第2回 (2006/7/11)
榎木津礼二郎特集
「可愛いじゃないか。おお愛い。天骨の匂いを嗅いであげよう」
『鳴釜』(百器徒然袋—雨) 京極夏彦
講談社ノベルス … P73
 当時、産まれたばかりの姪っ子の、愛らしいおつむりの匂いを嗅ぎまくっては、鼻息の蒸気と鼻の皮脂で、髪の毛をぺとぺとにしてしまい、家人に面白がられていた私が、この台詞を拝した時の喜びといったら!!雷に撃たれたが如き。
 私だけじゃない!!
 榎木津様と一緒ではありませんか〜!!
 「姑獲鳥の夏」以来の榎木津様親派の私ですが、この台詞で、一生このひとについてゆこうと決めました(笑)。
 そして今は、二月に産まれた愛息子を抱きしめては、毎日言いきかせております。
『可愛いじゃないか。おお愛い。天骨の匂いを嗅いであげよう』
玻璃澄陽 34歳 女性 神奈川県
 榎木津さんは自分や他人に関係なく視えてしまう人だから、穢れない命をイトオシイと思うんでしょうか。ちょっと赤ちゃんがうらやましい。
 赤ちゃんの天骨のにおいって(とてもよくわかるんですが、なんで天骨??)…・甘いような、汗のような、あったかいような、天花粉のような・・・いい匂いなんですよね。
はち 40歳 女性 群馬県
「なあに」
『鳴釜』(百器徒然袋—雨) 京極夏彦
講談社ノベルス … P115
 茶を吹きました。
 神の暴言には良くある現象ですが、吹きました。ただし、本を汚さないように吹きました。
 数々の迷言暴言の中で一番ガツンと来ました。
 その後の「山嵐」でも迷言がありましたが、やはりコレ!
 ビバ!京極先生!!
たま 37歳 女性 東京都
 優秀だな——と木場は云った。
 ほぼ同時に榎木津が、無能だな——と云った。
『瓶長』(百器徒然袋—雨) 京極夏彦
講談社文庫 … P407
 この二人の相性の良さが透けている名ゼリフだと思います。なんのかんの言いながら、よく薔薇十字探偵社で呑んでるし。そのつど、和寅と益カマが、被害を受けるんでしょうけど。
織草 茜 21歳 女性 愛知県
 そこで益田は立ち上がり、鞭を振るって榎木津の物真似をした。
「おお何という間抜けなケモノ! ヤマアラシと云うのはトゲがあるんだな! トゲが尖っていてすごく見たいじゃないかッ—と、まあこんな具合で」
 関口は溜め息を吐いた。
「馬鹿だな」
「馬鹿です」
『山颪』(百器徒然袋—雨) 京極夏彦
講談社ノベルス … P392
 愛しい榎木津礼二郎さまの、愛しすぎる科白の中でも、とびきり間抜けな「すごく見たいじゃないかッ」と、下僕中の下僕、関口くんと益田くんの「馬鹿だな」「馬鹿です」を選びました。
 物真似している益田くんの様子だけでなく、子どものように喜びつつこの科白をはいている礼二郎さまの様子まで容易に想像できます。かわいい。
 そして下僕たち。いつものように言いたい放題ですが、結局いつものようにその「馬鹿」に振り回されるのよね〜。かわいい。
「馬鹿だな」「馬鹿です」は、同じく京極ファンの友人との間でしばらく流行りました。ですが、残念ながら礼二郎さまの「おお何という〜見たいじゃないかッ」という科白を使用する機会にはまだ恵まれておりません。これからも…ないだろうな。
み〜にゃ 34歳 女性 福岡県
「お前は見どころがあるぞトド松。それに比べてお前達はオロカここに極まれりだ。お前達の入った風呂はオロカエキスが出汁で出てるから入れないな。わははははは。僕は大変いいモノを視ているんだぞ! これを仕切らずにどうすると云うのだ!」
『山颪』(百器徒然袋—雨) 京極夏彦
講談社ノベルス … P439
 榎木津の暴言名言にはいつも笑わせていただいております。
 好きな榎さんの名言の中の一つですが、「オロカエキス」って何でしょうかね(笑)
 トド松とは河原崎の事ですけど、この人も榎さんを「神」と断言するほどの崇拝ぶりですからね。
 まぁ、神といえば神なんですけどね(苦笑)
七樹 24歳 女性 埼玉県
「食と申しますのは凡ての基本でございます。今日のこの時、一期一会の」
「お腹が空いた」
「い、一期一会の」
「お腹ぺこぺこのぺこちゃんだ!」
——何だそりゃあ。
『山颪』(百器徒然袋—雨) 京極夏彦
講談社文庫 … P697
 セリフというより、この一連の流れが面白くて大好きです! 30すぎのおじさん(笑)のおちゃめな一面と言うか、榎木津さんらしくて思わず笑みがこみあげてきました。毎度榎木津さんの言動には驚かされますが全作品の中でびっくりというか爆笑したのはこの作品のこの流れです。本島さんの胸中のツッコミ通り「何だそりゃあ」です、本当(笑)
 ちなみに、この後の暴君っぷりも毎度のごとく素敵でした!
一歌 15歳 女性 茨城県
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