第2回 (2006/7/11)
榎木津礼二郎特集
 レイジロウはひと言、王様になる、と云った。
『狂骨の夢』 京極夏彦
講談社ノベルス … P89
 可愛すぎる!!
 これは、何か知らんが、とてつもなく印象に残ってる一言です。まあ、『姑獲鳥』『魍魎』と読んできていたので榎さんのキャラは大まか掴めていたから尚更!!ってのもあったんでしょうかねえ。いやぁ、こんな台詞普通の人が言ったら「?!え、何?」ってなるのに、榎さんだとすんなり受け入れられてしまう所の、すごさ??オーラ??この一言で私は更に榎さんに惚れちゃいました。
ちぇしゃ 23歳 女性 大阪府
「さあ迷える牧師を羊の方が救いに来たぞ!」
『狂骨の夢』 京極夏彦
講談社ノベルス … P425
 いよッ、榎木津! と思わず叫んだ私に、家族は哀れみの視線を向けていました(爆) だってカッコイイんだもん、榎さんが。
 榎木津の台詞でお気に入りなのは数知れませんが、彼の洒脱さと聡明さと、その両方を凝縮させた名言として押します。まあそういう理屈抜きでも大好きなんですけどね。
鏡月翁 18歳 男性 京都府
「〜礼二郎君! 君に解るか? 心の底に暗黒を発見して、それを見つめなければならない者の気持ちが!」
「解らないよ」
 榎木津はそう云ってから威張った。
「そんなもの解る訳ないさ。救われないのは、救われたくないからに決まっている。だって、信じるものは救われると云うじゃないか」
『狂骨の夢』 京極夏彦
講談社ノベルス … P427
 乱暴きわまりない榎木津理論。
 彼の単純明快で強引な理論が、人を救えるのは神だけだという男の言葉をすっぱりと切って落とします。
 榎木津のセリフはいつも、すこーんと突き抜けていてすがすがしい。人の悩みを鼻息でふっとばすような榎木津の豪快さが魅力です。
レイ 22歳 女性 千葉県
「いい加減にしろ。さっきから聞いていればうじうじと!住む世界が違うっていったってここは地球で、しかも日本じゃないか。馬鹿なことをいうな」
『狂骨の夢』 京極夏彦
講談社ノベルス … P428
 この辺りから「僕も神だ」に至るまでのシーンが大好きです。初めてこの本に出会ったのがかなりうじうじ暗い時期だったので、ずーっと降旗だの白丘だの暗いキャラクターに感情移入しつつ読んでいました。
 が、榎さんが暴れ出したとたん、光明が差したかのように場面が明るくなり、同時に憑物が落ちたように気が軽くなりました。そっかそっかー、自分が救われないのは、救われたくないからだったのかと。単純ですが。
 榎さんのセリフはむちゃくちゃのようで真理をついているし、鬱々した人たちのセリフは真理をついているようでむちゃくちゃだし、どのキャラクターのモノローグを見ても説得力がありすぎるしで、読んでいる間中、いろんな人の頭の中を右往左往している気分です。
りょく 22歳 女性 東京都
「〜心の暗闇だか何だか知らないが、心に光度や照度があるか。明るい暗いで善し悪しが決まるのは、電灯くらいだ」
『狂骨の夢』 京極夏彦
講談社ノベルス … P428
 当たり前のことに、気づかせてくれた榎さんの台詞です。まわりの事で、グルグル考え込んで自分に嫌気が差してるときだったのですが、何だかストンと憑き物が落ちました(笑)。まぁいっか、って思えるようになった一文です。
緋麻 21歳 女性 三重県
「人は人を救えないとか嘯いてるが、僕は泥鰌だって掬えるぞ」
『狂骨の夢』 京極夏彦
講談社ノベルス … P428
 私も多分にもれず榎さんの暴れんぼうに気持ち良さを覚えています。それまでの陰鬱だったり悲惨だったりする事件も榎さんの一言でスッキリしてしまうもんです。もうこんな人ほんとに存在(い)たらいいのにとマジに思います。
 今回投稿させていただいた台詞は榎さんと「人は神にしか救えない」と思っている精神科医の会話の一部です。「人は人を救えない」とはよく言いますけど、あそうか、榎さんはこう考えるのか、と。榎さんの考え方って小説内では「常人には理解できない」とか「無茶苦茶」とか他の登場人物にこてんぱんに言われてますが、時々読んでいてこういう考え方っていいな、とか痛快で気持ち良いなあとか思うことがあります。今回のこの台詞では私は救われた気さえするんです。人を救える救えないって言う話は難しいですけれど、私だって泥鰌なら掬えますしね。(泥鰌を掬うのだって難しいといって話を折らないで下さい。笑)
 榎さんが出てくるシーンって、何故か早くページが進んじゃうんですよねぇ。これって何でなんでしょうか?
はな 18歳 女性 大阪府
Part 1 <<< Part 2 >>> Part 3
このウィンドウを閉じる