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 第117号へ 第118号 2003.8.22 第119号へ 
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▼山椒大夫 ▼安寿 ▼厨子王

▼編集者S ▼まるひ ▼ノリノリ ▼アンケートから

■HEADLINE RUMORS 〜 風のウワサ


◆11月の第二回朗読会に向け、準備が着々と進行中・・・か?

 
■燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー

◆夏休み
夏の勝浦で民宿のオヤジになって以来、史上最悪の夏休みだった。
海に行けたのはたった一日だけ。あとは曇の日にゴルフ、雨の日に麻雀。まあ我々は天気が悪いとやることがないで済むけど、業者の人には悲惨な夏。海の家なんか商売あがったりだろうし。
やっぱり夏は夏らしくないと…。

◆プレミア試写会
勝浦から帰ってきた翌日、映画『天使の牙』のプレミア試写会があって、舞台挨拶をした。予定していた以上に大勢の人が来たみたいで、こちらから声をかけたのに席がなくて帰られた招待客もいて申し訳なかった。
このところテレビでもスポットCMが流れるようになって、急速に『天使の牙』の認知度が上がっているというプロデューサーの話。
来週の更新時には最初の週末の興行成績が出ている。果たして…。

◆プレイガール
往年のテレビドラマ『プレイガール』のDVDボックスが届いた。
付属の解説に短いエッセイを書いて、そのギャラ代わりにいただいたもの。懐かしい青春のひとコマを思い出しながら観るとしよう。

◆劇団☆新感線
新橋演舞場で劇団☆新感線の『阿修羅城の瞳』を観てきた。
前回のキャストとは主役の市川染五郎以外はすっかり替わり、ヒロインも富田靖子から天海祐希に。その天海祐希は背が高いから立ち回りがすごく映えていた。一方で、富田靖子の方は生々しいというか人間臭いのが良かったので…どちらも一長一短といったところか。
あと、良かったのは橋本じゅん。ご存知"轟天"のテーマ曲がかかってのアクションシーンはウケまくり。でもどりの高田聖子ともども拍手は主役以外では一番多かった。
市川染五郎は色っぽく、目線とか仕草がピシ!ピシ!ときまる。
夏木マリもじつに楽しんでやってる感じで、ノッてる印象があった。
3階の後方の席で、ひたすらオペラグラスで観ていても楽しめる劇団☆新感線…帰りにDVDをしっかり大人買いしてしまったよ。

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■安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー

◆鳴き声の怪
 出ましたね。お化けじゃないよ。『陰摩羅鬼の瑕』。皆さん楽しんでますか? あの夏を思い出すよねえ。
 さて作中に、新しい妖怪関係者がまた一人登場しましたね。
芝君と呼ばれる学生さん。彼と京極堂さん(と傍聴人の伊庭刑事)がウブメ談義をするところで、鳴き声の怪についていろいろと語られますね。姿が見えずに鳴き声だけ聞こえるとビックリするし、怖い。
 最近、宮部はそれを実体験いたしました。
 わたしの住んでるマンションは大所帯で、広い中庭があります。
木立に囲まれた池なんかもあったりして、四季折々に風情が違い、なかなか気分の良いものなんですよ。
 その池から、この夏、不審な鳴き声がする。
 夜になると、「モウ、モウ」と鳴くのだな。
 これがえらくよく響く。こう、地の底から聞こえるような(それは大げさ)。
 最初は、池の水を循環させるモーターの音かなと思ったですよ。
モーターの調子が悪くて、雑音が出てるのかなと。
 でもね、よく耳を澄まして聞いてみると、どうも機械音じゃないのだな。生っぽい。音声なんだな。
 ちなみに、この庭に牛はいません。
 宮部はあっちこっちでこの話を持ち出し、何人かの意見を聞いてみました。
 皆さん、「ウシガエルじゃない?」とおっしゃる。「でっかいカエルで、牛みたいな声を出して鳴くんだよ」
 なるほど。この池には鯉やザリガニもいるし、アマガエルも住み着いているのです(池の縁に、きれいな緑色のおはじき玉が落ちていると思ってよくよく見ると、アマガエルちゃんだったりする)。だから、他の種類のカエルだっていてもおかしくはない。
 雨が降ると(またこの夏は雨が多いでしょう)、いっそう声を張り上げて鳴くところもそれらしい。実際、朝方この鳴き声がうるさくて目が覚めちゃうこともあるのです。
 いや、あったのです。というのは、この2、3日は聞えないのね。わたしの知らないうちに、ウシガエル捕獲大作戦が決行されたのかしら。

◆ゲーム女の生きる道
 ヘクトル編を驀進中。間もなくエンディングであります。
『ファイアーエムブレム』というゲームは、人生を喰いますな。
キャラが死ぬときはあっさり死ぬし、リザレクションがないので、詰め将棋のような戦略性を要求されるオウガ・シリーズとは別の意味で根性が要ります。ひとつのマップを何度やり直したことやら。
 斯様に、わたくしは戦死者を出さないことを矜持としているのでありますが、しかしな、役立たずの天馬騎士三姉妹だけは別だな。何でこんなに使えないんだ? 大詰めになってドラゴンマスターのヴァイダが仲間になるまでの辛抱だと、四苦八苦しながら買い物と運搬のためだけに彼女たちを使っていましたが、あまりにも敵の攻撃によくあたり(HITが25パーセントでもあたっちゃうのよ! しかもクリティカルをくらうのよ!)、自分の攻撃はスカるので(HITが87パーセントでも2回攻撃を2回ともスカるのよ!)、頭にきて見捨ててしまいました。ちょっとはモルーバ4姉妹を見習えっていうのよ。
あっちは魔法使いだけどさ。召喚魔法を持たせるとスゴイし、魔防も高いぞ。
 ソシアルナイトやパラディン、遊牧民のラスがいれば、機動力に不足はないのよね。海や水路はホークアイに歩いて渡らせてます。あ、ですからヒースも育てていません。
登場時のレベルがもうちょっと高ければねえ。
 飛行ユニットをバシバシ活躍させているプレイヤーの方を尊敬いたします。宮部はもう投げました。ペガサスナイトなんて要らんぞ!
 ところでカプコンさんから、『鬼武者タクティクス』というゲームを頂戴しました。いつもありがとうございます。でも、鬼武者のタクティクス? タクティクスオニムシャ?
 クラスチェンジするんですかね? 着ぐるみかぶるとか? 
もしかして愉快なゲームですか? いや本当に。
 面白そうだなと思いつつ、面白がっております。鬼武者もすなるタクティクス、次はディノクライシスもタクティクス? あ、それも面白そうだよ。

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■さまよう厨子王 〜 京極夏彦のコーナー

テレビ。
の取材は大変ですねえ。
結局五分くらいなんだろうけど、五時間くらい撮ってたからなあ。
熱心というか何というか。
でも、その大量のソースからチョイスしたのが……。
あの部分なんだ(笑)。
テレビ的にはそうなんでしょうなあ。
はあ。

◆岩手。
に行ってまいりました。
雫石方面。それから中尊寺と猊鼻渓なんぞも。
生憎の天気でしたが、良いところでございますね。
東北の緑は深くていいですね。前沢牛おいしかったですし。

◆書き下ろし。
が終わると、がくんと体重が減ります。
10キロも減りました。病気の如し。
いや、書いてると肥えるんですね、山椒大夫と私。
『大極宮2』のツッコミ座談会でも話題になりましたが。
宣伝しろよと編集子Sさんが口に出さずにいうので、宣伝でした。

◆対談。
をさせていただきました。
お相手は『昭和史 七つの謎』の作者、ノンフィクションライターの保坂正康さん。
大変楽しい対談でした。特に後半はドライブ感あり(たぶんカットされますが、そこは)。
来月の「IN★POCKET」に掲載されます。

◆東アジア恠異学会。
主宰の西山克先生が、『文庫版・塗仏の宴 宴の支度』に解説を寄せてくださいました。
この場を借りてお礼を申し上げます。
秋には臨川書店より東アジア恠異学会編の『怪異学の技法』が発売されます。
私も書かせていただきました。刺激的な論文集になりそうですので、大変楽しみです。

◆で。
これから岡山や高知の方に参ります。はい。
まるひさんの体調不良がちょっと心配です。
むちゃくちゃな天候なのでみなさんも身体に気をつけてくださいね。

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■編集者Sのウラ情報

 ようやく本当の梅雨明けですか。実に散々な夏休みではありました。明日は「天使の牙」の初日、25日は「大極宮2」、厨子王「続巷説百物語」の発売とイベント(?)が目白押しです。
で、「大極宮2」ですが、目玉は安寿が出張までしてしまった、あの「幻想水滸伝III」の先行体験記完全収録です。掲載時はゲームに興味がないからとは読んでいない方も多いと思います。が、そういう方もぜひぜひ読んでください。単なるゲームプレイ記にとどまらず、見事な安寿ワールドが展開しています。ただあまりに長いので「1」では49週分収録しましたが今回は27週分しか収録できませんでした。それでも充分楽しんでいただけると自負しております。よろしくお願いします。
(そういうわけでなるべく早く「3」を出せるように角川書店と交渉中の、S)

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■まるひの秘書ヒショバナシ

夏風邪が治ったと思ったら、今度は世界がグルグル回り始めました。
メマイってやつですなー。
特に就寝時と起床時・・・体を横にしたり、横になっていたのを起こしたりするときがひどくてですねえ・・・。うう、寝るのが怖い起きるのが怖い外に出るのが怖い階段が怖い屈んでモノを拾うのが怖い、ってな非常に情けないコワイコワイ状態になってしまいまして・・・。
うぬぬぬ、まさかメニエール? いやいや頭痛も併発してるから、ひょっとして脳の血管がどっか切れた? などとさすがに不安になりまして、ヨロヨロと耳鼻科に行った私。
「センセー、メマイが、メマイがーーー」
フムフムと症状を聞いていた医師は、こともなげに言いました。
「ぜーんぜん心配要りませんよー。薬もなんにもナシでちゃんと治りますからねー」
診察台の上部から頭がはみだすような位置に寝かされて、
「はーい、頭をぐっと下げてー、体はこっち向けてー、膝を抱えてー、顔をこっち向けてー、今度はここ見てー」
わけのわからないまんま、不思議な姿勢をとらされ続けること5分弱?
あーらビックリ、あんなにひどかったメマイがずいぶんと軽減されたではないですか。
「うわー、手品みたいっすね、センセー」(マジで感動している私)
「でしょでしょ」(ちょっと得意そうな医師)
耳の奥の三半規管というところに小さなゴミが入り込んだせいで、メマイが起こっていたんだそうです。診察台での不思議姿勢は、そのゴミを追い出すためなんですって。
ゴミは無事に出て行ってくれたみたいで、まだ多少フワフワしてますが、グルングルンのメマイはしなくなりました。(回らない世界って素敵♪)

というようなことがありまして、厨子王をはじめ、山椒大夫や安寿、オフィスのスタッフたちに心配&メーワクをかけてしまったわけです。
どうもすみませんでした。ぺこぺこ。

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■ノリノリ編集後記

大沢さんもふれてますがひどい夏休みでした(たった3日だったのに!)。僕は結局、勝浦では釣りもゴルフもせず、別荘で「馬三郎」をひろげての競馬三昧。土曜なんて朝9:55札幌1レースから夕方16:20小倉12レースまで、I−PATで全開催36レースの馬券を購入。
奇跡的にプラス収支でしたが、馬鹿げた事をして過ごしました。これじゃ〜あんまり。
でっ、来週末は谷川岳、再来週はヨロン島に行くことに。
頼むから晴れて…。
(『天使の牙』プレミア試写会で、東芝ラグビー部ヘッドコーチ薫田さんにお会いできて感激!…ノリ)

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■アンケートから はスタッフのコメントです)

特別企画

◆京極夏彦ロングインタビュー《レンガ本の秘密》が面白かったです☆

◆特別企画楽しかったです。
今、陰摩羅鬼も読んで、姑獲鳥のハードを読んでいます。
折角買ったので豆本を早く入手したいのですが帯を切るのが勿体無くてまだ送ってません。(笑)
次の週刊大極宮も楽しみにしてますv

◆特別企画をありがたく読ませて頂きました。京極先生のロングインタビューは目が疲れるほど真剣に文字を追いましたよ!

◆特別企画の京極さんのインタビューを拝見しました。
とても興味深く、作品への好意も増しました。
『陰摩羅鬼の瑕』は、近所の本屋さんに入っていなくて、
まだ購入すら出来ていませんが、もう一度『姑獲鳥の夏』から読んでみようと思いました。

久々の「特別企画」が好評で嬉しいでっす〜♪ まだご覧になってない方は、下のリンクからぜひどうぞ〜。(まるひ)

※京極の6年前のインタビューを再録 → 特別企画

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