週刊大極宮バックナンバー

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▼山椒大夫 ▼安寿 ▼厨子王
▼編集者S ▼まるひ ▼ノリノリ ▼アンケートから

■HEADLINE RUMORS 〜 風のウワサ

◆厨子王の取材攻勢はいまだ続いているらしい…。

◆台湾での宮部の作品の翻訳出版が、ほぼコンプリートされたらしい…。

 
■燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー

◆江戸川乱歩賞&日本推理作家協会賞
 日本推理作家協会主催「第53回江戸川乱歩賞」の選考会があり、曽根圭介さんの『沈底魚』が受賞作に選ばれた。
 同じ日におこなわれた「第60回日本推理作家協会賞」は…
 長編及び連作短編集部門が桜庭一樹さんの『赤朽葉家の伝説』、評論その他の部門は小鷹信光さんの『私のハードボイルド』と巽昌章さんの『論理の蜘蛛の巣の中で』。短編部門は該当作なしとなった。
 翌日、オイラは御礼の記者会見で乱歩賞受賞者の曽根さんとお会いした。おだやかでほっそりとした男性なのだが、乱歩賞受賞までの日々を聞いてビックリ! というかじつにユニーク。
 一度始めてしまうと真面目にやってしまう自分の性格を見切っていて、大学中退後にいろいろなアルバイトをするも最後のバイト先を3年半ほど前に辞めて蓄えでもって小説家を目指したそうだ。
 毎朝4時半に起床。新聞を隅から隅まで読んで、7時半ごろアパートを出る。なぜアパートを出るかというと、大家さんに無職であるのがバレるとまずいと思ったから。図書館が開くまで喫茶店や公園で時間をつぶし、図書館では資料を読んだりパソコン室で小説を書いて夜まで過ごす。そんな生活を3年半…。
 受賞作『沈底魚』は、警視庁公安部外事2課の公安刑事を主人公にしていて、ひじょうに抑えたタッチで大人のエスピオナージ。乱歩賞にこういう作品はかつてなかったので、秋に受賞作が出版されるときがとても楽しみである。
 以前、ホームレス出身で乱歩賞をとった方がいらしたけども、なんというか…無職でいながらこんなに勤勉な人もいないわけで。おそらく今いるどの作家よりも勤勉に原稿に取り組んでこられたのではないか。真面目で努力家。居合わせたK談社の面々も、この人は伸びるのではと期待を抱いていた。

◆訃報
 1995年に『テロリストのパラソル』で江戸川乱歩賞と直木賞を受賞した藤原伊織さんが亡くなられた。2年ぐらい前から癌だというのを聞いていたけども…。病気になる前は豪快に酒を飲み、麻雀を打つ無頼派。作家としてまだまだこれからいっぱい仕事ができたはずで、円熟味を増したハードボイルド作品が書けたと思う。59歳…早すぎる死である。

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■安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー

◆ゲーム女の生きる道
 先週、「『FFVII』の『アルティマニアΩ』が面白くて読みふけっちゃって」と書きまして。
 結局、始めてしまいました、「FFVII」。
 いやぁ、懐かしいなぁ〜。1997年のゲームですよ。10年前です。

 10年前、あなたはどこで何をしていましたか?

 なんてね。わたくしですか? わたくしは今と同じ場所に住み、同じ仕事をしながら夜ごと「FFVII」に興じておりました。

 わたくしの人生に、変化ナシ(^o^)

 ま、平和で有り難いことでございます。

 今も面白いですよ、「VII」は。ポリポリの3頭身キャラ、可愛いです♪
 あと、やっぱり音楽が素晴らしいです。オープニングといい、「エアリスのテーマ」といい、フィールドのメインテーマといい、名曲揃いですよね。(現在のプレイ状態は、まだミッドガルにいるので、序盤も序盤、始まったばっかりなんですが、プレイしていると10年前を思い出して、ついついサントラCDも聴いちゃって、音楽だけは先まで進んでいるんです。ついでに言うなら、「VI」の「ティナのテーマ」も名曲!)。
 当時、ミッドガルを脱出して初めてフィールドに出たとき、緑の草原に立ち、あのメインテーマが響いてきて、急に世界が広がり、感動したものでした。あのときの、「ああ、旅が始まる」という心のときめきは、その後も他のRPGでは味わうことのなかった、あのときだけの特別な感動だったような気がします。
「アルティマニアΩ」を読むと、リメイクの話もあるそうですが、仮に現在の技術で「VII」がリメイクされても、わたしはオリジナルの「VII」を愛し続けると思います。
「ワイルドアームズ」と同じだなぁ。PS2「アルターコード:F」も良かったけど、心に残って離れないのは、PSのオリジナル版の方なんです。
 10年前は、きわめて穏当なプレイ手順を踏み、ロケット村→ウータイと進んだのですが、今回はウータイを後に回して、クラウド離脱後、シドがリーダーのときに、ウータイへ行こうと思っています。シドの親父走りが好きなもんで♪
 シドで「チョコボせんにん」に話しかけて、仙人が「はて? 何じゃったかのう」とかボケると、シド艇長は「ふかしこいてンじゃねえよ、ジジィ!」と、凄むんですよ♪ うふふ。
 私の担当編集さんで、私よりずっとゲーム歴の長い(FFシリーズは全部プレイしてる)人が、「忘らるる都」のイベントでショックのあまり、そこでプレイをやめてしまったという話も、懐かしく思い出します。結局、ホントにそのまま中断したきり、後のストーリーを知らないんですって。気持ちはわかりますよねぇ。ビックリしたもんねぇ。
「いちばんラストで、また会えるよ」って言ったんですけど、傷心は癒えなかったようでありました。
 さて、では「コルネオの館」に行くとしますか♪

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■厨子王の逆襲 〜京極夏彦のコーナー

◆DVDやら。
 堤幸彦監督の『巷説百物語・飛縁魔』のDVDが出ました (WOWOW/アスミック)。
 改めて一作目の『狐者異』と観くらべてみたわけですが、微妙なグレードアップが各所になされていて愉しかったです。
 DVDといえば、長らく「幻」的な扱いになっていた『月曜ドラマランド版・ゲゲゲの鬼太郎』も、姉妹編的OVA『ゲゲゲの鬼太郎・魔笛エロイムエッサイム』とともにリリースが決定(ともに東映)。
 劇場版アニメBOX(これも東映)、11月発売の『ゲゲゲの鬼太郎’90sBOX』(ポニーキャニオン)と合わせると、過去の鬼太郎映像はほぼコンプリートできるという寸法。
 もちろん、現在放映中の第五部アニメも大好評ですし、公開中の実写版も好成績。すごいぞ、鬼太郎。
 ちなみに泉谷しげるさんが唄う第五部の主題歌のCDも発売中。カッコいいですイズミヤ。

◆単行本やら
 先日授賞式があった「幽怪談文学賞」の長編大賞・黒史郎君の『夜は一緒に散歩しよ』と優秀賞・水沫流人さんの『七面坂心中』の二冊(ともにメディアファクトリー)が発売されました。
 キレイな本です。
 もちろん、主催者側・審査員はこの二作を怪談として世に送り出したわけです。しかし条文化された怪談の定義などあるわけもなく、また、それは誰かが決めるようなものでもないでしょう。
 怪談としてプレゼンテーションした/された、というところに意味があるのだと、ぼくは考えます。ジャンルは作品についてくるもの。まずジャンルありきで、それに嵌まった作品を生産していくというのは、本末転倒ということもできるでしょうし。
 もちろん、読み方は読者次第です。気になる方はぜひ読んでみてください。
 次に控えた『るんびにの子供』の宇佐美まことさんを加え、お三方が新しいエンタテインメント小説の担い手になってくれることを強く望むわけであります。

 また、妖怪馬鹿仲間(時に妖怪がとれた馬鹿仲間になるわけですが)のひとり、東雲騎人くんの画集『妖怪つれづれ紀行〜東海道のお化けたち』(YMブックス)も刊行されました。力作です。いちおう連載をまとめたものというかたちなんですが、どうみても書き下ろしです。オールカラーのきれいな本ですので、お化け好きな方はぜひ手にとってみてください。

 で、仲間といえば(由紀恵ではなく)、ぼくの肩書きによく使われる関東水木会という水木大先生の外郭団体(って何なんだろう)の会長である山口信二さんも、おなじYMブックスから『水木しげる貸本漫画のすべて』という本を出しちゃったわけです。これは山口会長が私家版でコツコツコツコツ作ったものをベースにした、水木貸本カタログ。ホンモノはまず手に入りませんから、水木ファンは必携ですね。

 と、いうわけで、ぼくはこれから実に八年ぶりに小説すばるの仕事をしまして(そうです、アレです。復活です。いやですねえ)、明日はある人と対談をいたします。
 誰なのかはまた来週。

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■編集者Sのウラ情報

 連休明けても、人の流れはなかなか減りません。特に国立美術館からミッドタウンへ続く星条旗通りは歩道に人が溢れてます。みんな美術館が好きなんですね。美術館がある限り人は減らないなと思う今日この頃。
 各所にある文学館もこれぐらい人気があるといいのですが。だいたい文学館の展示は地味ですからね。目玉は生原稿? 小説は原稿自体にそんなに価値があるわけでなく、その内容、本になって初めて意義が出てくるわけです。まあ生原稿が高値で取引されることもあるわけですが。そうなると展示物は本、それじゃ本屋さんです。
 美術館がまさに作品そのものを展示する場なら、文学館は人となりを展示する場のように思います。作品が書かれた過程、その心情を思い知る場。松本清張記念館、吉川英治記念館などには仕事場が再現されています。たまには文学館にもお出かけください。(299回、S)

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■まるひの秘書ヒショバナシ

◆今週の厨子王原稿メール件名(これまでの歴史は→コチラ
 沈黙の大極宮

 今週はお休みさせていただきます。「名ゼリフ大全」を久々にアップしたのでぜひご覧くださいませね。

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■ノリノリ編集後記

 テレビ番組『アド街』の「下赤塚」特集を見ました。ご近所なんですがぜんぜん知らないことだらけ。思えば引っ越してからぜんぜん地元の散策をしていませんでした。光が丘公園がかつて米軍の基地だったことも初耳。以前、座間キャンプの近くに住んでいたので…よほど米軍に縁があるのかなと思ったり。花粉もほとんど飛ばなくなって、歩くにはいい陽気なので『るるぶ』でも買って散策してみようかな。まずは…東京大仏。きっと"競馬で勝てますように"とかって御祈りしちゃうんだろうなぁ。ドリームジャンボ宝くじとサッカーくじ「ビッグ」も…。
(週末は京都で○○の下見…ノリ)

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■アンケートから (兼 間違いさがしコーナー)

◆先ほど、読後にちらりと読んだ大極宮通信で興味がわき、こちらのサイトへお邪魔させて頂きました。
普段は作家さんのトークを読んだりする機会がないので、とても新鮮に感じました。
サイトのタイトルは、名字を並べているのだとすると「オオゴクミヤ」と発音すれば良いのでしょうか。「ダイキョッキュー」などではないんですよね。
サイトの更新を今後も楽しみにしています。

●いらっしゃいませいらっしゃいませ。今後ともよろしくお願いしますネ♪ 「大極宮」は「たいきょくぐう」と決めておりますが、別に好きなように読んでくださってちーっともかわまないのです〜。(まるひ)

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下の方でコッソリ
■厨子王原稿メール件名の歴史

◆新章突入! 本当にあった"逆襲"シリーズ(仮) 第206号〜

大魔神逆襲 → ゴジラの逆襲 → メカゴジラの逆襲 → キングコングの逆襲 → 北京原人の逆襲 → スケバン刑事風間三姉妹の逆襲 → スターウォーズ帝国の逆襲 → ウルトラQ・ガラモンの逆襲 → ウルトラQ darkfantasy・ガラQの大逆襲 → 亜空間要塞の逆襲 → 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア → フランケンシュタインの逆襲 → 八岐之大蛇の逆襲 → 十津川警部の逆襲 → 虚航船団の逆襲 → 笑犬楼の逆襲 → 劇場版スタートレック2 カーンの逆襲 → 劇場版クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲 → スネークマンショー ピテカントロプスの逆襲 → 劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲 → ヴァンパイヤー戦争7 蛮族トゥトゥインガの逆襲 → バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲! → 地底人の逆襲 → ゲゲゲの鬼太郎第三部 妖怪天狐地底王国の逆襲 → ゲゲゲの鬼太郎第四部 逆襲!妖怪さら小僧 → トンデモ一行知識の逆襲 → MOTHER 2 ギーグの逆襲 → 火星人類の逆襲 → アラジン ジャファーの逆襲 → 化石人間の逆襲 → ハリセンボンの逆襲 → 殺人鬼(2) 逆襲篇 → 村上朝日堂の逆襲 → キリオン・スレイの敗北と逆襲 → 新宿少年探偵団 まぼろし曲馬団の逆襲 → 新ジェイムズ・ボンド・シリーズ スペクターの逆襲 → 二階堂警部の逆襲 → 逆襲の地平線 → 秘拳水滸伝2 凶剣軍団の逆襲 → 千里眼 メフィストの逆襲 → ナゴヤ帝国の逆襲 → 創竜伝3・逆襲の四兄弟(ドラゴン) → 社会派くんがゆく! 逆襲編 → 記号論の逆襲 → 風雲ジャズ帖の逆襲 → 蝿男の逆襲 → それいけ!アンパンマン ばいきんまんの逆襲 → 巨人獣 プルトニウム人間の逆襲 → 水曜スペシャル 川口浩探検隊 恐怖! ブラジル魔境に人食いピラニア大軍団を追え! 逆襲死闘 → 怪傑ハリマオ 第二部 ソロ河の逆襲篇 → 月光仮面 第4部 幽霊党の逆襲篇 → 逆襲大蛇丸 → デジモンアドベンチャー02 ディアボロモンの逆襲 → ドラえもん ギガゾンビの逆襲 → 十兵衛ちゃん2 シベリア柳生の逆襲 → マリンコングの大逆襲 → マシンロボ クロノスの大逆襲 → 宇宙戦艦ヤマト 暗黒星団帝国の逆襲 → 逆襲(終了)
 

◆旧シリーズ
「更新原稿」をいろいろ変えて遊んでみよう♪[第132号〜第195号]

更新太郎。 → こうしん太郎。 → 高信太郎。 → 香辛料。 → 甲府信玄公。(この133号あたりで件名を本格的なコーナーにされてしまうカワイソウな厨子王) → 子牛ん〜健康です。 → 庚申。元寇。 → 孔子に兼行。 → 乞う、青梗菜。 → 交趾(コーチン)。鬱金(ウコン)。「辛いなあ喰いもんネタ(笑)」というグチつき → 護身拳骨。 → 誤診現行犯。 → 小普請剣豪。 → 子負う繁子。 → こう、おしん激昂。 → 往診変更。 → 孝心言行。 → 恒心儼乎。 → 格子に拳固が。 → 誤診原告。 → (グレイと)交信。(UFOが)減光。説明付き。たまにはこうい(151号でこの件名の続きを皆さんから募集して大盛り上がり!) → 香辛料減量。 → 甲信越へ行こう。 → 荒神信仰。 → 降神、玄黄。 → コーリンえんぴつ。 → 非更新。 → 故・牛毛雲崗氏(享年88歳)。 → 降雨。震源。こ……うッ。 → 「コウ!」「シン? 元気?」「おう」 → 光線銃携行。 → 孝心儼乎。(孝心も儼乎も二度目の登場と、まるひにツッコマレル) →  前回のタイトルは急いでいたので一発変換だったわけです(笑)(言い訳キター!) → 工賃、下向。 → 浩二、けん、コウ(芸能人シリーズスタート?) → 工事・拳・豪 → 放心、テンコー → ちょうちんあんこう → 甲信越先行 → 古神に献香 → 降雨シーン、現場はこう…… → 懇親励行 → 殺しで連行 → 抗菌テント → GO! 真剣、GO!!(横文字初登場) → こう、芯がゲル状。 → こ、悪心、下戸。う。 → 麹、発酵。 → ここ押し。ん? 弦を、こう…… → 古址近郊 → 光子力ビーム!! → 等身大線香 → 拘禁連行 → 狂信勤行 → 高知、雲仙、甲府 → もう死んでんだろう? → 乞う。真剣若人 → 発疹侵攻 → 病身不健康 → ここ、よし、ビンゴ!(終了)

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