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 第81号へ 第82号 2002.11.15 第83号へ 
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▼山椒大夫 ▼安寿 ▼厨子王 ▼写真館

▼まるひ ▼編集者S ▼ノリノリ ▼アンケートから

■HEADLINE RUMORS 〜 風のウワサ


◆大沢オフィス忘年会は、例の超高級中国料理になるらしい♪♪♪

 
■燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー

◆ゴルフ、年末進行、ゴルフ、年末進行、ゴルフ、年末…
11月はイベントやゴルフコンペの予定が多いと以前お知らせしたが、先週その
ゴルフコンペで久方ぶりに優勝。
それほど好スコアではなかったけれど、ハンディキャップに恵まれたかな。
他の人がよくないなか、8もらえてたんで優勝できた感じであった。

そして、いけるかなと思った今週…午前中はよかったが午後は崩れた。
急に吹きだした冷たい風。半袖ポロにベストでよかったのに、トレーナーを
着込まなければならないほど。
さらに、ガーッと風が吹くとグリーン上は一面落ち葉だらけ。
退けようにも退けようがないほどの数。ボールの回転は変わるしラインなんて
関係なくなる始末だった(葉っぱの上をどう転がるかなんて読めない)。
残りのコンペはどうなることやら…。

もちろん仕事もしてます。年末進行もあるからしんどい。
俺のように冬休みをとる作家は、休み明けの原稿も書かなくてはいけないから
きびしい。
そこへもってきて忘年会だぁ、なんだぁと予定も入るから…なおさらきびしい。

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■安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー

◆ご苦労さま その4
電気毛布……さて何年使ったろうか? 15年ぐらいかなぁ。
もうヨレヨレになっちゃってるんですけど、お世話になりました。

◆今週のゲーム女のひと言
ちょっと仕事が追い込みなので、新しいゲームができません。
『エターナル・ダークネス』も早くプレイしたいし、『ブレス・オブ・ファイアV
ドラゴン・クォーター』の発売も間近なので、頑張らなくちゃ!

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■さまよう厨子王 〜 京極夏彦のコーナー

◆カッパ。うーん。
ヤラセだったという騒ぎですが。実のところあの写真を本物だと思った人間は
ただの一人もいないはずです。だから今更何よ、という話ではあります。
掲載紙の媒体特性や匿名投稿という事実を鑑みるまでもなく、あんなもんは
与太に決まっているのですから。
むしろ「カッパが一面トップに!」という痛快さに拍手、だったわけです。
どこのどいつの仕業か知らないけど、手間暇かけて馬鹿だよなあ、と。
妖怪報道的には快挙かな……と思ってたわけですが。
ところが。
テレビ局の仕込みつうとどうなんだ、と。
予算とってもらってギャラもらってやってた訳でしょう。仕事じゃん。
つまんねー。

加えて問題なのは……というか、何より問題なのは、写真投稿の件ではなく、
投稿以前の目撃騒動までが「仕込み」だったという点です。
先に騒ぎがあって、それに便乗したイタズラ写真投稿だったなら洒落で済み
ます。事実、地元をはじめとするマスコミ各社は、写真の方は呆れて無反応
だったわけで、それで仕方なく東スポ(大スポ)に送ったのだそうですし。
でも、騒ぎ自体が作られたものだった、というのはあんまりでしょう。
「カッパなんていると思う人間はいないだろうと考えた」というのが局側の前提
だそうですが、それなら岩手県遠野土淵小学校裏手でなんかでやるなよと、
強く言いたい。
やるにしたって皇居のお堀でやるとか、黄桜酒造の近くの用水路でやるとか、
光文社の屋上でやるとか、要するにもっと笑わせてくれと。
洒落になりません。
遠野は河童伝説がいまも伝わっている場所です。
伝承が文化として継承・機能している土地なのです。
この場合、「実在する/実在しない」などという馬鹿らしいレベルの議論は
問題になりません。
河童はUMAではなく、土地の伝承なのですから。いたっていなくたって「居る
と伝えられて」いるのです。地元の人は「河童が出たという文化」を大事にして
いるわけで、「生き物としての河童」なんて実はどうでもいいことでしょう。
だからこそ、そこに「それらしきもの」が出たら、「本物だ」とは思わなくても
「自分達の文化を裏付ける何かがいるのかも」とは思うはずです。
そうした場所で河童のコスプレでうろついて「まさか信じるとは」という物言いは
どうなのでしょう。
そもそも……。

遠野の河童は赤いんです!

色違いの時点で地元の人は気がついていたはずです。
でも、実際に「何かいる」なら何なのさ、と思ったのでしょう。
それをあたかも頭から信じたように受け取るのはどうかと。
一方で「信じるわけないだろうと思った」という見解も的外れ。
だいたい「今どき河童の実在を信じるなんて思わなかった」というのは馬鹿に
した、見下したものの言い方です。地元の人だって「実在を信じた」のではなく
「民俗文化を大切にしたかった」だけなのでしょうし。

加えて、これで少なくとも現地人々の民俗文化に対するスタンスは変化せざる
を得ません。
この騒ぎ以降は「河童なんていないよ、ヤラセだから」と言われることになるで
しょうし、それに対する答えは「いや、本物はいるかもしれない」という言い方に
なります。「居る/居ない」というレベルに問題が一元化されてしまうのです。
「居ても居なくても居る」というスタンスは保持出来なくなります。
こうなると、これは一種の「民俗の破壊」です。文化的テロリストですよね。
個人のイタズラなら、単なる「大馬鹿」で笑えます。そうでなくても、ずっと
黙ってればこうはなりません。むしろ黙っていた方がマシ。
組織でお金をかけて動き、ぐちゃぐちゃにしておいて途中で真相をバラし、
土地の文化自体に傷を付けるような幕引きをするなんて、ゲスもいいところです。
考えてみてください。
ある日突然、亡くなったはずの実の父親が現れて「俺はあんたの父さんだ」と
言っったって、誰も信じないでしょう。でも、お父さんが亡くなったのではなく、
行方不明になっていたとしたらどうでしょう。
信じられなくても、何か気持ちは動くはず。本人だと信じなくても「何かあるの
では」「父のゆかりの人かも」とは思うでしょう。
で、いいだけ騒いでおいて「生きてるわけないじゃん、信じるか普通」って、
それはないだろうという。あり得ないこととは思いつつ「生きてるかもしれない」
とも思っていた当人に対し「死んでるよ、馬〜鹿」というようなもんでしょうに。
こりゃ無神経というよりないでしょう。実際、現地の人は迷惑意外の何ものも
被ってないわけで、「いい夢みせてもらった」などと思う人はいないはずです。
大事な文化を「踏み躙られた」思いだけが残るでしょう。
でもって「せち辛い世の中にロマンを提供したかった」なんてことを言うのがまた
腹立たしいわけで。
何様だと思っているのでしょうか。差別的で高慢な姿勢と受け取られても仕方が
ありません。本気でそう思ってるなら大いなる勘違いです。
メディアは文化に乗っかって機能している訳で、テレビなんかに文化は作れま
せん。もっとも──壊すことは簡単ですが。
これを書いている時点ではまだ放送されていませんが、どうやら番組は放送
する予定とか。どんな形でフォローするのか知りませんが、ついた傷は癒えま
せんし、泥も拭いきれないでしょうね。

それに。
地元の方々の心情に無配慮だったことや、現地の民俗文化を破壊したことに
加えて、今回の一件は別の意味でも「困ったこと」を助長する結果を招くと
考えられます。
先にも述べた通り、「遠野の河童は赤い」のですね。
それを何故緑色にしたのか。
勉強不足の結果というなら、これはもう話にならないお粗末さですし、別に何も
考えずに軽い気持ちで緑にしたというなら、これもまた言語道断。
知っていてわざと緑色にしたというならなら、こりゃもう犯罪的です。
言い分としては「世間一般的には緑だから」とか、「本物は赤だから偽物という
ことを示すために色を変えた」とか、そういうことになるのでしょうが、写真を投稿
した段階でこれは言い訳にならなくなります。
あんなモノ、興味のある者だって信じないでしょうから、興味のない人間は
最初からまともに見ません。
そのうえ偽物報道が各メディアで大々的にされたことによって、「遠野の緑色の
カッパ」は、たぶん最大限に露出してしまったわけです。その際、本物は赤い
ですという報道はされません(ニュースで流れた現地の像は赤かったですが)。
その結果、「画一的で陳腐な河童」像が、遠野の河童として世間的に定着して
しまうのです。
こうして各地に伝わる固有の伝承は駆逐されていくのですね。
バラエティーに富んだ民俗社会の文化や伝承が、ベタな規格品につぎつぎと
置き替えられてしまうわけです。
柳田國男の『遠野物語』でさえ、土地の民俗に「ある変容」を与えてしまった
ことは間違いのないことです。今回の、この無粋で無配慮で笑えないメディアの
冗談が、とどめを刺したという感じでしょうか。
こんな時代だから仕方がないのでしょうかね……。

でも、テレビ好きとしては、できればもうちょっと「笑える」ことをして欲しいなあと
思うんですがねえ。
どっちにしたってセンス悪すぎ。

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■優勝写真館

◆11月6日 サンシャインゴルフコンペ
"燃えよ山椒大夫"に書いてあるように、「久方ぶりの優勝」をしたのがこの日。
「いや〜、最後のチップインバーディがウンタラかんたら〜」
と、けっこう嬉しそうでした。




出陣 「おっしゃ、いくぞ!」





「ふむふむ、狙いはあのへんかな」




ナイスショット! なのか?


「どりゃあああ!」




楽しそうですなあ


「わはははっは、どんなもんだい!」





以上
山椒大夫、優勝への道でした。



写真提供:新聞三社連合事務局
ありがとうございます!

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■まるひの秘書ヒショバナシ

上のウワサに書いてある"例の超高級中国料理"って何だ? と首をかしげ
ちゃった方、バックナンバー3号&6号のこのコーナーに経緯がのっていますので
よかったらお読みくださいませ。

11月7日の大極宮ミーティングで「今年の忘年会の日程を決めちゃいましょう!」
という、重要な議題を出した私。(ちょっと早いかな)とも思ったんですけどね。
12月のスケジュールも埋まり始めてきた作家たちの身柄を、今のうちに確保して
おかないと、「うわあ、忘年会いつやったらいいんだよお!」って頭抱えることに
なりますからね。
で、もっと重要な「何を食うか」なんですが、会議の日は「まるひに任せる」という
いつもながらの回答を得まして・・・
うーん、去年はフグだったけど、今年もフグにしたら手抜きかなあ(スタッフが
自腹では食えないものにするのが基本?)なんて悩んでいたところに・・・
「ねねねねね、忘年会だけど、中華にしない? ほら、例のアレやりましょう」と
安寿ミヤベから、救いの電話が来たのです。

誰に異存があるものですかっっっ!

11月半ばにして忘年会の日程も店も決まり、1年半ものあいだ懸案事項だった
"超高級中国料理はいつになったら食えるのかモンダイ"も片づくとあって、
「うわあ、今年の忘年会はラク〜♪」と喜んだ宴会部長(私)であります。
が、それもつかのま。
とりあえず超高級中国料理店のホームページでメニューを見たり、どんなコース
があるのかな、と予約前の下調べしてるんですけど・・・
メニューに載ってる料理がよくわらんのですよ! ううう(;;)
こんな情けない状態で、ちゃんと予約できるのでしょうか。
前途多難かも・・・

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■編集者Sのウラ情報

14日は「ウィスキー&ミステリー」のトークショーと集英社主催柴田錬三郎賞
ほかの授賞式が重なっておりました。山椒大夫はトークショー、安寿は集英社
だったのでどちらに行くか迷いましたが、酒(トークショーはサントリー協賛)と
ご飯を天秤にかけ、集英社へGO。
久しぶりに大先輩にお会いできて、なかなか楽しい一時ではありました。
ただ、グラス片手にバカ話しをしていても、会話の節々に厳しい現状が垣間
見えます。
ただこういった贈賞式を一流ホテルで開催できるうちはまだまだ大丈夫だよなと
帰り際にお土産を受け取りながら、単純に思った私でした。
別の贈賞式で毎年あったお土産がなくて、「えっ、なんにもないの」と出口で
大声をだしたのは、誰?(S)

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■ノリノリ編集後記

初めてアイスホッケーを観にいった。東伏見アイスアリーナでのコクドvs西武。
ズバリ…つまらなかった。ほとんどのスポーツはナマ観戦をお薦めしているが、
これは?だ。テレビの方が良い。
まず、選手のスケーティングもパックの動きもスピード感がない。
でもって、テクニックといおうか個人技がない(反則が多すぎて力を発揮できて
いないのかもしれないが…)。それと"氷上の格闘技"といわれる接触プレーも
迫力なし。伝わってくるものがまったくなし。ナマで観る価値なし。
二時間半、ただひたすら寒かった。
こんなものなのか? チームは違うが、ガンで壮絶な死をとげた高橋氏はアイス
ホッケーのどこに惚れていたのか? あと1試合だけ観にいってみる。
日光アイスバックスの試合を。
(マイルCSは引退をかけた?ゼンノエルシドの復活…ノリ)

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■アンケートから はスタッフのコメントです)

◆神田の古本街、ある和書専門店で水木しげる先生のちりめん本を
発見しました。確か、週間大極宮で紹介されていたと思うのですが。
硝子ケースの中にあったので、触れないので舐めるように眺めていました。
紙がやわらかそうで、頬ずりしたくなりました。
和書専門店は敷居が高く、勇気がなくていつも入れなかったのですが、
ちりめん本に理性をなくして入ってしまいました。とても、面白かったです。
良いきっかけになりました。ありがとうございます。
それは知りませんでした! さっそく行ってみます。
頬ずりも交渉してみます。(ノリ)

◆こういったホームページを見るのはあまりないのですが、思ったより内容が
充実しているので、びっくりしています。
イベントなどの案内を見ていると、東京でしか開催していない為、おごずかいが
少ない主婦には、大好きな宮部先生の著作を購入するのが精一杯です。
せめて、名古屋、大阪など地方都市での開催を考えていただけたらぜひ、
参加したいです。
しかし、考えてみたら、芸能人でもない作家の先生方が、朗読会という
イベントをされるというのはすごいことなのですね。
ファンにはとても嬉しいものですが、作家活動に支障をきたさないのでしょうか?
これからも、すばらしい作品で私たち読者を酔わせつづけてくれる様、
切に願っております。
これまで三人の作家が関わってきたイベント(読者サービスや社会貢献など)も
すべて作家活動に含まれるものだと思うのですが…
イベント関係はかなりお疲れになります。
小説を書く何倍何十倍のパワーとエネルギーが必要のようです。
今後も執筆に支障をきたさないていどに(機会は少ないかもしれませんが)、
また色々な意味でプラスに作用するような事には、作家および事務所で
対応していく予定です。(ノリ)

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