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 第173号へ 第174号 2004.10.1 第175号へ 
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▼山椒大夫 ▼安寿 ▼厨子王

▼編集者S ▼まるひ ▼ノリノリ ▼アンケートから

■HEADLINE RUMORS 〜 風のウワサ

◆大沢の受賞を祝うために繰り出した六本木の某クラブでは、あまりの騒ぎっぷりに、他のお客さんが全員帰ってしまったとか……。(ゴメンナサイ!)

 
■燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー

◆ゲーム男の…
 2つのゲーム「ゴーストハンター」と「ラン ライク ヘル」(ともにプレステIIバージョン)を並行してプレイ中。両方とも洋ゲー(アメリカ)なんだけど…大変。「ゴースト――」はヒントが少ないうえに不親切だから、普段はあまり買わない攻略本をついに買ってしまった。
 異常に強かったりするボスキャラに秒殺されること数回、何度もコントローラーをブン投げ、指がつりそうになるまでして…ようやくラス前まできた。
 まあ、難しいけどなかなか面白いゲームではある。

◆青天の霹靂
 第17回柴田錬三郎を桐野夏生さんとともに受賞してしまいました。受賞作は「パンドラ・アイランド」(徳間書店刊)。
 この賞は候補作が何なのかというのは非公開なので、まさか自分が受賞できるとはぜんぜん考えていなかった。噂で候補になっているらしいと聞いたときも「なんとなく…候補になってるみたいよ」と、事務所のまるひにこっそり教えただけ。どちらにしても受賞はないだろうと思っていた。

 そして29日の選考日。夕方、光文社と新連載の打ち合わせに入ろうとしたまさにそのとき、主催者からの電話。
「お受けいただけますか?」と担当の方から聞かれ、
「えっ? マジで?? ホントに???」と思わず聞き返してしまったほど自分でもびっくり。



寝ぐせがカワイイね

大スクープ写真! これが受賞の瞬間だ!

※写真提供:光文社・田中氏



おめでとうございます!

オフィスにいた関係者全員から祝福の嵐♪



まだ実感わきません

徳間書店が作ってくれた「パンドラ・アイランド」のTシャツをしっかり着てくるところが心ニクイね♪



 その後、オフィスや1次会2次会の会場に各社担当編集者が三々五々集まってきて、最終的にはスタッフも含めると30人近い大所帯でお祝いしてくれた。
 その席上、「パンドラ・アイランド」の担当編集者で、自分が担当した作品で初の文学賞受賞となったM山は、「泣かないぞ、泣かないぞ」と言っていたが、最後はみんなに泣かされて…美しい涙を見られていた。新聞連載中に入院したときも他人に頼まず自分で仕事をこなしていたM山。この本の出版にあたっては本当に一生懸命やってくれた。その頑張りに神様が微笑んで賞を呼び込んだのではないか…そんな気がしないでもない。

 また、六本木のいつも行くクラブでの2次会の最中では、K書店S戸氏が誕生日であることが発覚! すぐさま追加でシャンパンとケーキが運ばれてきて…みんなが一斉に「S戸さん今夜はご馳走さま〜(全額支払い?)」と叫んで、S戸氏が一瞬青ざめる一幕もあった。
 一方で、お祝いしてもらっている最中も狐につままれたような感覚で、実際には受賞が誤報だったとしても今夜は楽しいからいいやと思う自分がいたりして…。

 とにかくこういうことがあると嬉しいのは、みんなが我がことのように喜んでお祝いに駆けつけてくれること。…てゆうか、我がことのようにではなく我がことなんだと思う。作家の文学賞受賞というのは編集者との関係性にもよるんだけど、すべての担当編集者にとって我がことで嬉しいのではという気がする。普段はライバルなのが、何かあれば出版社の垣根を越えて、ある種の絆みたいなものを確認できる仲間なのではないか。そして、そんなみんなをこんなに喜ばせる材料を提供できたことが、何より良かったと思う。幸せな人生だと感じるときでもある。

 それにしても、文学賞をいただくのはじつに直木賞以来10年ぶり。このところ安寿と厨子王ばかりが賞を貰うから、大夫のはずなのに「大沢オフィス」内では肩身が狭かった。
 祝ってばかりの立場だったが、ようやく祝ってもらえる側になった。それなのに安寿は「これで今年は私だけ賞を貰ってない。グレてやるぅ〜」と言う始末(もちろん冗談)。
「さんざんひとりで貰っておいて何がグレてやるだ。俺はずっとグレてたんだ…10年も」と言い返したけどね。
 まあ…何度も言うがびっくりしたというのが正直な気持ち。直木賞のときもそうだったが、賞のたびに「びっくりしました」だけでは芸がないが、本当に貰えるとは思っていなかったのだから。もちろん、自分が獲れると思い込んでいるなんてことはもっとありえないのだけれど…。

 翌日からお花や電報が届いて、少しずつ実感がわいてきた。
 11月の授賞式では2次会、3次会と大いに盛り上がりたい。賞金300万円は、パァーッとお祝いで使おうぜ! という感じ。担当のM山が授賞式のときも泣くのか? も見ものかな。



M山嬢も実感わいてません

一次会ではまだ余裕の笑みを見せるM山嬢



大騒ぎ

二次会ダイジェスト集



嬉し涙はいいものです

とうとう泣かされてしまったM山嬢




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■安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー

◆ゲーム女の生きる道

 全国の一級船舶免許をお持ちの皆様に、謹んでおたずね申し上げます。

 船ってこんなに操縦しにくいものなんですか??

 目の前に島が見えてるのに。

 上陸できない。

 岩礁のあいだを抜けることもできない。
 見えない壁にはじかれてあさっての方角へ、さらばさらばと進んでゆく。回頭しかけるとエンカウント。またヘンな方角へフラフラするのであわてて立て直すとまたまたエンカウント。
 戦ってるうちに島が見えなくなっちゃった。しょうがないので旋回して接近し直すと、また壁にはじかれて勝手に旋回。で、エンカウント。
 コントローラー放り出して寝てしまいました。
 まさか「幻水」シリーズでこんなことが起ころうとは、自分でも信じられません。レビューにも書かれてたから、宮部が常識はずれに下手クソだというわけでもなさそうだぞ。
 苦労してるファンが、きっと他にもいるはずだ。

 そうか。つまり、海は手強いってこと?
 主人公の操船技術がまだ未熟だとか。そういう裏設定があるとか。
 悪戦苦闘してるうちに慣れてはきますし、ビッキーちゃんが仲間になったので、これからはテレポートで飛んでゆくことも増えるとは思いますが。

 でも、この船の操縦システムは、

 一度、キーンさんの懺悔室へ行くべきだと思います。

 次からは、せめて、島に近づいたら(港のあるポイントでなくても)上陸できるように作ってね。お願い(泣)。早くストーリーを進めたいし、仲間集めをしたいのよう(泣泣)。

◆わ〜い♪
 安寿と♪ 厨子王の♪ 大夫さま♪ パンドラの箱を♪ 開けたらばぁ♪

 柴田錬三郎賞が出てきました!!

 これでまたどんちゃん騒ぎができちゃうよう。わたしたち(たち? 一緒にするなと厨子王から異議が?)ちっとも遠慮しないから、美味しいものいっぱい奢ってね。うふふ♪
 授賞式では、W受賞の桐野夏生さんをばっちりエスコートしてくださいね。しっかり見張ってるからね、わたしたち(たち? また厨子王から異議が?)。

  お二人ともおめでとうございます!!


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■さまよう厨子王 〜 京極夏彦のコーナー

◆張り子!!
 妖怪張り子男こと、荒井良さんの展覧会「化けものつづら」が、いよいよスタート。
 オープニングにささやかなレセプションが行われるというので、日頃お世話になっているボクはかけつけたわけですが。
 ささやかじゃありませんでした(笑)。
 まず、妖怪がいっぱい。文庫の表紙を飾った、姑獲鳥、魍魎、狂骨、鉄鼠、絡新婦、塗仏と愉快な仲間、古籠火、お岩さん、帷子ケ辻、そして初公開の滑稽達磨先生、さらに新作四点がずらり。豪華。お客様も各方面から大勢。妖怪関係者もいっぱい(笑)。
 日本物怪観光の天野さんや東雲騎人君、それから豆腐小僧の挿絵を書いてくださっている石黒さん、それから妖怪馬鹿の人たち。



お面が素敵

主役の妖怪張り子職人・荒井さんと、魍魎さんと。




絡新婦さんコワイ

絡新婦さんと、妖怪画家の石黒さんと。




三バカ

塗仏さんを囲む妖怪馬鹿の人達。



 そして、なんと水木大先生もご来場。
「あんた、こりゃエライ(大変)ですよ」と、嬉しそうにひとつひとつ、丹念に眺め、撫でられていらっしゃいました。



大水木先生

そういうわけで大先生と。



「これ、あんたが買ったの?」と聞かれました。
 買ったというか、制作依頼をしたわけですが、大先生も欲しくなられた模様。ちなみに新作は四点とも売ってます。



すごい!

で、芳名帳には「大水木しげる」!! スゴイ。



※このコーナーの写真提供は目目連くん(ちょろQ好き)


 いや、改めて見ても良く出来てます。毎日のように見てたのに、見え方が全然違うもんです。
 みなさんも是非、銀座・兜屋画廊まで足をお運びください。

◆暗黒館!!
 がいよいよ発売。綾辻さんは西へ東へサイン会で大忙しなわけですが、その合間を縫ってお祝い会が。
 こちらもボクは装幀担当としてかけつけたわけです。で、こちらも会場は大賑わい。各社の綾辻担当の他、竹本健司さんや法月綸太郎さん、津原泰水さん、喜国雅彦さん・国樹由香さんご夫妻、千街晶之君、児島都さん、幽編集長の東雅夫さんなど、豪華な顔触れ。
 いや、館シリーズも久し振りなんですが、法月さんも久々の法月綸太郎シリーズ新刊「生首に聞いてみろ」(角川書店)発売され、津原さんも新刊「奇譚集」(集英社)発売中、喜国さんも本棚探偵シリーズ第二弾「本棚探偵の回想」(双葉社)がもうすぐ発売されるという、まあめでたいことめでたいこと。天変地異が起きる可能性大。
 さあ、待っていたみなさん、書店に走ろう!

◆「怪」が。
 出来ました。今回からデザイン一新してみました。内容も濃いです。
 書店に走った方、ついでにどうぞ!!

◆おめでとう!!!
 大沢さん、ご受賞おめでとうございます。
 これでもう「俺だけさー」というボヤキ芸は使用不可です。
 何はともあれ、うれしいことです。

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■編集者Sのウラ情報

 本人も書いていますが山椒大夫が「柴田錬三郎賞」を受賞しました。お祝いの席に紛れ込んで早朝まで大騒ぎ。
 過去にも書きましたが、こういう騒ぎは何度経験してもいいものです。大夫にしてみれば直木賞以来の受賞(冒険小説協会大賞は2年連続でありましたが)でしたのでほんと嬉しそうでした。そういう姿をそばで見られるのはこちらも幸せな気持ちになります。吉川新人賞、推理作家協会賞、直木賞とずっとその姿をみてきました。きっとまたそういう姿をみせてくれると思います。今回の受賞はまだまだ通過点だと思ってますよ。
(これから大夫と勝浦でこっそりと記念ゴルフ、S)

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■まるひの秘書ヒショバナシ

◆今週の厨子王原稿メール件名 (これまでの歴史は→コチラ
 懇親励行
 仲良きことは美しきかな。とかなんとか、ちょっと前にオフィスで厨子王がサインしてたような。ナスとかカボチャも描いていたような。その大当たりのサイン本を買うのは誰なんでしょう。てゆーかソレ私が欲しいぞ!(どこで売られるのかは知りません。ブックフェアかしら、朗読会かしら? 確認しようにもノリノリ君帰ってしまったし)

 その日の昼間は、税理士の先生がオフィスにおみえになりまして、申告書類一式に、社印をバンバンバンと押しました。ええ、終わったんですよ決算! バンザイバンザイ! 前日の夜、消費税とかの面倒な計算を終えられて、ヤレヤーレな先生を地獄に突き落とす「どうしましょう! 思いっきり数字間違ってましたあああ! これからFAXしまっすぅ〜」なんていうトホホな電話をかけたりもしましたが・・・期限に間に合ったのでヨシとしましょう。
 そして夜、大沢からマヌケな声で「とっちゃったよ・・・」という電話がありました。その後は本人も書いているとおり。いやあ、9月29日は、決算終了と大沢の受賞、めでたさダブルですな!
 夕食をとりがてら皆で出かけた大沢のなじみの和食屋さんでも、二次会で大騒ぎしたクラブでも、お祝いにシャンパンを出していただきました。ありがとうございます! こういうときのシャンパンは、まさに美酒ですウマイです。この夜の味はまた格別でございました。大沢大夫、本当におめでとう!

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■ノリノリ編集後記

「化けものつづら」展に行ってきました。いや〜凄い。美術品てゆうか芸術品てゆうか…何と言えばよいのでしょうか。とにかく凄い。ケース等がないので、顔を近づけて息を殺し舐めるように観察しちゃいました。欲しくなっちゃいますねえ。
 新作が数点売り出されていますが…僕にはちょっと手が出ません。でも、海外に持っていけばきっと数倍で売れるんじゃないかなぁ…と思ったりして(絶対!)。
 感動の職人仕事に出会える滅多にない機会。これはオススメ。行ってみるべきです。

 で、事務所に帰ってきたら吉報が!
 台風が通過している最中、六本木でお祝い。朝4時の3次会まで楽しく過ごしました。
 思い起こせば今年の春…(今回2次会の会場となった)六本木の飲み屋で大沢さんとふたり(女の子たちと会話もせず)、単行本のタイトルをいろいろ考えましたなあ(受賞作「パンドラ・アイランド」は新聞連載時「海と拳銃」というタイトルでした…6へぇ)。
 こんなことになるなんて。…ねえ。
(頑張れ、タップダンスシチー!…ノリ)

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■アンケートから はスタッフのコメントです)

一時休止していたアンケート、再開しました。ご意見お待ちしています。(まるひ)

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下の方でコッソリ
◆厨子王原稿メール件名の歴史(本人確認用?)

更新太郎。 → こうしん太郎。 → 高信太郎。 → 香辛料。 → 甲府信玄公。(この133号あたりで件名を本格的なコーナーにされてしまうカワイソウな厨子王) → 子牛ん〜健康です。 → 庚申。元寇。 → 孔子に兼行。 → 乞う、青梗菜。 → 交趾(コーチン)。鬱金(ウコン)。「辛いなあ喰いもんネタ(笑)」というグチつき → 護身拳骨。 → 誤診現行犯。 → 小普請剣豪。 → 子負う繁子。 → こう、おしん激昂。 → 往診変更。 → 孝心言行。 → 恒心儼乎。 → 格子に拳固が。 → 誤診原告。 → (グレイと)交信。(UFOが)減光。説明付き。たまにはこうい(151号でこの件名の続きを皆さんから募集して大盛り上がり!) → 香辛料減量。 → 甲信越へ行こう。 → 荒神信仰。 → 降神、玄黄。 → コーリンえんぴつ。 → 降雨。震源。こ……うッ。 → 「コウ!」「シン? 元気?」「おう」 → 光線銃携行。 → 孝心儼乎。(孝心も儼乎も二度目の登場と、まるひにツッコマレル) →  前回のタイトルは急いでいたので一発変換だったわけです(笑)(言い訳キター!) → 工賃、下向。 → 浩二、けん、コウ(芸能人シリーズスタート?) → 工事・拳・豪 → 放心、テンコー → ちょうちんあんこう → 甲信越先行 → 古神に献香 → 降雨シーン、現場はこう……