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 第159号へ 第160号 2004.6.18 第161号へ 
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▼山椒大夫 ▼安寿 ▼厨子王 ▼写真館

▼編集者S ▼まるひ ▼ノリノリ ▼アンケートから

■HEADLINE RUMORS 〜 風のウワサ


◆先日WOWOWで放映された『理由』が、ギャラクシー月間賞を受賞!
(放送批評懇談会が全放送番組の中から、毎月ごとに3〜4番組を表彰するもの)

 
■燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー

◆贈呈式
 第11回松本清張賞授賞式に行ってきた。選考委員を引き受けて初の授賞式。大宅壮一ノンフィクション賞と合同で帝国ホテルで開催された。
 松本清張賞受賞者の山本兼一さんは、オイラと同い年生まれ。骨太の時代小説作家として、これから期待される人だ。
 第35回大宅壮一ノンフィクション賞を『こんな夜更けにバナナかよ』で受賞したのは渡辺一史さん。この作品は講談社ノンフィクション賞とのダブル受賞。
 で、この渡辺さん…じつは先月オイラが札幌に講演に行ったときに、空港の荷物受け渡し所で預けたゴルフバッグが出てくるのを待っているあいだに、お会いしたのだ。向こうから「大沢さんですか?」と声をかけてきてくれた人がいて、てっきりファンかと思ったら、名刺を差し出しながら「じつはこの度、大宅賞を受賞した渡辺といいます」と言われてビックリだった。たまたま同じ飛行機に乗り合わせていたもので、わざわざ挨拶に来のだ。こちらも名刺を返したら、さっそく受賞作を送ってきてくれた。

 新しい書き手ふたりの活躍を祈りたい。頑張れば何とかなると安易に言えないところが、今の出版界の厳しさ。才能があるとか無いの問題じゃなく、かつてないほど厳しい状態。そうとうの覚悟と努力が必要だ。わかっているとは思うが…。

◆引っ越し
 いよいよ引っ越しの準備が本格化。業者に見積りをはかってもらったり、粗大ゴミの整理だとか…仕事の合い間に追われている。驚くのは、オフィスのスタッフから流れた情報で、オイラより先に編集者の方が新たに入れる家具などに詳しかったりすること。

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■安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー

◆ご挨拶
 ようやく『ICO−霧の城−』を上梓することができたので、ソニーコンピュータエンタテインメント・ジャパンにご挨拶に伺いました。実はオフィスのすぐ近くなのですよね。
 プロデューサーの海道さん、ディレクターの上田さんはじめ、大勢のスタッフの皆さんにお目にかかり、あらためてお礼を申し上げることができて嬉しかったです。
 新作の情報もちょっと教えていただきました。楽しみだなぁ♪
 皆さん、ありがとうございました。
 ところで、都内井の頭線の駅では、『ICO』の駅張りポスターが張り出される予定です。とっても美しいポスターなのだ! 感激してしまいました。
 ポップにも使われている映像ですが、実は、ゲーム中ではほとんど見ることのできないヒロインの顔のアップが写っているんですよ。これも『ICO』制作チームの皆様のご協力とご厚意のおかげです。重ねて御礼申し上げます。

◆ウマタセ君
 どうやら、我が家にゲットできる模様。うふふ♪

◆ゲーム女の生きる道
 引越しのために少しずつ片付けているので、ゲーム機のコードも外してしまい、もっぱらGBAアドバンスSPで遊んでいる毎日。『メトロイド ゼロミッション』をたっぷり遊び尽くし、住み慣れた部屋では最後のプレイ&最後の「なんでこんなところで必殺くらうか〜!」絶叫ということで、『ファイアーエムブレム 烈火の剣』ヘクトル編を再プレイしております。もちろんノーマルモードです。わたしみたいな弱っちいプレイヤーは、ハードモードなんて恐れ多くて。
 昨夜、エリウッド編の1、2周目、ヘクトル編の1周目では主戦力だった傭兵(→勇者)のレイヴァンを、思いがけず戦死させてしまいました。プレイのたびにキャラの成長具合が変わるところがFEの面白さですが、こんな打たれ弱いレイヴァンに育ったのは初めてで、ビックリしました。
 一瞬リセットを考えましたが、まぁいいか、と。先へ行くとハーケンがいるからさぁ、仲間にすればいいやぁ、と。イサドラさんと支援つくしぃ、と。
 非情になることに、慣れてまいりました。
 さて、ちょっと前にこのコーナーで書き散らしました「ヒミツの攻略本のヒミツの隠しボス2体」のご紹介、なかなかのご好評をいただきまして、ありがとうございます。3時間を費やした甲斐がありました。気をよくしております。(バックナンバー155号参照)
「倒したい!」というご要望多し。うっふっふ♪ 本当にあのとおりにすると倒せるんですよう。でも、倒されちゃうとオフィスが倒産しちゃうのでご勘弁くだされまし。
 大沢大夫からは、「一瞬、本当にこんなゲームがあるのかと思った」というお言葉を。
 京極厨子王からは、「どうして自分は出てこないんですか?」というご質問を。
 それぞれいただきましてござります。
 角川文庫『大極宮4』に収録する際には、ぜひイラストをつけたいものです。

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■さまよう厨子王 〜 京極夏彦のコーナー

◆幽
 が出来上がりました。日本初の怪談専門誌(メディアファクトリー)。


幽 vol.1
幽 vol.1


 いやー豪華な執筆陣ですねえ。編集長の東さん、吸血ならびにデスメタルな編集部のみなさん、青坊主さんにRくん、装幀の祖父江さん、お疲れさまでした。
 あとは――読者の方々に楽しんでいただければ良いのですが。どんなもんか、ぜひご一読を。
 で、来週はイベントですね。怖い人達大集合。
 って、いったい何がどうなるのか、ボクはよく知りません。
 まず打ち合わせをする時間がないし。妖怪会議といい怪談之怪といい、どうしていつもこうなんでしょ。そっちの方がずっと怖かったりして(笑)。
 ちなみに秋に出る世界で唯一の妖怪専門誌の方も引き続きよろしくお願いします。
 がんばれ悪人編集部。

◆異
 の世界(中央公論新社)もめでたく発刊。
 表紙もなかなかスマートなデザインで○。


日本妖怪変化史
日本妖怪変化史(中公文庫)
江馬務 著

日本怪談集妖怪篇 上巻 日本怪談集妖怪篇 下巻
日本怪談集妖怪篇 上・下(中公文庫)
今野圓輔 著


 旧版よりも俄然読みやすい版面になってます。やはり大事ですね、そうした配慮は。ちなみに同時発売の『嗤う伊右衛門』中公文庫版の解説はCノベルズ版と同じく高田衛先生。しかも文庫用に新しく書き下ろしてくださった新原稿が収録されています。

◆読
 東アジア怪異学会で何度かお世話になっている斎宮歴史博物館の榎村寛之さんが新刊を上梓されたと聞いたので早速購入して読ませていただきました。
『伊勢斎宮と斎王』(塙書房)。これが面白くて。しかも考えさせられることが多く、勉強にもなりました。
 いや、これまであまり語られることがなかった斎宮について勉強になったというのはもちろんなんですが、それよりも榎村先生の学問対象へのまなざし、姿勢、そういった部分に学ぶことが多かったわけです。
 一般向けに書かれる場合、歴史(特に古代史)や国文学は「○○ロマン」などというワケのわからない括りで語られることなんかも多いわけですが、ボクはそういうのにどうも抵抗があって。じゃあ難しく高尚に、かつ専門的にわかりにくく書かれていればいいのかというと、それはまた別の話なわけです。書かれている内容とプレゼンテーションはまったく別の次元で考えるべきもので。プレゼンテーション能力に長けた論文はわかりやすいし、専門書や研究書でも読みやすいものです。
 いずれ学問というのは、研究対象を「自分の身の丈にあった」姿に捉え直すところから始まるのだなあと感じた次第です。百年前の人も千年前の人も、同じヒトではあるわけで、古代人だからといって角が生えていたわけでも空が飛べたわけでもないわけです。自分とそう変わりのない人間が、その時代何を想い、何をしたのかを考える、そういう当たり前の姿勢が大事なんだなあと。
 そのためには先入観や予断を持たず、まっすぐにテキストや物証に向き合う姿勢が大事な訳で。たとえばテキストクリティークに徹するというのは、別に頭を固くしてガンコに臨むことなんかではなく、テキストの持つあらゆる可能性をきちんと見定めて臨む、という意味なわけで。
 そうしたまっとうな姿勢で重ねられた研究は、奇をてらったトンデモな結論なんかなくても十分面白くて、十分に血わき肉躍るカイカンを与えてくれるんだなあと実感いたしました。ロマンは「学問の対象」にあるのじゃなくて「学者のハート」にあるもんなんです。
 小説家も負けていられないわけですが。

◆展
 大水木しげる展、福岡で開催中。ぜひ足をお運びください。
 次は神戸です!!

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サイン会写真館

◆2004年6月13日(日) 紀伊國屋書店新宿本店にて、『ぱんぷくりん』発刊記念サイン会が行われました。
安寿のサイン会は、実に久しぶり。しかも絵を描いてくださった黒鉄ヒロシさんも一緒。またとない貴重な機会です!



安寿と黒鉄ヒロシさん

ノリノリ編集後記にも書いてあるとおり

なごやかムードでのサイン




安寿のサイン

「鶴の巻」には安寿のサイン ↑

「亀の巻」には黒鉄ヒロシさんのサイン ↓

黒鉄さんのサイン



来週は山椒大夫と安寿のサイン会同時開催です!

(詳細は「イベント情報」をご覧下さい)



■編集者Sのウラ情報

 オフィスはちょっとした引越しブーム。先月はノリノリ、今月は大夫と安寿。オイラも気分転換に引っ越したいです。引越しって、たまりにたまったモノを思い切り捨てられるチャンスでもあるんですよね。
 日曜日、紀伊国屋での安寿と黒鉄さんのサイン会を覗きにいってきました。今回のサイン会はバヂャーと版元の仕切りだったので、特に仕事もなくこっそりと様子を窺っておりました。作家が読者のみなさんと直接触れ合う機会はあまりありませんので、みなさんの嬉しそうな顔を見ているだけでこちらも楽しくなります。もう詳細がアップされていますが来週は大夫、安寿の同時サイン会があります。大夫単独では名古屋でも。整理券が必要ですが二人が揃ってというのは次はあるのか、というぐらい貴重なチャンスです。よろしければご参加ください。
(どうしたウイン、資金が……S)

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■まるひの秘書ヒショバナシ

◆今週の厨子王原稿メール件名
 降雨。震源。こ……うッ。
 なんか台風がイヤーなとこにいるんですよね。私、大沢と明日一緒に名古屋行くんですよね、仕事で。とっても久しぶりなので(大沢と同じく私も名古屋出身者)、親戚の家に泊まってこようと思ってるんですけどね。台風の気分次第では、ちょっと帰りが厄介なことになるかもしれないな・・・おまけにグラッときたらもっとイヤじゃん! なーんて、この件名を見てちょっと不安に思ってしまいました。むむむ。

 名古屋で絶対買いだめしてきたいのが"コーミソース"。名古屋に住んでいた頃は、そこらのスーパーに並んでて当たり前のものだったんですが、東京で売っているのを見たことがありません(っていうか周りの人間、誰も知りません)。ウスターソースなんですけどね。濃いというかコクがあるというか。一般的なウスターソースが「サラリ」、とんかつソースが「ドロリ」とすると、コーミソースは「トローリ」って感じでしょうか。あああ、考えるだに早く目玉焼きにかけて食べたくなりまする! 広島のおたふくソースぐらいメジャーになってくれないかなあ、と思い願う名古屋の逸品であります。ハイ。
 あと"カール"のうすあじも、こちらではついぞ見かけませんね。いちばん好きなんだけどなあ。フォッサマグナみたいな嗜好切り替え線があるんですかね。ここから東はカールうすあじダメダメ! とか。よし、カールも食べて(買って)こよう!
 あああ、すがきやを忘れていた・・・って、考え始めるとドンドン出てきてヤバイです。いちおう仕事で行くんですしね。このへんにしておきます。うひ。

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■ノリノリ編集後記

『ぱんぷくりん』出版記念サイン会に行ってきた。宮部さんにとっては4年ぶりとなる緊張のサイン会だったが、黒鉄さんのリードで終始和やかムード。滞りなくおこなわれました。僕も1セット買ってサインを頂きましたが、黒鉄さんの招き猫…イイ。なんとも味があります。コレクションが増えました。で、その日は著者への取材も入ってまして…なんと7社!! 宮部さんも黒鉄さんも同じ質問に何度も何度も答えていらっしゃいました。何かいい手はなかったかなぁ。とにかくお疲れ様でした。紀伊国屋書店の皆様も、長い時間ご苦労さまでした。
(春競馬、惨敗…ノリ)

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■アンケートから はスタッフのコメントです)

◆こんばんはー。毎週楽しみにしてます。
大沢先生のサイン会情報が更新されていないかと見にきました。
名古屋での情報早く知りたいです。
ところで、大沢先生のページで新刊の値段が「1800円+税」となっていますが、立ち読みコーナーは「1900円+税」になっています。
どちらでしょうか???

こんばんはー。毎週ご覧いただき、ありがとうございますー。大沢の名古屋でのサイン会詳細は、「イベント情報」をご覧くださいませね。
あと『パンドラ・アイランド』の値段、正しいのは1900円+税でございます。『ICO』とゴッチャになった模様であります。トホホホホホ。(まるひ)


◆いつも楽しく読んでいます。
編集者Sさんてドンナ方なのかしら? といつも勝手に想像して読んでるんですけど・・・

えーっと、想像だけにしておいたほうがいいと思います。誰よりもS本人が力強くそう申しております!(まるひ)

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