週刊大極宮バックナンバー

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- 第364号 - 2008/09/12
HEADLINE RUMORS 〜 風のウワサ
  • かわいそうに
 取材旅行先のタイでお腹をこわし、オイシイモノがあんまり食べられなかったらしい、かわいそうな山椒大夫。

過去の大極宮へ
燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー  
  • タイ
 行ってまいりました。非常事態宣言が出ているということで、トラブルのようなものがあるのかな…と思っていたのですが、現実にはトラブルらしいトラブルはありませんでした。
 ただ…
 ここ5、6年の間でいちばんひどい交通渋滞がバンコク市内でおこっていて、とくに夕方になると西に向かう道路がまったくと言っていいぐらい動かなくなりました。
 西地区というのは王宮や、官邸などのいわゆる官庁街もあって、そこで検問を行っているというのが渋滞の原因らしいのです。
 いずれにしても高速道路や一般道も含めて、まったく動かなくなる渋滞。その結果、いろいろなスケジュールが狂ってしまい、今回予定していた“ちょっと危ない場所”への取材はできなくなったわけであります。

 街の雰囲気はというと…たとえば屋台などは通常どおり出ているし、若干人通りが少ないかなと思うことはあってもこれは雨季で夕立があったりするのが理由のような気もします。
 飛行機は意外に空いていて、非常事態宣言を受けてキャンセルした観光客の人がいたのかもしれません。

 滞在中は雨季の終りということで、午前中から昼過ぎまでは天気がいいのだけれど、だいたい午後3時を過ぎると雲が出てきて雷が光り始める。
 ゴルフをやっていると、上がり3ホールはいつも雷雲と競争という展開でした。ゴルフ自体の調子は悪くなく、バンコク在住の弟分H氏からたんまりとチョコレートバーツをせしめることができました。10月に彼がタイの仲間を引き連れて勝浦に勝負にやってくるのですが、それを迎え撃つべく、こちらも油断をせずに待ちたいと思います。
 
  • 発見!
 先に述べた交通渋滞のなか…幹線道路と細い通りが交わる交差点で発見した現象がある。
 車に乗って細い通りから幹線道路の交通量を見ていると、交差点脇に建っている交番の中からお巡りさんが信号を操作している姿が見えた。これをK川書店のS戸氏が計測したところ…幹線道路の青信号が11分間に対して、交差する我々の細い道の青信号はなんと1分。なぜこんなに信号がいつまでも替わらないのかと思っていたらそういうことでありました。
 その信号で幹線道路に出るために3回待った結果、30分以上そこで立ち往生することになったのです。
 この臨機応変というかアバウトというか…ある部分タイらしいなぁと思ったしだい。たしかに交通量の多い幹線道路の青信号を優先させるのは、理にかなっているんだけども…。
 しかし、11:1という比率はさすがにすごい。ちょっとやりすぎじゃないかと思ったりして。幹線道路側は直進から右折信号に変わり、また直進信号に戻って右折信号…直進右折の繰り返し。
 ようやく赤信号になってこちらが青信号になるのは11分後…。
 その間、こちら側は誰も怒ることも警笛を鳴らすこともなく、「そういうものだ」と待っているのです。

 昔のバンコクの渋滞は有名で、いまから20年以上前に行ったときはすごかった。その後は高速道路も整備され、BTSという公共交通機関もできたりしてずいぶん改善されたのに…。
 今回はいわゆる日本のバブル期に見られた週末の国道246みたいな感じ。見える範囲全部の道路が、車で埋まっている状態。経済発展をともなう渋滞とはちょっと違っていて…尋常じゃない交通渋滞でした。むしろ25年ぐらい前に行ったときよりもひどい。
 今年の3月に行ったときとは状況がまるで違った。まあ、政治的混乱はしばらく決着がつきそうにないので、この渋滞もまだまだ続くのだろう…。
安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー  
  • このところゲームしてないゲーム女の日常
 全米オープンテニスも終了してしまい、虚脱しております(=_=)。
 錦織選手、カッコよかったですね〜!!! フェレール戦は生中継で観戦していて、勝った瞬間には思わず大拍手してしまいました。
 格下の選手に敗北したフェレール選手の記者会見での受け答えも爽やかでした。さすがはラファの兄貴分だと、こちらもさらにファンになりました♪
 女子では、イワノビッチ選手がちょっと心配(-_-;)。早く元気になってほしいです。
arrow 厨子王の逆襲 〜 京極夏彦のコーナー  
  • ◎おしらせ◎
 ええと。
 僕のデビュー作である『姑獲鳥の夏』から始まります、「百鬼夜行シリーズ」あるいは「妖怪シリーズ」、時に「京極堂シリーズ」などと呼ばれております、講談社ノベルスのシリーズがあります。
 現在、13タイトルが発売されております。
 デビュー時に、「年に最低一冊、十年は続けてください」といわれまして、お約束させていただきました。
 三作目の『狂骨の夢』まではほぼ四箇月おき、他社のお仕事を始めた『鉄鼠の檻』以降は徐々に間隔をあけ、とりあえず13年で13冊刊行させていただきました。
 均せばなんとか年一ペース死守(笑)。

 で。
 十年以上経ちますと、おおよそ時代もひと変わりいたします。講談社ノベルスのスタッフも、完全に入れ替わりました。
 そんなわけで、しばらく前から、新生講談社ノベルスの、今の読者のニーズに見合った展望や戦略に沿う、新しいシリーズの立ち上げを検討しましょうと、実は再三申し上げておりまして。
 作品は変わりませんが、レーベルのカラーは変わっているはず。
 新しい読者に既存作を読んでいただけるよう努力することももちろん大事なことですが、レーベルの持っている機能、果たさなければいけない役割というのはやはりあるわけで。
 講談社ノベルスにはいつも先っぽでいて欲しいという気持ちもありましたし。

 そんな中、担当のKさんが雑誌に異動されまして、そちらはそちらで違う作品の企画が。そうなると連作短編『百鬼夜行 陽』の続きはどうしよう、ということにも。二本立というのも変ですし。
 というか、全部了解しちゃうと講談社の仕事ばっかりになっちゃいますし。

 そこで、最初の担当のK文庫部長、前担当のKさん、新担当のKくん(う。Kばかりだなあ)、新部長のJさん(あ、『メフィスト』の座談会用イニシアルに合わせた方がわかりやすいかもしれない……と、いま思いましたが面倒なので直しません。意味のわからない方は『メフィスト』をご購読ください)と相談をさせていただきまして。

 講談社ノベルスでもやはり新しい企画を模索しよう、ということになりました。

 これに伴いまして、いろいろと決定事項がございまして、それが「おしらせ」であります。

 まず、シリーズの次作に予定されております『鵺の碑』は、講談社ノベルスからではなく、他の出版社から、別な形で刊行されることになります。
 また、雑誌での新企画の発動により、連作短編『百鬼夜行 陽』も同じく版元を移すことになります。
 これを受けまして、講談社ノベルスの既刊13点も、そっくり版元をお引っ越しさせていただくことになりました。
 そんなわけですから、講談社ノベルス版「百鬼夜行シリーズ」13タイトルは、現在の在庫分をもって打ち止めとなります(増刷を中止していただいた、ということです)。
 ややこしいですからね。

 以降、百鬼夜行シリーズの続刊も引っ越し先が版元となります。既刊本の扱いに関しましては、新版元の意向を汲みつつ、検討して行くつもりでおります。

 幸い、13冊目の『邪魅の雫』を除いて、文庫版・分冊文庫版が講談社文庫よりすでに刊行されておりまして、こちらはそのまま継続して販売されます。そういう状況ですから、『邪魅の雫』だけは多少手に入れにくくなるかもしれません。
 ただ、『邪魅の雫』も来年には文庫版・分冊文庫版が発売される予定ですので、もし「欲しいぞ」という方がいらっしゃいましたら、もう少々お待ちくださいませ。

 今後の講談社ノベルス、それから雑誌(『小説現代』ですね)に、ぜひともご期待ください。僕の登板は少し先のことになると思いますが。
 また、装いを新たにします百鬼夜行シリーズのほうも、続く予定でございますので、なにとぞご贔屓の程をお願い申し上げます。
 
  • ◎おれい◎
「怪」のサイトでも書きましたが、今年の妖怪強化月間にご参加いただきました多数の皆さまに、御礼申し上げます。
 おかげさまを持ちまして、名古屋・京都ともども、予想を上回る成果をあげることができました。ありがとうございました。

 映画村妖怪祭りで販売致しました(入札制でしたが)「京極書棚仕様本棚」のおまけである「講談社ノベルス全点セット」は、↑のような事情でけっこう貴重なものだったりします。
 これからサインをします。高額の御入札、ありがとうございました。

 さて、夏場を越しました全日本妖怪推進委員会ですが、もちろん秋にもお化けは涌くわけで。
 十年を越した『怪』も、次号から大幅なリニュウアルを計画中。推進委員会一同、鋭意活動中であります。
 秋もおばけを推し進めます。

 また来週。
編集者Sのウラ情報  
  • スタッフはつらいよ
 遅めの夏休みで行ってきたのは、先週大夫が書いてしまいましたがなにかと話題のバンコクでした。取材旅行にくっついて行って遊んでおりました。もちろん現地と連絡を取り合って問題なしと判断してでした。
 で、スタッフの反応はというと。なにかあったら体を張って大夫の盾となるようにと。アンタはケガしてもいいけど大夫になにかあったらオフィスの存亡にかかわるということで。そりゃそうなんですけどね。そこまではっきりと言わなくても。
 結果、滞在ホテルや行動範囲が座り込みの行われていた首相府から離れていたため、本当に市民を始め旅行者も普通に過ごしていました。
 今回の大夫の取材はフジサンケイビジネスアイで連載中の「ブラックチェンバー」にきっと活かされることでしょう。現時点での舞台はバンコクから東京に移っているんですけどね。
まるひの秘書ヒショバナシ  
  • 今週の厨子王原稿メール件名
 大極宮人28号
 なんか「大極宮人」から北京原人を連想してしまった私でありました。
 
  • 寿司屋でお寿司を食わないヤツ
 食わないというより、「食えなかった」んです。
 だってだってツマミがあまりに美味しくてぇぇぇ!
 ハイ、スタッフが山椒大夫にタカる「大沢会」が、9月11日、六本木の某お寿司屋さんで、にぎにぎしく開催されたのでございます。
 そこは、酒好きの私には、まるでもう天国のようなお店でした。

 お通しの出来たて生湯葉と、まるまる肥った枝豆から始まり……
 絶妙な味加減のぷちぷちイクラ醤油漬け、今年お初の松茸土瓶蒸し。
 イイ感じに脂の乗ったノドグロの塩焼きや、うそのように柔らかいタコさん煮。
 ポン酢でいただく甘〜いアイナメのお刺身、ふわっふわの自家製玉子焼き。
 厳選して仕入れたという、トロけるようなちっちゃいイカちゃん。
 などなどなど。

 そして極めつけがコレ。

天国〜

 ぴっかぴっかぴっちぴっちのカツオのお刺身と、中トロをさっと炙ってもらったもの。(ナマのマグロは嫌いなくせに、炙ったのは好き♪ というヘンな奴w)
 いや〜ん♪ お口の中が極楽浄土〜♪
 シアワセの極みっ!
 アレもコレもと頼んだおツマミでお腹いっぱいになり、お寿司の入る余裕がなくなってしまいましたマイ胃袋。

 他のメンバー、特に男性陣はパクパク食べてましたよ、旨そうなお寿司を。
 いやはや、コレは初めて見ました。
 ヨーコチャンが頼んだ「軍艦になっていない」ウニ。

ウニ

「海苔の感触がなくて、フワ〜〜〜〜♪」は、目がハートになったヨーコちゃんの感想。隣に座っていた私は、ちょっと(いや、ものすごく)悔しかったです。

 お寿司がまったく食べられなかった私と、ウニの他にちょっとは食べたけど、男性陣に比べたら少なめのオーダーだったヨーコちゃんのために
「どうせ、もう少したったらお腹空くだろうよ」
 って、ガールズチーム(←どこがガールズなんだよ!と、あらかじめ自己ツッコミ)だけに、山椒大夫がわざわざお土産の太巻きを頼んでくれました。
 そういうところ、さりげなく優しいんですよねえ、実は。(ヨイショヨイショ)

オミヤの太巻き

 丁寧にひとつずつラップに包まれたこの太巻きも、それぞれの具の味がとても上品で、しかもそれらが渾然一体のハーモニー。ビックリするほどウマカッター♪

 山椒大夫・大沢先生、ぜひまたよろしくお願いいたしますー!

(例によって食べるのに夢中で、自慢の最新携帯で撮れたのはコレだけです。わっはっは)
 
  • 『幽談』『おそろし』サイン本プレゼントの発送に関しまして
 朗読会の最終読み合わせの日程が決まりました。10月9日です。
 ので、早くて10月10日、もしくは10月14日頃の発送になります。
 まだ一か月も先ですね(汗)。
 今やってる「長い長い殺人DVDのプレゼント」のほうが、先に片付いちゃいますな。うひ。
ノリノリ編集後記  
  • 大相撲が…
 世間を騒がせております。そして、一連の報道ではかつて応援していた力士が、年寄・親方となって画面に映ることがあります。現役時代とかわらず元気でパワフルな方もいれば、別人のようになってしまった方もいます。老けた…ならまだよいのですが、病気で痛々しい姿になった方を見ると胸が痛みます。
 元横綱二代目若乃花の間垣親方…。大麻所持で逮捕、相撲協会を解雇された元若ノ鵬の親方です。車イスで謝罪する姿は見ていられません。

 私はかつて横綱になる前の大関若三杉時代に、握手をしてもらったことがあります。田舎に巡業に来たときです。力士というのは番付がぐんぐん上がって勢いがあるときがいちばんカッコいい、関脇から大関、大関から横綱を狙っているときが最高。私が若三杉に握手してもらったのは、まさに大関から横綱を狙っているときでした。当時は角界イチの美男子で人気も一番だったんじゃないでしょうか。他にも数人の幕内力士に握手やサインをしてもらいましたが、やっぱり若三杉がいちばん嬉しかったのをおぼえています。
 その若三杉…のちの若乃花、いまの間垣親方を泣かせた元若ノ鵬は許せませんね。ほんとに腹がたちます。この期におよんで訴訟まで起こすんですから。万が一、仮に復帰できても私は応援できません。

 最近は行動、言動、容姿も含めてコワい力士が多いです。大人から見てもコワいんですから、子供なんて寄ってこないでしょう。握手やサインをねだる勇気もでませんよね。大相撲の力士は幕内に限らず序の口でも、強くて優しい“おすもうさん”でなきゃねぇ。
 秋場所を前に力士、親方全員の笑顔いっぱいイメージアップポスターでも作ったらどうでしょう。さいわい協会は財政的には潤っているみたいだし。電車の中刷りにずら〜っと。北の湖親方のニッコニコ笑顔も。あっ、それはそれでまたコワいかな…。
(いつか本場所で「大極宮」懸賞を出してみたい…ノリ)
アンケートから  
  • 実は古谷徹さんしか知らなかった私…
◆アニメ『魍魎の匣』の放送日とキャストが決定になりましたが、柚木加菜子の声優さんは、戸松遥さんです。
 直しておいて下さーい。

・はーい、コッソリ直しましたー♪ ご指摘ありがとうございまっす! ぺこ。(まるひ)

裏大極宮へ

- 第364号 -
2008/09/12
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