーフブレンダー、オイラが師匠と呼んでいる輿水さんから、柴田賞のお祝いにウイスキーが届いた。シェリー樽で20年熟成されたモルトをベースに、特別にオイラのためにブレンドしてくださったもの。
 シェリーカスクモルトが好きだとかどんな味が好みかは、「ウイスキー&ミステリー」のブレンドコンテストや、それにまつわる会話で知り尽くされているわけだから、まさにオイラ好みの味にしてくださったのだと思う。
「あなたが作りたいと思っているウイスキーのお手本がコレです」と、師匠としてなにげにお手本を示してくださったのかなという気もしないでもない(もっとも手本を示されても真似はできないが)。
 それにしても「サントリー」のチーフブレンダー(世界一の称号を得た「響」のブレンダー)がオイラのためだけにブレンドしてくださった世界でたった1本のウイスキー。これはもう宝物だ。酒飲みにとって信じられないぐらいの幸福な出来事だ。嬉しいやらもったいないやら…飲みたいんだけどもったいない。どうしたものか。
 来週ある「ウイスキー&ミステリー」のトークショーで輿水チーフとお会いする際、飲んだ感想を言わなければいけないのかなと思うし。
 嬉しい迷いとでもいうのか…苦しい幸せとでもいうのか。



宝物!


世界に1本のウイスキー


プレートの裏にはこんなメッセージが





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■安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー

◆テレビアニメの「ハガレン」
 放映、終わっちゃいましたね。後半へ行くほど、ドライブかかっちゃって怒涛の展開。DVDでゆっくり見直そうと思ってます。
 映画も楽しみですね♪

◆ゲーム女の生きる道
 さあ、皆さん歌いましょう!

 ファイア〜エムブレム♪

 死んだらやりなおしぃ〜♪

 出ました最新作。「聖魔の光石」。
 またあの苦難の道が始まるのね。ううう。
 でも、とりあえずはゲットしただけでキープ。すぐプレイしなくてもゲームは逃げないもん。好きなゲームをプレイしつつ、次にプレイしたいゲームが待機してくれてるなんて、このうえなく贅沢な気分だし。

 というわけで宮部の「幻想水滸伝IV」状況でありますが。

 ラズリルは奪回しました。やり直し覚悟で挑んだ海戦でしたが、「おまえの帰りを信じていたぞ!」と、寝返ってくれた味方船が、ヘルムート艦をあっさり撃破。手前の方でうろうろしてるうちに勝ってしまいました。
 漂流からオペル王国へ、迷った挙句にタルとジュエルを連れていったので、ケネス&ポーラとは久々の再会。二人ともレベル4のまま。続々と増える新メンバーも、レベルはもうちょっと高くても武器レベルは1。
 鍛冶屋のアドリアンヌさん、愛想よくて腕もいいけどお値段はシビア。

 慢性金欠病。

 これ、「幻水」シリーズの宿命ですね。いつも苦労するんだ。戦闘参加キャラ全員の武器を鍛え上げようと思うとさぁ(全員の武器レベルをMAXにしないと気がすまないんです。ええ、そうです、魔法使いの杖も! 今回はとりわけ、前衛後衛システムがなくなっちゃったからね。鍛える意味がある! ご覧になりました? ジーンさんの妖艶な連続攻撃)。
 主人公につけた「金運の紋章」が、しみじみと有難い。
 で、イルヤ島とかナ・ナイ島へ行くと出てくるクールーク兵を倒して、みんなのレベル上げ&金稼ぎ。訓練所もいいんだけどお金くれないからね。
 その一方、漁師コンビも大活躍。

 遠洋漁業に励む毎日♪

「騎士像」とか引き上げると、高く売れるからぁ〜。合成の素材も集まるし、もちろん魚もいっぱい獲れるので、おまんじゅう屋さんに通う、通う。焼きイワシとサバの味噌煮が溜まる、溜まる。メンバー全員、塩分採りすぎ。
 福引券も溜まるので、回す、回す。おくすりと特効薬が溜まる、溜まる。特効薬の価値、落ちる、落ちる。暴落だ! ザコ戦でもバンバン使う、使う。
 1等賞「海賊王の冠」もあてたのですが、ところが! 
「霧の船」のアレを倒した際、そこに宝箱があることに気づかず、「海賊王の胴着」を取らずに脱出してしまいました!
 ショオオック!! 海賊王シリーズが揃いません(泣)。

 とっくにクリアしたうちのオーツカ君は、最後の一人○○○を仲間にする気にはどうしてもなれず(わかる、わかる)、108星エンディングを諦めたそうです。
 せっかくだから(コンバット越前か)、わたしは両方見てみようかな。
 あ、でも当分は漁師やってます。さかなサカナさかな〜♪

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■さまよう厨子王 〜 京極夏彦のコーナー

◆三度目
 の、「妖・怪談義」が新宿ロフトプラスワンで行われました。
 もちろん主催は日本一の怪談オヤジこと、木原浩勝さん。そして岡山の妖怪文人こと化野燐さん。
 ボクはレギュラーのシークレットゲスト……って、どの食玩買ってもシークレットだけは同じってのはいかがか。
 でもってホントのゲストは、日本物怪観光(JMT)社長の天野行雄さん、そして女優の久遠さやかさんが飛び入りゲスト。
 加えて前回ゲストの東雲騎人君もかけつけてくれて、にぎやかな一晩でした。
 でもって今回の目玉は「怪」でも巻頭で取り上げた「ナマくだん」ちゃん。くだん発見のいきさつや、同時に発見された「千吉地蔵」のスライド上映などもあり。でもいきなりボクに弁士役をふらないでくれませんか木原さん(笑)。筋知りませんって。
 今回は東雲君描くところの特製「小豆洗いTシャツ」と「小豆洗いパーカー」も製作・販売されましたし、物怪観光さんの「バケラ」(お化けの化石です)も特別販売。盛りだくさんでした、はい。化野さんも三回目ともなれば全開で、妖怪だらけの新宿でございました。

◆アリエス
 なる雑誌が創刊されます。ちなみに講談社刊。アリエスといっても大映テレビではなく(古い!)、誌名はフランスの歴史家・フィリップ・アリエスからとったもの。アナール派の歴史家ですね。アナール派とは、訓詁注釈に始終して歴史の表層にしか目を向けない伝統的歴史学を批判し、歴史学が人間性に接続した「生きた学問」たることを主張した学派のことです。
 と、いってもアリエスは歴史の雑誌ではありません。編集長の談によれば、新「人文・教養」雑誌ですね。
 当たり前の事象に斬新な解釈を加えることで新たな地平を切り開く「知の達人」であり、ミシェル・フーコーを見いだした人物でもある、アリエスの精神にいまこそ学べ、ということで命名されたのだそうです。
 命名した編集長(といってもこの雑誌は一人雑誌ですから編集長しかいないんですが)の横山さんは、ボクの文庫担当者。一連のDTP作戦の共同正犯でもあるわけで。
 校閲部→講談社メチエ→講談社文庫という不思議な遍歴の持ち主。なかなか目の離せない新雑誌であります。

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■編集者Sのウラ情報

 台風直撃から続いていた長雨もようやく上がり、秋らしい青空がひろがりました。どうしてこんな季節のご挨拶から始めたかというと、このところ「読書の秋」という言葉をめっきり聞かなくなったような気がしませんか。「スポーツ」や「食欲」はニュースネタも多く取り上げやすい反面、「読書」は地味、というかニュースなどで取り上げるほどのことでもないといえば、そうなんでしょうけど。
 で、最近の話題といえば「ハリポタ」ぐらい。その「ハリポタ」ですが、4の時も書いたのですが、意外に売れ残っているらしいですね。大量在庫のあおりを食って返品されたり、注文が控えられた商品もあるというのに。別に「ハリポタ」が嫌いなんじゃないですよ。これによって小説の面白さ、読書の楽しさに目覚めた人もいっぱいいらっしゃるでしょうから。ただ「売れる(うれそうな)本」だけを大量に仕入れるのはどうかなと、思っているだけです。もちろん商売ですから売れそうな本を仕入れるのは当然なんです。ただ「売れる本」と「売りたい本」とは違うと思うのです。
 わたしがよく行く書店には「店員のイチオシ」というPOPをつけて、ある文庫が大量に平積みしてあります。気にして観察しているのですが、正直大きく動いてはいないようです。けれどもこういった取り組みはいつか花開くと思います。がんばれ、書店。
(最近本よりDVDを見ている時間が多いのはイカンと思っています、S)

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■まるひの秘書ヒショバナシ

◆今週の厨子王原稿メール件名 (これまでの歴史は→コチラ
 抗菌テント
 潔癖性だけどアウトドア派のあなたに超オススメ♪ 海でも山でも、もう安心。キャンプの間じゅうこのテントの中にこもっていれば、バイ菌からあなたを守ってくれます! っていう新商品なのかしらん。

 DVDを買って観てから、あああ、これは映画館に行くべきだったあ! と大後悔したのが「スクール・オブ・ロック」。アノテの音楽にさほど思い入れのないS氏が「面白い!」って太鼓判押したぐらいですから、ハードロック好きにはたまらないっす。優等生の子供たちが次第にロック菌に冒されて変わっていくサマに感動。ロックは偉大だ! ロック最高! おー!と、DVD見終わった真夜中に、六畳の和室の天井に向かってコブシを突き上げた私でありました。(お察しのとおりネタなし。わはは)

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■ノリノリ編集後記

 やたらと出没していますねぇ…クマ。山登りをしているとたまに「クマ出没注意!」なんて立札があって、そのうちバッタリ会うのかなあと思ったりもしますが、なんの心の準備もしていない街中で出会ったら子グマでもビックリしますよね。"クマ殺し"マス大山やウイリー・ウィリアムスなら(古っ!)その場で対処するんだろうけど。素人はクマ除けの鈴でも付けますか…。
(人騒がせな着ぐるみ野郎が出てきそう…ノリ)

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■アンケートから はスタッフのコメントです)

◆こんばんは、みやと申します。
週刊大極宮の第174号と第175号の中に「柴田錬三朗賞」という言葉が1箇所ずつ出てきますが、「柴田錬三郎賞」の間違いではないでしょうか。
以上です。

ハイ、間違いでした!(ハズカシー) こっそりこっそり直しました!(まるひ)

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下の方でコッソリ
◆厨子王原稿メール件名の歴史(本人確認用?)

更新太郎。 → こうしん太郎。 → 高信太郎。 → 香辛料。 → 甲府信玄公。(この133号あたりで件名を本格的なコーナーにされてしまうカワイソウな厨子王) → 子牛ん〜健康です。 → 庚申。元寇。 → 孔子に兼行。 → 乞う、青梗菜。 → 交趾(コーチン)。鬱金(ウコン)。「辛いなあ喰いもんネタ(笑)」というグチつき → 護身拳骨。 → 誤診現行犯。 → 小普請剣豪。 → 子負う繁子。 → こう、おしん激昂。 → 往診変更。 → 孝心言行。 → 恒心儼乎。 → 格子に拳固が。 → 誤診原告。 → (グレイと)交信。(UFOが)減光。説明付き。たまにはこうい(151号でこの件名の続きを皆さんから募集して大盛り上がり!) → 香辛料減量。 → 甲信越へ行こう。 → 荒神信仰。 → 降神、玄黄。 → コーリンえんぴつ。 → 降雨。震源。こ……うッ。 → 「コウ!」「シン? 元気?」「おう」 → 光線銃携行。 → 孝心儼乎。(孝心も儼乎も二度目の登場と、まるひにツッコマレル) →  前回のタイトルは急いでいたので一発変換だったわけです(笑)(言い訳キター!) → 工賃、下向。 → 浩二、けん、コウ(芸能人シリーズスタート?) → 工事・拳・豪 → 放心、テンコー → ちょうちんあんこう → 甲信越先行 → 古神に献香 → 降雨シーン、現場はこう…… → 懇親励行 → 殺しで連行