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 第146号へ 第147号 2004.3.19 第148号へ 
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▼山椒大夫 ▼安寿 ▼厨子王

▼編集者S ▼まるひ ▼ノリノリ ▼アンケートから

■HEADLINE RUMORS 〜 風のウワサ


◆「大極宮3」用の座談会の日程が、ようやく決まったらしい(オフィスに作家三人揃うのは今年初)。

◆大沢オフィスの社用車(中古電動自転車)のカゴにはネコの親子が4匹住み着いているらしい(ネコぎゅうぎゅうづめ)。

 
■燃えよ山椒大夫 〜 大沢在昌のコーナー

◆サイン会
『帰ってきたアルバイト探偵』刊行記念サイン会を3会場でしてまいりました。
 初日(3/12)は三省堂書店「有楽町店」。寒い中をおもてで並んでくださった大勢のお客様に感謝。
 140人ぐらいの方にサインをし、励まし及び次作をせかせるお言葉をいただいた。
 それといつものことではあるのだが、ことのほか今回は業者サン(古い本に著者名だけのサインを求め、たぶんそれをどこかで売る人たち)が多かったような気がして担当編集者に話したら、業者サンが来るのは困りものだけど来ないのも寂しいものですよと言われ…たしかにサイン本に価値が付かない人気の凋落も寂しいよなぁと納得。



サイン会 東京

三省堂書店「有楽町店」




 翌日は名古屋、星野書店「近鉄パッセ店」。



サイン会 名古屋

星野書店「近鉄パッセ店」では、全員に
インスタントカメラで著者とのツーショット写真撮影という
独自のサービスを実施しています。




 サイン会終了後、かねてから行きたかった「江南」でラーメンを食す。本当は味噌煮込みを食べたかった同行者もいたはずだが、オイラのわがままでラーメンに決定。でもみんなスープも残さず食べて後悔はしていない様子だった。
 そしてすぐその足で、翌日の会場ジュンク堂書店「大阪本店」の大阪に移動。
 夕食は中央区日本橋の黒門市場近くにある「六覺燈(ろっかくてい)」で串揚げ。串揚げ屋はいろいろ行ったことがあるが、そこで出てくるねたは珍しいものが多く、しかも衣があっさりしていて胃にもたれず美味かった。店のオヤジさんと話をしたら、この秋に東京銀座に出店予定とのこと。「矢場とん」に続いてまたしても地方の名店が銀座出店だ。
 その後、千日前で50年の歴史があるというグランドキャバレーに総勢8人で繰り出した。そこは在籍する女性を20代はコンパニオン、30代はフロアレディー、40代から上はホステスさんと呼ぶことになっていた。ただしこの年齢は自称。どう見てもホステスさんなのにフロアレディーと言い張る人もいたりして…なんともいえないレトロな雰囲気の中でお酒を飲みました。
さらにその後ミナミに移動しましたが、詳細は省略させていただきます……。

◆一周忌
 生島治郎さんの一周忌を迎えるにあたって偲ぶ会を内々でやってきた。北方謙三氏、伊集院静氏らとともに生前親しかった編集者、内輪の人たちと食事。
 その後、24歳の時はじめて連れて行かれた銀座の文壇バー「数寄屋橋」に移動。生島さんの写真を立てて、生前、生島さんが愛飲していたチンザノのオンザロックで献杯した。
 オイラにとっては憧れの作家であり師匠でありそして父親のような存在であり…自分が作家として今あるのは本当に生島さんとの出会いがあったから。

 人間的な面もいっぱい見せてもらえたし、悲喜こもごもな経験も一緒にさせてもらい、おっかなかった思い出と笑っちゃう話とか…次から次に話題が尽きず、笑いあり、ときにしんみりとした一夜を過ごした。
 我々が生島さんのことを肴に飲んでいるのを上の方から「お前ら好き勝手なこと言いやがって!」と苦笑いしてたんじゃないかなぁ。そんな気分もした。

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■安寿のがまぐち 〜 宮部みゆきのコーナー

◆不測の事態
 生まれて初めて「ぎっくり腰」というものになりました。
 といっても、自分で歩いてお医者に行ったぐらいですから、ごくごく軽症。急に腰痛がきた、という程度のもので、一日でおさまりました。なにしろ
初体験でしたから、むしろ「びっくり腰」というべきかも。
 おかしいなぁ、毎日体操してるのに……と、ボヤいていたら、「体操していたから、この程度で済んだという考え方もあるのでは?」と言われて、なるほど納得。座業の人間にとって、腰痛は職業病ですからねえ。ここんとこ、机にかじりついてたしな。

◆ゲーム女の生きる道
 という次第でさすがにおとなしくしていたので、週末はごろりと寝転がり、もっぱらゲームボーイアドバンスSPとお付き合い(ていうかそれでもやってたんだよ、ゲーム)。「メトロイド ゼロミッション」を、ノーマルモードでクリアしました。マザーブレインを倒した後が大変なんだよなぁ――なんて、まだネタばれはいけませんので、今週は短くご報告のみ。

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■さまよう厨子王 〜 京極夏彦のコーナー

◆妖怪+戦争
 そもそも「妖怪」と「戦争」を結び付けた段階でかなりハイパーな思考実験が要求されるわけですね。「妖怪」だけでも面倒なのに(笑)。でも難しいのは承知のうえで、それを難しくなく、やさしーく面白おかしーくプレゼンテーションするのがプロ……なんでしょうけど。まあ予算や納期の問題は工夫次第で回避出来ると思われますが、お化けのツボは押し間違うとスカになっちゃうわけですね。難しいのです。エンタテインメントの場合は特に、苦労した痕跡も見せないように工夫しなきゃいかんわけです。
 嘘つくのもよし、誤魔化すのもよし、面白いからこんな変なことやっちゃえ、というのもよし。馬鹿なことを大げさに大まじめにするのも大いによし。なんでもありではあるんですが、でも「子供相手だからこんなもんでいいだろう」とか「今までこれでウケてたからこれが正しいんだよ」とか、そういう態度だけは通用しないわけです。子供を騙すのは大人を騙す1000倍難しいですからねえ……。
 ま、昔からそうやって妖怪は出来上がってきた訳ですから、こりゃ仕方ないことなんですが。水木大先生だって鳥山石燕だってそうしてきたわけですし。
 見た目はオバカでもテクは高度。いやはやお化けはつらいよ。
 荒俣先生曰く「攻撃は盆踊り、目指すは混浴、勝利をもたらすのは偶然、それが妖怪の戦い方です!」。まさにその通り! がんばらないけどポジティブで、利己的に共生する、古さをまといつつ一歩も二歩も先を行く新しさ。それが妖怪の魅力なんですね。
 とはいうものの、「所詮ヨーカイじゃないか」的な見下げた態度で接するのが世間一般のジョーシキでもありまして。いまだ日陰者ですなあ、妖怪は。

◆妖怪+怪談
 というわけで日陰者が夜中に集まって陰気な話題を陽気に語るという集まりがございました。妖怪馬鹿仲間のマジンガーZとの噂も高い(意味不明)妖怪文人・化野燐さん(白澤楼主宰)と、怪談馬鹿仲間のデビルマンとの噂も高い(形は似ていないけど)怪談蒐集家・木原浩勝さん(怪談之怪発起人)のジョイントトークショーが新宿ロフト+1で行われたわけです。まさにマジンガーZ対デビルマン。たとえが古いのはオジサンだからです(笑)。誰がとは言いませんが。
 妖怪+怪談なので「妖・怪談義」だそうで。本当は「妖2(怪)談・議」だろうというツッコミはこの際ナシ。ロフトといえば木原さんの「新耳」トークの本場。そのノウハウを生かして、夜8時から朝5時まで、サバト状態で魑魅魍魎がむんむんするという企画だそうで。そもそも二人を結び付けたキューピッドはボクだったような記憶もおぼろげながらありますし。まんざら責任がないわけでもないわけで、「来て来て」といわれれば行かざるを得ないのでした。どっちにも関わってるし、心配だし(笑)。
 で、仕事の切れ間を縫って顔を出してまいりました。マジンガーZ対デビルマンの、「対」のところがボクなわけですね。
 深夜過ぎ、丁度真ん中あたりで顔を出しました。やー、異様ですね。みんな真面目に聞いてるし。知った顔もちらほらあるし。意外なことに妖怪好きだったという女優の藤谷文子さんがいらしていて、「私も語りたいデス」と壇上に。をー、好きなんだ妖怪。何でも「ただ黙々とプラモを作るというイベント(何じゃそれは)」で、藤谷さんは二ットーの小豆洗いモデルを作ったのだそうで。うーん、世界は謎に包まれてるなあ。
 ボクは植木等のコスプレで登場して「およびでない、こらまった失礼いたしました」ハラホロヒレハレと退場しようかと思ったんですが、駄目です、といわれて(笑)、なんだかんだで朝まで一緒にお話しさせていただきました。とても楽しかったです。
 おかげで後が大変でしたが。えーん。

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■編集者Sのウラ情報

 大沢山椒大夫のサイン会に便乗して久々の大阪でした。サイン会に来てくださった皆様、ありがとうございました。
 関西出身なのに大阪は縁のないところでした。ついでにいうと名古屋は単に通過する街。いつも京都で新幹線を下車していたので新大阪は近くて遠い駅です。ですから去年阪神ファンが飛び降りた道頓堀もグリコのネオンも初体験。初めて見る道頓堀は体を壊した人はいなかったのかと心配してしまいます。
 ところで大量に同行したK談社(ナゼに伏字に……)のみなさんのチームワークのよさは。組織のK談社と自慢しておりましたがいや見事なものでした。なにが見事なのかはナイショ。ぞんぶんに楽しませていただきました。
 帰る間際に食したきつねうどんはやっぱり旨かったです。讃岐も悪くはないけどやっぱり大阪のきつねうどんは最高ですね。
(おもわずきつねうどんを買って帰りました、S)
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■まるひの秘書ヒショバナシ

◆今週の厨子王原稿メール件名
 孝心言行
 皆さん、親孝行してますかー?

 三人の全作品が出そろった「立ち読みコーナー」のページを、いいかげんきちんと整理しなければ! と思い立ったはいいけれど・・・考えていたよりも手間がかかることが判明し・・・今週の更新には間に合いませんでした。はぅぅ〜。
 そのかわり、新しいコーナーが増えるたびに行き当たりばったりで適当に作っていた各ページのロゴを、とりあえず統一してみました。全部作ってから「うーん、ナナメにする必要性はまったくないよな・・・てゆうか気持ちよくないかも・・・」とちょびっと後悔しております。ま、そのうちまた全取っ替えしますので、しばらくコレでご辛抱くださいませ。ぺこぺこ。
 安寿からのお願い「あなたのお好きな松本清張作品を教えてください」大アンケート作戦も本日より開始です。たくさんの回答をお待ちしておりまーす。ぺこぺこぺこ。

(アンケート募集期間は終了しています)

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■ノリノリ編集後記

今週は競馬の話を少し。てゆうか…"ハルウララ"すごいことになってますねえ。騎乗する武豊も呆れてますが、僕もまったく理解できません。映画にもなるとか。シービスケットとは違うんだから(苦笑)。
 注目の22日、高知競馬での本当のメインレースは「黒船賞」。武豊はこのレースでノボトゥルーに騎乗するために遠征するのです(ハルウララはついで)。
 で、僕はなにが言いたいかというと…このレースにはGI馬ウインクリューガーも出走するということ。昨年の秋、期待を裏切った愛馬の復帰戦なのです。ぜひとも勝って、中6日で連闘する予定の「高松宮記念」に弾みをつけてもらいたい! 
 その来週…「日経賞」にはウインジェネラーレも出走予定。こちらもいいレースをして天皇賞にコマを進めて欲しいところ!
 以上、愛馬自慢でした。
(馬券はすっかり獲れなくなった…ノリ)

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■アンケートから はスタッフのコメントです)

サイン会

◆行かせて頂きました。
大阪のサイン会。超カンゲキ!
「お待たせしました」との声が後ろまで聞こえてきて、この本屋さんは礼儀正しいなぁと思っていたらなんとそれは大沢先生の御声!
ビックリしました。大物がそんなこと言うなんて、ますますファンになったのは言うまでもありません。

◆本日、「帰ってきたアルバイト探偵」のサイン会へ行ってきました。予約した本を取ってくるべくカウンターへ行くときに、すでにスタンバイしている大沢在昌先生の前を通過。「生の大沢在昌だ・・」とちょっとどきどきしてしまいました。
サイン会という物にはじめて行き、流れ作業のようにサインをしていくのを想像していたら、一人一人結構人数がいるにもかかわらず、ゆっくりとサインしてくれていました。ちょっと感激。
一言二言、話すこともでき、「行ってよかった!」
「次は10年後かな」などと言わず、新作をお待ちしています。

私も東京のサイン会ぐらいは同行したかったですけど・・・オフィスで更新作業しておりました。(まるひ)

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