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 第93号へ 第94号 2003.2.21 第95号へ 
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▼山椒大夫 ▼安寿 ▼厨子王

▼編集者S ▼まるひ ▼ノリノリ ▼アンケートから

■HEADLINE RUMORS 〜 風のウワサ


◆大忙しのゲーム女。このところ眼が充血しているらしい…。

 
■燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー

◆花粉戦争
ゴルフに行ったら、やっぱりきました花粉症。
天気予報がハズレて晴れたのが災い。
症状は例年と比べると変わっていて、クシャミ鼻水ではなく"眼"にきている。
かゆい。でもこの方が症状としては楽かな。
今週末のゴルフで思いっきり花粉を浴びたあとの来週が不安…。

◆いわゆる"図書館問題"
日本推理作家協会の渉外担当として東野理事と楡委員らと共に、"図書館問題"
(人気のある本を大量に購入し、より多くの人に貸し出す)について、日本図書館
協会から任意で参加した図書館員の方たちと第1回目の協議をおこなってきた。
これがなぜ問題なのかというと、売れると見込まれる本がその分売れなくなり、
著者や出版社に少なからず損害が出ているのではないかというもの。
図書館は窓口で利用者の要望に応えなければならない。
人気があって何十何百も予約が入る場合は、それに対応するため同じ本を
10冊20冊と購入する。そして何十何百と回転させて貸し出す。
地方自治体に属す図書館は予算を削減されて非常に苦しい状況のなか、
貸し出し実績をあげなくてはならない。
だが、あまりに過ぎてしまい無料貸し本屋となっているところもある。
我々著者は本を売って生計を立てている。
本を買う人が我々を食べさせている。出版社も同じだ。
もちろん何十何百という予約を入れた人全員が、借りられないからといって
その本を買ってくれるとは思えないが…。
図書館も本を買っているわけで、その購入費は税金から出ており、図書館利用者
は納税者であるから、借りている人も買っている人という言い方もできる。
しかし、一冊一冊を買ってくれる人と、図書館で借りている人の両者は同等の
読者であるのか。
お金を払ってくれる読者に対しこのままでよいのか。
推理作家協会は、図書館での閲覧用に一冊置くのは別として、複本(二冊目
以降)の購入は出版後半年待って欲しいという要望を出すことにした。
この問題、どちらが正しいとか正しくないといった判断ができないので解決は
難しい。
両者納得できるかたちで歩み寄れないものか…。
今後も時間をかけて論議していくことになりそうだ。

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■安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー

◆ゲーム女の生きる道

 祝 サムス・アラン再臨!

 全国の『メトロイド』ファンの皆さん! 元気に丸まってますかー?
 という次第で毎日『メトロイド フュージョン』に夢中であります。
大型店で品切れ続出次回入荷未定のゲームボーイ・アドバンスSPを、何ゆえ
ミヤベが入手できたのかと言えば、またまた任天堂さんからご恵送いただいた
からであります。

 感謝感激雨あられ! 感謝の大暴風雨!
意味不明ですがとにかくそれぐらい有難い!

 バックライト付で見やすい上に、充電できるから乾電池要らず。
良いことずくめだ♪
 本日は何とかして"ナイトメア"を倒す予定であります。
これまで挑むこと10数回。涙と涎(だよね、あれは)を滴らせながらふわりふわりと
漂うナイトメアに、負けて負けて負けて負けて負けて負けて負けて(この部分、
できれば鬼束ちひろさんの『キャッスル イミテーション』の感じで読んでください。
ちなみにこの曲は、『ブレス・オブ・ファイアV ドラゴンクォーター』のエンディング・
テーマだ)。
どうしてそんなに負けるかといえば、わたしはいまだにスペースジャンプが
下手クソなのだ!
『スーパーメトロイド』でも苦労したものでした。すぐ失速して落下。その繰り返し。
嗚呼、わたしのサムスよ許してちょうだい。
 ところでゲームのテーマ曲といえば、『ダーククラウド』のオープニングと
エンディングで流れる歌も素敵でしたね。歌いたい♪

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■さまよう厨子王 〜 京極夏彦のコーナー

◆こちら伝統芸能担当
妙なコーナータイトルだなあ(笑)。ワイドショーみたい。
という訳で、伝統芸能担当は文楽を観てまいりました。
桂文楽ではなく、あの、人形芝居の文楽です。

演目は『摂州合邦辻(せっしゅうがっぽうがつじ)』。
俊徳丸のお話です。涙あり、笑いあり、アクションあり、どんでんがえしあり。
義理と人情、陰謀と情愛うずまく仏教説話ネタ。
菅専助・若竹笛躬作、安永二年初演の時代物です。
大夫さんも大熱演でした。徳に「切」の竹本住大夫さん、野澤錦糸さんコンビは
流石に印象的。太棹の音も心地よく、義太夫節も絶好調でございました。
いやあ堪能しました。
休憩時間にはある方の御好意で、なんと楽屋におじゃま。
俊徳丸を操演する吉田簑太郎さんご本人に、まぢかでいろいろ解説していただき
ました。すごいことです。ありがたいです。名人です。
いや、お人形、頭と着物と手しかないのに、生きてます。泣いたり笑ったりするし。
うーん。近くで観ると余計にすごいものです。巧みです。
と、いうことで。


お三輪さんと一緒

もうすぐ桐竹勘十郎を襲名され、四月・五月に襲名公演を行われる
吉田簑太郎さんと、お人形のお三輪さん。で、私。
後ろにいるのは高安俊徳丸さん(病バージョン)です。
簑太郎さん、どうもありがとうございました。


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■編集者Sのウラ情報

今日あたりの出版界の話題はなんといっても講談社戦後初の「赤字」のニュース
でしょう。いまさらという気がしますが、でも赤字額「1600万円」って……。
他業種は億単位の損失を出しているのに。
まあそれほどこの業界の規模が小さいってことなんでしょうけど。それぐらい経理
操作でなんとかならんかったのか、という気もします。正直、といえばそうなんで
しょうけど。まあこんなに厳しいぞ、ということを社内外にアピールする意味もある
のでしょうが。
しかしまだ2月というのに暗い話ばっかり。なんか明るい話題はないのかい(S)

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■まるひの秘書ヒショバナシ

GBASP(略すと何のことだかワカランですな)第二回予約競争にもあっさり破れ、
もうあとは「3月以降になったら、生産台数が需要に追いつく」説を信じて待つしか
なくなったです。私がどれほどこの説に希望を託しているか・・・ハードもないのに
『FFタクティクス アドバンス』を注文してしまったことでわかりますね。わは。
ミヤベが夢中になっている『メトロイド フュージョン』は購入迷いちゅう・・・。
ファミコン・ディスクシステム(ふるっっ!)時代の『メトロイド』は、元気に丸まって
ちゃあんとクリアしたのに・・・。
アクション系は、年を重ねるごとに苦手になっていきますなあ・・・。
ま、今たとえ手元にGBASPがあったとしても、私、別のコトで忙しくて『FFタクティ
クス』やってる場合じゃなかったりするので、かえって良かったです。
(ウルティマオンライン"正邪の大陸"が2/19に発売されましてね。従来の仕様が
こんなにたくさんいっぺんに変更されたら、もうワケワカンナイヨ覚えられないよ
ついていけないわよ私・・・なーんてブツクサこぼしていた舌の根も乾かぬうちに、
とりあえず"ネクロマンサー"やってみないとね! などと、ドクロかぶって鎌持って
新大陸マラスをウロウロしておるわけです。でもやっぱりワケわかってませんけど)

そうこうしておりますと、今年もまたやって来るのでした確定申告の季節が。

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■ノリノリ編集後記

映画『天使の牙』の撮影は順調に進んでいるらしい。
スポーツ紙でも、アクションシーンの多いヒロイン役の佐田真由美が"和製ミラ・
ジョヴォヴィッチ誕生"と大きくとりあげられていた。
ついに、とうとう、やっと映画になるのか…ちょっと感慨深い。

じつはこの『天使の牙』、10年前(まだ連載も決まっていなかった)ある映画プロ
デューサーが大沢さんに「プロレスラーの高田延彦を主役にできる映画の企画を
考えて欲しい」と依頼したのがきっかけでできたものなのだ。
関係者(なぜか僕も紛れ込んでいた)全員で高田の試合を観に行き、大沢さんは
話の骨格となるプロットを書き上げた。
めちゃめちゃ面白いが、役者は難しい演技を求められる話。
で、あろうことか僕が脚本を担当することになった。
ドッキリ? いやいや、ラッキー! 大チャンス!! 
映画好きでなんとか映画業界に関わりたいと思っていたところに、まさかこんな
かたちで参加できるなんて。プレッシャーもあったが興奮した。
劇場公開映画のうえ、大ファンの高田が主役なのだから。
僕は、ない知恵を振り絞って脚本執筆に入った。
役者経験のない高田を考慮して寡黙でセリフは少なくし、自慢のカラダを張った
アクションシーンを多く取り入れた。
たまぁ〜に、脚本家は女優と食事したりできるのかなぁ…とか、不純な妄想も
抱きながら(これがけっこう"ヤル気"を起こす)書きすすめた。
同時に大沢さんは小説として連載することが決まりスタート。
企画よりいっそう派手で盛り上がる面白い話を書いていた。
すべてが夢に向かって順調! と思えたが…
書き上げた脚本(初稿)をプロデューサーに渡しても…
大沢さんの連載が進んでも…映画の具体的な準備は進まず…
結局、諸般の事情で映画制作は中止となってしまった。
こんなのあり?! 夢は消え、ギャラも0円…ショック。
(このころ映画業界のことをあまり知らなかったのですが、その後このような話は
いっくらでもあることを知りました)
やがて、大沢さんの連載が終わり単行本が出版されると、別の映画関係者から
次々と映画化の話がくるようになりました。

あれから10年――
いろいろな企画が出ては消え、やっと今回の企画がまとまった。
僕は一切関係していないが、聞くとかなり難産だったようだ。
大沢さんは脚本に関してそうとう時間をさいて協力していたし…
皆の想いが報われるような良い作品に仕上がることを願う。
そして高田延彦――
現役引退お疲れさま。これから役者もするのかなぁ? 
いつか大沢さん原作の作品に出演してくれるといいなぁ。
『らんぼう』のウラはどう? ウラは高山か? 
でもやっぱり…古芳役は高田なんだよねぇ。
(当時脚本だけでなく、ひそかに出演も狙っていた…ノリ)

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■アンケートから はスタッフのコメントです)

◆トップページとフレームページの目次で週刊大極宮更新されてるはずなのに、
中身を見たら更新されてないぃ・・ でも、遅くまでお疲れさまです。
今日はもう寝て、明日ゆっくり拝見したいと思っておりやす。 頑張って下さい。
ええと、トップページとフレーム左側のメニューは、更新するとき、いちばん最後に
アップするようにしているんです。つまり、トップページにアップデートのお知らせが
出ていたら、そのページは(私がうっかりミスをしない限り)、もう更新されているはず
なんですが・・・。(ソースを)よく見てみましたらば、とある呪文が抜けていたことが判明。
更新が反映されずに前の号が見えてしまうのは、このせいだったのかも!(違うかも!?)
今号から修正されてますが、はたしてきちんと最新号が表示されるようになりますで
しょうか。なりますように・・・祈。(まるひ)


◆京極先生、秀治さんが出てるのは「最後の弁護士」じゃなくて「最後の弁護人」
ですよ。
前号をバックナンバーに移す際、こっそり直しておきましたー。うひ。(まるひ)

◆いつも楽しみに見させていただいてます。
ところで、僕、見てしまったんです・・・。
今、紀伊国屋新宿本店で本の雑誌フェアをやってるんですけど、何気なく1998年
1月号を見ていたら、22ページに「大沢オフィス」のことが載っているではありま
せんか! これって、たぶん、まるひさんですよね?
思わず買ってきてしまいました(笑)
うひゃあああ! またとんでもないモノ見つけてくれちゃいましたね!
あの頃に比べると、大沢オフィスもずいぶん変わったですなあ・・・。(遠い目のまるひ)

◆すごく楽しく拝見しています。
先生方のQ&Aの回答の仕方等が、作品に対して言い訳がましくないというか、
作品の中だけで勝負している、という感じが好きです。
私はどの先生の作品も愛読させていただいていますが、小説以外の、例えば
インタビュー等はできるだけ見ないようにしています。そこで作品について
必要以上に「解説」されてしまうのは、面白いクイズの回答を教えられてしまった
気分だからです。でも矢張り新刊情報なんかは見たいですしね。
そんな私にはこのHPは丁度良いんです。
皆さまこれからも頑張って下さいね。
ありがとうございます! がんばりまっす!(まるひ)


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