第52号へ | 第53号 2002.4.5 | 第54号へ |
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▼山椒大夫 ▼安寿 ▼厨子王 ▼写真館 ▼レポート ▼まるひ ▼編集者S ▼ノリノリ ▼アンケートから |
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■HEADLINE RUMORS 〜 風のウワサ | ||||||||||||||||
◆祝(?)進行度チェック再開! というわけで、京極の次なる書き下ろし 長編『覘き小平次』の進行度・・・・・・・・・・・・・・・・・0.8%。(をい・・・) ◆前号のウワサで書かれた「イイコト」とは、大沢の「日本冒険小説協会 大賞」二年連続受賞だった! ◆その大沢、仕事場の電話が壊れ、ナンバーディスプレイが表示され なくなって困っているらしい。 |
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■燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー | ||||||||||||||||
◆『闇先案内人』第二十回日本冒険小説協会大賞受賞!! 第二十回日本冒険小説協会大賞を去年につづいて受賞できました。 かつて一緒に、この熱海の大会に来た北方謙三、船戸与一、逢坂剛、 佐々木譲、志水辰夫…といった面々と、久しぶりに宴会に出席しての 受賞。 以前は、彼らが受賞するたびに拍手を送ってきたけれど、ようやく彼らの 拍手をもらいながら受賞できたことがとても嬉しい。 二十回という節目であったことと、あの決して倒せないといわれた大ボス キャラ『模倣犯』を一票差で破って受賞したというのはお手柄だろう。 (まあ、安寿もいっぱい賞は貰ったんだから、ひとつぐらいいいでしょ?) それにしても…20年前、乱暴狼藉というか疾風怒濤というか、酒をめちゃ めちゃに飲み、乱痴気騒ぎをしてヒンシュクをかっていた(自分も含めて) あの冒険小説協会の熱海の大宴会が、健全な雰囲気に変わっていた のにはビックリ。 20年という月日が経てば、その中でカップルができ、子供が生まれ… 時の流れをつくづく感じた。古い当時のビデオなんかも観て、若かりし ころの自分に苦笑いであった。 ◆朗読会リハーサル 今までもイベント物にはたくさん出てきたけど、たいていの場合は 出版社なり広告代理店といったところがセッティングしていて、そこに 自分は“お客さん”として行き、「待っていてください」「ハイ、出番です」 と言われて、しゃべるものばかりだった。 しかし、今回のイベントは発案した我々三人、それから企画を実行して くれているオフィスのスタッフで成り立っている。 リハーサルでは、「人がいるっていうことは、こういうことも出来るんだ なぁ…」と、感慨があった。 当日はスタッフのためにも成功させ、お客さんにも「またやってもらい たい!」と言われるようなものにしたいと思っている。 |
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■安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー | ||||||||||||||||
◆トピック 週末、日本冒険小説協会の総会、第20回の記念大会に、既受賞者の 作家の皆さんや大勢の編集者の皆さんとご一緒に、ねりねりと繰り 出して参りました。場所は熱海。 ミヤベは会と共に温泉も満喫。記念すべき第20回の大賞受賞者は 大沢さんであります。ミヤベは次点でありました。 よって、大沢さんに何かおごらせる予定であります。 てんぷらがいいかな、お寿司がいいかな。 ◆今週のゲーム女のひと言 そろそろ新しい連載も始まるし、何よりも、自作朗読会「さくら満開原稿 まだ会」が近づいているので、朗読の練習をせねばならぬのですが (リハーサルもあっていよいよドキドキ!)、だからといってゲームはやめ られませんわね。どんな時でもゲームの時間はひねり出す。 それがゲーム女の理ですもの。 早いところ『ワイルドアームズ3』をクリアして、GCの『バイオハザード』に 取りかからねば! でもこの新生『バイオハザード』、あまりにもキョーアクに恐ろしいので、 なかなかコントローラーを握る勇気が出てこないんですよ。 製作者の皆さんは、つくってるとき、ふと我に返って怖くなったりしな かったのかなぁ。 連日の寝不足で幻覚を見ちゃったりとかすることもありそうですし。 ホラー・アドベンチャー系のゲームをつくっている会社へ赴き、社員の 皆さんに「私の恐怖体験」を取材してまわったら、けっこう面白いエピ ソードが出てくるかもしれませんね(作家が締め切りが怖いのと同じ ように、いちばん怖いのは納期です≠ニいうお返事が圧倒的に 多そうな気もするけど……)。 |
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■さまよう厨子王 〜 京極夏彦のコーナー | ||||||||||||||||
◆ウンスンカルタ というカルタをご存じですか。 見たことはなくとも、名前くらいは聞いたことがあるのでは。 トランプと花札とタロットカードを足して割らなかったような(笑)5種類× 15枚からなるカードゲームなんですね。 絵柄も和風なんだか異国風なんだか、札の呼び方もコツだとかオウル だとかイスだとかグルだとか、ウンにスンにロバイに、カバ、ソウタ、 メリ……どこの言葉だか(笑)。 もちろん元禄時代からある日本の遊びなんですが。 これ、どうやって遊ぶのだろうと子供の頃から不思議に思っていました。 で、昨年、妖怪馬鹿仲間で札馬鹿でもある村上健司君の誘いで、 日本でたった一軒しかない「手刷り」の花札屋さんに行きまして、この ウンスン発見。 いずれこいつで遊んでみようと申しておりました。 これがわからない(笑)。なにしろ元禄時代ですからねえ(どうも熊本県 人吉市では現在でも盛んに行われているらしいのですが……) とりあえず勉強。札に慣れるため、機会があるごと「簡易ルール」版に 挑戦したりしていたのですが、本式のルールである「八人メリ」は、 やたら複雑なうえにその名の通り、プレーヤーが八人必要なんですな。 これはなかなか集まるものじゃございません。 で、昨年一年、こつこつと同好の士を集めて、少しずつウンスン熱を 高めていたわけです。 そしてとうとう、八人メリをやってみようというところまでこぎつけたん ですね。 ウンスン普及の立て役者でもある村上君の指導のもと、妖怪馬鹿の 多田克己さん、おなじみ謎の職人、「怪」の邪悪な編集長Gさん、角川 書店のTさん、それから「異形コレクション」などでおなじみの小説家の 石上茉莉さん、新進気鋭の妖怪絵師・東雲騎人君、やはり「怪」関係で 知遇を得た「花山院」や「幻想住人録666」など妖怪関連サイト主催の 方々、それに「隠れ里」の会員さんや千葉大学で妖怪研究会に参加 されていた若い人たち(笑)などなど、怪しい若者たちが参加してくれ ました。 いや、荒削りながら奥の深い集団心理戦です、八人メリ。 おもしろいですよ。 今一度普及させたい、絶えた日本の文化ですな(笑)。 ◆リハーサル をやりました。何の? って、朗読会ですがな。 いや、客席近いっす(笑)。大沢さんカッコいいす。 宮部さん泣かせるです。 私? 私はですね、何だってあんなセリフが長いんでしょ。 しかもあのセリフ、耳で聞いただけでわかるんだろうか(笑)。 早口言葉じゃん。 でも、全然練習してないのにタイムだけはぴったりだったぞ(何の 自慢になるか)。 それにしても大変なのはスタッフですね。終わったら労わねば なりますまいて。 パンフも豪華ですよ。 僕は真っ赤っかのスタジャンが気に入ったので、リハーサル中ずっと 着ていましたとさ。 暖かい日だったので、見た目とっても暑苦しかったそうな。 ◆山梨岡神社 という神社、『今昔続百鬼』という僕の作品にもちらりと出てくるのですが。 独脚の異神・キの神様をお祀りしている神社でございます。 このキの神(漢字がないんですね。使っていて本当に日本の機械なんだ ろうかと思いますね、パソコン)の神像、本来十年に一度とか七年に一度 (途中で変わっているんですね)しか一般に公開されないという珍しいもの だったのですが、どういう訳か今年はご開帳すると言う情報が。 そこで白澤楼主人・化野燐さんをはじめ、全国各地から妖怪馬鹿が 続々と山梨に乗り 込んだのです(笑)。 私も久しぶりのフィールドワーク(ってほどのことでもないんですが)に 行ってまい りました。山梨には温泉もありますが伝説もいろいろとあります。 中でもキの神は、 いろいろな意味で「要」となり得る神様なんですね。 それにしても、甲府行ったのは葡萄狩り以来だったですなあ。 ◆国立歴史民俗博物館 で昨年行われた企画展示「異界万華鏡」が本になります。 常光徹先生、山田慎也先生をはじめとする研究者の方々による解説、 同企画展で行われたいくつかの講演会の再録に加え、私と小松和彦 先生(国際日本文化研究センター)の「異界談義」なる対談(昨年7月 20日に行われたもの)が収録される予定。 タイトルは『異界談義(仮題)』、発行は角川書店です。 ◆ついに 長編書き下ろしモードに突入しました。 って、もう「風のウワサ」のところに書いてぁるんだろうなあ。 『覘き小平次』(中央公論新社刊)です。 え? また変換しにくいタイトルだとおっしゃる? それは機械が(以下、パソコンにおける漢字変換環境の悲惨な現状に ついて延々とぼやく。長いのでカット)でもだって、だから漢字が (強制終了)。 |
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■ピンボケ写真館 | ||||||||||||||||
朗読会リハーサルのひとこま集 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ すべての通し稽古が終わって 少し疲れ気味の三人。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ オマケ 京極も自分で書いている 赤いスタッフジャンパー オフィスで手渡されるなり、いそいそと着こんで・・・ ファスナーをいちばん上まできっちりしめて・・・ ご満悦の表情。 「あんたはスタッフかい!」と秘書の人に突っ込まれても 「うん、ボク、朗読係のスタッフだし〜♪」と わけのわからない理屈こねて脱がないし。 そんなに気に入ったのね・・・ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ |
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■ノリノリレポート | ||||||||||||||||
◆『第20回 日本冒険小説協会全国大会』レポート 3月31日(土)、熱海金城館で行われた 「第20回日本冒険小説協会全国大会」の模様です。 日本軍大賞を『闇先案内人』で大沢さんが受賞しました。 二年連続の受賞。またしても、文藝春秋! 去年、代理で出席した担当のY氏は引越しで来られず…無念。 |
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※深夜のオークションで、大沢さんが落札したTシャツ。 大切にいたしますぅ。(ノリ) 昨年、第19回を受賞したときの大沢のヨロコビは 大沢在昌のページからのリンク「日本冒険小説大賞受賞!」に 詳しく載っています。 大会のレポートは、バックナンバー第8号にあります。 また、第20回の「賞状」の文面は、大沢在昌のページの 『闇先案内人』に掲載しました。 |
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■まるひの秘書ヒショバナシ | ||||||||||||||||
先週ここで「防水パソコンが欲しい!」と叫んでみましたらば・・・ 私事にもかかわらず、たくさんの方々にメールやアンケートで「そんな (オバカな)あなたにぴったりのノートPCがあるよ!」って教えていただき まして・・・感謝感激でございます。 さらに加えて「せめてキーボードカバーだけでもした方がいいよん」という 暖かいアドバイスの数々も、心に染み入っております。(;;) というわけで、本気でパナソニック貯金始めます。待っておれよTOUGH BOOK! 濡らしても落としても大丈夫なんて、まさに私のためにある ようなものじゃないか! むふふふ。 それまではキーボードカバーで、コーヒー&アルコールの脅威から、 マイPCを守ってやることにいたしますです。 ええ、実は先代のノートPCも今年に入ってオシャカにしたんですが・・・ それはコーヒーぶっかけたせいじゃなくて(その時は何日かヘンな状態を ガマンしてたら、なぜか奇跡的に直ったんです)、うっかり机から落っことしたのが 原因だったりするのです・・・うはははははは。(恥ずかしいので小フォント) 情報をお寄せ下さった皆様、ありがとうございます! ぺこぺこ。 っていかんいかん、今週も私事に終始だ・・・ 朗読会が成功しますように。 この日のために、練習に時間を割いた作家たちや、準備にてんてこ舞い だった運営スタッフの皆の苦労が報われますように・・・ |
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■編集者Sのウラ情報 | ||||||||||||||||
朗読会がいよいよ迫ってきた。 企画を立ち上げてから半年、あっという間だった。 準備に関しては万全、のはずだが、いきなり例年なら今頃が満開の はずなので「さくら満開」と名付けたのに、もう散ってしまった。 誤算スタートに次回更新ではどういう報告ができるのやら……。 というようなことで準備に追われていたある日、去年某社でやった 単行本の重版の知らせがあった。 部数的には僅かだが、すごく得した気がしてうれしかった。 重版は励みになると作家に言われてきたけれど、その気持ちが実感 できた瞬間でした。目指せ、印税生活。(S) |
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■ノリノリ編集後記 | ||||||||||||||||
いよいよ朗読会です。公演自体は上手くいくと思うのですが、とっても 心配なことが一つ。グッズの売れ行き。 会場でパンフレットやグッズが“飛ぶように”売れないと、チャリティー どころか会社『バヂャー』がなくなります。 ということは、このホームページもなくなるかも…。 なので、ご来場の皆さん…買ってくださいませねっ。 できれば、お釣りのないように。お願いいたします。 (翌日、大井競馬で“会社存続”を賭けた勝負にでないで すみますように…ノリ) |
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■アンケートから (●はスタッフのコメントです) | ||||||||||||||||
◆以前話に出ていた、京極先生の特製ブックエンド販売の話は どうなったのでしょうか? 是非是非、欲しいので早く販売して欲しいです!! ●京極さんが使っているのとまったく同じモノを朗読会で 先行発売します! 2個組で…4,500円(税込) 職人さんの手作りなので、表面仕上げや塗装に手がかかっています。 近々に大極宮書店でも販売予定。“愛と執念”は、まずコレから…。 (ノリ) |
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