週刊大極宮バックナンバー

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 最新号へ 2007.10.12

▼山椒大夫 ▼安寿 ▼厨子王
▼編集者S ▼まるひ ▼ノリノリ ▼アンケートから

■HEADLINE RUMORS 〜 風のウワサ

◆朗読会の当日、舞台でちょっとしたサプライズ(?)があるらしい…。

 
■燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー

◆お月見コンペ
 毎年恒例、「体育の日」の連休におこなう勝浦での“お月見コンペ”に行ってまいりました。
 まず…食の話。この時季、勝浦では天然の自然薯が出回るので、いつもとろろにして食べるのが定番なのですが、今年はなぜか出回っていなかった。そこで、代わりにマツタケご飯と秋刀魚の塩焼きを作って食べることに。マツタケご飯は、朝市で売っていた見た目と食感は松茸そのものだけれども香りがまったくないという…謎のマツタケ(4本2千円)に、スーパーで売っている「マツタケご飯の素」を混ぜ合わせて炊きあげた。
 この“インチキ”マツタケご飯もなかなかのもので、秋刀魚は「今年は美味しい」といわれていたとおりの旬の美味しさ。みんな喜んで食しておりました。

 コンペの方は…土日の二日間は天気に恵まれてまずまずのスコアだったのだが、最終日の月曜は早いうちから雨が降りだし、さらに霧が追い打ちをかけて中断。
 三日目になってようやくエンジンのかかった参加メンバーもいたのだが、残念ながらその成果を最後まで披露できずにいた。その後、早めに東京にとって帰ったオイラは、ゴルフメンバーの一部と麻雀をやったのでした。
 あと…朝市で見つけたらいつも試している上海蟹の同属異種モクゾウガニ(モズクガニ)という蟹の料理。この蟹は勝浦のおとなり大原近辺で獲れるものだが、今回は20匹ほど買ってきて調理。紹興酒をふりかけて蒸し、身を酢醤油で和えて、あったかいご飯にかけて食べる。
 ここでいちばん面倒なのは、なんといっても小さなモクゾウガニの身をほぐす作業。性格の向き不向きがでる。意外だったのがK談社のN川で、日ごろ酒を飲んで暴れるのが大好きな男が、この細かな作業にやけに熱心に取り組んでいるのが驚きだった。彼も先月父親になったことで、そのあたり心境の変化があるのかしら……。

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■安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー

◆今年はまた
 光が丘「IMA」ホールにお世話になる私たちの朗読会です。
 音響が良くて居心地の良い会場なのですが(楽屋も使いやすいんです♪)、首都圏の東側から行こうとすると、ちと遠い(^^;)。申し訳ございません。宮部、下町から大江戸線でよいしょよいしょと参りますので、首都圏東方面の皆様も、どうぞよいしょよいしょとお出ましいただけますれば幸いにございます。
 今回、第一部では、昨年9月の頂上決戦再び! ということで、鮫島vs京極堂の戦いが見られます(&聴けます)よ〜♪ 第二部の演目は、大夫様が朗読会のために書いた「らんぼう」新シリーズの一篇「ぶんぶんぶん」です。何かあの……トンデモなくドライブしたお話になってますので、お楽しみいただけると思います。宮部はまたぞろ、途中で笑い出してしまいそうで不安です〜(^o^)。

◆ゲーム女の生きる道
「クライシス コア」をやっているのですが、進みが遅いので(ほらアクションだから、下手だから)、ゲーム画面中よりも先に、ガイドブックでエアリスに会ってしまいました。「VII」のときより、瓜実顔な感じでちょっと意外でした。「アドベント チルドレン」では、目元が見えませんでしたしね。
 で、進まぬゲームを尻目に、今回もまたコミックのお話。でも、これはゲームにも少し関連があるんです。
 何度かこのコーナーで白状していますが、わたくしはコミックに疎い。なので、売り場に行くと、どこに何があるかわからず、誰かに「面白いよ」と勧められた作品をとうとう見つけ出すことができずにしおしおと帰る――ということが、よくあるのです(ですから『へうげもの』の時は、時代屋さんに伺って大正解でした)。なにしろコミックは、小説よりも数倍――ではきかないほどの作品数が世に出ていますものね。
 ただ、その作品がゲーム化されたり、アニメや映画になった場合は、書店さんの売り場でもちょっと違う場所に平台展開されていたりするので、こんな私でも見つけやすくなるんです。今年春ごろには、そうやって『蟲師』に出会いまして、夢中になって読みました。
 で、先週以来。
「アニメ化」の帯のついた『結界師』に出会い、既刊17巻を読破してたいそう幸せな気持ちになっております。18巻が楽しみだなぁ〜! まっさん、大丈夫かな(-_-;)?
 ストーリーを追いかけてどんどん読むのがもちろん楽しいし、読み返して深読みするのも面白い♪ 烏森の謎はまだまだ解けなさそうですが、いいです、長く読みたいから。
 主人公を筆頭に、キャラもみんな魅力的ですが、私は時音、好きなんですよ。年上の姉さんヒロイン、ツボなんです♪ 彼女に追いつき、彼女を守ろうと頑張る良守が健気だし。
 墨村3兄弟の名前、「正守」「良守」「利守」には、「正しく守る」「良く守る」、利→利発ということで「賢く守る」の意味が込められているのかな、なんて思っています。「正しく守る」ことと「良く守る」ことは必ずしもイコールではありませんから、そこが二人の結界師としての生き方の違いにも通じてくるのかな。3兄弟を中心に考えると、このお話は、才人の兄さんと可愛い弟に挟まれたダメダメな次男の成長記でもあるんですね。
 さて、ここから先がちとゲームとの関連で。
『結界師』の作者の「田辺イエロウ」さん
 ペンネームに、「あれ?」と、ドキリとしました。
 もしかして、もう7〜8年(もっとかな)以上前になりますが、ゲームの4コマアンソロジーに作品を発表しておられた「田村きいろ」さん――ではありませんか?

 私、ファンだったんですよ♪

 コミックに疎い宮部、しかしゲームの4コマだけはずうっと読んでまして、膨大な数を所持しているのです。で、好きな作家さんも何人かいたりするんですが、アンソロジーコミックの場合は著者の経歴が紹介されることはほとんどないので、いつの間にか寄稿がなくなり、お名前を見かけなくなると、それきりで。
 おそらく活躍の場がよそに移ったのだろうな〜と想像して、「こっちではもう読めないのか……」と思うだけで終わっていたんです。
 今回は再会できたのかな?? でも名字が違うしなぁ……。イエロウさんときいろさんというだけでは、決め手にならないかぁ……。もしかしてお知り合いとか? なんて、悩んでるんですよ。
 わざわざお問い合わせするのも大げさだし、何より、違っていたらとても失礼なことになりますので……。ご存じの方がいらしたら、こっそりお教えくださいませm(_ _)m。

 ところで、キャラの人気ではやっぱり良守がNo.1なのでしょう(対抗馬は限ちゃんか)し、それは充分納得できるのですが、実は私、脇役にすっごい好きなキャラがいるんです。
 あの、「迷惑な客」。

 会羽山の烏天狗、紫堂(^o^)♪

 ついでに言うなら人間に化けたときじゃなくて、烏天狗まんまの彼。
 いいなぁ〜。あんな家臣が欲しいよう。
 また登場してくれないかしら。羽根をくれたっきりってことじゃ、ありませんよね? いずれまた、良守に力を貸してくれるんですよね? そうだといいなぁ!

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■厨子王の逆襲 〜京極夏彦のコーナー

◆告知
 毎度僕の文庫表紙を飾ってくれている荒井良さんの作品がナマで見られます。
 荒井さんのほか、36人(予定)の匠の作品が展示される、「人・形 -HITOGATA- 展」が、丸善・丸の内本店4Fギャラリーで行われることになりました。
 期日は明日10月13日(土曜日)から19日(金曜日)までの一週間。午前9時〜午後9時(最終日は午後4時閉場)。
 荒井妖怪張り子は、懐かしの「魍魎」さんと、なんと文庫表紙以外では初公開になる「陰摩羅鬼」さんのお二人。
「陰摩羅鬼」さんなんか、僕もそんなにじっくり見てないですよ、ええ。
 ご興味がおありの方は、ぜひ。

◆労働
 第17回鮎川哲也賞・第4回ミステリーズ!新人賞の授賞式がありました。
 で、出席させていただきました。
 とはいえ、ただお祝いに行ったわけではなく、いや、もちろんお祝いに行ったのですが。
 受賞された山口芳宏さん、沢村浩輔さん、おめでとうございます。
 で、裏のミッションは、例の撮影。
 乱歩賞のパーティーとはまた違う面々が集まるだろうということで。キャッチバーの呼び込みのようにキャッチです。
 時間なんかありません。撮影環境も著しく相応しくありません。それでも、キャッチですね。ご下命いかにしても果たすべし、で。
 死して屍拾う者なしです。
 で、そのままパーティーのごちそうも食べずに某所に移動。
 東雅夫さんの幻妖ブックブログですでにお読みになった方もいらっしゃるでしょうが、近在某所で東さんと菊地秀行さんのクトゥルートークショーが行われていたわけです。
 アポなし潜入し、頼み込んで菊地さんの画像をゲット。
 ご協力いただきました作家・評論家のかたがた、ありがとうございました。
 取って返してそのまま編集したので、日付が変ったあたりでおおかた出来ました。
 遠方の某ベテラン作家の方の映像なんかも、遠隔操作でゲットしましたし。
 すごく豪華なメンバーです。ま……内容はともかく(笑)。
 あー。
 裏の仕事熱心。

◆告知2
 で、朗読会も迫っているという事実。
 今年はちょっと変則なプログラムですが、一部は「二作目対決」、二部は……あのキャラが再登場。
 わかる人にはわかるでしょうが……またアレをやるのかー。なんだかなあ(笑)。
 まあ、リピーターの方も、初めての方も、笑っていただければ本望です が。
 まだ間に合うようですよ。

◆労働2
 いろいろ企画進行中。あれとかこれとか。
 それとか。
 徐々にわかることでしょう。
 教えられないんですが。
 人に言えない仕事ばっかりって……。
 表の仕事の方が裏家業みたいだなあ。

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■編集者Sのウラ情報

 いつもこの原稿は退社間際に書いております。一週間の締め、みたいなものです。ネタに困っているときは、ずるずると時間だけがたっていくという悲惨なことになります。
 ま、それはそれとして10日、11日と北海道は帯広、釧路と駆け足で回って来ました。で、機内用に羽田空港の有隣堂書店で文庫本を買いました。ご存知のとおり有隣堂は横浜を中心に展開している書店ですので――このところ都内にも積極的に出店されているようですが――買ったという記憶がありません。で、普通に「カバーかけますか」と問われ、「お願いします」。すると色を選んでくださいとのこと。10種類近くありましたので一瞬悩みました。結局無難な色にしてしまいましたが、あとでもっと派手な色でもよかったかなと思い、今度はと狙っているのですが問題は近くにないということ。たかがブックカバー、されどブックカバー。書店の気合を感じました。福岡では(確か)、地元出身のリリー・フランキーさんイラストのカバーがあるとか。手に入れましたか。
 ところで書籍にカバーをしてもらう、もらわない?(S)。

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■まるひの秘書ヒショバナシ

◆今週の厨子王原稿メール件名
 大極宮をかける少女
 なんですか、三人を踏んづけながら、もしくは蹴飛ばしながら少女が走るんですか。

 基本的には「かけてもらわない」です。と、S氏の質問に回答してみました。

 来週、作家三人がオフィスに集まって「読み合わせ」をします。朗読会本番に向けて、熱の入ったものになることでしょう。次号でその様子をお伝えする予定でっす。

 遅まきながら、最近ようやく「ニンテンドー DS-Lite」を手に入れました。一緒に購入したソフトは"辞書"のみ。まあ自宅で電子辞書代わりに使おうと思ったわけなんですが、ゲームが一本もないというのもちとサビシイ。
 そこで山椒大夫に「もうやってないDSのゲームを何か貸して!」とおねだりしてみたところ…。
 おわっ、「ゼルダの伝説 夢幻の砂時計」、「すばらしきこのせかい」、「FF リング・オブ・フェイト」、「FFXII レヴァナント・ウイング」と、四本も来ましたよ! 言ってみるもんです、ヤッター♪
 数ある手持ちソフトの中から厳選してくれた山椒大夫様(←こういうときだけ"様"をつける)に感謝感謝です。さて何から遊びましょうか。

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■ノリノリ編集後記

 ここ数年は足を運んでいないが、鈴鹿8耐をはじめ2輪レースを観に行く時期があった。興味をもったきっかけは草刈正雄主演映画『汚れた英雄』(原作:大藪春彦)。内容はもちろんだが、レースシーンでのローズマリー・バトラーの歌う主題歌と伊武雅刀の場内アナウンスによる盛りあげは観ていて興奮した。
 そのとき草刈正雄の代わりにレースシーンのスタントを担当したのが現役ライダーの平忠彦。その平の走りを観に行ったのが観戦のはじまり。ご存知“TECH21”(←知らないかな?)。あっ…ここから書いていくとものすごく長くなるので割愛します。
 その後、岡田や伊藤らが活躍したが、なんといっても魅力的だったのは“ノリック”こと阿部典史。ニックネームが同じ“ノリ”ということもあって応援していた。大人のライダーが多いなか、ノリックはやんちゃなところがあって人気者だった。ただ人気があるだけではなく、レースでの走りは一発の可能性を秘めていて実力も十分。96年の日本GP優勝は伝説だ。
 そのノリックが亡くなった。信じられない。まさか交通事故とは…。4年前にレース中の事故で亡くなった加藤大治郎とともに、2輪がいちばん面白かった時代のふたりがこんなに早く逝ってしまうとは…。ひじょうに残念。
 ご冥福を祈ります。

 で、サイン。

サイン

 10月27日の「神保町ブックフェスティバル」販売用に、3人の作家にサインをしてもらいました。
 モノは…朗読会パンフレット(vol.1〜5)。買いそびれている方はぜひいらしてください。現在、くじ引きの賞品も集めています。ご期待ください。
 今やサインの代わりとなった京極さんの“一筆書き”は、一覧にしてブログにアップしようと思っていますので、興味のある方はチェックしてみてください。
(全日本妖怪推進委員会Tシャツも販売予定…ノリ)

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■アンケートから (兼 間違いさがしコーナー)

◆ずうっと、いいなあ朗読会、、、とゆびをくわえてた北海道民のワタクシですが。今回はじめて参加できそうです。チケゲット♪ たのしみです。むふふふふ。

●おおお、北海道からですか! ありがとうございます! 作家たちも、いっそう気合いが入ることでしょう。当日は気をつけてお越し下さいませね。(まるひ)

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