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 第135号へ 第136号 2003.12.26 第137号へ 
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▼山椒大夫 ▼安寿 ▼厨子王 ▼写真館

▼編集者S ▼まるひ ▼ノリノリ ▼アンケートから

■HEADLINE RUMORS 〜 風のウワサ


◆12月27日は大沢オフィス忘年会・・・の前にしっかり会議もやるらしい。

 
■燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー

◆年齢を思う
 クリスマスを迎えても実感がなかった。今年はずっと仕事をしていたせいもあるけど、六本木ヒルズのけやき坂のイルミネーションをチラッと一回見たぐらいかな。やはりこういうイベントは若い人のものだね。…と、そこに距離間を感じる自分に年齢を思う。

◆今年を思う
 まもなく今年も終り。よく働いた。執筆には400字詰め、50枚綴りの市販品原稿用紙を利用していて、毎年何冊消費したか、つまり原稿用紙何枚書いたかという記録を取っているんだけど、今年はレコードだった。
 過去に多かったのは99年の57冊。直木賞をもらった94年の55冊。で、今年はなんと63冊!! 単純にいえば原稿用紙3150枚書いたということになる。実際には、新聞連載時の場合など文字数で切るので使わないスペースがでるときもあるが…。だとしてもいっぱい仕事をした。新刊は8月に「天使の爪」以降でていないが、すでに連載が終って出版待ち状態の長編が2本あるし。
 小説以外にも「天使の牙」の映画があったりと、慌ただしかった。まあ、良くも悪くもない……良くも悪くもないということは、おそらく良いのだろう。朗読会も無事終ったし、オフィスのみんなも元気だし。

◆来年を思う
 世相としては今年が暗い一年だったので、明るくなってほしい。ただ出版界を思うと相変わらず厳しい状態だし、来年良くなるという気もまったくしない。その中で我々が元気でいることが少しでも業界全体に何か役立てればなあと思う。年明けには朗読会や大極宮フェアなどイベントもあるし、とにかく健康に気をつけて取り組もう。

 今年も一年、みなさまありがとうございました。来年もまたよろしくお願いします。来年わたくしは年男なので、次の年男になるときはもう還暦か…と思うとイヤイヤという感じだ。
 こっそり来年の抱負を語るとすれば…「新宿鮫」の新作に取り掛かろうかと。

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■安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー

◆『古代文明の謎はどこまで解けたかII』
 待望の続巻です! いつ出るかいつ出るかと、宮部はずっと待ってたよう。まだ『I』を読んでいない方には、2冊続けてお奨め。
 ピーター・ジェイムズ&ニック・ソープ著
 皆神龍太郎 監修  福岡洋一 訳 太田出版刊
 大田出版が出している「スケプティック・ライブラリー」の8番目の本です。このスケプティック・ライブラリーという叢書そのものが、「良い仕事してますねぇ〜」という優れもののシリーズなんですよ。年末年始に、ぜひお手に取ってください!

◆ゲーム女の生きる道
 早いもので、2003年ラストの「週刊大極宮」であります。
 今年もご愛読いただきましてありがとうございました♪
 来年もよりいっそうココロを込めて、ゲーム道に励みたいと思います。
 来春(4月の予定です)には、初のゲームノベライズ作品も上梓することになっておりますので、そちらも頑張ります(というか今頑張っておるのです)。

 さて、年末は。
「ワイルドアームズ アルターコード:F」をクリアすることで終りそうです。ようやく攻略本がひとつ出ましたしね。
 思い出せば、オリジナル版「ワイルドアームズ」も、1997年の年末に発売されたもので、宮部はこのゲームに取り組んで年を越したのでした。「散歩する庭園」が手強くてねえ! ワープワープで進むマップも難しかったですが、どうやったらボス敵「ギーグマンテイス」に会えるのか、それわからなくて詰まってしまったの。雑誌の攻略情報も、年内はそこまで届いてなくて、だから煩悶悶絶の越年でした。
「アルターコード」の方では、ギーグマンティスがカンタンに出てくるので驚きました。パンデモニウムまで来たところですが、全体にトラップとボス敵が攻略し易くなってる気がします。オリジナル版では、ケイジングタワーの「ナイトゴーント」なんか、こちらにまだ何の防御手段もないうちに全体即死攻撃「死の翼」を使ってくるというトンデモナイ奴でしたが、今度はそんな技、出してこなかったもんね。そのかわり2体に増えてたけど。
 ま、これはアレですね。強力なボス敵は隠しとくという、好きなプレイヤーだけ戦えばいいという、昨今の風潮を取り込んだのでしょうな。
 多少アレンジが変わりましたが、あいかわらず音楽が素敵なのは嬉しいです。まさかこのメンバーでパズルをやれるとは思ってなかったので、30箇所もあるパズルボックスも楽しい。ザックでやると解けないパズルが、セシリアでやると解けたりするのは、単なる宮部の思い込みだと思うのですが……。風来坊の渡り鳥よりも、お姫さまは賢いのだ。お勉強してるからね。
 もはやこのシリーズの名物となった「這い寄る混沌」狩りにも燃えてますが、今度はお金を――持ってないのね、コイツら。アナライズしてガッカリしちゃいました。金稼ぎはどこでやればいいのだろう?
 お調子もののゼットはやっぱり良いキャラですが、ゲートジェネレーターで「人の命に限りはあれど〜♪ 不滅のチカラ〜 強いぞゴーレム〜♪」と、歌わなくなってしまったのが寂しかったです。そういえばゼットのテーマ曲も変わったみたいですね。
 不満と言えば……わたしはオリジナル版をホントに愛してますので、いろいろ気になっちゃうところが出てきちゃうのをお許しいただきたいのですが。
 今さら、ジェーンやマクダレンやエマ博士をパーティに入れられなくても、わたしは全然かまわなかったな。かえってうっとおしいです。スポット参戦だけでいいじゃないですか。特にジェーンは使えない! 「お宝いただき」をハンペンに、「ミスティック」をセシリアに返して欲しいです。打たれ弱くって、すごく足手まといなんだ。
 若干14歳にして、凄腕の賞金稼ぎの美少女。もともと無理のある設定ですよ。フル3Dになって頭身があがり、リアルになった分、その「無理」が見えちゃったという感じがします。ま、あくまで個人的な好き嫌いですが。
 このまま順調にいけば、年明けからは「バテン・カイトス」に取りかかれるのではないか♪ と、ウキウキしながら年末を過ごしているゲーム女なのでした。
 それでは皆様、良いお年をお迎えくださいませね。

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■さまよう厨子王 〜 京極夏彦のコーナー

◆怪な日。

その1)妖怪図鑑図鑑スペシャル
あの『怪』好評連載中の「妖怪図鑑図鑑」のスペシャル版ということで、唐沢なをきさんご夫妻がいらっしゃいました。
深〜い子供向け妖怪図鑑談義をいたしました。いや、深いんですよ中々。
バッグの中からは唐沢さん秘蔵のブツが何十冊も。でもってわが家にもゾロゾロありますから、テーブルの上は妖怪図鑑の山。
打てば響くマニアぶりにひたすら感動(笑)。

その2)怪大賞選考会
対談終了早々に都内某所に移動。怪大賞の選考会なわけで。
会場には所狭しと応募作品が並べられておりまして、その中に埋もれるようにして荒俣大選考委員が吟味中。
いや、小説の選考と違ってなんでもありですから場所取るわけです。絵もあるし音楽もある。をどりもある(笑)。
しかも、下選考で落ちた作品も選考委員次第で敗者復活しますからね。あらかじめ目を通してたのは下選通過作品だけだったので、初見のものもあったり。
優れているから良し、といった賞ではなく、怪しくなければいかんわけです。
「うまいけど怪しくない」「怪しいがこれではあんまりだ」と、荒俣委員と苦吟していると、水木大選考委員長が到着。
水木大委員長はハナからフハっと息をお漏らしになり、「あんた、これは多いですよ」と驚愕。しかし一点一点丁寧に選考。
いや、何に感動したって、水木先生のビジュアルに対する厳しい選定眼にはびつくりですよ。
「これはこの辺りがシロウトなんです。ここにもう一本線を入れれば10位くらいに入ります」
「これは巧いですが、一般の人にはウケません」
「これは7位くらいに入るんじゃないですか」
即決ですね。いやはやさすが。水木大先生に20へぇですね。
小説部門がすこし寂しかったですが、奨励賞なども含めて無事に決定。



怪しい選考会



その3)怪忘年会
そのまんま、某店に移動、毎年恒例の怪忘年会に突入。
水木大(おお)先生、荒俣大(だい)先生にくわえ、多田巨先生、村上札先生が合流。
唐沢さんご夫妻にも再登場をお願いして、鍋を喰ったわけです。
毎年怪しい感じのメンツですが。まあ怪忘年会だけにしかたがない。和気あいあいと怪しいというのも不思議。
今年は水木先生のお祝い事などもありましたし、めでたくも怪しいということで。
爆笑のうちに終了。



怪しい忘年会



その4)怪カラオケ
二次会があるんですね。これも恒例。
一次会に来られなかった人や、スタッフなんかも呼びまして。
水木展で大忙しの巨人Uさんや、妖怪会議の販売スタッフの人なんかと、まあ、いわゆる無礼講。

その5)怪編集者と三次会
翌日イベントの準備のため、二次会を早めに切り上げて、ボクは編集者数名と何故か三次会。つうか時間的に帰宅している余裕がとれなくて。うーん。

その6)怪餅つき
何故かというと、翌日は午前中から妖怪仲間の餅つき大会が(笑)。
場所は深大寺、「鬼太郎茶屋」。いや、大勢集りました。



怪しい餅つき



で、なんと水木御大もいらっしゃいまして、お餅ついてくれました。
参加者一同これには感激(笑)。
お孫さんもいらしてまして、微笑ましい爺孫パフォーマンスも。
参加者一同さらに感激。
いや、年の締めくくりには最高の贈り物でした。餅も美味かったし。
水木大先生、遊んでくださいましてありがとうございました。



怪しい人たち



って、考えてみればボクは丸二日間、不眠不休で過ごしたのでした。
馬鹿だなあ。
怒濤の怪づくしでありました。

◆へぇ。
でもって「へぇ」ボタンをいただきました(笑)。
もちろん荒俣大先生からいただいたわけです。で、もちろんすぐに鳴らすわけです。鳴らさいでか。
と。
なんと、どこからともなく現れたのはウチのネコども。
ウチにはメフィストに登場したネコ(♀)の他にもう1匹ネコが増えていまして(これがなんと加門七海さんが命を救ったというネコ!♂)、その二匹が並ん座ってでへぇボタンにくぎ付け。
「へぇへぇへぇ」
「なーなーなー」
と、妙に反応する(笑)。
オスのほうは普段あまり鳴かないんですがねー。
「へぇへぇ」
「ぴゃあぴゃあ」
笑えます。おかしかったです。
荒俣先生、ありがとうございました。家宝にします。

◆で。
今年ももう終わりですね。おあとがよろしいようで。
よいお年を。

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■先週の話題写真館

◆タイ・バンコク"ゴルフビル"でのサイン会

詳細は前135号「燃えよ山椒大夫」をご覧くださいませ。


タイでサイン


いやホント、周りはゴルフショップだらけ・・・(笑)

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■編集者Sのウラ情報

 今年も「大極宮」をご覧いただきありがとうございました。出版界は相変わらず単行本なんかは前年割れと厳しい状況が続いているようです。だからといって明るい兆しがないわけではありませんが。来年に期待ですね。
 で年が明けると早々から「大極宮フェア2004」がスタートします。参加書店も昨年の300書店から1000書店にパワーアップ。プレゼントとかいろいろ仕掛けもあります。詳細は次回更新で。では皆さん良いお年を。(有馬にウイン全財産、S)

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■まるひの秘書ヒショバナシ

 さっそくですが、例のアレからいってみましょう。
 孔子に兼行。
 歴史の偉人シリーズも、いよいよ佳境に入ってまいりました。って、テキトーです、ハイ。(わからない方は132号からお読みくださいませね)

 ほんと毎年毎年思うことですが、師走の過ぎるスピードはトンデモナイですなあ。残りの日にちを数えながら、今さらのように青くなっている私であります。気がつけば・・・私の机まわり以外は大掃除がすんでキレイに片づいている大沢オフィス。ううう・・・12月の延長願い出したい・・・。

 今年も大極宮をご愛顧いただきありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。ぺこ。
 良いお年を〜♪

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■ノリノリ編集後記

 今年一年を振り返って…やはり競馬につきます! まず収支が黒字であったこと。そして一口出資した愛馬の活躍。こんなに競馬で楽しめた年はなかった。おそらく全国でもそんなにいないと思う。これまで十数年、毎年毎年JRAに積み立てていたお金が一気に戻ってきたような(金額的には全然少なくまだまだ赤字だが…)気さえする。
 400分の1とはいえ、出資した愛馬がケガなく調教を積みレースに出走、勝ち上がっていくさま。悲願の重賞挑戦、まさかの勝利。夢のG1出走、奇跡の栄冠…。一生競馬に携っても味わえないようなことが、たった一年で体験できたのだから。競馬に詳しい方ならこの奇跡っぷりがおわかりでしょう。
 調子に乗って今や5頭の馬主。ケガさえしていなければ、ほぼ毎週どの馬かが走ります。そうなると競馬場に足を運ぶ機会も増えるわけで。パドックで写真を撮って、ゴール前で絶叫…親バカ丸出しです。
 で、先週。ついに口取り写真にも納まることができました。勝ったウインジェネラーレや蛯名騎手と並んで。僕は黒のスーツに黒のシャツ。愛馬の枠順が2枠2番だったからなんですけどね。ちなみにネクタイは大井競馬場でゲットした「帝王賞」の記念ネクタイ。筋金入りの競馬バカですな。

 でもこれほどバカになれるものがあるということは、本当にシアワセ者です。それもこれも… 三人の作家様が一年間無事に仕事をこなしてくださったおかげ。たくさんの方々が本やグッズを買ってくださったおかげなのです。心より感謝いたします。みなさま、来年もどうかよろしくお願いいたします。私も「大極宮」に今以上に尽くすつもりでございます。
 それでは、よいお年をお迎えくださいませ。

…と、締めかけたところでもうひとつ競馬ネタを。

 いよいよ今年最後の競馬ウイーク。我が「ウイン」勢からは7頭が出走予定。中でも注目はウインプログレス。土曜の朝一番に阪神競馬場で走ります。騎手は前人未到の大記録、年間200勝がかかっている武豊。
スポーツニュースで取り上げられるかも。勝ってくれたら大沢オフィスの忘年会も盛り上がるのになあ。
ドンペリニヨンで祝杯か!?
 それと、プログレスの先輩達も大レースに挑みます。まずは土曜日にウインマーベラス。「中山大障害」という障害G1レースに出走。勝てば間違いなく障害部門の年度代表馬。4100メートルを5分ちかくかけて走るタフなレース。勝ってサンデーサイレンス産駒に新たな栄冠を!
 そしてそして有馬記念に「ウイン」の総大将ウインブレイズが出走決定。これはもう名誉。年齢的にも最初で最後の有馬記念出走でしょう。ローカル開催の重賞でつけた底力を発揮し、人気馬たちを蹴散らしてくれ。まあ、人気実力とも下の方だと思うけど…今年最後のサプライズを期待する!!!
(日曜は中山、月曜は大井、火曜は京王閣…ノリ)

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■アンケートから はスタッフのコメントです)

豆本

◆<まるひ様に緊急のお尋ね>
 本屋さんで「豆腐小僧」発見。でも、おまけの「薬味」がついてないんです。レジで聞いて「はっ?」と言われても悲しいので、どうすれば頂けるのか教えて下さい。
べつに、薬味が欲しくて本を買うわけではない・・・はず・・・???

えーと、豆本は本を買ったときにオマケでついてくるのではなくてですね・・・本についている応募券と応募用紙(と500円ぶんの切手)を送って入手するものなのです。詳細は本の帯に書いてあるので、ご覧くださいませね。(まるひ)

◆初めまして!京極センセの豆腐小僧買わせていただきました!珍妙なサイズが面白いです。おっきなお豆腐。しかしまだ読めてなかったり…(苦笑)
それでお尋ねしたいんですが、「応募用紙」はコピーしても大丈夫なんでしょうか・・・?応募券はコピー不可とありますが、用紙については明記されていないので。
できれば、用紙はコピーにして欲しいです。帯は、何とか、痛いですが切ります。ですが中身の応募用紙は切ったら叫んでしまいます。ぎゃーって。豆本をとるか、本を傷つけるか、今悩んでいるのでお答えお願いいたします。

お気持ちはよおくわかります・・・。ので、帯に記されている問い合わせ先にきいてみていただけますか。こちらでお答えできるのはココマデなんです・・・。(まるひ)

◆いつも楽しく拝見させていただいております。ところで京極先生の妖怪豆本っていつ頃送られてくるのでしょうか?12月以降って書いてありましたけど12月もそろそろ終わりだし・・・。???

『姑獲鳥の夏』のオマケ豆本『川赤子』ですよね。本日(2003/12/26)オフィスに見本が送られてきましたので、近々届くと思いますよー。(まるひ)

かに

◆かに道楽のカニは少なくともタラバガニではないと思いますよ。
タラバガニの見分け方は簡単で、足の数を数えればいいのです。ふつうのカニは足が8本プラスツメが2本で合計10本、タラバは2本足が少ないです。タラバガニは、実はカニの仲間ではなくて、ヤドカリの仲間なので、足の数が違うのです。(他多数)

スタッフ一同、勉強させていただきました! 皆さま、ありがとうございます!(まるひ)

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