週刊大極宮バックナンバー

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 最新号へ 2008.1.18

▼山椒大夫 ▼安寿 ▼厨子王
▼編集者S ▼まるひ ▼ノリノリ ▼アンケートから

■HEADLINE RUMORS 〜 風のウワサ

◆安寿の受賞のニュースに「海外の賞まで取りやがってえええ!」と、山椒大夫が吠えたとか吠えなかったとか。

 
■燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー

◆『眠らない街…』
 ビデオとレーザーディスクはあるものの、DVDが出ていなかった1993年の映画『眠らない街−新宿鮫−』(主演:真田広之、監督:滝田洋二郎)のDVDが、いよいよ3月に発売されることになりました。
 ついては特典映像にオイラのインタビューを入れたいということになり、新宿にある京王プラザホテルの“夜景の見えるスイートルーム”の設定で、フジテレビの笠井アナウンサーを相手に『新宿鮫』について語ってきました。実際にどんな内容になったかはDVDを見てのお楽しみということで…。

 当日は芥川賞・直木賞の選考日とかさなっていたので、収録後は編集者Sとともに新宿で食事(十数年ぶりかなぁ…)をしながら結果を待ちました。受賞者はご存じのとおり桜庭一樹さん。
 桜庭さんは昨年の推理作家協会賞に続いての文学賞受賞で、じつにとんとん拍子だなぁと感じました。おめでとうございます。

 翌日は読売新聞の記事の取材で、書店員の方と座談会をおこないました。お相手はリブロ池袋本店の矢部さんと三省堂書店有楽町店の小松崎さんのお二人。推理作家協会の理事長としてということであったのだけれども、話しているうちにオイラは妙にテンションが上がってしまって…いまの日本の出版界の諸問題について気がつくと大演説をぶっこいてました。なんだか座談会というよりはひたすらオイラがしゃべりまくって…お二人には申し訳ありませんでした。それでもお二人もすごく熱心にいろんな意見を言ってくださり、たいへん参考になりました。

大演説ちゅう?

『大極宮フェア』などでもお世話になっていますので…これからもよろしくお願いいたします。記事の掲載に関しては当ホームページでご報告いたします。

 なんせ寒い日が続いていてなかなか飲み歩こうという気もおきず…用事を済ませるとさっさと仕事場に帰ってきて、Xboxの『ロストオデッセイ』を夜な夜なプレイする日々であります。

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■安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー

◆ゲーム女の生きる道
 病み上がりの宮部であります。
 静養中、手持ちの本を読み尽くし、本屋さんに行くほどの体力と気力はなく、ゴロゴロしながらゲームボーイアドバンスSPをいじっていたのですが。
 ふと思い立ち、『風来のシレン 砂漠の魔城』を始めたら、どっぷりハマってしまいました。普通の生活に戻った現在は、「やっぱ原点から」と、第1作の『不思議のダンジョン2 風来のシレン』をこつこつとプレイしています。
 このゲーム、発売当時も、やっぱりハマりにハマってプレイしたものの、粘って粘って揃えた最強武器を入れた合成の壷を投げるとき、うっかり「遠投の腕輪」をはめていて……(-_-;)。
 そのショックから立ち直れずに、プレイをやめちゃったのでした。12年前のことなのに、再プレイしたら昨日のことのように鮮やかに思い出しました。
 2度とあの過ちをおかすまじと、気を引き締めて進んでいますが、序盤で山頂の町のガイバラ先生に会いに行くとき、初めてゲットした「識別の壷」を割られちゃって……(-_-;)。
 大事な壷を持ってちゃいけないこと、忘れてた。

 進歩なし(T_T)

 でも、いいや。楽しいから(^o^)。
 ウチには現在、ちょっとした修繕で大工さんが来ているのですが、テレビの前のスーファミを見て、若い大工さんが「なつかしい〜」と言ってました。そうなんですかね。
 宮部ンちでは、スーファミはバリバリの現役ざますよ♪

◆とっても嬉しい♪
 昨年出版された、英語版『ブレイブ・ストーリー』が、14日、全米図書館協会(ALA)が選ぶ
「2008 Batchelder Award」
 という賞をいただきました。
 バッチェルダー賞と発音するそうでして、これはALAが年に一回行っている児童書の各賞の授賞のうちのひとつで、「翻訳児童書」部門の最優秀賞ということだそうです。
 年頭早々に肺炎でダウン、年女なのに……とヘコんでいた宮部ですが、それを埋め合わせて余りある朗報に、ばんざいばんざい!(^^)!!(^^)!と大喜びしております。
 ちなみに、バッチェルダーとはこの賞の創設にかかわった方のお名前だそうです。なので和英辞典にも載っておらず、私もスタッフも発音の仕方がわからなくて(^^;)、各社の翻訳部門の編集さんに教えていただきました。
 ところでこの英語版『ブレ・スト』、装丁が元のものとは全然違っていて、ちょっと異界っぽいというか、ブキミっぽいというか、このへんの日米の感覚の違いが面白いです♪

英語版

 翻訳版を出してくださったVIZ Mediaのスタッフの皆さんに、心よりお礼申し上げますm(_ _)m。

 こいつは春から縁起がいいぜ(^o^)v!

 と、ゲンキンな宮部でございました。

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■厨子王の逆襲 〜京極夏彦のコーナー

◎今週の怪ラヂヲ
 ははははは。実は先週ここで予告したのが今週の怪ラヂヲでした。
 放送の順番が変ってた模様です。なので、今週の予告は前回のこのコーナーをどうぞ。
 で、先週は古本について語ってたわけですが、番組中で少し触れている「好むと好まざるとによらず焼き」なる喰いもの。
 水で溶いた小麦粉を焼いただけのものなんですが。
 これは、命名直後に「お好まれず焼き」とシンプルに名を変え(好んでいないと断定)、さらに「大陸移動焼き」となりました(好悪の基準から逃避)。
 ええ、フライパン上で、膨れてひび割れ焦げて縮んでゆくさまが、パンゲア大陸が五大陸に分裂するさまを想起させたわけです。
 スペクタクルだなあ。貧乏臭いが。
 そしてとっても美味しくなかったです。調味料ない し。

◆妖怪馬鹿V3
 妖怪馬鹿とは、まあ釣りバカ、空手バカ、古い例で は役者バカ(c藤岡弘)なんかと一緒で、要は天を仰いで「お化けが好きだぜえ」と吠えちゃうよう な人に与えられる称号です。
 バカが片仮名でないのは、たぶんほかの○○バカの人たちよりバカの度合いが深刻だからです。
 釣りバカはサカナがゲットできます。空手バカは瓦が割れます。役者バカはいろんな役ができますね。でも妖怪馬鹿は、何の役にも立ちません。
 まあ妖怪自体が世の中の役に立つものじゃないんですから、これは仕方がないわけで。そんなものを 「愛好」するとか、あまつさえ「研究」するとか、なんか違うぞ、と。
 愛好家とか研究家とか、そういう偉そうな肩書きは似合わないですし。
「だって俺たちただのバカだし なー」ということで、「妖怪馬鹿」になったわけですね。
 いまでこそ普通の名詞として通用しますが(しないよ)、ひと昔前は「なんじゃそりゃあ」な言葉でした(いまでもです)。
 で、まあ最初に堂々と「妖怪馬鹿です」と名乗ったのが、僕と、多田克己、村上健司の三人で。
 それも、ズバリ『妖怪馬鹿』という本を出しちゃったからですね。今はなき新潮Oh! 文庫から。
 で。
 時は流れ。第二弾の収録はしたものの担当アヲキ (仮名)の作業は遅々として進まず、もう出ないんじゃないかしらんと思いつつ。
 また時は流れ。
 もう忘れよう昔のことは、と思っていた矢先。
「限定でユニット復活してください!」
 という連絡が「ダ・ヴィンチ」の編集Rから。
 って会社違うじゃん。
 いや、実はこれ、畠中恵さんの『しゃばけ』(新潮社)シリーズがらみのお話。いいんです、新潮社だから。
 と、いうわけで多田京極村上の妖怪馬鹿ユニットが、何年ぶりかで限定二時間復活。

 いや、いつものんべんだらりんと会ってるメンツなわけですが、実はスリーショットってのはないんですね。
 妖怪会議に村上君は登壇しませんし、怪ラヂヲは多田さん出てません。妖怪百科には僕が参加してません。
 古典遊技研究会など、団体で会うことは多いですが、三人というのは意外にないわけです。
 三人で写真撮られたことなんかなかったんじゃないかしら。

珍しいスリーショット

 で、『しゃばけ』をサカナにお化けの話をしてまいりました。
 畠中さんも現場にいらっしゃったので、ご挨拶をさせていただきました。

畠中さんと

『ダ・ヴィンチ』(メディアファクトリー)に載ります。
 ちなみに、小見出しがなぜV3なのかは、御想像にお任せします。

◆幽霊馬鹿V3
 いや、そういう馬鹿はたぶんいないんですが(いるのかもしれませんが)。
 幽霊なんかちょっとも出ないのに「幽霊小説」と呼 ばれている僕の小説がありまして。
 中央公論新社から『嗤う伊右衛門』『覘き小平次』 の二作を出させていただいたわけですが。
 その続きが。
 三作目は新聞連載になります。
 そんなこんなで取材が。
 くわしくはまた。

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■編集者Sのウラ情報

 さて今週末から早い書店さんでは「大極宮フェア2008」が展開されます。6回目ともなると未読が無いよという方も多いでしょうが、そういう方はお友達を強制的に売場へ連行して、どれを買っても面白いからとにかく読め、と薦めてください。そうしてオビのプレゼント応募券を奪い取るのは友情にひびが入るもとですので、ほどほどに。
 今週は大夫のインタビューが毎日入っていて、他のスタッフが風邪でダウンしていたこともあって新宿、銀座と毎晩同行していました。とくに16日の新宿は直木賞選考会当日ということもあり、文藝春秋の編集者に速報をいれてくるれよう頼んでおいて夕食などとっていたのですがなんだか落ち着かない感じでした。旧知の方が受賞されたらお祝いに駆けつけようと準備はしていたのですが結果はご存知の通りで。桜庭さんはとてつもない才能をお持ちで受賞は当然なのですが、できればもう一人という思いはありました(S)。

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■まるひの秘書ヒショバナシ

◆今週の厨子王原稿メール件名
 大極宮マン
 そういえば「ヤッターマン」がまた始まったそうじゃないですか! すっかり忘れてました。観なくちゃ観なくちゃ! 月曜夜7時〜なんて、かなりビミョーな時間だけど。ええい、オフィスで観ちゃえ! 今週のビックリどっきりメカ〜〜〜!!!

 東京は雪になりそうなこの日曜。降ってるときはまだいいんですけど、一晩たって歩道が凍りつく月曜が怖いっす。ウチの界隈、誰も(もちろん私も)雪かきしないし! 積もるほど降りませんように…。

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■ノリノリ編集後記

 ブルーマンとウルトラマンを観てきました。
 ブルーマンは…なんだかわからないぶん、ものすごく期待しちゃったものだから正直がっかり。開演直後は勢いがあるがしだいにダラけた感じに。開演前のネタも少々スベリ気味だったような。ん〜ん、好みじゃなかった。
 ウルトラマンは…イイです!なんだかわからないけど怪獣の着ぐるみがあるだけで嬉しい。個人的には『帰ってきた〜』からの世代なので『ウルトラマン&セブン』の記憶はいまひとつだったのですが、このところの『怪ラヂヲ』のおかげでしょうか(笑)けっこう楽しめました。残念というか後悔したのは、約20体展示されていた怪獣の撮影はOKだったのにデジカメを持参していなかったこと。外国人観光客が嬉々として撮ってたのに…。
 映画『姑獲鳥の夏』の監督をされて惜しくも一昨年亡くなられた実相寺監督の才能、というか奇才ぶりも再認識。やっぱりスゴイ人ですねぇ。
 20日の日曜日まで六本木ヒルズでやってます。今週末は『ウルトラマン大博覧会』いかがですか。デジカメ持参で。
(土曜深夜は「うまなで」の方がよかったなぁ…ノリ)

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■アンケートから (兼 間違いさがしコーナー)

◆久しぶりに名ゼリフ大全を見ていたら、同じせりふが、違う回に入っていました。応募した人や、爺のコメントなどは違いましたが、思わず「えっ!いいの?」と叫んでしまいました。
 いろいろな意見があるとは思いますが、更新順も大事ですが、回数も増えましたので、一度、見直しをされてみてはいかがでしょうか。

●えーと、「名ゼリフ大全」の募集要項にも書いてありますが、すでに一度載ったセリフでも、違う方からの投稿は掲載しています。同じセリフに対していろんな感じ方や考えがあって面白い、というのが理由です。どうかご理解くださいませね。ぺこ。(まるひ)

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