第137号へ | 第138号 2004.1.16 | 第139号へ |
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▼山椒大夫 ▼安寿 ▼厨子王 ▼写真館 ▼編集者S ▼まるひ ▼ノリノリ ▼アンケートから |
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■HEADLINE RUMORS 〜 風のウワサ | |||||||||||||||
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■燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー | |||||||||||||||
◆第130回直木賞 厨子王が第130回直木賞を受賞した。 文学賞というのは、たしかに貰えるのは栄誉だし本人も嬉しいことだけど、一方でいえば、今までやってきた仕事、歩いてきた道が間違っていなかったとわからせてくれる。 これから先に歩いていく方向をこの賞が照らしてくれるものではない。自分のしてきたことに対する満足は得られるけど、これからしなければいけないことへの保障は与えてくれない。ただただ手放しで喜ぶものではないということでもある。 もちろん厨子王もそのあたりはよくわかっていて、記者会見でも淡々と厨子王らしい取材を受けていた。とにかく落ち着いていてウケを狙っているような余裕すら感じられた。 (私は安寿と一緒に記者席から見させてもらった) それなのに、事務所で知らせを受ける秘書のまるひは三回目にもなるのに妙に興奮していた。過去二回は電話の対応に追われ記者会見場に来られなかったので、今回はそそくさと見学に来ていたし。 じつは私と安寿は前々から第130回の直木賞をぜひ厨子王にとってもらいたいと考えていた。それはなぜかというと、わたくし山椒大夫が第110回、安寿が第120回で受賞しているから。こうなったら第130回は厨子王じゃないか! この野望が結果的にかなったので、会場に来ていた各社編集者にも狙い通りになりましたねとお祝いの言葉をいただいた。これはもちろん仕掛けがあったとかそういうことはまったくなくて、たんなる天の配剤である。 ただ今回はなんとなくそうなるような確信めいたものは感じていた。運命論者ではないが、なるようにしてなった気がする。 多くの方々に、これで三人とも直木賞を受賞したので、今後の目標はなんですかと聞かれた。某新聞社の記者に「世界征服かな」と応えたら、安寿が慌てて「冗談ですからね、冗談ですからね」と引き止める一幕もあったり。(もちろん冗談だけれど) 注目の芥川賞に関しては、受賞者のお二人は緊張はしていたが物怖じしない落ち着きがありしっかり自分というものを持っていた。たいしたものだ。控室で受賞者の金原さんと話したけど、お父さんとは自分と年齢が一つしか違わないことが判明。ちょっとショック。これから長い作家人生があるわけで、親のような気持ちで会見を眺めていた。 まあどんな作家も、一枚一枚一字一字、原稿を書くことを繰り返すのみ。オフィスではこれからもより面白い作品を提供することを心掛ける。今後も厨子王はじめ大沢オフィスをよろしくお願いいたします。 大夫は世界征服のドス黒い野望は胸に秘め、絞りがいのある安寿と厨子王から稼ぎを搾り取ろうと思っている。 余談だが… 第140回の受賞者も大沢オフィスから出るのかと聞かれるが…それはわからない。冗談で私が覆面作家になって狙ってみようかと言ったら、居合わせた北方謙三選考委員が「大沢が書いたとわかったら、立ち直れないぐらい酷評して叩き落してやる」と言われてしまいました。 |
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■安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー | |||||||||||||||
◆やった、やった、やった、やったぁ〜♪ 厨子王、直木賞受賞おめでとう。 バンザ〜イ! ◆「ディメンシャ13」 というタイトルの映画をご存知でしょうか。フランシス・フォード・コッポラが、若いころに撮った古い古い恐怖映画です(脚本もコッポラさん)。 日本では劇行未公開で、テレビ放映だけされたことがあったそうです。そのときの邦題は「死霊の棲む館」だったとか。 この映画を、スティーブン・キングが「死の舞踏」のなかでベスト10のうちに数え上げてまして、わたしはずっとずっと観たいと願っていたのです。 で、ついに見つけました。秋葉原で。DVDが出てたのね。 もちろんモノクロですし(1963年製作)、フィルムがだいぶ傷んでますが、かえってそれが雰囲気を盛り上げてくれました。 「死の舞踏」で、この映画を紹介するキングの文章が(短いものですが)、妙にわかりにくかったんですよ。本編を観て、その理由がはっきりしました。紹介のしようがないストーリーなんですね。オチを明かせば一行ぐらいで済んじゃう。 でも怖いです。淡々と怖い。登場人物全員が怪しく見えるし、こちらの深読みを誘う描写が続くわりには、それに対する説明は少ないのですが、その非情なところもまた怖い。 ホラー映画ではなく、これぞ恐怖映画という感じ。でも、けっして古臭いテーマではありません。わたしはコッポラ監督にはまったく思いいれがなく(「地獄の黙示録」も、昨年末にBS2で特別完全版が放映されたとき、やっと観たくらいです)、ですから「さすがコッポラ」と言う資格はゼンゼンないのですが、実は恐怖もの大好きな監督さんだったんだなぁと思えて、 急に親しみを感じてしまいました。根っからの好きモノでなかったら、こんな映画は撮らないもん。 まあ、あのロジャー・コーマンの下で働いていたということから推して知るべしだったかもしれないですが、そういうのは仕事だから仕方なくってこともあると思ってしまって。でもねえ、振り返ってみれば(なにしろホラ観たばっかりだから)「地獄の黙示録」のなかにも、恐怖映画好きがゾクゾクするような描写がいっぱいありましたよね。何で今まで気づかなかったんだろう。もったいなかった。 キューブリックじゃなくて、コッポラさんが「シャイニング」を撮ってたらなぁ。観たかったなぁ! 「呪われた町」も、撮ってほしかったなぁ! ◆ゲーム女の生きる道 諦めが悪いことに、まだ「ワイルドアームズ アルターコード:F」。 全員、レベル88です。さすがに半端じゃなく強いぞ。マイグランドレベルも20。 雑誌でサブイベント情報が出たので、やっとゼルテュークスをゲットすることができました(でも、これがなくても「這い寄る混沌」は倒せるよね。むしろ、バトルアリーナで重宝します)。エルミナ・イベントもできました。 先週も書きましたが、野良ゴーレム「バルバドス」も倒せました。その後、お約束の「スケベ本」とも戦いました。これはまだ雑誌にも出てない(わたしは見てない)情報ですが、バラしちゃう。 バラしちゃうのでご注意を! −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (1) バルバドスだけは、あの砂漠で、アースガルズに乗っていてもエンカウントできるんですね。というか、アースガルズに乗ってないと、必ず最初の超強力な攻撃(衛星からのビーム攻撃)で倒されちゃう(これはたぶん、レベルに関係ないと思う。ムービーが用意されてますから)。アースガルズに乗ってさえいれば、彼が「対消滅バリア」で守ってくれます。その後はパワーファイトになりますが、バルバドスが「クラックトレマー」を使ってくるので、地属性耐性はつけられるだけつけておいた方がいいです、 あれ……? 何気に「彼」と書きましたが、アースガルズってもしかしたら女性かもしれないですよね。なんかそんな気がフツフツとしてきた。 「サガ・フロンティア」で、わたしが大好きだったのがロボットのT260G編なのですけれどね。あのT260Gは、女性なのね。それは終盤で判明します。どうしてかっていうと(これもバラしちゃうけどお許しを)、T260Gはスターシップのシステムを司っていたコアで、昔から「船」は女性名詞で呼ばれるものだからなんです。だからラストで「彼女」がボロの町の姉弟のところに戻ってゆくのは、「お母さんの帰還」なんです。タイム君が、シップから降りてきたT260Gに飛びついて抱き合うほんの一瞬のカットで、わたくしはポロポロと泣いたものでした。 そういえば、×ボタンでホバーするところも、T260Gとアースガルズは似てますね。 (2)「スケベ本」の群れ(12冊)は、「風の海の墓標」にいます。エレベータ起動前から入れるあのフロアの書棚にいます。調べるときは、前衛から女性キャラを外すこと。バトルに入れば、どのキャラを使ってもよくなります。例の如く例によって「グラビトン」をガンガン使ってきますので、「リフレクト」が必須であります。火属性が弱点なので、「烈火の怒り」を使えるセシリアと(火属性全体攻撃を覚えていれば)エマ博士が活躍しますが、これって、どんな状況でもしょうもなくスケベになってしまう男どもを、女性陣が「ったく、いい加減にしなさいよね!」と叱りつけてるようにも見えちゃって可笑しいです。スケベ本焚書。 ということで、「アルターコード:F」はほとんどおなかいっぱい。 なのに、何ゆえまだフィールドをうろうろしているのか? パズルもとっくに解いちゃったのにさ。テレパスタワーがあるわけでもないのに。 マルドゥークの最後の扉を通れないんですよ(恥)。ブルーゾーンで、何度やってもゴーレム「セト」の封印柱のあるフロア30に出ちゃう。これも情報待ちだ(ルシファは倒しました)。 ということで、エマ博士を迎えに行き、パーティに入れて、彼女にラーニングさせてるんですねえ。フォレスト・プリズンでギターをかき鳴らし、毎日せっせとモンスター技を集めてます。ついでにアナライズもかけるので、怪獣図鑑も埋まるし、陽気なあんちゃんのあの技も強くなる、と。一石三鳥。 どうせなら、セトを倒せるくらい強くなってからラストバトルに行くことにしようかな。目指せ、レベル99! 魔王アンゴルモアにもまだ会ってないしな。これもパスワードがわかんなくて進めないのです。「魔王のあくび」じゃないの? 「幸福な統治」でもないようだ。うーん、わからん。 魔王を倒すと何がもらえるのだろう? 「シェリフスター」は、またラギュ・オ・ラギュラが持ってるんだろうからなぁ。 |
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■さまよう厨子王 〜 京極夏彦のコーナー | |||||||||||||||
◆10年。というか20年。 先週も書きましたが、今年の9月でデビューして丸10年。 うーむ。 デビュー作『姑獲鳥の夏』は10年も前の本なんですね。古いなあ。 と、いうか、御存知の方は御存知でしょうが、『姑獲鳥』のネタは執筆時を遡ること更に10年、都合20年前に創ったもんですからね。 すると20年前のネタ!! 古い!! ネタ的には成人式なんですね。 中禅寺、榎木津、関口、木場の四人キャラはその頃すでに出来ていたわけで、連中も成人式なんだ。へぇ。 しかし20年前はこんなにたくさんの方々の目に触れることになろうとは思ってませんでしたから、 冷静に考えるなら、ある意味びっくりですね。 しかもいまだに読んでいただいております。ありがとうございます。 そのままマンガにしてたら小説書かなかったろうから、マンガに出来ないネタで良かったような、そうでないような(笑)。 これからも、どうぞよろしくお願いします。 ◆50年。というか80年。 一方、水木先生は今年82歳。 そして今年はいよいよ「Oh!水木しげる展」です。 これは「おーみずきしげるてん」と読みます。大(おお)先生に掛かってるわけですね、たぶん。 ボクと荒俣さんがプロデュースということで。 ボクはコンセプトメイキング、展示構成、展示物作成、ポスターデザインなどを担当しました。 ポスターには往年の水木キャラ120人(推定)が大集合。しかも妖怪は抜き(笑)。 これが大変で。きゃあ。 水木さんの展示会は今までにも何度も開かれてますが、たいていは着色原画展示、複製画展示で、良くて水木さんのコレクション公開でした。 今回はたぶん、今まで見たこともないような水木世界がバオーン、という感じになる予定。 初公開資料、発見されたアレとかコレ、新たに作られたソレとかコレなんかがいっぱい(の予定)。 図録もすごいことになってるようで、え? そんなの載せるの? きゃー。 間に合うのか図録担当のUさん!!! 皮切りは大先生の地元鳥取。その後の予定は以下の通りです。 2004年 4月29日〜5月30日 鳥取県立博物館 6月04日〜7月11日 福岡県立美術館 8月05日〜8月16日 神戸・大丸ミュージアム 8月19日〜8月31日 京都・大丸ミュージアム 9月11日〜10月31日 岩手県立美術館 11月6日〜翌1月10日 江戸東京博物館 2005年 4月9日〜5月22日 北海道旭川美術館 6月上旬〜7月中旬 岐阜市歴史博物館(予定) 7月下旬〜9月上旬 高知県立美術館 開催地のみなさん、よろしくご来館ください。 開催地近辺のみなさんもどうぞ。お好きな方は全国巡業でも可。 地域によって一部展示内容が変わる部分もありますから、全部見たっていいんです(笑)。 ◆というか130回。 直木賞をいただいてしまいました。 びつくり。 記者会見に行って参ります。 |
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■おめでとう写真館 その1 | |||||||||||||||
◆2004年1月15日 東京會舘
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■編集者Sのウラ情報 | |||||||||||||||
厨子王が直木賞受賞。いやー何度立ち会ってもいいもんですよね。文芸の世界に足を踏み入れて20数年。その瞬間に立ち会っていたことはそんなにはないのですが、決定後東京會舘に編集者が集まってきて祝福の輪が広がる。直接の担当ではなくても喜びは一緒です。本当にみんな嬉しそうですものね。「賞」というものにいろいろ疑問を投げかける人も多いようですが、単純に嬉しいものなんですよ。 (授賞式はパニックか、S) |
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■まるひの秘書ヒショバナシ | |||||||||||||||
直木賞選考の前日、厨子王と賭けをしました。直木賞をもらえたら、厨子王が私に柳家小さん師匠のDVD-BOXを買ってくれる。ダメだったら、私が厨子王に「池袋ウエストゲートパーク」のDVD-BOXを買ってあげるというものです。 だからってねえ、厨子王さんよ・・・(選考結果の)報告電話の第一声が「負けました」はないだろおおおおおおおおがああああああああ!!! 一瞬、心臓が凍りついちまったじゃないかああああ!!! 事務所じゅうがドキドキハラハラピリピリして君からの電話を待っていたってのにいいい!!! 「だって賭けに負けたのは事実でしょ」ってさ・・・まあそりゃそうだけどおおおおおおお! もうDVDの代金、税込みで33,915円、ビタ一文もマケテやんないいいい!(ホントは3万円でカンベンしてあげるつもりだった) というわけで、厨子王は直木賞を、私は小さん師匠のDVD-BOXをゲットでございます♪ 実にめでたいっ! わはははっはっは。 なんて浮かれてて、ついつい忘れてしまうところでした、アレを。 交趾(コーチン)。鬱金(ウコン)。 「辛いなあ喰いもんネタ(笑)」というグチも付いておりました。たしかに苦しさが伝わってきますね。さて、次回はナニが飛び出すやら。くすくす。
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■ノリノリ編集後記 | |||||||||||||||
メデタイ、メデタイ。京極さん直木賞受賞であります。 たくさんのお祝いメール、ありがとうございました。 事務所を興してからついに3人目。ああ恐ろしや。 記者会見はものすごい取材陣でしたね。目当ては芥川賞の受賞者。見え見えです。まあ、僕も同じですが。デジカメで若いお二人を撮りまくっちゃいました。来月の授賞式も楽しみです! (ミーハー魂が抜けない…のり) |
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■アンケートから (●はスタッフのコメントです) | |||||||||||||||
たくさんの「おめでとう」をいただきました♪ ◆京極夏彦先生、直木賞受賞おめでとうございます! これでお三方とも直木賞制覇ですね。大極宮万歳〜\(*^^*)/ ◆京極先生、直木賞受賞おめでとうございます☆ ニュースを聞いた時は、我がことのように狂喜乱舞してしまいました。 ヤッター! ◆いつもこっそり覗いては、こっそり帰っているのですが 今日は一言残しておきたくて慣れないキーボードを叩いております。。 京極先生。直木賞受賞、おめでとうございます。 ●他にもホントにホントに山ほどのお祝いメッセージをいただきました。送ってくださったすべての方にお礼を申し上げます! ありがとうございますううう! 皆様とヨロコビを分かち合うことができて、こんなに嬉しいことはありませんです! うるうるうるるるるる;;(まるひ) |
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