週刊大極宮

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- 第409号 - 2009/8/07
HEADLINE RUMORS 〜 風のウワサ  
  • 満員御礼
 大極宮トークショーにご来場いただいた皆様ありがとうございました!

三人そろって
  • 夏休み
 スタッフの夏休みのため、次号の更新は8月21日(金)になります。よろしくお願いいたします。

夏休み

過去の大極宮へ
燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー  
  • 小倉
“松本清張生誕100年記念「大極宮トークショー〜松本清張とミステリー〜」”に行ってまいりました。
 オイラは安寿と厨子王よりも一日早く福岡入りし、昼はゴルフ、夜は中洲の屋台で明太子のてんぷらなどを食べたりして、一日余分に楽しんだのです。
 その初日にまず嬉しく感じたのは、ビールがキンキンに冷やしてあったこと。
 どこの店でも、ビールがとにかくよく冷えていた。それは屋台であろうと普通の店舗であろうとかわりがない。なにかこう…ビールを冷やすことに対する九州人というか福岡県民の気合いみたいなものが伝わってきて、とても嬉しかった。
 ビール好きってほどでもないけど…やっぱり夏の時季は、どうせ飲むならキンキンに冷えたビール! 福岡で飲むビールは、格別に美味しい印象が残りました。

 そして、トークショー。
 我々は三人三様で清張さんへの想いがあるわけで…そのあたりをちゃっちゃと打ち合わせして本番に突入。
 お客様がたいへんあたたかく迎えてくださり、笑いの出やすい雰囲気に包まれて、ひじょうにやりやすい…終始なごやかに楽しく話すことができました。

トークショー

 途中、30分ほどもうけた質問コーナーのときは(オイラが司会役となって手をあげたお客様を指名する)、あてる人あてる人がみんな小説家志望でビックリ。もしかして、ここに来ている人の半分ぐらいは小説家志望なのではないだろうかと思えたほど。
 ともかく盛りあがったイベントとなりました。関係者の皆さま、お疲れさまでした。そしてお世話になりました。

 で、また食べることに話をもどすと…福岡は食べ物が美味しい。
 前夜祭として集まった、某有名水たき屋さんのコースの値段を聞いて驚き。一人三千円もしないコースなのにお腹いっぱい。ひっくり返るほどの量がでてきました。
 イベントの後に行った長浜の屋台ラーメンも、一杯400円という良心的な値段と味にまたもやビックリ。

 もし東京近辺以外に住むのなら…大都市として福岡というのは、ひじょうにオイラの中では高い候補地になる気がします。
 それになんといっても中洲のおねえちゃんたちは、みんなオイラ好みのチョイきつめの顔立ちで…美脚ときてる。今回は大人数だったので、そういうお店に足を踏み入れる機会がなかったのだが、街を歩きながら視線を奪われることが多々ありました。捲土重来を期したいと思います。

 さて、この週末からは…例によって民宿のオヤジとなります。
 10日間ほど勝浦でお客さんをさばくわけですが、今年の夏は天候不順でそのあたりが若干不安。予報では週末から関東地方も夏空が広がると言っていますが、ズルズル曇りの日が続くのではないかと嫌な予感も…。
 もしそうであれば、そんな年は9月に入ってから夏のような天気になるので、そのときはもう一度ダイエット合宿に行こうかなと思ったりして。

 では皆さま、良い夏休みをお過ごしください。
安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー  
  • ゲーム女の生きる道
 小倉での大極宮トークショーは、大勢のお客様が来てくださって楽しかったです。
 どうもありがとうございました。

大極宮トークショー
arrow 厨子王の逆襲 〜 京極夏彦のコーナー  
  • ◎前回までのあらすじ◎
 毎年、夏になるとえらいことになるお化け馬鹿だが、今年は佐賀で土の話をしたり犬に会ったり佐倉で絵巻を見たり尼崎で怪異な可能性だったり京都で開校式だったりしたのだった。さて、今週は……。

旅情編
  • ◎今週の第一話◎
高尾山天狗サミット編

 第二回高尾山天狗サミットが開催されました。
 全日本妖怪推進委員会からは村上健司くん、編集長郡司、そして僕が参加。村上くんと僕はTくんの運転で朝も早よから高尾山にGO。
 とはいえ車で山頂までは行けません。ケーブルカー改札付近で編集長や年寄・梅沢さん、お手伝いの角川Tさん、店長隊長艇長などなどと合流。今回は「お化け大学」出張講座も兼ねておりまして、参加化け大生はポイントがたまるのだとか。
 ケーブルカーを降りますと、そこは澄んだ空気の清浄な山。下界は薄曇りで蒸していたようですが、むしろ涼しくさえあり。昨年はかんかん照りで相当暑かったらしく、薄着で臨んだ人は寒かった模様。僕にはあまりわからないわけですが。気温は。
 ミシュラン三つ星だけあって、登山系の方から観光系の方、ビアマウント目当ての方などなど、人出もかなりのものでございました。

 で、まずは村上くんの「天狗入門講座」。昨年に引き続き、天狗好きなら一度は聞いておきたい基礎知識であります。
 基本ではありますが、本年はこの一年間のフィールドワークの成果が加わり、ぐっとバージョンアップしておりました。

天狗入門講座

 村上くんは先日、修験の修業も体験してるわけで、報告も迫真なのであります。修業の際に抱いたという「テング、スゲー」という生の感想は、体験者でなくては出てこないもんであります、はい。

 で。
 柳家さん喬師匠による落語『天狗裁き』、サミット参加者一同の諸願成就を祈願する御護摩儀式が行われまして、ラストは怪ラヂヲユニットによります「天狗を語る」。
 語りました。

語りました。

 いや、天狗は短い時間で語り尽せるようなものではありませんし、それぞれ専門の分野というのもございます。我ら妖怪馬鹿は「お化け」的切り口で語るしかないわけで。
 コスチューム、持ち道具、キャラの特徴なんかを糸口にしてお話をさせていただきました。
 会場には編集Rや五所川原乱子さん、中公N、工作員O、そしてなぜか田辺青蛙さんがいたり。
 そのうえ、荻原規子さんまで。なにげに豪華なギャラリーでした。
 お目当ての天狗焼きが売り切れで中公Nと松野くらさんが悔しがったり泣いたり吠えたりしていたことは公然の秘密。そんなに喰いたかったのかい。

 終了後は某所の温泉で汗を流して今後の打ち合せ。
 だって。
  • ◎今週の第二話◎
松本清張生誕100周年編

 気がつくと飛行機に乗って博多にいた僕。
 安寿姫も一緒のはずがどういうわけか別便になってしまったり、先に現地に乗り込んでいた大夫が待ち受けていたりしたことも公然の秘密です。
 で、大勢の編集者がジャンケンの魔力に次々と沈没し、トルネードのようなものにいろいろ巻き上げられたことも、まあ秘密です(わからんでしょうが)。
 一夜明けてわずかなスキマにO塚くんと映画を観たことも、とりあえずは秘密です(裏に書いてありますが)。

 で、そろって小倉に移動。久しぶりに松本清張記念館に。

松本清張記念館

 それ以前に、三人揃って地方に行くのが久しぶり。もっというなら「大極宮トークショー」などという企画そのものが、実は初めてなのでした。
 それにしても松本清張記念館は見ごたえがあります。リピーターでも十分に愉しめます。
 企画展も充実。太宰治、埴谷雄高、中島敦、大岡昇平、松本清張が同年代(1909年生まれ)だったということも、これまで意識してはいなかったように思います。
 この五人のナマの資料が一同に会しているというだけで、なんだかエキサイティングな気持ちになるではありませんか。

 で。
 北九州芸術劇場に移動しまして、いよいよトークショー。
 詳しくは↑でお二方が書かれているでしょうから繰り返しません。
 ちなみに、僕が出発前の深夜から早朝にかけて映像化された松本清張作品についてごちゃごちゃと調べて数を数えたりリストにしたりしていたことは、まああまり秘密ではありません。しかし多かったなあ。テレビ化。
 多いといえば、来てくださった方々の数も多かったです。千二百人はなかなか圧巻。ご来場、心より感謝いたします。

トークショー

 気配りの行き届いた演出をしてくださったスタッフの皆さん、ありがとうございました。

 で。
 再び博多に戻り、更に増殖している編集の方々とともに慰労会。と、いっても終わったのが九時過ぎですからね。
 ラーメンとうどんに分かれて、飽き足らず合流してギョーザ。大丈夫なのかみんな。これでいいのかみんな。
 ゴマサバが売り切れていただけで相当に落ち込んで放心していた某社Gさん(女子)。そんなに喰いたかったのかい。

 終了したのが何時だったのか憶えてませんが、僕とO塚くんとTくんはさっさとホテルに。
 朝が早いわけです。なのにホテルと逆方向に僕をいざなう酔っ払ったTくんのほがらかな間違いぶりが一部に笑いをさそっていたことは秘密です。
 一夜明けて。

  • ◎今週の第三話◎

    • お化け大学校特別講義編

       新幹線で京都入りした僕ら。同行は角川Tさん。
       待ち受けるのは編集長郡司。そして年寄・梅沢。工作員O。
       東映太秦映画村のお化け大学京都キャンパスで、特別講義があったわけです。
       しかし、僕は直接映画村には入らず、眼科に直行。メメクラゲに刺されて「イシャはどこだ」「なんだ眼医者ばかりではないか」というネジ式的な話ではなく、何故か前日から左眼が血を吸う前のクリストファー・リーのように真っ赤になっちゃって全然治らなくなっちゃったためでありました。
       千二百人の巨大なハコですと、まあ眼が赤くてもそう気にならないかと思われましたが、本日の特別講義は手を伸ばせば触れるほどの至近距離。限定抽選でお客様も少数。真っ赤っかじゃまずかろうと。
       何だか痛かったですしね(痛みにも鈍感)。
       診察していただきましたが、「福岡からまっすぐ京都の医院を訪れた埼玉の患者」ですからね。原因は「よくわからない」、しかし「簡単には治らない」という結果に。
       しかたなく赤目で臨むことにいたしました。特別講義。

       お題は「妖怪で遊ぶ・水木しげるに学ぶ」。
       お化け大学校生としての基本的な姿勢を水木先生に学び、お化けに親しみお化けと遊ぶ快適な人生を送りましょうという、「お化けライフの勧め」初級講座であります。
       一時間半、べったりとしゃべらせていただきました。

      「お化けライフの勧め」初級講座

       前日の大人数も初めてに近かったわけですが、一転してこんな少人数も初めて。フレンドリーな感じでいこうと思っていたのですが、みなさんかなり真剣な面持ちで、熱心に聞いてくださいました。
       ありがとうございました。

      みなさん熱心に聞いてくださいました

       抽選に漏れてしまった方も多くいらしたようですし、一方で事務的手続きの遅延から当選したのにおいでになれなかった方もいらっしゃったようですが、今後は出来る限りそうしたことがないように事務方もシステ ムの改善を心がけると申しておりました。
       そういうわけですので、今後もよろしくお願いいたします。お化け大学はまだまだ続きます。

       で、終了後、応援に来てくれた松野くらさんへの挨拶も早々に、我らは東に旅立ったのでした。

      • ◎今週の第四話◎

        • 夏を乗りきるための秘密会合編

           行き先は箱根。
           そこで多田克己さんや村上健司くんと合流。シークレットな会議が。ええ、シークレットですよ。
           編集Rも参加してくれたので、幽関係の調整などもしてみたり。箱根ですから温泉は入りましたが。
           オヤジばかりなので、オヤジらしく振る舞いましたし。
           翌日は半日ばかり実に久しぶりにのんびりして、講義がある多田さんを
           新宿で見送って、なんやかやして解散いたしました。
           長いよ今週。

           長過ぎるので、いちいちタイトル画像を作ってみました(←やめなさいよ)。

          • ◎今週の余談◎
            •  裏で話題のおみやげ、「めんべい」ですが。
               僕は最後の最後まで、O塚くんに「これは目につき過ぎるし、センスも良過ぎるから、もっとこう、ベタでダメな感じのもんの方がいいように思うんだがなあ」と言い続けていたわけですよ。
               案の定かぶっていたわけですね。うーん。あと10分余裕があればもっとナイスなのをみつけてたんだけどなあ。ちぇー。

              • ◎今週の本◎
                •  化野燐さんの人工憑霊蠱猫シリーズ『呪物館』が文庫になりました(講談社文庫)。
                   例によって妄想記述言語を作らせていただきました。天野行雄さんも大活躍されていて、特別オマケ部分も増補。解説は榎村寛之さん。

                   その化野さん、天野さんもお化け大学校では講師でございます。「化け大祭」では、そんなお二人のワークショップが行われます。詳しい告知をお待ちくださいませ。
                   では、生きていたならまた今度。
編集者Sのウラ情報  
  • 博多といえば……
 北九州小倉でのトークショーも無事終了。ご来場いただいたみなさま、ご尽力いただいたスタッフの方々ありがとうございました。
 これまでのイベントの例にもれず多くの編集者もきてくれて、水炊き、餃子、ラーメンと博多の味を満喫してまいりました。
 トークショーの直前には松本清張記念館にも寄らせていただいて、清張氏の足跡を再確認いたしました。なんといっても興味深かったのは企画展「1909年生まれの作家たち」。生まれ育った境遇もまったく異なる5人がいかにして作家となり作家として生きたのか。
 もちろん全貌とはいきませんが、その一部なりとも知ることができました。
まるひの秘書ヒショバナシ  
  • 今週の厨子王原稿メール件名
 東海道大極宮怪談
 怪談シリーズだと、大極宮がどこにきても収まりが良いような……。
  • ボーコーエンその後
 薬が効いて、今はもう、すっかりよくなりました。お見舞いのメッセージを下さった皆さま、ありがとうございますー。
 ボーコーエンは女性がかかりやすいそうです。「冷え」「疲れ」「ストレス」等が原因になる、と病院の先生がおっしゃってました。
 むむむ、「疲れ」には心当たりが! そう、川崎のアレが、どうやら今回の引き金になった模様です。時期的に考えてもそうに違いないと、先生とも見解が一致しました。無理は禁物ということですなあ。やれやれ。
 10月に行く予定の"Riot"のコンサートでは、もしゲスト(前座)があっても観ないことにします(笑)。
 エアコン冷えや夏バテなど、体に負担がかかる季節です。皆さま、とくに女性の方、ワタシみたいにならないよう、どうかご自愛くださいませねー。
ノリノリ編集後記  
  • 小倉日記
 まずはお詫びから。小倉イベント会場での物販…お客様への応対に時間がかかってしまい大変ご迷惑をおかけいたしました。誠に申し訳ございませんでした。そして、長い時間お待ちいただいたにもかかわらず、たくさんの商品をお買い上げいただき、ありがとうございました。おかげさまで、遠征費をまかなうことができました。

 というわけで…せっかくの福岡ですから、貧乏性の私はジッとしていることができず、大好きな高い所と光る物を求めていろいろ足を運びました。
 博多ポートタワーは…なんといっても入場無料に驚きです。1回しか行きませんでしたが、展望フロアには朝昼晩と一日3回行きたくなりますね。
 福岡タワーは…眼下に博多ポートタワーとは対照的な、人工的でリゾートっぽい景色が広がっています。その中のマンションが欲しくなりました。
 福岡タワーの近くにある福岡市博物館には…金印を観ることだけを目的に行き、食い入るように観たあとレプリカを買いました。今回の遠征で一番の獲物です。

レプリカ

 小倉城は…行く予定ではなかったのですが、イベント会場のホワイエから観たら我慢できなくなりまして、ダッシュで天守閣に行ってきました。
 その結果、物販の準備がおろそかになってしまい…物販開始直後はてんやわんやの接客だったわけでございます。ほんとうに失礼いたしました。
 翌日は…帰京前に、高所ではないですが太宰府天満宮まで足をのばしました。御賽銭を入れてたくさんお願い事をすることも好きなんです。
 さすがにお隣とはいえ九州国立博物館の「阿修羅展」までは行けませんでしたが…。そのかわり見慣れた方と写真を撮って帰路につきました。

見慣れた方と

 あと…博多ポートタワーに行ったときに見つけた日帰り温泉施設「波葉の湯」には、毎晩通いました。潮風が心地良い露天風呂につかると、日中歩き回った観光疲れもとれていきます。深夜一時までの営業。オススメですよ。
(中洲交番隣のパン屋さんの常連になりました…ノリ)
アンケートから  
  • マチガイ〜
◆間違い探しです。
 厨子王コーナーのうちわにサインしている写真の下、「熱い中」は「暑い中」ですよね。
 それとも、お化け大学校開校式の熱気を伝えるために、あえて「熱」を使ったのでしょうか。

◆いつも更新を心待ちにしています。
 今、気がつきましたが、「まるひの秘書ヒショバナシ」の、サブタイトルの「今週の厨子王原稿メール件名」がダブってますよ。

◆間違い探しと言って良いのかどうか…
 今週の週刊大極宮の、まるひさんの「今週の厨子王メール件名」が2回つながってます。
 もしかしてうちのパソコンだけ表示がおかしいのでしょうか?

◆誤字脱字という訳ではございませんが、408号の厨子王の逆襲の、今週の新刊・一行目、『夏場』の夏と場の間に妙なスペースが。これもぴよぴよ様の祟り!?

・皆さま、ご指摘ありがとうございます〜! ワタシがボーコーエンでのたうちまわっている間に、ノリノリがこっそり直してくれた模様です。(まるひ)

裏大極宮へ

- 第409号 -
2009/8/07