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 第131号へ 第132号 2003.11.28 第133号へ 
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▼山椒大夫 ▼安寿 ▼厨子王

▼編集者S ▼まるひ ▼ノリノリ ▼アンケートから

■HEADLINE RUMORS 〜 風のウワサ


◆編集者S、厨子王からメールでPDFファイルを受け取ろうとするも、うまく出来ずに四苦八苦。

 
■燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー

◆旅行
3連休、家族で三重県伊勢神宮と愛知県知多半島の内海に行ってきた。
商店街好きのオイラとしては、ぜひ一度行ってみたいと思っていた伊勢の「おかげ横丁」。なかなか味がある通り。
そこで食べた伊勢うどんは、麺がぶかぶかにやわらかく真っ黒なタレがかかっていた。しかし見た目ほど辛くなく、ダシが効いてて気にいった。
内海は小学生の頃、さんざん海水浴に行ったところ。
35〜40年ぐらい前の記憶をたどりながら行ったのだが、まったく変わっていた。かつての記憶と重なるものが何もなく、ある意味寂しく感じた。
当時、ここへ来る2泊3日の海水浴が夏の最大イベントだっただけに、海水浴場へつづく松の並木道までなくなっていると…。昔は盛んだったが、今は夏の海水浴客も減り海の家も出ないと、旅館の人も言っていた。
以前にも述べたが、最近は海水浴そのものに人気がないらしい。子供は砂浜で遊ぶのを嫌がり、親は車が汚れるのを嫌がる。なんだか悲しいなあ。俺なんか自分も海水浴好きだし、家族も好きだから毎年必ず行く。
車が汚れるなんて言いやがる親は情けないぞ。

◆タダメシ
安寿に鍋をご馳走になった。本来は安寿が朗読会の慰労をかねてスタッフを招いた食事会だったのだが…わたくし山椒大夫もちゃっかりそこに潜りこんでタダメシにありついた。新橋演舞場のそばにある店。ちゃんこ鍋はなかなか美味しかったぞ。

その後は、お決まりのカラオケ大会。
そこで安寿の歌を聴いてて気づいた事がある。彼女がとにかく歌が上手いのは誰もが認めることなのだが、聴いている者を心地良くさせる声質に2つの特長。
母性を感じさせる包み込むような歌声と、逆にすごく若々しい幼さを感じさせる少女のような歌声。
彼女は曲によってそれを使い分けている。よくよく考えてみると、それは女性の…言ってみれば輝ける二つの時代。その間に挟まっている…なんというか女性の怖い部分"おんな"の意地とか恨みとか、そういうものを感じさせる声がない。これはやっぱりズルイのではないか!?
安寿の"おんな"を感じさせる歌声というのは、どこにあるのかとふと思ったりして…。
少女とお母さんしか演じない安寿をエサに、朗読会の演目「チヨ子」を思い出し、これもあざといのではないかとふと思いつつも、いつか安寿の歌のCDを出して稼ぎまくってやると、ドス黒い野望を胸に抱いた一夜であった。

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■安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー

◆ゲーム女の生きる道
 さて、「SEGA AGES 2500」とは。
 セガのかつての名作ゲームをPS2に移植し、手ごろな価格で提供しますという嬉しい企画なんですね。キャッチフレーズは「心の名作2,500円」。
 宮部がココロをくすぐられているのは「ファンタシースター」であります。
「ファンタシースター オンライン」の評判や噂はたくさん聞いておりましたが、その大元のゲームに触れたことはありませんでした。「16年の歳月を経て、あの歴史的な名作が今甦る」というパッケージ・コピーを見るだけでワクワク。「サモンナイト3」が何とかなったら次にプレイしよーっと、と思っていたら、うちらの山椒大夫が先にプレイしておられました。
「あるところまで行って、詰まっちゃってさ」
 で、どうしたかというと、竹崎さんに連絡し、竹崎さんから移植を手がけた担当者さんに直に問い合せてもらったそうです。
 殿様プレイぢゃ。
 というわけで、宮部がもし同じところで詰まっても、もう安心なんですね。

 ところで今週はもうひとつ話題が。 PS2の新作ゲーム「SIREN」。サイレンね。
見ました? あのCM。怖かったですねぇ〜、おぞましかったですねぇ〜。放送中止になっちゃいましたねぇ〜。無理もないですねぇ〜。
 いつもゲームをたくさん送ってくれるS社のN村さんに、「プレイしましたか?」と問われ、「まだだけど、攻略本は読みました」という宮部。これならいつものことなのですが(何しろプレイしない攻略本でもばんばん読むからな)。
 しかし、ね。
 攻略本を読んでも、ストーリーがさっぱりわからんのだ。
 誰が主人公なのかもわからん。老若男女、大勢出てくるんだけど。
 350冊以上の攻略本を読破してきましたが、こんなことは初めてだぞ。
 わかったことは、ヘンテコな赤い水のせいで、村のヒトたちがゾンビになっちゃったということだけ。
 ゲームとしては、あれかな、「バイオハザード」と「サイレントヒル」を足して、「零(ゼロ)」をトッピングしたような感じかな。
 もしかするとこのゲームの開発者は、小野不由美さんの傑作『屍鬼』からヒントを得たのかもしれない。だけどね、『屍鬼』が怖いのは、"起き上がり"になった外場の村人たちが、怪物になってなお、人間だったころの欲望とか怒りとかコンプレックスとかをそのまま抱えていること、そして、他の人びとに恐れられる怪物になったという立場を利用して、自分の自尊心を満足させたり、気にいらない奴をやっつけたり、片思いの相手をとりこんだりしようとする、心の動きがあるからなんですね。
 ですから『屍鬼』は、極上のホラーであると同時に、寓話としても読めるわけです。ある人が"起き上がり"になる、外場のなかで"起き上がり"の支配が優勢になるということは、たとえばファシズムの広がりとか、ある宗教の原理主義的な活動とかと、置き換えて考えることもできる。人間の世の中のなかに、折々、不幸にもできあがってしまうことのある"恐怖による支配と被支配"の有り様を、隅々まで活写した作品だとも言えるのです。
 初読のときは、物語の面白さに夢中になって、そこまで考えることできないのですが、二読、三読するとそんなことも思ってしまうのです。
 で、「サイレン」を脇に置いて、また『屍鬼』を読み直しているのですよ。

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■さまよう厨子王 〜 京極夏彦のコーナー

◆シンポジウム。
に参加してきました。京都の佛教大学・文学部再編記念シンポジウム。
タイトルは「見えない世界の覗き方〜文化としての怪異」でした。
基調講演が私と、小松和彦教授(国際日本文化研究センター)。
コメンテーターとして文学部の有田先生、斉藤先生、山極先生が参加、八木透教授がコーディネイターを務めてくださいました。
みなさん真面目に聴講してくださいましてありがとうございました。
「見えない世界は覗いても見えません、見えないんですから」とか、そういう話ですいませんでした(笑)。

◆知恩院。
を案内していただきました。シンポジウムの翌日。
いや、良い目の保養をいたしました。
案内してくださった松永先生、原口さん、ありがとうございました。
つうか同行したオフィスのO塚君がことのほか喜んでいたのが意外といえば意外。
寺巡りは良いものでしょ。

◆妖怪大戦争。
のキャラクターチェックなどを。
妖怪キャスティング担当(笑)のボクの意見が、果たしてどこまで通るのか。
でもって「怪大賞」やら「うんすん」やら。
そんなこんなで今年も終わりだなと。

◆『後巷説』『豆腐』そして『魍魎』。
矢継ぎ早に終了しました。でもって書き下ろしモードですね。
休む暇はくれないそうです。酷いなあ角○書店。
発売日その他はトップにあると思います(実は知らない)。

◆怪異本。
東アジア恠異学会編の『怪異学の技法』(臨川書店)が完成。
ぜひご一読を。

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■編集者Sのウラ情報

 あと一月ですか。早いもんですね。年賀状買いました? わたしゃそんなもんより、年末ジャンボです。
 買うといったら、厨子王の新刊が二週続けてでます。両方ともハードカバー、ファンの方すみませんね。でも間違いなく年末年始が楽しく過ごせると思いますでので、ぜひ買って読んでくださいね。
 そろそろコタツでみかん、それでもって読書という季節になってきております。読書の秋もいいけれど、寒い冬こそ「コタツで読書キャンペーン」をと強く思う今日このごろです。(クリューガーはどうしたノリ、S)

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■まるひの秘書ヒショバナシ

来週はもう12月ですか。早いですねえ、オソロシイですねえ。
そろそろ忘年会の構想なども練り始めなければなりません。
ああ、そういえば昨年は安寿のおごりの"超高級中国料理"でしたなあ。(バックナンバー88号に詳細レポートあります)
アレに対抗するには・・・って別に対抗しなくていいんだけど・・・六本木ヒルズかしらん、オフィスから近いしねーなどと、ツラツラと考えております。ますが・・・、天むすやカツサンドしか買いに行ったことがない私には、店がよくわからんです。うははは。
料理が美味いこと、店の雰囲気がいいこと(オシャレという意味ではなく)、そして作家・スタッフ一同を収容できる個室があることが大事なポイントなんですけど。この三点をクリアできる店が見つかりますようにー。

いきなりですが、厨子王から毎週更新日に届く原稿メールの件名の変遷が、ちょっと面白いのでご紹介。
更新原稿」→「更新太郎」→「こうしん太郎」→「高信太郎」ときまして、今週は「香辛料」でした。次は何がくるんだろうとヒソカな楽しみになりつつあります。

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■ノリノリ編集後記

NHKでヤンキースの松井の特番を観た。カッコ良いと再認識。いつかヤンキースタジアムでナマ観戦したい。
一方ボクらの草野球。最終戦が雨で流れて今シーズン終了。
個人的には打率3割をキープして、近年になく充実していた。がっ…チームの成績はヒドイ。かつては年間勝率7割8割を超えていたのに、今年は5割をきっている。
対戦相手は今までと同じだけにショック。6チームで争うリーグ戦も5位。来年はせめてAクラス確保! むずかしそうだが…。
(元幕内力士セントルイス出身"戦闘竜(セントリュウ)" 引退。お疲れさまでした…ノリ)

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■アンケートから はスタッフのコメントです)

◆毎週楽しみにしています。
11月21日の更新分のQ&Aの京極さんのところQ53〜57、70〜73がそれぞれAがQになっています。
間違いを見つけられてやっとりっぱな大極宮の読者になった気分です。
3人とも・・いや編集の方ともども大好きです。

◆あの〜Q&Aの京極先生の欄、Part3からPart4へ直接行けないのは(フレームのボタンを押すしかないのは)、更新されたばかりだからでしょうか? 4から3へは戻れるのに〜。

うきゃあああ、なんてこったい! と焦りつつ修正いたしました。ううう、私だってわざと間違えようとしてるわけじゃないんですけどね・・・。どうしてこんなにマヌケなんでございましょうかね・・・、ううう(;;)。マヌケミスのご指摘、いつもいつも助かっております。ありがとうございますう〜。(まるひ)

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