週刊大極宮バックナンバー

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 最新号へ 2007.12.21

▼山椒大夫 ▼安寿 ▼厨子王
▼編集者S ▼まるひ ▼ノリノリ ▼アンケートから

■HEADLINE RUMORS 〜 風のウワサ

◆11月24日に放送された「怪」ラジオの菓子パンの回が大変好評だったようで、全国のナイススティックが売り切れ続出! という噂。

 
■燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー

◆サイン会
 東京と大阪で、新刊『魔物』(角川書店)の出版記念サイン会をやってきました。
 東京のサイン会は金曜の夕方ということで、忘年会シーズンの真っ只中。お客さんが来てくださるかどうか心配でしたが、130人以上の方がおいでくださって…感謝にたえません。
 今回は上下巻で3千円を超えてしまうため、両方にサインをするサービスをいたしました。

サインちゅう

 翌日は大阪に移動してサイン会。ここでも80人をこえるお客様に来ていただき、なごやかにすごすことができました。

 で、サイン会のあとは浜松に移動。浜松はサイン会ではなくゴルフをするため。なぜ浜松かというと…暮れのためか大阪近辺のゴルフ場で予約が取れなかったから。それに少しは暖かいのかなと思って。が、「浜名湖シーサイドC」は風がビュービュー吹き荒れて寒いところでした。

 移動した夜、浜松の街に飲みに行こうということになり、角川書店のS戸、M宅両氏と出かけてみた。ところがこれがすごい人出で、どこのお店も満席だったり予約でうまってたり…。われわれは晩飯難民となってさまよったのです。
“さかなまち通り”と“有楽街”というメインストリートは、とにかくびっくりする人の多さ。とくに有楽街は渋谷のスペイン坂のように人が歩いていた。全体に若い男性が多く、女性は少ない感じだったけど。まあ、これだけの人ならどこのお店もいっぱいになって不思議はない。
 足を棒にして歩きまわったあげく、ようやく駅に近いひなびた居酒屋に入ることができた。モツ煮やおでんなどをたのんで一杯やって…太田和彦風(居酒屋紀行)の旅情を楽しんだのであります。

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■安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー

◆お正月の前に、まずは

 メリー・クリスマス(^o^)♪

 この週末はクリスマス連休ですね。皆様、楽しくお過ごしくださいませ。

◆「怪ラヂヲ」
 2週にわたってお邪魔してきました。昔の特撮ものや怪獣映画のお話をして、楽しいひと時でございました。
 ラジヲでもご紹介いただきましたが、私はホントに特撮ものや怪獣映画が大好きなんです。ただ好きというだけで、詳しくもないし、マニアでも通でも目利きでも何でもありませんが、子供時代に感じた面白さが今でもくっきり心に残っているので、そういう話題になると喜んじゃう(^^)。たくさんのソフトや関連資料本が手に入る現在、これに関してのみは、へーきで大人買いをガシガシして、感激にひたっています。
 先日はとうとう『マタンゴ』のDVDを買ってしまいました。あまりに怖かったので、2度と観るまいと決めてたんですが、でも観たいという誘惑に負けまして。
 むか〜し観たときは小さなテレビで、音声もステレオじゃなくて、ですから、今般初めて気づきました。
 終盤、キノコ人間がわらわらと登場するシーンで、キノコ人間たちが笑いますよね。あの笑い声のなかに、

 バルタン星人そっくりの声が混じってる(*_*)

 宮部がこの世でいちばん苦手としているもののひとつが、バルタン星人。それでも、今回はあんまり取り乱さずにちゃんと聞き取ることができました。
 なぜか?
「怪ラヂヲ」の「怪獣の声の世界」で、バルタンの声に(少しだけ)慣れていたからです♪
 でも、『マタンゴ』はやっぱり強烈に怖かったです。シナリオの元になった小説も怖いですね。「闇の海の声」という短編で、こちらの方は登場人物が恋人同士の男女二人きりに限られている分、哀切きわまりないのです(涙)。

◆ゲーム女の生きる道
 とりあえずWiiの前に復帰したわたくしですが。
 依然、洋館で滅びることの繰り返し。おっかしいなぁ〜(-_-;)。「バイオハザード」本編では(オリジナルでもキューブ版でも)、あのプラント62に苦戦したことなんかなかったのに。
 そっか。あちらでは薬品で根を弱らせることができたからですかね。
 なんか、ゲームについては停滞どころか退化しちゃった宮部であります。さびし〜(T_T)

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■厨子王の逆襲 〜京極夏彦のコーナー

◎今週の怪ラヂヲ
 宮部さんスペシャルは先週で終了しまして、今週からはまたオヤジだけのむさくるしい放送です。

むさくるしい

 で。
「さあ、これからみんなで支店長を見に行こう」
「は? ど、どこの支店長ですか?」
「え? 支店長は一つしかないよ」
「一つ? ああ、自然薯?」
「イモ見に行きたくないです」
「何の話だよ」
 と、
 いうような会話はよく耳にしますね(しません)。
 まあ、この場合は「血天井」の聞き間違いなわけですが。
 今週は、そういう話をしています(↑ラジオで言わなかったネタだったりします。ほぼ実話です)。

◆その、怪ラヂヲ
 収録がありました。
 この年末の、クソ忙しい時期に、よりユルイ、より意味のないオヤジどもの無駄話。
 ああ、こんなもの放送していいのか、と思う今日この頃。
 ちなみに突然現れる「昔の人」ですが、どうやら今後は女性も登場するらしいです。
 うーん。

◆そして、匣やしき
 というのが浅草に限定一日現出。

匣やしき

 まあ、知る人ぞ知る、浅草花やしき遊園地なわけですが。
 パネル展示などが多少ありまして、先着150名様が「魍魎の匣」試写を観られるぞ企画ですね。
 で、通り掛かりに顔を出しました。出したついでに試写の前説をしました。
 美しい女優さんや凛々しい俳優さんでなくてごめんなさい。原作書いたおっさんでした。

前説ちゅう

 まあ、この浅草花やしき、嘉永6年にできた由緒正しき遊園地。
 その当時はお花畑状態だったわけですが、やがて遊具が登場、猛獣珍鳥がお目見えし、明治の頃にはアトラク付き動物園状態に。
 で、やがて鉄塔が建ち、現在の「花やしき」になったのが、昭和24年。
 で。あの、知る人ぞ知るローラーコースターが完成したのが、昭和28年なんですね。
 魍魎の匣は昭和27年の設定ですから、まさにそのあたり。
 というわけで、とりわけ手を加えずとも、まあ合っているわけですよ。
 場所柄が。
 そんなこんなで、試写が始まってから、まあそのコースターなどに乗りまして、お化け屋敷やら、秘宝の砦やら、もちろん、名物の四足歩行パンダにも乗りましたとも(裏ブログでオーツカ君が写真載せてましたが)。
 乗らいでか。

乗らいでか

 ええ、ここに来てただ帰るのじゃ筋が通りませんからね。
 まあ、スタッフの人たちは「何だろうこの人は……」的な目をしてましたけども。

何だろうこの人は……

◆つづいて、森博嗣さん
 押井守監督の「スカイ・クロラ」のアニメ公開を来年に控え、何かとお忙しい森博嗣さんがサイタマに降臨。
 鉄道記念博物館をご見学になったわけですが、通り掛かりということで拙宅にもお立ち寄りいただきました。
 メフィストで対談させていただいてから十年くらい経つわけで。
 旧交を温めさせていただきました。
 というか、ブランクはほとんど感じませんでしたが。

森博嗣さんと

 とはいえ、書斎ではなんか昔のテレビ番組の話などばかりをしていたような。いつも実のある話ができないわたし。いや、お迎えした時に書斎のモニタには「スパイ大作戦season3」がでかでかと映っていたわけで、それがイカンかったわけですね。
 で、場所を移しまして、お食事を。なんだか某社のワナにはめられて、仕事系の話もしたような気がしますが、夢だったかもしれません。
 実作者の方をお客様としてお迎えするのは、ものすごく久し振りな気がします。

◆それから、立川談春さん
 姑獲鳥の夏の朗読をしていただいた談春さんの「まっくら落語会」という催しがありまして、お誘いいただいたので伺いました。
 いや、ほんとに真っ暗にするんです。何も見えません。鼻を抓まれてもわからない、という比喩どおり。
 視覚情報が剥奪された状態でハナシを聴くというのは、まあ初体験なわけです。
 これが、思った以上に効果的。
「見えないなら録音でいいじゃん」「目を瞑ってCD聞くのと一緒じゃん」と、おっしゃるなかれ。
 ぜんぜん違います。
 この高座は、「ダイアログ・イン・ザ・ダーク2007」開催記念。
 ダイアログ・イン・ザ・ダークというのは、視覚遮蔽状態で生活行動をしてみようという参加型ワークショップ。
 闇の中でのアテンドは、目の不自由な方がしてくださるのだそうです。
 実に興味深いワークショップです。
 会場にも、もしもの時のためにスタッフがスタンバイされてました。
 そもそも、「完全な闇」自体が昨今の日常生活から追い出されていますから、「まっくら」もなかなか体験できません。
 で、どういうわけか、「ああ自分もヒトなんだなあ」と思えます、暗闇。
 噺のほうも、絶品でした。

◆でもって、ほぼ日
ほぼ日刊イトイ新聞」で、このあいだの睡眠トークの連載が開始されました。
 とはいえ、いまのところ全然スイミンの話はしてないんですが、これはですね、本題に入る前の雑談のほうがオモシロイので使いますよ、と糸井さんが決めたからなのであって。
 しかし、思い起こせば糸井さんともほぼ10年ぶりだったのですね。
 うーん。

◆で、追悼番組
 完成した模様。実相寺昭雄さんの追悼番組
 どんなふうになったのか……実はわかりません(今日試写らしいですが、いけません)。
 放送時間などの詳細は、トップにあるんじゃないでしょうか。
 実相寺ファンはもちろんですが、メトロン星人ファンも必見です。

◆で、公開
 明日からです。映画『魍魎の匣』。
 舞台挨拶に行ってきます。

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■編集者Sのウラ情報

 今年も後わずか。みなさんにとってどんな年だったのでしょうか。終わったことはさておき来年の新企画を少し。来年は安寿の作家デビュー20周年にあたります(1987年「我らが隣人の犯罪」でオール読物推理新人賞受賞。89年「パーフェクト・ブルー」で単行本デビュー)。そこで新潮社から『アーリーコレクション』と銘打って初期の作品が新装版で6冊出版されます。
 まず1月に『魔術はささやく』『我らが隣人の犯罪』の2点、以降2月『レベル7』、3月『淋しい狩人』、4月『パーフェクト・ブルー』、5月『平成お御徒日記』の予定で刊行されます。
 すべて文庫化されていて相当数の方に読んでいただいた作品です、が記念ですので装丁もそろいますからよろしければお買い求めください。「作家になることは容易いがあり続けることは難しい」、これは大夫が新人作家に日ごろいっていることで、20年間というのは大変なことだとご理解いただければ嬉しいです。という大夫も再来年でデビュー30周年になるのですが。もちろん大先輩はいらっしゃるわけで私も某氏の50周年記念パーティにでたことがあります。厨子王も含めまだ10年、20年、30年と書き続けていくのでしょうが、いつまで付き合えることやら(S)。

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■まるひの秘書ヒショバナシ

◆今週の厨子王原稿メール件名
 大極宮侍
 心眼! 八双! 黙想! 星眼! FF11のお侍様はアビリティがいっぱいあって実に楽しそうです。でも私の侍は確かレベル10ぐらい…(心眼すら使えネー)。

『アンカット特装版 魍魎の匣』、なんだかスゴイですね。先のリーディングカンパニーで大好評だった「匣の中の娘」の朗読DVDがつきますか!
 DVDは、コレ用に撮り下ろすんだそうで。うわあああ、観たい欲しい。高いけど(12,600円)、んでもって重いケド(2キロ!)。

 来週28日が年内最終更新ですか。早いなあ。ああオソロシイ。
「週刊大極宮」に加え「名ゼリフ大全」と「特別企画」もアップ予定でございます。ええ、28日じゅうに終わる気がしません。今からあやまっておきます。来週の更新はきっと遅いですゴメンナサイすみません。ぺこぺこぺこ。

 それでは皆さま、楽しいクリスマスを〜♪

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■ノリノリ編集後記

 年末のあわただしさ…イヤですねぇ。年々体力も落ちてくるので、もろもろこなすのに疲れます。クリスマスを楽しもうなんて…残念ながら別次元(苦笑)。唯一の楽しみの「有馬記念」は当日の天気があやしい。豪華メンバーだから良馬場で走らせたいなぁ。スタッフブログで予想を1年間続けた集大成なので馬券もとりたい。雨ならインティライミから狙ってみようかな…。
(映画『魍魎の匣』、明日公開です…ノリ)

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■アンケートから (兼 間違いさがしコーナー)

◆こんにちは、いつも楽しく拝見しています。
質問があるのですが、よろしいでしょうか?
書店で魍魎の匣・特装版が発売されると告知がありました。
12月7日発売となっていましたが、実際は店頭に並びませんでした。
書店の方に聞くと延期とのこと。実際に出版されるのでしょうか?

●お返事が遅くなって申し訳ございません。このご質問をいただいたとき、まだこちらにも『アンカット特装版』の情報がまったくなく、「それはいったいナンダロウ?」と、首をかしげるばかりでございました。本日の更新でようやくお知らせできてホっとしております。(まるひ)

◆花やしきならぬ匣やしきに行ってまいりました!
まさか京極先生が飛び入り出演されるとは…。いや、先月の推協イベントでも告知無しで二度目の前説に登場されておりますし、もしやとは思っておりましたが…。京極先生のサービス精神の旺盛さ、感服致しました。どうぞ宜しくお伝え下さい。

●写真を見ると、本人がいちばん楽しんでいたようですね(笑)。(まるひ)

◆ 雑誌掲載情報で『幽談』第二回『下の人』となってますが、第三回ですよ〜。初の間違い指摘でした(笑)

●初ご指摘ありがとうございます〜! コッソリ直しておきましたっ!(まるひ)

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