Back logo

 第151号へ 第152号 2004.4.23 第153号へ 
 最新号へ    


▼山椒大夫 ▼安寿 ▼厨子王

▼編集者S ▼まるひ ▼ノリノリ ▼アンケートから

■HEADLINE RUMORS 〜 風のウワサ


◆大沢山椒大夫は、近々仕事場マンションを移転することになったらしい。

 
■燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー

◆「松本清張賞」
 今回から選考委員をやっている「松本清張賞」の選考会に安寿とともに行ってきました。
 今回の候補作は4本のうち2本が時代物で2本が現代物。すべてレベルは高かったけれども、圧倒的に時代物の2本が優れていた。結果、受賞作は『火天の城』。安土桃山城築城を描いた壮大な時代小説。自分としてはもう一方の『天明、彦十店始末』を推したが、多数決で『火天の城』になった。「松本清張賞」に2作受賞はないと、最初に日本文学振興会から言われていたのでここはやむをえない。
 受賞作に関しては、オイラの評価も2番目だったので特に異論もなし。
 この時代小説2作は、自分が選考委員であっても(これまであまり時代物を選考しなかったこともあるが…)候補作だという意識を持たないで、いち読者としてはいり込める作品だった。
 それと選考会の後に偶然知ったのだが『天明、彦十店始末』を書いた北重人さんは、以前オイラが選考委員をやっていた「オール読物推理小説新人賞」を『超高層に懸かる月と、骨と 』という現代物のミステリーで受賞していた。現代物と時代物の両方書けるということ。筆力のある人だなあと、あらためて思ったしだい。

◆ゴルフ全開モード
 天気も良く暖かくなり、花粉の量も減ってゴルフ全開!
 I集院静さんとやっているゴルフコンペ「ピンの会」では優勝。その勢いをかって「日本推理作家協会」のコンペに臨んだが…こちらは惨敗。パターが入らず、そのうち悪いリズムを引きずりショットまで乱れグチャグチャ。グリーンが重く芝の目がきつかった。

◆GW進行
 毎年のことだが…GWに合わせて連載小説の書き貯めにはいっている。6月に出る新刊のゲラの手入れもしなきゃいけない。

▲TOP
■安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー

◆お邪魔してきました
 某日、都内の某スタジオに、アニメ『鋼の錬金術師』のアフレコを見学に行って参りました。プロデューサーの、スクウェア・エニックスの田口さんにお招きいただいたのです。ありがとうございました。
 お会いしてきましたよ〜。エドの朴路美さん(※注)にも、アルの釘宮理恵さんにも、ウインリィの豊口めぐみさんにも。皆さん元気でピチピチしていて、和気藹々としておられて楽しそう。カッコいいし。声優さんが、今、若い人たちの憧れの職業だというのもむべなるかなと思いました。
 でも、実はとっても厳しい仕事ですよ。ただ声が可愛いとか渋いとかいうだけでは務まらない。
「今のはちょっと元気よすぎたから抑えてください」
「もっと怒ってみて」
「軽くしてみましょう。さっきのは深刻になっちゃってたね」
などなど、矢継ぎ早に飛ぶ指示に従って即座に声の演技を変えてゆくわけですからね。「はい、それいただきます」とOKが出るまで、集中力を保っているだけだって大変です。もちろん体力も要ります。さらにさらに、アフレコの時に声優さんが見ている画面って、製作途中のコンテみたいなものなのね。キャラの表情も動いていません。声優さんは、脚本をもとに、自分の想像力と演技力で、彼らの心情をつくっていかなくちゃならないんです。
 水島精二監督にもいろいろとお話を伺うことができて、光栄でした。アニメ版は、コミックとは違うオリジナルな展開をするのだそうです。ファンとしては、ハガレンの世界を二度楽しむことができるわけで、幸せですね〜♪
 そうそう、DVDを買っているファンにはわかるネタ。アフレコの時に、その回の「裏鋼」も一緒に録ってましたよ。後から別録りじゃないのね。メインでかなり深刻な場面を演じた後でも、「はい、じゃ裏鋼ね」というと、パッと切り替わるのがさすがのプロの業でした。

※注 朴路美さんの正しい表記は 「朴 ネット上では表せない漢字 美」です。

◆決定! 第11回松本清張賞
 受賞作は『火天の城』。作者は山本兼一さんです。おめでとうございます!
 宮部、今年から選考委員を務めましたが、全体のレベルの高さにまず仰天。受賞作だけでなく、最終候補作どれをとっても、そのまま単行本になって書店に並んでいてもゼーンゼン不思議じゃない。
『火天の城』、傑作です。めっちゃくちゃ面白いです。感動します。読むべし読むべし! 読まないと、今年味わえる最高のエンタテイメント本を、確実に一冊損したことになっちゃうよ。

※お詫びと訂正
 先週23日更新時、「ゲーム女の生きる道」で、セガの新作RPG「シャイニング・フォース」を 「30日発売」 と書いておりましたが、たいへん申し訳ありません、4月30日は 「発表」 だったのです!! お詫びした上、訂正させていただきます。このGWでは入手することができません。
 発売はこの夏の予定だそうであります。
 お借りしたソフトがもう完成していたので、てっきり「発売」だと思い込んでしまった宮部のそそっかしい勘違いでありました。お許しください。
「ゲーム女」を読んで、「シャイニング・フォース」って面白そう♪ と思ってくださったゲームファンの皆様、あと何ヵ月かお待ちくださいませね。ごめんなさい。ホントに面白いのよ。仲間集めにアツくなれます。期待してくださいね。
 でも、もう出来上がってると思ったんだけどなぁ(と、言い訳)。プレイしてると、完成品のような気がしたんだけどなぁ(言い訳×2)。
 この際、発売前倒しってのはどうかしら、竹崎さん。 ダメ?

▲TOP
■さまよう厨子王 〜 京極夏彦のコーナー

◆水木展も
 いよいよ間近。スタッフも命を削って奮闘しております。
 特に図録は力作。すばらしい図録ができたようですね。絶対に買いです。ほんとうにお疲れさまでした。
 と、いうわけでボクのところにも大きなトラックが到着。美術品運搬用ですね。ボクも一応展示用に絵巻とか貸本マンガをお貸しする訳ですが、美術品梱包ってのは大変なものですねえ。キズやらスレやら傷みを細かくチェックして紙に記し、カードを作って丁寧に梱包。扱いを丁寧にしてもらうのは悪いことじゃないです。つうか、むしろありがたいことなんですが、マンガの本をあそこまで丁寧に扱われると少々不思議な感じがするもんです。たしかに値段は高いものなのかもしれませんが……いや、ボクは普通に並べて普通に読んでいるもんで(それがいかんという意見もある)。ま、会期が終わるまでしばしのお別れです。
 全国巡業に行ってらっしゃい。展示会場で会いましょう。

◆ブックフェアに
 行ってきました。いや、見学でも買い物でもなく。
「新世代DTP体験ラボ・オープニング記念パネルディスカッション 京極夏彦「勝利の新システム」・その後/小説家・出版社・印刷会社―次世代フローへの新たな挑戦」という長い名前の催しがあったわけで(名前は長いが時間は短かったんですが)。ブックフェアの凸版印刷ブースでのパネルディスカッションですね。パネラーはボクと、凸版印刷からDTPの用心棒ことK野さん、講談社からはボクの文庫担当のY山さん。仮名にする必要はまるでないのですが一応お約束(笑)。
 そもそも「勝利の新システム」とはK野さんが「IN★POCKET」誌上で名付けたものなんですが、大本はこの週刊大極宮。ボクが「新システムの勝利ですね」かなんか書いたのが元のようで。とはいえそれも昔の話で、すでに「新」ではないわけですが、世間の理解は日進月歩。詳しい人も詳しくない人も、意外に勘違いしてるようなところもあって。
 要するに「何を使うか、何ができるか」じゃなくて「誰が使うか、何をしたいか」なんだというお話をしました。結局は「人」ですから。お仕事は。


豆つぶ厨子王

東京国際ブックフェア2004
凸版印刷ブースにて

しゃべる厨子王


見ている厨子王

しゃべった後はいろいろ見学




◆黙祷
 芦屋雁之助さん、横山光輝先生、竹内均先生……おお。

◆余談ですが、雁之助さんといえば
 興味のないかたにはなーーーんにも面白くない話題ですが(笑)まあボクは時代劇が好きなわけです。で、最近メジャー・マイナーを問わず時代劇DVDがたくさん発売されるわけで。
 で、先日、雁之助さんも出ている「必殺からくり人富嶽百景殺し旅BOX」を観たのですが、謳い文句に「幻の必殺シリーズアバンタイトル収録」とありまして。確かに珍しいアバンタイトル(番組が始まる前に流れるシリーズタイトル)が収録されてるんですが、あれは……本当に幻だと思います。収録されているものは本放送時に使用されていたものではありません。たぶん。アバンタイトルは再放送時には流されていないので、つまりは「未放送」のバージョンではないかと。「とらの会」の山田誠二さんも「知りません」といっていたし、こりゃ珍しいもんです。いったいどこで見つけたのでしょうキングレコード(ちなみにアバンタイトルは「必殺商売人」から「翔べ!必殺うらごろし」最終話まで、同じものが流されていたはずです)。つうか、何の不都合もないんだし、せっかく作ったのにお蔵入りするかな普通(笑)。いずれにしてもびつくり。

▲TOP
■編集者Sのウラ情報

 今週は恒例の東京国際ブックフェア。早速初日に行ってまいりました。厨子王のパネルディスカッションはさすがの人だかりでした。
 で今回の目玉と思われるのは今年になって続けて発売された携帯読書端末。松下の「ΣBook」とソニーの「リブリエ」。共に現物を確認しました。1機種に関しては何度か試作機を手にしていましたので初見はもう1機種のみでしたが。両方を比べてみると携帯性に関しては申し分なし。見やすさ(読みやすさ)に関しては個人的には「リブリエ」かな。「ΣBook」の見開き表示は書籍の感覚に近くて好感がもてます。やはり見開き表示は必要だと思っていますので。両機とも今までのパソコンやPDAでの表示に比較すると読書の感覚に近づいているのは間違いないと思います。もちろん紙の書籍に取ってかわるものではありませんがこれなら、使ってもいいかなと思わせるものがあります。普及の鍵はやっぱり価格かな。もちろんその前に読者の側の意識の変化が必要だとは思いますが。(ビッグサイトはやっぱり遠い、S)

▲TOP
■まるひの秘書ヒショバナシ

◆今週の厨子王原稿メール件名
 香辛料減量
 コメントは後述しますー。

◆前号のあらすじと続き
 先週の厨子王メール件名は奇妙であった。
 (グレイと)交信。(UFOが)減光。説明付き。たまにはこうい
明らかにプッツリ切れている。これは「あ、途中でうっかりTabキー押しちゃった、テヘ」などというマヌケなミスとは考えにくい。だってグレイと交信でUFOが減光なのヨ! 厨子王の身にきっとナニか重大な危機が迫っているに違いないワ! 鍵はきっと途切れた件名にあるはず。そして、貧弱な脳みそを振り絞って「たまにはこうい」の続きを考えた私。だが出てきたのは「たまには紅一点」というマコトに情けないもの・・・。ああ違う違う、ダメだダメだダメだあ! このままじゃ厨子王があああ! ずしおおおおおおぅ!

 私は最後の手段に出た。そう、それは、大極宮の読者の方々の協力をあおぐことだった。全世界2000万人いると推定されている(ウソだけど)"大極宮ラー"(なんじゃそら)の知恵を結集すれば、「たまにはこうい」の謎など、あっというまに解明するであろうと・・・。

 私は募った。そしたらいっぱい来た。たまげるぐらい届いた。全世界の大極宮ラーたちが、厨子王を助けるために一斉に立ち上がったのだ。
 感動に胸を震わせつつ山ほどの回答を整理し分類してみる。すると、私ひとりでは考えもつかなかった事件の全貌が浮き彫りになってきたではないか!
 そう、厨子王は「矢のように早く時間が流れる」特殊な空間「更衣室」で、ナニヤラいろんなモノを「履こう」としたところ、そこに「箱」があったり「タマ」がいたり他にもイロイロだったり・・・きわめて不条理な状況下に置かれていたのだ!
(中略)
 こうして不条理空間から無事助け出された厨子王から、今週も遅れることなく原稿メールが届いた。ナニもなかったようなフリをしていつもどおり書いてはいるが、事件の後遺症をそこはかとなく匂わせている。今回の件名は「香辛料減量」。刺激物を避けたくなるほど疲れているのか、それとも体質が変わってしまったのだろうか!?

 って・・・すみません、ここまで書いて疲れました。いやはやホントにたくさんの回答を送っていただきました。ありがとうございます! できれば全部載せたいんですが、とんでもないボリュームになってしまうので泣く泣く割愛いたしました。掲載できなかった方、ごめんなさい! ぺこぺこ。

 それでは、前号で突発的募集を行った「たまにはこうい」の続きを考えてみましょう大会です。
(カッコ内は投稿者ご本人のコメント。また、読みやすくするため、ひらがなを漢字に直す等の修正を若干行いました)

【ダントツ1位はコレ】
◎たまには光陰矢のごとし。

【更衣室系…2番めに多かったです】
◎たまには更衣室の窓からも見えます。(←勿論UFOが)
◎たまには更衣室を覗いてみたいんだけど、まるひクン、セッティングしてくんない?(←何を?)
◎たまには更衣室からの更新デス。
◎たまには更衣室から、愛を込めて。
◎たまには更衣室で一服。

【履こう系…いやホントにいろんなモノを履こうとしてらっしゃる】
◎たまに履こう、いがいがパンツ。(←トレーニング用のパンツです)
 他にも、皆様が履こうとされているモノは・・・
「韋駄天パンツ」、「いなせな股引」、「インドで買った靴下」、「いぼいぼサンダル」などなどなど。韋駄天パンツって何ですか? わははは。

【箱系…匣と書いた人がいなかったのは惜しい!?】
◎玉ニ箱、ウイロウと交換して下さい。
◎たまに箱、うい〜んって開くやつ(謎)。
◎たまに箱浮いたり僕が浮いたり宇宙人に連れ去られたりしました。ピギーブガーザザザザザはっいつの間にか額に謎の傷跡が!?

【タマとか好意とかこういう系…乱暴な分類でスミマセン】
◎たまには好意と悪意について語るのも良いけど結局それって同じ感情なんだよねえ。
◎タマには好意があるけれど、磯野家には嫁げない。(←魚嫌いな母が考えました)
◎タマにはこういう特技があります「にゃんにゃん」(←UFOと交信出来る猫)
◎たまにはこういうのやめにしない?(←やめちゃやだ!)
◎たまにはこういうのモハメド・アリ。

【他にもいろいろ】
◎たまには、こ、ういっ、ひっく。(←自分が酒呑みだから)
◎たまにはこういち、父さんの目を見なさい。
◎たまにはこう一千万円をぱぁ〜っと使ってみたい。
◎たまには甲鳥賊(コウイカ)でも食べるか?(←きっと厨子王がおごってくれるはず!)
◎たまにはこういちねん(←多摩川第ニ墓の下高校一年の略)

【わけのわからん募集の締めにぴったり】
◎たまにはこういう大極宮で。

 お後がよろしいようで。

▲TOP
■ノリノリ編集後記

 引っ越しました。長年お世話になった神奈川県相模原市からいよいよ都内に進出。といっても練馬区のはずれ、大江戸線の終点(始発?)光が丘。そう、去年朗読会を開催した所。あの時、ひとめ惚れしたわけではないのですが…事務所のある六本木まで乗換えがないことと、なんといっても3月から11月の期間、毎週やってる草野球のグランドが近いことが最大の理由。今までは野球に行くのに片道2時間近くかかっていたところが10分程度ですむんですから。遅刻もせず、プレイに集中できるはず。…と、引っ越しの理由を聞いた人にこのように説明すると、たいがい呆れられます。でも、いいのだ。ちば先生さえ喜んでくれれば。
(ホワイターズ入団希望者いませんかねぇ…ノリ)

▲TOP
■アンケートから はスタッフのコメントです)

◆発売日が早めにわかるとうれしいです。本屋さんは本が好きなので、よく行きますが、忙しいとゆっくり見られないでお店によっては見逃すこともあり、また、予定が早くわかってたら発売日に買えて読めるので知りたいです。まだ、大極宮初心者なので、よくわかりませんが、これから愛読者にさせていただきます。

新刊や文庫の情報は、なるべく早く掲載するように心がけております。これからもよろしくお願いいたしますー。ぺこ。(まるひ)

◆毎週、週刊大極宮を楽しんで読ませて頂いてます。
週刊大極宮最高です〜♪
実は!!こちらで見て知った、イーエスブックスの京極夏彦「怪し」の世界フェアプレゼントキャンペーンに当選しました!!
特製Tシャツが届いてビックリ!!
とてもうれしくてお伝えしたくて書かせていただきました♪
やった〜〜〜!!

おおお、それはそれはおめでとうございますううう〜♪ こちらもお知らせした甲斐があるというものですー。(まるひ)

▲TOP


 第151号へ 大極宮トップページに戻る 第153号へ 
 最新号へ